啓蟄けいちつ」とふ七十二候の響きにて「帝王切開ていせつ」うかぶ元産科医の吾
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憧れて駄菓子でしてるシガーキス火のない所に煙を立てて
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いまここで 寝てはいけない 思いつつ 寝る気持ちよさ 起きてまた寝る
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ボーナスは あなたの芝居 そこにつき イランアメリカ 筋書き進む
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私たちずっと一緒にいようね、と並んで座る女雛がふたつ
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頭突きして きた猫顔で あがり目 さがり目ぐるっと まわって猫の目
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忽然と 現る栄華 桐の紋 滅びし城は 蜃気楼のごと
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観桜は満開の花に 花吹雪 川を流るる花筏まで
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すごい眠い。あの日のLINEを読み返す。今なら許せる。すごい眠いし。
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叶うなら誰かの為に死にたいと不調極まり思ったは真
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アオサギよ 引地川より 飛び立ちて 何処へ行くのか 春の光へ
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群青と 恋明かした道に 茜さす 窓に腰掛け 微笑む眼鏡
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少しずつ 見えなくなりて 少しずつ 聞こえなくなり それでも生きる
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本物は 阻まれようと 生き残る そしてそのまた 逆も真なり
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北風と雑巾絞ってかじかんだ指先で送る励ましLINE
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暖かき イランより来て チョウザメの 居る海に降る 雨を寒がる /2016年10月25日カスピ海時雨
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燃やしたら 骨と灰しか残らぬが 仕草も会話も私でしかない
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まかないの湯気の立ちたる肉うどん 喉の熱さを閉じ込めている
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スカートを一回折って考える 姿見を見てやっぱりやめる
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水底の砂のお城に誘われて歩くせせらぎついてくる影
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いつまでも想ってるのはわたしだけ魔法の言葉で片づけないで
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メチャ手際  ええスタバの スタッフに 追いつかなきゃと オタってしもた
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再婚に 人並み外れ 臆病に われの心は オセロのよう
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ため息で 伝えることは できなくて 昇進しちゃった 現場を離れる
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苔の森をオレンジの幕が閉じれば街の灯りを補うような星々
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いつもなら 似合わぬだろうと 避けていた  勇気をだして 新たな私
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各地にて 開花予想の 来たる春 ところがこちら 雪の知らせが
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液晶の青き光に浮かびしは誰が指の跡ぞ名もなき塵か
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前世での 約束のため 現世へと 君を探して 約束の地へ
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偉そうにするなよ、私。毎朝のバスであの人に会うの期待してて。
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