聞き慣れた 値上げインフレ 少子化も 現時点では 序の口という
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散ることもいとはぬ花の心もて世を尽くしてむ命なりせば
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連綿の 美しき御手(おて) 目に浮かび ひた待つ恋の歌 読み返す
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ぬくむ 孫娘まご住む場所とこの 川に入り 花筏はなとザリガニと 戯る写真ライン届く
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杜若かきつばた 躑躅つつじ 蒲公英たんぽぽ 不条理の漢字あれども歌楽しけれ
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年少の見知らぬ少女がジャージはき寝床に闖入する夢を見た
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回覧板 入れるにしては 難儀する 小洒落たポストと 格闘してた
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不味そうだ カンブリア紀の 海の幸 寒鰤焼きつ 観るEテレ
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わたしからあなたの全てよ出てゆけと角質を落とすぽろぽろぽろと
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朝食のテーブルには「これ観てよ」と言わんばかりのリモコンがおり
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死を思う人よ生き死に自由なれど私はあなたの居る世界を望む
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菜の花に ひらりひらりと 戯れる モンシロチョウの 美しいこと
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飾りギター君がせがんだイエスタデイ Fに痺れたLoveの想い出
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現世で 能ある人に まことなく 足を洗えよ 分相応に
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カンガルー 厳しき自然 母子ともに 乗り切ってなお まだまだ続く
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隠蔽を見て見ぬふりの日本人 陰口コソコソ報告しようよ
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混じりなき 静寂しじまの中の 賢きに 頭を預け また身を預け
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朗読で 聴く「芥川」 最高で 人導くも 波にのまれて ……
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海峡のことをおもひてゆく呑みの罪深き足取りあたたかき夜
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嗚呼友も我も目悪く卒アルの初恋のひと見つからずゐる
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築泥(つきひじ) の 崩れを抜けて 吹く風の 地を擦るときに 君は声挙ぐ /奈良懐古
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砂論では正義説かれど疑へば斬られやうやく叫ぶ我なり
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わたくしの善悪の程如何ばかり猶予の今に考へもなく
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亡くなった母が出てきたからこれが夢だと気づき起きて少し泣く
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薄紅の花を装う夕焼けの彼方に淡いほのかな黄金こがね
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運ちゃんが消えたらもっと怖いだろ走行中に客消えるより
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石鹸の匂いに君を抱きしめる私の行方を花は知らない
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雲の無き空の寂しく里の瀬に母を思わば涙こぼれて
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自治体の 長(おさ)の醜聞 亡き人も 柩の蓋を 開けて見まさむ
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武田山古戦こせんの跡をしのぶれば澄み咲き誇る勿忘草わすれなぐさ
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