りっとう ゆき
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Twitter や うたの日などで詠んだ作品を置かせてもらってます。

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『こぼれ落ちた夢がすこし燃えてる』
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南からの湿った空気でぼくたちは変な踊りを踊ってしまった
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サメと薔薇を比べるようなものだって言えばどっちが薔薇?ってきみは
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でも行かねばという義務感だけはあり三段階右折して行った
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「描かけません」と言ったあの子の筆洗いバケツに泳ぐ深紅の金魚
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年一度だけしか着ないカーディガン着たので今日から春とみなした
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乗客はぼくだけになり地下鉄はさらに地下へと答えをさがしに.
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デジャヴってきみは言うけどこの街のこの港まえに来たじゃん、酔って
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予約した席にはクロッカス咲き乱れぼくは蜜蜂になるしかなかった
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ペンギンが江ノ島の橋を渡る夜きみが電話をかけてくるはず
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ひさびさに見たあの人は数え切れないほどのチュッパチャプス抱えて
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そのカラスなら光速で飛び去った 起承転結の結をくわえて
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猫舌のあの子は熱いコーヒーにノクターンを聴かせてから飲んだ
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あの人の更新されないブログには雪が積もって無数の足あと
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「お入んなさい、さあどうぞ」縄跳びに入るとそこは無限のTSUTAYA
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「きらきらすればするほどかなしい世界もあるね」ときみはワイン揺らしつつ
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嫉妬など燃えやすいものは冷水にしばらく浸けるのが望ましい。
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たましいを吹き込んだけど動きたくないと言うからそっとしておく
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チョコ苦手だというきみにチョコあげてそのチョコをもらう聖なる儀式
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木曜日くらいにやっと全容が見えてきたあれは尻尾あれは目
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なにを待つのかわからない行列の最後尾のまま見てる朝焼け
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もらうのか自分で用意するのかも分からずぼくだけ風船がない
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さよなら、と投げ捨てられたネックレスを集めるニホンツキノワグマ
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AIが深夜のテレビで読んでいる 今日のニュースも明日のニュースも
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きみは言う 海を見るぼくとぼくを見る海が入れかわってた気がすると
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先生はいま大事なこと言いましたよ…」って言われ目覚めたら無人駅
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高速のレーンで回るカルフォルニアロール取りそこない続けてる
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「悲しいなら足して下さい卵焼きの砂糖は」料理研究家が言う
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どこまでが風でどこからきみなのかわからないまま手をつかんでた
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きみの言う「知らない星座」はまだ知らないままあの空に今日も瞬く
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たましいの傾くほうに歩いたら聞いたこともないコンビニに着く
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