りっとう ゆき
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Twitter や うたの日などで詠んだ作品を置かせてもらってます。

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『こぼれ落ちた夢がすこし燃えてる』
未発表作品39首と、NHK短歌・新聞歌壇・『短歌ください』採用作品を含む278首収録。
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深夜 ぼくを待ってたように動き出すエスカレーター内部を想う
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いつか会うならお互いまちがえて持って帰った半月持って
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時間差でねむるアルタイルとベガの夢の底でうずまく青い川
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クレジットカード惑星間決済過去三回払いでギター買う
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そっか、夏 頼んでないのにつぎつぎと冷やし中華が運ばれてきて
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ラジオから懐かしい歌流れてきて泣いた 歯医者で口開けたまま
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美術館監視員すっと立ち上がり両手を広げオブジェになった
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あの夜に百年分の満月を撮ったのにまだ足りなかったね
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つきつぎと変換履歴に現れたきみへのメッセージが夜空へと
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「あの人が好きな曲は?」とパスワード忘れて秘密の質問される
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地の果ての駅事務所まで網棚に忘れた向日葵を取りにゆく
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並ぶ人いないのに長い長いロープ張られたATM 月面の
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荒波のぶつかる崖で抱きしめて「あなたは悪くない」ごっこする
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「わたくしごとですが」と神が手を広げ夜空に触れたとたんオーロラが
8
ロッカーにきみが隠したストロベリーフィールズ ぼくを呼ぶ風の声
7
「意味がない」と海へあいつが投げ捨てた言葉を食べたイルカが空へ
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期待され泣いた「すみません、わたくしは笛を吹かないタイプの妖精」
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よく振ったシャンパン持ってきみの夢に忍び込むのは犯罪ですか
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用もないのにうろついているくまを抱きしめる うん わかる いいから
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この駅のあちこち中央改札があってぜんぶがちがう季節で
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またねって言ってるうちにいっそもう一緒に行こうとなった 金星
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ないことはあることだって言うきみの硝子管からあふれるひかり
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とてつもない花瓶の闇がこわいので毎日花を挿すのだと言う
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「懐かしい」そよ風の中きみが指す「仮免のときこすったブロック」
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「BLTサンドのレタスとトマト抜き、ベーコンはハムにかえて下さい」
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さびしさはさびしくないよう月色のパンダにかえて胸ポケットに
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眠れないぼくのとなりで眠りながら銀河を解読し続けるきみ
7
きみと空を歩き続ける夢を見て目覚めると髪が風になってた
8
風邪ひいて寝込んだときに現れた天使になぜだか謝っていた
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まひるまに『スナックゆきちゃん』店内からママのブルーハーツが聞こえる
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