おじさんのギトるLineを盗み見る 駅と駅と気と遠くなる
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菓子パンが背中をみてる夕飯のおやつにみかん2玉を買う
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忙しく食事の時間を惜しむのに手の込んだもの作りたくなる
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外人は「汁」という字が好きらしい なぜかというと神の味噌汁神のみぞ知る
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無防備に肩寄す君に心寄る熱もつこの手はスマホを握る
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冷め切ったコーンスープを吸う我を誰が待ってる誰を待ってる
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春待つ我「おかえりなさい」の七文字は 言われたいんじゃなく言いたいんです
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亡き祖父を 愛した僕と 泣く家族 いつになっても 大好きだよ
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「どてっ」延々…ユーチューブ動画に 大爆笑  オノマトペの魅力 孫を虜にす
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昨日まで世界は色に溢れてた 今日は全部が灰色だけど
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青空と同じ色した封筒を涙堪えてポストに入れた
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気管から腹に落ちる振動があなたの音楽おとを喰らってるよう
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見返して自分に何があるのかと 「ちゃんとあるよ」と伝えていたい
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その日が来たら忘れて遺書なんて残さないから祈らないでよ
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ねぇどんな人が好きなの?白々と応える台詞「好きってなんすか」
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初雪の重さに押されて固まって一番古い地層がわたし
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人々は 答えは一つと 思わされ 違う答えを 排除して行く
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過去の日々すべてが僕のものだから腐った花でもこの手にいだ
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久々に 集うシニアの お喋り会  早速始まる 健康談義
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道路脇 すまして歩く ダックス二匹 オソロコーデの 冬枯れの朝
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雨粒が私の涙を連れて行く 世界を巡る旅の途中で
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金色の銀河が爛爛子猫の目 はじめましての小雪がほろろ
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あの人ね、不倫してたの。意外よねえ 下世話なあぶくクリームソーダ
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折れ萎える毎にはっきり見えるから私の中の無碍の慈愛が
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積もる雪降り積もる後悔汽笛別れを告げ集団就職
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追いかけて つかまえんとして 逃げられて 空に召されし 君の温もり
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若くなることはできないから呪うそんな大人になりたくなかった
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青き嶺旅の車窓を過ぎて行くエンドロールは長く色濃く
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円高とニュースは告げる夕餉には安くなりたるものは並ばず
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可惜夜を ともに過ごせし 君さえも 淡き記憶と なりにけるかな
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