りっとう ゆき
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Twitter や うたの日などで詠んだ作品を置かせてもらってます。

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『こぼれ落ちた夢がすこし燃えてる』
未発表作品39首と、NHK短歌・新聞歌壇・『短歌ください』採用作品を含む278首収録。
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チョコ苦手だというきみにチョコあげてそのチョコをもらう聖なる儀式
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木曜日くらいにやっと全容が見えてきたあれは尻尾あれは目
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なにを待つのかわからない行列の最後尾のまま見てる朝焼け
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もらうのか自分で用意するのかも分からずぼくだけ風船がない
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さよなら、と投げ捨てられたネックレスを集めるニホンツキノワグマ
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AIが深夜のテレビで読んでいる 今日のニュースも明日のニュースも
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きみは言う 海を見るぼくとぼくを見る海が入れかわってた気がすると
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先生はいま大事なこと言いましたよ…」って言われ目覚めたら無人駅
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高速のレーンで回るカルフォルニアロール取りそこない続けてる
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「悲しいなら足して下さい卵焼きの砂糖は」料理研究家が言う
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どこまでが風でどこからきみなのかわからないまま手をつかんでた
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きみの言う「知らない星座」はまだ知らないままあの空に今日も瞬く
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たましいの傾くほうに歩いたら聞いたこともないコンビニに着く
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すこし酔いすこし眠そうに歌い出す本格的なきみの到来
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法則1 前髪が右に跳ねているときのあの子は皮肉屋である
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ひとりでも生きてゆけると言う彼の部屋一面に散る寒椿
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でもこれは海に行けないほうの川 どうしようもなく美しいけど
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例えば、と言ってから例えられないと気づいてきみは檸檬をかじる
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充電を終えたロボットが耳ふさぐ「時が流れる音がこわい」と
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飛ぶときはどんな顔してればいいの?あまり笑ってるのもなんだし
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そうですか休業日ですかシャッターに描かれた赤いブラキオサウルス
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東京のどこかでなくしたピアスなら今ごろだれかの詩になってるよ
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わからない映画みてきみのわからない考察きいてる冬の喫茶店
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「そうなんだー」あまりに軽いあいづちが送電線にひっかかってる
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予約した映画じゃなくて通販の番組録れてた ナイフを買った
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シャンプーをしているぼくはされているぼくにやさしくするこんな夜は
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ウーロン茶の氷かじりながらみてるだれかとだれかのかたい握手を
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いえきっと人違いです、とも言えず連れてこられた盛大なパーティー
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雨音の時計が部屋を歪ませてあの日のきみがごめんと言った
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ほんとうにこの駅なのか 自販機に見たこともない飲み物ばかり
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