哀しみを赦せる日々がやってきた 水を湛えたスポンジを押す
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水溜まり ネオンが映る 路地裏を キミを連れ出し 街を出た夜
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幸せな夢と悲しい現実は乖離している巻き戻せない
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毛羽立った絨毯のよう 秋の暮れ 使い古しの落葉たちが
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サブカルを 梨園に広めし 亀蔵丈 一酸化炭素シビレガス襲い 惜しむ晩秋
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実家の部屋は私のノスタルジーショップ 過去に囲まれて眠るのだ
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急行が 止まるくらいが いいんだわ 都会の余白 時空の隙間
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死んでも治らない病どうせ治らないなら死ななくてもいいでしょう?
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ゆっくりと君を想える電車今出たばっかりのプラットホーム
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君は今新しい土地目指してる またねで誤魔化し何もできない
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万雷の拍手のなかで軽く手を上げたあなたと眼と眼が合った
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人間が出来てる二人思いやりで譲り合った最後の餃子
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積雪は 十九センチ きのうまでの 浮かれ気分は 静かに埋まる
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懐かしさ 漂う喫茶 奥の席 コーヒーフロート 至福の一時
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抱っこする なんどもなんども 抱きしめる 4.3kg 生命いのちの重み
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秋晴れは 心地良きかな 陽を浴びて 力蓄え 光合成す
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デパートの物産展で初めて食べたおやきの味が忘れられない
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桃李には 人集まりて 蹊を成す  さは成れずとも 桃を手本に
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散り残る葉のある枝から散り落ちるように雀のはらりと下りる
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大量に 残されていた 文章を 読み始めたら 1日終わった
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風呂上がりよくはたき込むグレードをひとつ落とした基礎化粧品
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薄明に高く居残る歳星は 来る明星を一目見たくて
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三畳の 寝室に置く プロジェクター さらに加速す 引きこもりかな
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金正恩キムジョンウン 娘のジュエは 主愛ジュエなるか 謎の国だと 再認識す
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わすれたい そうなんかいも おもうほど きおくにふかく きざまれてゆく
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一人客人差し指を立てながら 「コーヒーひとつ、りんごパイひとつ」
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オーダーの合間に仕込まれる肴 目が合うと注文するスタイル
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月つとめ明けそうな日が雨予報明日食するか贅沢アイス/「月つとめ」とは造語で月経の隠語
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「君」の声 耳に伝うは離れた吾 喉をかき切る我儘言葉
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眩しくゆるむプージャ響く ただ口が覚えた延命十句 呟いてみる
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