空青くはなみたり三日ぶりに街が目覚めたような朝
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笑みながら刺す薔薇や知る女々しくもなれぬ女のさだめてふもの
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訪れし かの要塞ゆ 四五キロの フジャイラ港に 上がる爆煙 /3月14日イランドローン攻撃
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本気だと嘘の顔して告げる日よ 逃げ道となる四月一日
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甘きもの心欲するままに食み翌朝の面凹面鏡か
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AIへの依存を避けて距離を置く 友達ひとりなくした気分
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通知表にコメント書かず新学期裁縫セットに名前はつける
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胸の中、レースのように重なった思いがいつか真珠をつくる
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我としては月一のぜいたくとして  かつやのカツ丼梅をひとつ
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真っ黒な生に戦慄く海の色死の優しさの青に変わって
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漂白された街を駆け抜けるくろしおよ 海もみかんも見飽きただろうか
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新品の食器洗いのスポンジや新規案件早よ馴染まんか
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桜舞う ふたりっきりの東屋で河童がいそうな池を見つめる
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我が家から 歩いていける 唯一の  ご飯屋さんの 閉店を知る
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ミサイルが飛ぶ可能性ゼロでない空を姿勢よくベンチたちが見る
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いつだって そこにいるのは 私がいい 右側が良いと言う あなたの隣
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飾りなどひとつも置いてないけれど 整頓してるデザインしてる
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明け方に キミの残した オリーブを 手掴みで食べる 気づかれぬよう
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切れ目なく言葉を紡ぐすべもなくうわごとだけを並べては泣く
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吹く風の 冷ややかなるを 取り込みて 花散りしかば 春と思えず
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自治体の 長(おさ)の醜聞 亡き人も 柩の蓋を 開けて見まさむ
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ちいかわの お猪口で酒を呑みほして はちわれかわい ついもう一杯
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君に似た 後ろ姿に二度見した 今はなんにも 感じないから。
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等持院いっしょに降りた花びらは きっと宇多野からの乗車だね
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春になり世の中に色があふれてる 外を歩けばカラーセラピー
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悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
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仕事終え 千鳥ヶ淵の 桜愛で お茶を一口 幸せ感じ
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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
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思ふままソロ花見する楽しさよ日常離れて右手に酎ハイ
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母の負を父のいさおで拭ひ去り 私は独り介護あしたを編めり
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