平蓮世 たいらはすよ
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投稿数
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守られて居る心地して蚊帳の中遠き祭りの音を聴きをり
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​自卑の念呑み込みたればこつこつと咳に紛れて我が身を揺する 【題詠「卑」】
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菩提寺の門辺に咲ける彼岸花蕊(しべ)を掲げて風を読みけり
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抽斗の奥に椿の香のはつか懐紙に寝ぬる祖母の黄楊櫛(つげぐし)
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雑踏の端(は)より零るる泣き声の翳濃くなりぬ駅前広場
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尾で我の脛を弾きて行き過ぐる猫の斜影の笑ふがごとし
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一日(ひとひ)にはひとつの仕事をなせば良し無聊(ぶれう)に欠伸(あくび)のひとつでもして
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軒下にスズランテープを巻き込みし洒落た玄鳥(つばめ)の巣に雛が鳴く
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やうやくに贖(あがな)ふ味噌の瓶蓋を難なく開くる夫(つま)に嫉妬す
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にはか雨明ければ白き土用波ペットボトルを強く揺らしつ
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流燈(りゅうとう)の流れに添ひて来る秋を拒みて三度岸を啄(つつ)く葉
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傘をさし行き交ふ人を見下ろせば影にし覚ゆ夏の炎帝
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いわさきの絵を観てかへれば青の顕つ光零るる群木をゆけり
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いつのまに好み変はりしネクタイの吾子のつまみし中トロ鉄火
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親ガチャと言ひし朝(あした)と言はれし夜(よ)終はらぬ縁の呼子鳥鳴く
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迷信に形のなきと丙午ひとりお七の眷恋(けんれん)思ふ [題詠 午 今年の出生数は微減ときく]
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万緑をロープウェイにて眺むれば枯れたる杉のシミとして在る
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照明を落とせば非常口のあをぼんやり浮かびて夜のこごれり
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そらに浮く波紋となりて土星の環たれか投げたる石のありしか  [題詠 環]
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青田なる久延毘古(くえびこ)の身にそよぎたる縞のチーフの光ほどけり
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見上げれば蛍光灯は身じろがず白夜とならむ書類の上へ
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菩提寺の境内占むるキッチンカー 市(いち)をマルシェと迎へし杜や
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梅雨の傘たためばざぶと落つる雨軒下の石しとどに濡れぬ
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祭日の提灯並ぶごとくあり千成枸杞(せんなりくこ)は夜(よ)に灯るらむ
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裏返せば糸のほつるる縫ひ代の紺の際だち古き上着は
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あさぼらけ鞘なる我が背見えねばや 我に刀子(たうす)は危ふきものを   [題詠  刀子]
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雨近しせはしくなりぬ風鈴の音も孕みし酸漿(ほほづき)の殻
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春駒に袖振り明かし人々の喉を潤す水舟の水
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石鹸の歌うたひつつ子と湯浴み石から生まれし泡にまみれて
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大雨に水面となりし車道ゆく靴の片方口を開けつつ
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