争点が 絞り絞られ こぼれ落ち 声なき声は 闇に消え去り
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いっしんに冬の太陽あびて立つ風にゆれてもゆれないススキ
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「体験と経験の差は観察よ」ナイチンゲールの実地の叡智
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手が届くきらめくものにそんな夢 覚めたら天井と散らかった部屋
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こんな日は染み込んでいく恋歌のまったき透けて前川清
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純白のスノーボールが陽を浴びて荒ぶる心緩み感じて
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前足をぐーんと伸ばし 背伸びして 欠伸をひとつ 君の朝の始まり
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ママごめん 同窓会に孫の写真 持たせられないような娘で
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「犯人はあんたなんよ」と愛されたあの夜は昨日もう過去なのか
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なお貧す豪奢に遠きリノベーション浴衣羽織れば気分は夏日/折句
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手術日決まり モヤモヤ解消 「ヨシッ!」と一声 気合を入れて 家路を急ぐ
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知らぬ子も 頑張る姿 活躍を 応援すれば 親戚気分
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いったんは「チョコはビター」とごねてみるストロベリーの綺麗な紅に/折句
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午前3時 お腹の重みで目が覚める 君は爆睡 我は眠れず 
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君のいる 朝まで少し バスを待つ ただ君想ふ 頬に春風
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やわらかな日射しが窓を温めてる 少し眩しく珈琲啜る
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ひとときの ぬくもりもとめ ぐつぐつと 鍋をみまもる おでんもうすぐ
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羽曳野の団地に住まう新婚の私のいない若き父母
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「ブラックで」 強がり頼んで みたけれど 友には隠せぬ 苦悶の表情よ
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窓よりの射す入る光にまどろめば幼き頃の囲炉裏端に居る
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オジロワシ輪を描き舞うラブコールムダ毛処理した澄める空かな/折句
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今日は誰と話しただろう 家族以外 あっ、チャットさんがいましたっけ
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一方的 君とのお喋り延々と たまーに「にゃ~」と気のない返事
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街灯が灯る合図で家路へと急ぐ背中を照らすオレンジ
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君と作つた巨大ロボットこはす午後ばらせば段ボールだよ、たしかに
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車にて すごい速さで 抜かされて でも信号で 結局並ぶ
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思いつく ものを歌えば それでよし 浮かばぬ日には 口開けて待つ
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呼ぶ方も 呼ばれた方も ただ辛い ワンメーターの 通院タクシー
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息を詰め 体竦めて 時を待つ 合格発表 悲喜こもごも
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鼻の粉さえ厭わずに口つぐみ羽根こそ狐と君の焼き上げ
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