くもり空 ねこたち今朝も おべっどさん ふたりなかよく きゅっとひっつき
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愛用のぬいぐるみくわえ我探し 見つけてほっぽり 我へと一直線 /愛すべき我が猫
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その手すり まだ要らぬと 言いし夫 いまや一番の サポーターとなり
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富士の嶺にかかる浮雲かくせしを払わざらなむわれならなくに
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訃報来し 翌(あけ)の朝餉(あさけ)に ジャスミンの 匂ひは立ちぬ 泣けと如くに  /挽歌
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買い物のメモを忘れてはて?何が要るのだったか店頭に迷う
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愛憎も此処に至りて霞みけりふたりの旅はただ手を取りて
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ゆっくりと胸がつぶれる音がするさよならさよなら春が来たから
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灰色な今日をなんとか変えたくてデルフィニウムとトマトを買った
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白湯を飲みほっと息つくマグカップ雪の降らないこの街の白
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ランデブーと古い言葉がお似合いの今夜の月と木星の距離
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外套を半肩ズルリ型きわむ艶愛嬌のこつも匂わず
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絡み合う糸が解けぬ不器用を それを弱さと呼んでよいのか
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親戚と 子供の頃に よく会って あいだがあいて よく会う歳に
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一等星にはなれずとも大人びて微かに光る夜空のほくろ
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子らよ子らその温かき先生ひとの手に引かれ桜咲く道を進めよ進め
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誰にでも発達障害あるのでは お前はそうだとまず言われそう
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聞き慣れぬカタカナ食べた翌日のファミレスのパフェこころ喜ぶ
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八十で初婚の叔父に若菜摘む君がため 春の野にいでて 若菜摘む 我が衣手に雪は降りつつ 15/100 光孝天皇
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じいさまの御帰りを待つこの部屋のなんと淋しくなったものだろう
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ハイヒールそろそろ見かける季節にてミネラルウォーターエヴィアン選ぶ
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庭園の梅見上げては歩を進め池から浮かぶ緋鯉を見かけ
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鈴の鳴るドアある茶店今は無くスターバックスカップを捨てる
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白髪染め売り場の前で立ち止まる。これからもきっと、独りの暮らし。
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夕暮れに 染まるいつもの 帰り道 君の笑顔が ちょっと痛かった
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温めたココアを夜にためらえばソメイヨシノも咲き誇る頃
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新米のタップダンサー音楽はセルフサービス 不慣れな足音
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闇深き 二駅先の 最寄り駅 門をくぐれば 息絶えし町
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「なぜ行かぬ?」青待ちのその理不尽に思うことあり信号待ちで
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近所では憑き物の家と言われてますでも資産家です嫁に来なさい
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