想像す雪のない地はどんなにか白一色にただただ絶望
9
何もかも失うための旅続け見てよあらかた成就されたこの身を
9
世間垢放おっておいてもつきはせぬ長い旅路を経てきたものだ
9
当確の打ち間違えをお詫びするそれを見たくて夜更かしをする
9
ありあけの月かたぶきていづれゆく道に涅槃の雪降らせつゝ
9
「キャラ重視」 「二者択一」が 通る今 日本の課題 先送りされ
9
「なぜデモにいかない?」「コスパわるいから」全共闘のうたは泡沫
9
道すがら 知らぬ子作った 雪だるま 見れば浮かばる 我が子のキラキラ
9
うまくない 血を入れ過ぎた チョコみたい 短歌のふりした プロパガンダは
9
溶け残る融雪剤を踏みしめてここから春を歩き出そうよ
9
新雪を踏みしめたくて 電車に乗る 北の地憂い 気がとがめつつ
9
白き野を染めた我らの足跡が青空の下そっと隠れり
9
密回避 マスク着用 感染防止 貼られ続けたコロナの傷跡
9
雪国の春雪原せつげんの凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
9
彼の子と思って大事にしてたのに鑑定したら夫の子だった
9
月曜に空を見ながら考えた休みくれんの時の華なり
9
ゆらゆらと湯面を揺らす時の波宅配便は置き配にして
9
融けきらぬ雪でダルマを作ったりぶつけてはしゃぐ下校の子たち
9
ただ君に好きの二文字が言えなくて塞ぐ心の隙にまた好き
9
凍りつく花に日光煌めいて 極寒ゆえの美しさ知る
9
今日もまた やさしい人の朗らかな挨拶だけで生き延びていた
9
生涯ではじめて君との約束を小指じゃなくて薬指でする
9
目覚めれば 久々の雨音 本物の春来る前に こんな朝も良し
9
「体験と経験の差は観察よ」ナイチンゲールの実地の叡智
9
予備校の壁に掛かった絵みたいにごくありふれた暇な一日
9
ねぇ君 朝からそんなに 走りまわらず  ストーブのまえ まったりしようよ (愛猫へ)
9
枯渇の木々 雨の雫染みわたり 眠りし冬芽 春へといざなう
9
日和よしやってみなはれ背にかかるやさしいはずの春の雨
9
濡れるの嫌 毛嫌いせずに 受け止めよう 恵みの雨を 落ち着く空を
9
コロコロと枝先につく蕾こそ不意に私の目を奪いけり
9