碧色のコップの欠片よ 夜を更かし 血に染まる指じっと眺むる
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有り余る人とものとに囲繞され今日もつぶやく自然法爾と
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来なかった死と同じくし生もまた用心深く私を避けた
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離陸して 夜間飛行の 窓外に 見える灯りの いずれかに君
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ミスタッチ RTは近くて遠く けれど町会 仲良く了解
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月をみる笑顔の君が映りこむ今だけ月は僕だけの星
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(※ 恋に長し愛に短しこの距離は「中途半端」と訳してもよい)
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ただいまと同時にチョコをひとかじり褒美ではなくこれは兵糧
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大海を 渡るためにぞ 舟を編み 小さき光 すくい集めむ
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節分で巻き物代わりに牛丼を これも一種の多様性なり
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解答が済んだら丸めて食べること苦い味なら不合格です (①・それぞれ個室で・・・テスト中)
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MDの消えた世界で僕は今子供のお下がりを着て眠る
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慣れてゆく忘れてゆくよ空蝉を生きてゐるから生きてゆくから
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幻肢痛 中途半端に片付けた部屋のかつてのギターの在り処
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「ありがとう」最後の最後に零れ落つ 白寿を終えし義母の最期や
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恵方巻き 残業帰り 売り切れで ままならぬ世に 月は綺麗で
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連綿と続くや月の満ち欠けは 幾人詠みたり今宵の月を
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糖尿に怯えながらもやってもた ショートケーキ(苺の)とトリスの水割り
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川べりに 一羽の鳥が 悠々と 夕陽を浴びて 伝えし自由
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ああ今日も腕に時間を貼り付けて逃げ場のないまま針が食い込む
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亡き祖父を 愛した僕と 泣く家族 いつになっても 大好きだよ
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「どてっ」延々…ユーチューブ動画に 大爆笑  オノマトペの魅力 孫を虜にす
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昨日まで世界は色に溢れてた 今日は全部が灰色だけど
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青空と同じ色した封筒を涙堪えてポストに入れた
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気管から腹に落ちる振動があなたの音楽おとを喰らってるよう
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見返して自分に何があるのかと 「ちゃんとあるよ」と伝えていたい
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その日が来たら忘れて遺書なんて残さないから祈らないでよ
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ねぇどんな人が好きなの?白々と応える台詞「好きってなんすか」
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初雪の重さに押されて固まって一番古い地層がわたし
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人々は 答えは一つと 思わされ 違う答えを 排除して行く
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