真冬日に降る粉雪の冷たさは誰もが知りて人影もなく
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わが町の隅の隅まで見て廻る議員候補に一票投ず
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結晶を 君が灯さむ彼の町へ ダッフルコートの肩に降り積ませ
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散らかったこの部屋見れば我が頭同じだろうと思う混沌
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ねこが呼ぶ 朝の5時から ねこが呼ぶ おみずほしいよ ながれるおみず
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私にはテレビに映る総裁がアンドロイドのようにも見える
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停車する車のナンバーゾロ目見て何か良い事あるよな予感
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気管から腹に落ちる振動があなたの音楽おとを喰らってるよう
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見返して自分に何があるのかと 「ちゃんとあるよ」と伝えていたい
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その日が来たら忘れて遺書なんて残さないから祈らないでよ
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ねぇどんな人が好きなの?白々と応える台詞「好きってなんすか」
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初雪の重さに押されて固まって一番古い地層がわたし
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人々は 答えは一つと 思わされ 違う答えを 排除して行く
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過去の日々すべてが僕のものだから腐った花でもこの手にいだ
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久々に 集うシニアの お喋り会  早速始まる 健康談義
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道路脇 すまして歩く ダックス二匹 オソロコーデの 冬枯れの朝
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雨粒が私の涙を連れて行く 世界を巡る旅の途中で
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金色の銀河が爛爛子猫の目 はじめましての小雪がほろろ
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折れ萎える毎にはっきり見えるから私の中の無碍の慈愛が
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積もる雪降り積もる後悔汽笛別れを告げ集団就職
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追いかけて つかまえんとして 逃げられて 空に召されし 君の温もり
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若くなることはできないから呪うそんな大人になりたくなかった
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青き嶺旅の車窓を過ぎて行くエンドロールは長く色濃く
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円高とニュースは告げる夕餉には安くなりたるものは並ばず
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冬の午後 移ろいゆく光 まどろむ猫は  寝場所を探し 陽だまり渡りて
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可惜夜を ともに過ごせし 君さえも 淡き記憶と なりにけるかな
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重雪よ今は兎に角降りたまへ 二人の時間をまだ留めたまへ
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忘れたい 実る自分の 番号へ ふと朧げに 君のためかな
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ホットミルクに似た声の人だった まろやかに溺れてくみたいな
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冬日向 照らす初恋 首筋や 顔も名前も忘却の彼方
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