遊び猫手当たり次第転がして真面目な犬は 我に吠える
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午前二時 ラジオをゼロに合わせたらボーダーラインを踏み越えてゆけ
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啓蟄けいちつ」とふ七十二候の響きにて「帝王切開ていせつ」うかぶ元産科医の吾
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憧れて駄菓子でしてるシガーキス火のない所に煙を立てて
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いまここで 寝てはいけない 思いつつ 寝る気持ちよさ 起きてまた寝る
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私たちずっと一緒にいようね、と並んで座る女雛がふたつ
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頭突きして きた猫顔で あがり目 さがり目ぐるっと まわって猫の目
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観桜は満開の花に 花吹雪 川を流るる花筏まで
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すごい眠い。あの日のLINEを読み返す。今なら許せる。すごい眠いし。
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柑橘の皮を飲むかを躊躇せよ弁当あとに胃腸進言
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アオサギよ 引地川より 飛び立ちて 何処へ行くのか 春の光へ
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週末の通勤電車は人まばら朝七時からの二度寝が褒美
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群青と 恋明かした道に 茜さす 窓に腰掛け 微笑む眼鏡
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少しずつ 見えなくなりて 少しずつ 聞こえなくなり それでも生きる
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本物は 阻まれようと 生き残る そしてそのまた 逆も真なり
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隻眼の 妖怪の如 地下鉄は トンネル内ゆ 駅に近づく /大阪メトロ中央線堺筋本町駅
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北風と雑巾絞ってかじかんだ指先で送る励ましLINE
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燃やしたら 骨と灰しか残らぬが 仕草も会話も私でしかない
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いつまでも想ってるのはわたしだけ魔法の言葉で片づけないで
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メチャ手際  ええスタバの スタッフに 追いつかなきゃと オタってしもた
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ため息で 伝えることは できなくて 昇進しちゃった 現場を離れる
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苔の森をオレンジの幕が閉じれば街の灯りを補うような星々
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深夜の稲妻 菜を刻む刃先に落ち 雨は胸に川と流るる
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各地にて 開花予想の 来たる春 ところがこちら 雪の知らせが
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特攻の記憶を抱きて五歳の 前世をマリアに委ねて泣けり
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公園の 裸木の枝に ぎっしりと 雀おりたり 何しているの?
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街中は 昼餉ひるげ時なり 小走りに ポッケに手を入れ 三々五々
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流れてる ラジオを聴いて リズム取り 今朝もカタカタ パソコンを打つ
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外気浴自然に任せ深呼吸わたしの主治は山川海人
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窓に差す 月影ほどの 明るさの 明日を願いて 身じろぎにけり /「明」の語源
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