降車せしホームにて腑と見返りぬ ひむがしの十三夜の視線
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陽当たりの良き敷地には 紅白の山茶花さざんか 師走のバスの車窓
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乗り過ごし無きやう 思考す 歌詠み 集中し 眠気を払拭ふっしょく
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師走の夜空を舞台に 主演の如く 十四夜じゅうよんやの月 さやかに
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惜秋せきしゅうの暖気に馴れて所為せゐか 気温十五度にすら身震ひ
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師走五日 帰途の車窓より さやかなる満月の見ゆ 今年最後の
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ひむがしの空に オリオン座も昇り 満月と共存す 冴ゆる夜
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ゆっくりと 満月とオリオンのを通過す 夜間飛行の光
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桜桃さくらんぼの如く 数多あまた実りをる 初冬の紅き果実 ヒメリンゴ
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友誘ひ フリータイムにて熱唱 歌と笑顔の 師走の集ひ
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とまと色に染まる朝焼け半開き窓より入りぬ師走の冷気
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親友のような顔して近づきぬ カラスに諭す自分でさがせと
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二次会の解散後 駅まで友と語らふ 十六夜いざよいの冴ゆる月
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認知度のいまだに低し 乗車マナー 座れぬ ヘルプマークの姪は
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ヨーグルトのトッピングは冷凍に 手作りジャムやバナナにブドウ
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白い壁白い布団でみる夢は退院したら髪を染めよう
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病室の四角い空に三日月がやさしすぎるよ何とかしてよ
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あの窓もこっちの窓もほの明かり眠れない人この指とまれ
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めくります古いページはもうめくる黒豆ゴマメあたりめ焼いて
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「母さんがまちがってたよ、だいじょうぶ」言ってやりたい十五の君に
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ふっくらとうまく炊けたる黒豆を「これでどうだ」と夫に供える/夫の好物
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もう一度食べたいものは母さんの生姜の利いた大きなういろう
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顧みて喜び多し一年の幸かみしめつ厨片付け
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明けやらぬ厨に白き湯気のたち日の出を待ちて両手に包む
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歳毎に正月気分物足りぬ慰めておくれウルフムーンよ
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口々に父の思い出母の味家族にもどるふるさとの夜
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眠れずに記憶の海を漂ってこの人生もわるくはないと
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頑張れはもう聞きあきたはずだからいちご大福そっと手渡す
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同性愛、劣情愛憎、あと嫉妬。調べているのは、貴女の所為だ!
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七月の晴天の下で俯いた、あの日の私を慰めてみたい
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