Utakata
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りっとう ゆき
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2024年12月中旬に『りっとう ゆき 歌集 こぼれ落ちた夢がすこし燃えてる』をAmazonとBOOTHで販売予定です。(税込1000円+送料)
よろしくお願いいたします。
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会議用資料丸めてきみのその春の背中をぽかぽかしたい
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「変わってる人に見られたいんでしょ?」と自称動物占い師が言う
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申し訳ございませんとお辞儀して顔を上げると向日葵だった
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「こんとんをことばにすればこわくない、こわくない」って歌う少年
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「落としましたよ」と言われて振り向いたけどそれぼくの猫耳じゃない
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「うそみたいな世界ね、ここ」ときみが言い「はい、カット!」ってすぴるばーぐが
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ねむれずに焼いたケーキはふくらんでしぼんで何もなかったように
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退去日に初めて見つけたコンセント やれなかったこと やらなかったこと
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北風の中「走るより歩くほうがはやいよ」とペコちゃんがささやく
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「春なんて信じないで」と耳打ちをしてきた椿ぽつんと落ちる
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だからその充電器こわれてるって 充電するとよけいな夢見る
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長すぎる手紙を消していくうちに句読点だけの涙になった
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そっけないきみがかわいい顔文字を使う世界線 流れる火球
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砂だらけの校舎をはだしで歩きながらまちがった九九唱え続けた
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葱一本持って戦えこんなにも馬鹿馬鹿しい夕空の下で
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きみはそのピアノにしまってあるものを取り出すようにゆっくり弾いた
8
温めてほしいの?冷やしてほしいの?とくりかえし聞かれるが分からない
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衝撃や熱など与えないでくれ おれの心にルマンドがある
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江ノ電が大きなカーブ曲がるとき今日がとつぜん思い出になる
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新幹線のぞみが先に通過して感情が遅れてやって来る
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ぬいぐるみたちがつぎつぎ駆けていく先に答えがあるかもしれず
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ありえない角度に腕を曲げられたマネキンはまだ泣き方を知らない
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飼い犬はポチだときみは言ってたけどほんとの名前はジュリアンだった
7
「人類、初めて火星に降り立つ」の新聞にくるまれた焼き芋
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音楽が流れてるのにちがう歌くちずさみながら竜を描くひと
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歯みがきのチューブ逆さに振ってると冥王星が近づいてくる
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白妙の無印良品店内で静かなぼくが静かに暮らす
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おとなしいあの子が机に突っ伏して向こうの空に始祖鳥の群れ
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寝不足で無口になったぼくたちの前をすうっとマンボウ横切る
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作文の原稿用紙にえんえんと数式書いてるあの子の背中
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