りっとう ゆき
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Twitter や うたの日などで詠んだ作品を置かせてもらってます。

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『こぼれ落ちた夢がすこし燃えてる』
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イヤフォンを片方落としてこんなにもやさしいロックでしょうか、雨音
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しゃらりんと千手観音立ち上がりありとあらゆるぼくを見ていた
16
金縛りにあって浮かんでいる時も金木犀の香りがしていた
17
「元気ないね、ちょっとそこ立ってみて」って言われて立ったら影を盗られた
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われわれを構成している素粒子が揺らぎわれわれが揺らぐ わぉーーーん
8
もう授業終わってるのにまだ砂鉄集めてる子の背に赤とんぼ
20
長雨で電波が途切れえんえんと跳躍してるラジオ体操
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吹けなくて風にはなれず熱っぽい身体で自転車走らせる夜
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きみのすべて 実在しないするしないするしないする…するの? 陽炎
7
巡らせたぼくらの想いが引かれ合いひとつになって生まれたこの星
11
つぎつぎときみは幻影の鳥たちに色を塗っては彼方へ放つ
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まばたきで広がるきみの湖に泳ぐ大きな黒い魚は
9
階段を下りてるはずがのぼってて 出逢えちゃったね、ぼくら 空中
12
カーテンの奥のカーテンのその奥のカーテンの奥にいてほしい人
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星々の言葉をきみは意訳してひとりで泣いたり光ったりして
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考えておくわと言ったきり曼珠沙華は鳥になり飛び去った
11
返信ができないうちにカルピスの賞味期限が切れてしまった
14
「秋らしくない天気っていうことが秋だね」ときみは傘回しつつ
11
秋 散ってゆくようで手を伸ばすけどまだここになく、もうここにない
9
きみが見る ぼくが見る ひとびとが見る なにも泳いでいない水槽
10
「これじゃなきゃだめです、なぜならやさしくて…」夜中に書いた商品レビュー
7
隣りいいですかと聞かれてうなずくとダリアが座り花を咲かせた
11
くだものグミ全種類買う 将来の夢は「ふつうのおとな」だった
7
この曲を聞くたびきみを思い出すけどきみはこの曲を知らない
14
ほの明るいオレンジ色の窓並ぶ 帰りたいけどぼくの家じゃない
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きみはきみのだいじなサメのぬいぐるみを栞代わりに詩集にはさむ
13
「地球産有機レモンは彗星になりえるでしょうか」「場合によっては」
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輝いてばかりいないでぼくの話すこしは聞いて、ビニール傘
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前任者が残していったロボットが泣き出したが止め方がわからない
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「要するに」と言いつつずっと語ってるきみの思いのたけ 天の河
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