受け取って 君に恋した僕からの 気持ちの籠った反省文
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キラキラを見てキラキラになる君を見てキラキラになれない自分
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ともる灯の明るさ増しつつ急速に雲は厚みを増す窓の外
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いつの日か「結婚しよう。」と誓い合い 薬指には紙の指輪
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昔よく遊んだあの子はかくれんぼ 隠れたままに陽炎となる
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今もなお 目の端に指す影ひとつ 呼べど応えず春の来ぬまま
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玉鬘たまかずら 揺れる少女しょうじょ花宴はなのえん 夜を照らして冴ゆる星影
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うつし世の聖誕祭に兵は今宵君だけを守らんと
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風そよぎ景色ぐるりと独り占め無量の歓喜誰も奪えぬ
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バッカスも一応酒が入ってるあと三、四日一応控える
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聞く話す笑うそれだけのこと それだけのことで繋がる日々
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完璧じゃ ないことを知る だからまた あなたのことを 好きになる
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私だけ死なぬわけには参りませんその日来るのをお待ちしてます
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かたちなど なきものながら光差す ただそれだけで よいと思えり
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宵の空 月や星が輝けど 私の心の雨は止まじて
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新聞に キミの短歌が 載っている ボクと別れた ホントの気持ち
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年の瀬にふと思い立ちOSのバージョンアップで心機一転
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真夜中に ギャン泣きしてる 赤ちゃんが ピタと静かに 不安がよぎる
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木漏れ日にあなたを想う昼下がりそんな返歌を妄想してる
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ひたすらに歩き続ける なぜだろう新品の靴ばかり目に入る
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うれしくもはずかしくもあり今月のキンドル印税23円
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朝の雨ところどころに濡れ残り空の光を映すこの朝
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歌詞カード「あなた」をなぞり思い出す 「あなた」は永久にあの頃のまま
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途中から 年齢よりも 若いって 言われる方が 嬉しくなった
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死後も名を呼ぶ声消えし その時まで 我が身そのまま あり続けんとす
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目覚めたら どんな時間も スマホチェックみる 君の気持ちが 届いてないか
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水面に触れてはすぐに飛翔せよ雄々しく永遠とわにひとりぼっちで
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カバンより ほのかに香る 豚まんに 顔は澄ませど 腹先駆けり ​
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たのしみは『独楽吟』の五十二首をAIとともによみとく時々
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冬の日のまだ日も昇らぬ早いうち灰色ばかりの空とスウェット
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