Utakata
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りっとう ゆき
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2024年12月中旬に『りっとう ゆき 歌集 こぼれ落ちた夢がすこし燃えてる』をAmazonとBOOTHで販売予定です。(税込1000円+送料)
よろしくお願いいたします。
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嘘になりそうで捨てた言葉はこんなにも赤い曼珠沙華・
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ニヒリスト気取ってるきみがパンケーキほおばるときに世界は鮮やか
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情動がうさぎとなって駆け出して転んだときにできたクレーター・
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シャンプーを泡立てている午前二時のアイデンティティが水にとけだす・
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横道にそれていくうち流れ星ひとつと答えをひとつ見つけた
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奇術師はさびしい顔のうさぎたちをつぎつぎ逃して幕を下ろした・
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わけもわからず気圧の谷で泣いている人々に浮かぶための傘を・
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急速にすすむ月食 終わらないWindows更新プログラム・
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創造主が残していったガラス玉を拾い上げてきみは「かなしみだ、」って・
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飛びたいと思えなかったと堕天使は列車に揺られ海へと向かう・
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せつなさとダイヤモンドを天秤にかけた女神は光まみれに・
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無でもなく存在でもなく可能性、そこに雨が降りハルジオン咲く・
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言の葉を瓶に集めて揺すったら化学反応起こして燃えた・
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砂浜でなくした自転車の鍵は永遠にあの夏にいるって・
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睡蓮の波打つ意識無意識がだれかの夢とからみあう夜・
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記憶からこぼれた時の砂浜を歩いてきみのやさしさに気づく
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短夜が明けて驟雨は読みかけの詩集の川にぼくのすきまに
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ひとびとが落とす思考の断片はこの星の軌道上できらめく
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静物画のびんが倒れてひたひたと感情がこぼれゆく美術室
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この部屋はすべて気分でできていてしずくの花で飾られていく
3
わかりすぎるほどわかる瞬間にこそ言葉うしなって鳥になる
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夢だって知っていたのにぼくたちは花を植えては水をあげてた・
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「シリウスとベテルギウスとなんだっけ?」スマホが照らす きみを 冬の夜を
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痛みだと気づかなかった 屋上できみが放った流星群は・
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終電の流れる夜景と重なってぼくら点いたり消えたりしてる・
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大輪の花火をひとつ押し花に 夜が明けても消えないように
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なんの塔だかわからない塔の上でカラスが鳴いて飛んで、秋空・
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この秋の向こうの秋できみはぼくの知らない本を読んでいるのか・
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「じゃあきみはまっすぐになれるとしたらまっすぐになりたいと思うの?」
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あんなにもつよい気持ちも写真にはうつってないよ、笑ってるだけ
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