真っ黒なタクシーの窓その中に映る私はいつもよそ者
9
長生きを 望まぬ我が 人様の 命守り して よろしきものか
9
不意に知る 隣の人の 人となり 連れたワンコが ヒントとなり
9
風待ちて雲の晴れなむのちの世はさやかに照らす月を見るらむ
9
黒豹は 静かに休む 春の中 目覚め上がるは 天の土俵に
9
鉄道の韻律わが身抜けゆきて乱るる魂は歌ひそめにき
9
たくあんを噛む音がやけに頭の中響いているよ。ラジオをつける。
9
幾年も空をうつした川面にて 恐れをそっと手放してみる
9
とりあえず大人なんだから僕たちは綺麗事くらい胸張って言え
9
あの人は言葉に詰まると目薬を点すからずっと泣いてるみたい
9
白梅が確かにそこに咲いたこと花は散っても風が知らせる
9
改ざんの 悪事をなした 大ボスを 忘れず税の 申告に行く /確定申告最終日
9
「よかったね」そう言いながら引き攣った頬がばれないように笑った
9
お金と時間を費やして手に入れる穴の空いてないドーナッツ
9
その角を曲がればたぶん消えてしまう あとは何事もなかったように
9
あかあかと照らす光を道連れにふるさとの夜をともに明かさむ
9
手作りのクッキー焼いてラッピング食べずに見ててサンプル品です
9
戦国の石高ならむ米足らず令和に知るや農のたふとさ
9
プログラム バグが見つかり 呼び出され 専務の毛根 バグを見つける
9
我々は 他国の民に 依存する わが研究者 わが大リーグ/ ○○トランプ調
9
冴ゆる空 吹雪く狭間に 冬陽射し 一歩ひとりの 影法師
9
にこにこと 微笑み絶えぬ あのひとの 悲しみ深き 顔もわが知る
9
(多分だけど)インスピレーションなき我の歌の五、六分語呂合わせなり
9
梅園の 寂しあでやか 薄れ日に ねた小鳥や 春はほのかに
9
なんとなくよからぬことを告知する看板「今夜ここを掘ります」
9
雲の上 待ちたる月蝕 赤濁り 雨打つ袋 明日はゴミの日
9
友人の春の景色を描いた絵を春画と言ってイヤな顔された
9
春の夜のかすみの空に月出でて君を思へば袖ぞ濡れける
9
半世紀 人も空き地も 変わりたり 終の住処の意味を問いたき
9
君からの 『竹踏み』するたび 運動バカの君と共にいし 日々あたたかし
9