孫来るを指折りて待つ直前にインフル奪う 爺婆の糧
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街宣の車さえ見ぬ過疎の町 真冬日静かに夕映えしき
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花粉飛来 鼻腔に春を感ず人 だうか ご自愛なさりますやう
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冬祭り 叶わなかった 恋に会う 気まずいけれど まだ火照る頬
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ただいまと同時にチョコをひとかじり褒美ではなくこれは兵糧
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散歩道選挙の車手を振られゴメン隣の選挙区なんだ
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明時あかときに 雨の降りなば 帰らずと 仮の宿り寝 後朝きぬぎぬの文
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クシャクシャにしちゃった貴方 味覚紙かくしよ折りれば負けなのノット・デリシャス (②・正しく丸めてサクッと合格)
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粉雪が牡丹雪へと重くなり雪ベラで知る節分まぢか
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孫の手紙 ひらがなの文字 漢字に変わり  前進みゆく 君は中学生
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淡々としてるふりして 種を蒔く いつかあなたを助けるように
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「幸せが逃げるよ」君の口癖に 私は溜息 見せすぎたのか
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春近し ワラビぜんまい フキノトウ 土をかき分け 出ておいでー
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ここ数年 親の顔より 見た歯科医 最近看板 入らぬ視界に
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この薬 眠くなるかも 知れません 聞いた側から もう眠い俺
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ゆらゆらと 魂宿る 駅舎にて 今宵も君の 囁きを待つ
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口の中みたいに傷が治るなら痛みに囚われなかったのに
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夜の雲 雷よなれ そう思った 自分が良いと 自我自賛
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買い置きし 名作を読み 世を去りむ 母の命を 看取りし後に
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湯につかり自分の息の音を知る祈りの代わりに君のうた歌う
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あがいてるお前に啓示を授ける。客観視とは比較ではない。
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ちゃんと寝て朝に起きればいいものを 朝寝夕起き無限夜更かし
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「ひさしぶり」「元気にしてた?」「ぼちぼちね」「それはよかった」「それじゃあまたね」
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意味なんて無いかもしれないなにもかも自分のためにやったらいいよ
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ひたひたと廊下の奥のその先に 立たせちゃならぬ呼んでもならぬ
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浅草寺 知らぬ話で 花咲かせ   私はすでに 我が家恋しき
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ラーメンのストーリーズに即いいね 緩慢な死へそっと一押し
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百パーセント 身を委ねることこそ信頼 とりくりゅうが 教えてくれた
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軽すぎる 返すあなたに 低音で 「好きだよ」 言うと笑ってくれた
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隣人の 話す声ばかり 気になって 薄いのは壁か 私の器か
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