中3の夏に立ち寄る図書室の唐詩選から大河が流れ
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非正規の吾子の手土産は珈琲 滴が埋める秋冷えの朝 / [滑走路」読み返しています
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トラップに足をすくわれ逆さ吊りジロジロ見ずにおろしてほしい
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精神科帰りにひとりレモンタルト 希望の黄色は視界に浮いて
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ググるとかジワるテンパるカミるよに 「オオタニる」とかバズらないかな
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夜に溶け寒空と共に歩き出す温かい家はまだまだ遠い
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つり革に掴まりスマホの画面見る電車の揺れに身を揺すられて
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最愛の人とお別れした痛み 一週間で消えるわけない
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千鳥足みたいな台車押しながら昨日の飲み過ぎ悔やむ納品
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呼ばれては すごい速さで飛んでいき ゆっくり戻る パラシュート主任
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ひとひとり知ってる知恵は限られてもらってあげて笑顔が咲いて
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これまでの私 が私を創ってて ありがとうまだまだ頑張ってくれ
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落ち込んで動けない俺に慰めの言葉をくれマウントも取る
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炒飯チャーハンは 細く刻んだ かまぼこの  薄紅色うすべにいろが 味を左右さゆう
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目標を達成しても幸せになれるわけない公式違う
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秋雨あきさめの雫に触れて震える身 冬将軍からの冷たき便り
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手のひらの ちっちゃなホクロ 手をピンと 伸ばさなければ すぐに埋もれて
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丘のうへ墓場や寒し北風に 供への花は疾ふに枯れたり
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友の庭訪えばとりどり菊の花 八重の芙蓉に秋の陽注ぐ
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車窓には短歌うたの題材散らばりて少し残さる稲穂の意味など
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夢現ゆめうつつ 気付けば 目的駅手前 車窓の空は 既に鈍色にびいろ
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思い出が 瞼の奥を 駆け巡る 秋の夜長は 残酷な季節とき
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けものへん付いていること忘れたかソファーの上で丸くなる猫
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公園で遊ぶ子供らボーっと見ることもできない国にするなよ
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なにもかも がんばらない日が あってもいい ただ腹筋と 明日の支度と>明日、コスモスを見に帰省です🌸
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昨年はサボった障子の張替えを十月半ばに今年は着手
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もしも世が偶然できたというならば目に映るもの全て夢なり
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人という人とは常にニアミスで生きて堪えた軌跡こそ夢
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画廊などもったい澄まし歩いても心弾ける何ものもなし
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デパ地下をそぞろ歩いて目の保養母に後ろ手繋がれないで
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