ただ在りて何事も無し花が咲いてはしおれるように
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かたくなに よるをはじいて てをのばす ぬくもりのたり よるべなき月
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ブラックの苦味覚へし冬の来る 片方だけの揃ひのカップと
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ほどなくも睡魔の襲うはずなれど夜明けといずれが先か論ずる
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ちさき手を 伸ばして池に パンの屑 群がる鯉に 孫あとずさり
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畑よりつま持ち帰る冬の菜を鍋に煮込みて一日ひとひに感謝す
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年に一度チョコを届けるそのために一度あるかのキスを待ってる
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魚屋にひと皿残る雲丹鮪 宵待ち光るの誕生日
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止めどなく 垂れては冷ゆる 鼻の奥 息するたび 冬をのみこむ
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黄バラ枯れ ドライフラワーとなりとても なほ夢を見む 梅の季節に
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朝起きて 切手散らかり 大惨事 当ニャン しらんかおしているよ
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味噌汁の汁の旨味の疲れとれ落ち着きこころさといもあるか
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無用かと 古文歴史は テスト用 かの知識こそ 生きる目的
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君が好き、そう言ってるのを 聞いたから 僕も好きになる クリープハイプ
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結香むすびきの 花ひらくころ 落ちる ほら 涙の重み しずく冠
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挟まれてる栞の数だけ 感動と興奮 少しの寂しさ
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お飾りで夢だけ肥やし生きている風は冷たく君を試して
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すずしいと思う、宇宙のくらやみの喉をとおってすぎさる風よ
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玄関ドア しまい忘れの 虫除けネット  役立たぬまま 寒空に震えてる
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甘いもの好きなヒヨドリ かれさえも 早春ならば菜花ついばむ
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うっすら雪 朝陽を待ちて 冬の庭 せし葉牡丹 暗がりのべに
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「少しでも多くの方が座れますよう…抱いてて」と鉢植えの薔薇
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可笑しきこと 傍らに分かつ 人は無く 猫に呟き ひとり苦笑す
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影のない人がくれた掛時計はひと月に十秒ずつ狂う
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おじさんのギトるLineを盗み見る 駅と駅と気と遠くなる
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菓子パンが背中をみてる夕飯のおやつにみかん2玉を買う
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忙しく食事の時間を惜しむのに手の込んだもの作りたくなる
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外人は「汁」という字が好きらしい なぜかというと神の味噌汁神のみぞ知る
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無防備に肩寄す君に心寄る熱もつこの手はスマホを握る
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冷め切ったコーンスープを吸う我を誰が待ってる誰を待ってる
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