田倉マイ
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「愛してる」を道具にしたくなかった でも言わなくちゃ消えちゃいそうで
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秋の夜に震える僕の鳥肌をさすってくれた君の手のひら
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さらさらと降り続けてる秋雨に干した洋服揺れる幽霊
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窓外の鈴虫の音や満月が夏の終わりを教えてくれた
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ジャガイモに気付けば若芽生えていて僕らはきっと終わりなんだな (アジカンのソラニンを聴いて)
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ハイライトブルーが宇宙そらに溶け込んで僕は昨日の君を見つけた
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僕たちの夏の終わりの窓外はゴッホの油彩みたいな景色
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独りでもやっていけると息巻いて独りになるとやっぱ寂しい
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爪を研ぎ君の不正に耳澄ます僕に一発デコピンしてよ
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百円の造花を一輪手に取って青い花びらじっと見つめた
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四ツ谷駅ノルウェイの森読みながら君を待つのは今日で二回目
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夕空を懸命に飛ぶ蝶々に夏の終わりを教えられない
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夕立の音がかき消す啜り泣きバレないように起こさぬように
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すれ違うこともあるけど、てかいつも、でも俺らって割と良くない?
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求めてたものとは違う幸せが私の手には余る気がして
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昼起きてほのかに未来見えた日の君の目尻のあれは幻
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店外のワンワン吠える室外機と南風はえが揺らしたタバコの煙
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愛と言い、何も言わずに行くことや自分の頬を抓ることがある
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昨日より活気に満ちた電車には夏の終わりの寂しさもあり
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雨降りの夜の空気は冷たくて半袖の中に両手隠すの
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