木犀花冷えた月光乗せて我が鼻腔を満たす最後の夜に
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君と見る今年の花火格別でもう来年を考えている
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ただ黙し 憧れて生きむ 胸の闇に 閃光の花火 轟きて開く
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耳残る幼子たちの駆ける足 新幹線でノイキャン入れる
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生き急ぐ心に拍車をかけにけり金銀木犀今年も香る
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茜色外骨格の君を焼き外を剥き取り本質を得る
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外国の 空に輝く お星さま 時差はあっても 見るのだろうと
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鎖めく日々送りたる友の口大空そらを飛びたい夢を語れり
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ただ一つ 誇れるものが あったなら  それだけ抱え どこへも行けた
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自らを社会不適と称す美人 美人なのにね 美人だからか?
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どれほどの尻切れとんぼ重ねたら生を実感出来たのかしら
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病院でほんの一時息をつく この一杯でまた頑張れる/ご本人にもご家族にもいい事がありますように
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何度でも 異変を見つけ引き返す 出口しかない駅の 入り口
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雨の中並んでまる鳥たちは 歩き出せないウチらと同じ
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イヤホンをしていないのに独りボソボソしゃべる人薄気味悪い
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目標を達成しても幸せになれるわけない公式違う
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冷たいよ寒くないのと触れた手にぽっと微かな夢が灯った
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熊だってここまで来たいと思ってない花咲く森を枯らしたのは僕ら
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春までは親子一緒に生きてゆくランナー伸ばした苺の越冬
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夜半の雨止みて差し来る朝の陽に葉末の露のキラキラ光る
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庭園の 池の波紋は 浪漫あり 自然の織り成す 命を感じ
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家族みな悲しいけれど五十九の我が子を亡くす義母の辛さは/義兄逝去
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馬鹿みたい われを縛るは われ自身 力を抜いて 勇気を出して
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慌ただしい人々照らす朝空はあまねく伸びる宇宙の端っこ
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蚊除けつけミニトマト畑へ出かけしにざる一杯なれど耳たぶかゆし
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寝食を忘れるほどに楽しいよ AI対話でまた夜が明ける
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歌を詠む知的生命レベル100 掲示板とは段違いかな
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泥水を啜って生きた唇を優しく噛むの。さちを感じて
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あの鳥が ついばんでいた 花種が 世界平和を 咲かせますように
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吹けば知る通り過ぎてく風暦巡る季節のはじまり告げて
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