Utakata
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風
薫
(
かお
)
る
皐月
(
さつき
)
の空に遅桜人目もあらでひとり散り失す
12
明日には もういなくなる お別れに 思い出すのは いつもの笑顔
11
月めくり世界遺産のカレンダー行きたい国が毎月変わり
12
レンギョウの明かりのともる通学路転ばぬように迷わぬように
11
葉に残る春の名残りを洗い去り五月の雨は緑を濃くす
28
初孫の 我をもっこに ひょいと載せ 野良の仕事に 連れゆきし祖父
25
幼き日の孫動画見る かたはらの眼差し見れば 子も親なりぬ
17
もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
11
花びらにほのかな霧の咲きなびく紫淡い胡蝶の蘭や
10
気がつけばもうすぐ五月 慌てつつ予定立てるもまた一人旅
8
なんとなく死にたくなった僕がただ見上げる夜に君はいるかな
8
麗らかな 陽光満ちし菜園に 春を告げたる葱坊主かな
21
間違えて間違い抜いて辿り着く住めば都で眺める虹よ
8
ベランダで 陣地争い オセロゲーム 黒のハシブト 白の干布団
8
焦げているさやを両手で引き裂くとふわふわのわた並ぶそら豆
9
黄緑の朴葉をつたう春時雨 連休なんてないほうがいい
8
病みて知る 健常なる日の
傲慢
(
ごうまん
)
を 今なら添えし心病むひと
18
連休の天気予報に雨マーク悔やまぬことを悔やむべきなり
7
婆さんはボケ、爺さんは寝たきりで介護嫌った嫁家出した
9
ひたすらに幸せだけを詰め込んだ箱庭の中微睡んでいて
7
ひたむきに生きた証が散らばった服や文具の配置に宿る
15
見終わった後の映画の半券は当時を思い返せる栞
7
リクルートスーツの彼女の哀しみが伝わらずとも沁み込んでくる
7
シャッターを開ければ燕風に乗りふわり飛び来るまた翻る
27
涙ぐむ AIの組む推しからの 正しく重い正論受けて
8
膝痛み あちらこちらに 通院す 仕方がないね 年頃だもの
18
ブックオフ買いたき本を見つけるもセールは明後日(から)嗚呼節約家
8
我ひとり温めるための紅茶淹れ ため息ついて孤独を嘆く
12
文庫本十冊売りて 原田ひ香 百円足して連れて帰りぬ
10
コツコツと シール集めて 皿もらう ヤマザキ春の パン祭りなう
6
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