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遠い山を見つめる人の背中と体温がうすくなりつづける
9
真っ黒なタクシーの窓その中に映る私はいつもよそ者
9
長生きを 望まぬ我が 人様の 命守り して よろしきものか
9
不意に知る 隣の人の 人となり 連れたワンコが ヒントとなり
9
風待ちて雲の晴れなむのちの世はさやかに照らす月を見るらむ
9
黒豹は 静かに休む 春の中 目覚め上がるは 天の土俵に
9
鉄道の韻律わが身抜けゆきて乱るる魂は歌ひそめにき
9
たくあんを噛む音がやけに頭の中響いているよ。ラジオをつける。
9
幾年も空をうつした川面にて 恐れをそっと手放してみる
9
とりあえず大人なんだから僕たちは綺麗事くらい胸張って言え
9
邦船を護衛するべし自衛隊 今こそ見せよ益荒男の盾
9
あの人は言葉に詰まると目薬を点すからずっと泣いてるみたい
9
藍色の 花を見つける アスファルト 割れ目に絵の具 凛と散りばめ
9
改ざんの 悪事をなした 大ボスを 忘れず税の 申告に行く /確定申告最終日
9
契約の ネトフリ解約 どれほどの 人がするやと つまらぬ心配
9
ひさかたのふるさとの地を踏みぬれば月夜をかくす雲もなきかな
9
手紙読み 散りゆく花びら かき集め 懐かしの想い はめ込んでゆく
9
生命は地球固有の現象で 指紋と等しく他にあるまじ
9
名残香
(
なごりこう
)
道
行
(
ゆ
)
く
頬
(
ほお
)
は
梅紅色
(
ばいこうしょく
)
三月
(
みつき
)
の花嫁 夢にゆれつつ
9
時経ちて
陽春
(
ようしゅん
)
謳
(
うた
)
う
最中
(
さなか
)
なり 飛び立つ
花粉
(
せい
)
が
黄金
(
こがね
)
に輝く
9
有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
9
マンションの垣根を赤く
染
(
そ
)
む新芽 ベニカナメモチの鮮やかな春
9
街びとはこんなに高い米を買う農家を離れ街の苦を知る
42
手を
翳
(
かざ
)
し 守りていたき すみれ
草
(
ぐさ
)
人知れず野に 春
告
(
つ
)
げて咲く
38
ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
30
青空へ白木蓮のつぼみ立ち再起の君へ春を祈りぬ
38
塾へ行く 道に毎日 向かい風 負けてたまるか 待ってろよ、春
27
派手やかに 咲く花よりも 紫の すみれ恋しき 春浅き野は
32
静寂
(
しじま
)
さす電球色に夢うつつ元気ぐるぐるパンツは回り
16
おぼつかぬ 老いたる母に 寄り添える それは狼 否吾であり
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