猫だけが、猫だけがまだ救いだよ。奴らはぬくくて柔らかいもの
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ウサ耳をピョコピョコしてるお父さん確かにあなた面影あるわ
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幼子おさなごが  背丈に合わぬ  ほうき持つ  姿に胸打つ  レ・ミゼラブルよ
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良いことと悪いことは交互に来ない。もうちょい綺麗に結ってくれんか?
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頭では分かっていても指先に伝わっていない令和八年
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極寒に足先感覚なくなりて歩けどさながら幽霊のよう
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君のこと忘れたけれどエクレアは今もかならず下向けて食べる
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時されど 皆でミャク打つ 輪の中で いのちが踊る 輝く未来
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月日経ち 去り行く二十歳はたち 年男 三十代アラサー見えて 増えゆく腹囲
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影二つ 夕日を馴染ませ君の髪 揺れる頃には夜の街並み
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三月で期限が切れる菜園で気の早き人片付け始める/他人事
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つかのまの暖気にすべり落つる屋根の雪、ドスンとふ音に微睡まどろみやぶらる
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久々にドラクエ7を起動する 父の代わりに世界を救おう
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布団から 足を出したら 寒すぎて 入れると熱気に また身をよじる
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遠くから 近づいてくる サイレンに 近所の家かと 耳を澄ませる
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玄関を 開けるとすぐに センサー開始 今夜のおかずに 心が躍る
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ガソリンが尽きてることを知りつつアクセル踏みつけ泣き叫ぶこと
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鎮魂のラッパの音色を胸に抱き命の燈火燃やしてゆかん
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壊すなら最初にわたしを選んでね 他はぜんぶ壊しておくから
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詰め込んだ仕事に吾は惑わされチョコレートとか腹に詰め込む
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突き詰めた 先に出てくる 口癖は 『人生なんて こんなもんです』
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雪道の両側が大きく盛り上がり行き交ふ車の屋根こすれ合ふ
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他人ひとからの言葉を借りてつらつらと君の道など説けば星雲
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「月が綺麗ですね」を待つきみの横顔は月
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早朝の ダイヤの乱れに 涙する 神の朝日ダイヤの 乱れを思えば
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硬くなった切り餅火鉢に乗せ静かな夜の静かなメロディー
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友達の 先にあるのが 恋ならば 私と君は どちらになるの
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川べりを人が行くたび鴨が鳴く「気をつけろ、警戒せよ」と鴨が鳴く
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喪のはがき、賀状もやまい報じおり静かにのぞむ 十三階段
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湿疹の粒は掻いてはいけないと言い聞かせつつ掻く、日曜日
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