飲み干した空き缶並べて片付けたつもりになってもう寝ようかな
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私のアイデンティティの約三割は あなたがくれた愛でできてる
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木漏れ日が銀河みたいに見えたから この河川敷は天の川ね
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星よ、見よ。蹄の痕は途切れずに、大地に夢を刻みゆくから。/ロイヤルファミリー
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わすれたい きおくをさくじょ するよりも わらいにかえて うわがきをする
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木漏れ日に輝く頬を眺めおり、今日のおやつは白パンがいい
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煮えきらぬ想いを伝える裏技はスープの冷めない星の距離から
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チョコレート クロワッサンに包まれてこの世は美味な食べ物ばかり
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トントンと 息子がドアを ノックする うるさいよ父 独り言デカい
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世界から逃げ出してしまいたい夜は 匿ってくれ よだかの星よ
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トリミング上手なあなたの日常にいないことになりますワタシ
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「痛いの痛いの飛んでゆけ」母は紙飛行機にして飛ばしてた
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足並みを揃えられなくなっちゃった私は今日もワルツを踊る
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予約制なので他をあたってください 電話のあなた医療従事者
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雪舞いし 夜半の名残りを 仕舞わしめ  春に華持て 君とまみえむ
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入口の 小さな白い 喫茶店 バナナジュースは 初恋の味
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ねこたちの あさは とってもはやくって よあけをまって まどぎわ・たいき
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おかあちゃん おこされたので ちょっとだけ カモミール飲み インスタタイム
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
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祖母の干す柿をこっそり味見せり 軒に吊るせばふるさとの色
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旧道の トンネル抜けて カーブする 右手に紅葉モミジ 燃え盛る秋
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仕事終え カフェ出る我に お疲れと 呟くマスター 感謝し会釈
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畏れつつ自然のかたちを見過ごして先回りしてまた傷つけし
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澄み渡る秋の御空へ黄金おうごんの翼ひろげる銀杏いちょうの大樹
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星形の花に紫ちりばめて木陰に光る杜鵑草ホトトギスかな
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国の府の秋の錦や大欅 幼な子見守り 七五三かな
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葉を落とし吹き荒ぶ風は北からの いよよ近付く冬の匂いの
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外来を少し外れて人誰もいない通路の行き止まり窓/病院
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遥か先 冬の出口に 春が咲き  今年の吹雪 如何に融かせむ
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