Utakata
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りっとう ゆき
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葱一本持って戦えこんなにも馬鹿馬鹿しい夕空の下で
7
関係ない人の関係ない話聞きながらうみねこを目で追う
6
きみはそのピアノにしまってあるものを取り出すようにゆっくり弾いた
8
温めてほしいの?冷やしてほしいの?とくりかえし聞かれるが分からない
4
衝撃や熱など与えないでくれ おれの心にルマンドがある
12
さっきまで巌の上で叫んでた少女がきみの絵の中にいる
5
江ノ電が大きなカーブ曲がるとき今日がとつぜん思い出になる
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新幹線のぞみが先に通過して感情が遅れてやって来る
7
考えが考えを呼び考えてしまい体育座りの銅像
6
ぬいぐるみたちがつぎつぎ駆けていく先に答えがあるかもしれず
7
会いたくもないくせにきみが会おうとか言うから雪が霧雨になる
4
つじつまが合わないと言うあのひとにくだらないほど甘いショコラを
9
へぷしゅってくしゃみをきみがするようになって夕焼けの色がすこし変わった
5
教科書のほとんどにマーカー引くあの子は太宰の顔も塗りつぶしてた
10
二で割れないものばかりだな 立ちつくすぼくら大地にナイフ落として
4
星空も虹も言葉も白色の鉛筆でかく転校生は
6
閉店の洋装店のシャッターの奥で電話がずっと鳴ってる
10
ありえない角度に腕を曲げられたマネキンはまだ泣き方を知らない
5
飼い犬はポチだときみは言ってたけどほんとの名前はジュリアンだった
8
ローラースケートで来てローラースケートで帰る二丁目のきょうだい
7
「人類、初めて火星に降り立つ」の新聞にくるまれた焼き芋
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音楽が流れてるのにちがう歌くちずさみながら竜を描くひと
6
歯みがきのチューブ逆さに振ってると冥王星が近づいてくる
8
白妙の無印良品店内で静かなぼくが静かに暮らす
7
おとなしいあの子が机に突っ伏して向こうの空に始祖鳥の群れ
6
寝不足で無口になったぼくたちの前をすうっとマンボウ横切る
11
ゼノンの矢飛ぶ一瞬のあいだだけぼくらの無限の夏休みだった
5
作文の原稿用紙にえんえんと数式書いてるあの子の背中
7
「運転手さん、あの車を追ってくれ、おれの夢が乗ってるっぽいので」
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忘れないでと泣いてる雪だるまを抱きしめることさえできない
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