寒みいから ひゃっけぇ水は 掛けねぇよ寒いから 冷たい水は 掛けないよ」母がつぶやき 墓石乾拭き /父月命日
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瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき服等ふくら
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眠らねば七時間後に来る息子嬉しさ過ぎてざわめいている
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雪の下 たんと蕾を芽吹かせて 春を待つかなレンギョウの花
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冷ゆる朝「つららや」の声 外見れば 春待つ枝に白雪の花
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真夜中に 月と密会 したことは 家族に内緒の 銀の耳打ち
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この頃は 短歌うたの浮かばぬ日のありて 言の葉探しに風の吹くを待つ 
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今日もまた納豆もやしを並ばせて財布の底の静かな反乱
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味噌汁をよそってまずは声をかけご飯をよそう湯気も添えたく
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手のゆびと足のゆびとの関を切り 血のめぐりゆく冬の夜の風呂
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夫が遺したちいさな菜園 何植えようか 春を待ちつつ思うも楽し
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悠久の 時へと消えた 生物種わたしの子 幾星霜の 停滞を越え
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空っぽのエレベーターがお似合いのマトリョーシカの僕は空っぽ
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花屋にも春の色合い並ぶ時期少しお洒落をして出かけよう
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もう少しもう少しだと言ってみる桜のそばで君と話そう
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生活の生産者たれ我が子らよ 一筆足すなら創作者でもあれ
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「子供っぽい」思われたくないでも相応に 可愛い服も着てみたい
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「友達と遊べるのって最高だね」 公園の子よ どうかそのまま
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これならば俺でもできる政治かな 他責思考とウソと恫喝
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白百合のように笑うきみに "月はずっと綺麗でしたよ"なんて
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できるかと 問われてできぬと 答えれば 何故できぬのか いいからやれと
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今君が選ばれずとも挫折知り強くなるのさその日の為に/連
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冬だけど 外の寒さじゃ なくこころ ぬくみみぐるみ さめざめと雨
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冬部活 たんかよんだと 言ひしかば 怪我人とこそ 思はれにけれ
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花揺らす冴え返る風散歩道 犬抱き寄せて春の温もり
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憧れを越えてしまった静寂に お世話となりて響く「さすがね」
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夜の帳 隣家の灯り 隙間風 今日の私の夢のつれあい
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夜は怖い。今日と明日の続く先に死があることを思い出すから。
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できなけりゃどうするんだと尋ねられ 逆ギレできる高い地位高市かな
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キャラメルに銀歯もとより永久歯抜けて四十二回目の春
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