平蓮世 たいらはすよ
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投稿数
83
流燈りゅうとうの流れに添ひて来る秋を拒みて三度岸をつつく葉
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傘をさし行き交ふ人を見下ろせば影にし覚ゆ夏の炎帝
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いわさきの絵を観てかへれば青の顕つ光零るる群木をゆけり
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いつのまに好み変はりしネクタイの吾子のつまみし中トロ鉄火
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親ガチャと言ひしあしたと言はれし終はらぬ縁の呼子鳥鳴く
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迷信に形のなきと丙午ひとりお七の眷恋けんれん思ふ [題詠 午 今年の出生数は微減ときく]
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万緑をロープウェイにて眺むれば枯れたる杉のシミとして在る
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照明を落とせば非常口のあをぼんやり浮かびて夜のこごれり
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そらに浮く波紋となりて土星の環たれか投げたる石のありしか  [題詠 環]
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青田なる久延毘古くえびこの身にそよぎたる縞のチーフの光ほどけり
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見上げれば蛍光灯は身じろがず白夜とならむ書類の上へ
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菩提寺の境内占むるキッチンカー いちをマルシェと迎へし杜や
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梅雨の傘たためばざぶと落つる雨軒下の石しとどに濡れぬ
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祭日の提灯並ぶごとくあり千成枸杞せんなりくこに灯るらむ
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裏返せば糸のほつるる縫ひ代の紺の際だち古き上着は
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あさぼらけ鞘なる我が背見えねばや 我に刀子たうすは危ふきものを   [題詠  刀子]
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雨近しせはしくなりぬ風鈴の音も孕みし酸漿ほほづきの殻
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春駒に袖振り明かし人々の喉を潤す水舟の水
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石鹸の歌うたひつつ子と湯浴み石から生まれし泡にまみれて
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大雨に水面となりし車道ゆく靴の片方口を開けつつ
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馬鈴薯にき包丁の刃元あて病巣削ぐごと小さき芽を取る
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雌だけに赤き実ひしとむらがりて梅嫌うめもどきの冬さかりとなりぬ  [題詠 嫌]
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モンステラ破葉やればの隙に空を置きカラーチャートのごとく並べり
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れし時さかひて浮かぶシャボン玉追ふ子の指もふはりとかは
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誓ひゐし旧館の壁にアイビーはまう離さずとばかりに伸びぬ
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パンケーキ今日も作りしターナーの隙間に見ゆる穴だらけの世
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地下鉄の闇は見てをり糸切れてなほ立ち揺るる木偶でくなる我を
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落つる実を数へて歩む曇日の単行本ほど重たき脳よ
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失せぬやう付けし鈴なる定番も今では熊を避くるため付く
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好物を作れば晩の電話鳴りかひあるべくもなき湯を沸かす
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