階段の登り下りのすれ違い死と淋しさは共有出来ず
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ゴクゴクと 哺乳瓶から 乳を飲む その勢いに 息を飲む俺
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煮たトマト いいねと君が言ったから 12月14日は トマト記念日
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院内で 頼れる医師センセイは 家内では もういまさらよと 庭の木枯し
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若き日の温もり抱き帰路に着き 一年間の消費期限の /昨日は、年一回の学生時代の同期会でした
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緩やかな心中じみたまどろみに選ばなかった向こうを思う
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死ぬるとは夢から醒めることであるだからこの世を愛しているの
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青い鳥探したけれど見つからず帰りに白い文鳥を買う
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あの人の好きな色だと買ったのに渡せぬままの赤い手袋
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日向ぼっこ溜めしておこう 大切に 半月分の ポカポカ浴びて
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そのうでがいつかわたしをつつむなら そのひのためにきれいでいたい
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古の栄し村も今は唯雨降り溝に水が流るる
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陽光の満ちた明るい通りまで冷たい日陰のこの道がある
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くらやみで 手を差し伸べてくれたから 君のことだけ考えている
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11年たって移ろう心模様 部屋が変わってタオルもかわる
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冷たいな 冷たくしたのは僕だった 優しくないと優しくされない
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背にけはい手持ちぶさたの店員と胡蝶蘭たつカウンターひとり
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ライブ服 昨夜決まりて 体型は キープするべし 体重はいいから
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垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
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短歌すらむ気が失せるほどえた心振り切りまた筆を
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ワンショット「ナイス天才!」呟いて小さな仕事も真摯な腕で
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夜十時街灯のそば通り過ぎ追い越し消える自らの影
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鳥なれば記憶は磁場の絵となりて今年も渡る川はおなじく / 野鳥の不思議、場所は磁場の記憶
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「ん」が好きだ。しりとりで負けるところとか、線が上までいけないとことか。
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言の葉の大海進む俵船 七副人は乗り込めますか
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スカートの下にジャージの女学生体いとえてよろしき事よ
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ささやかな誕生祝いのあて先はたった二ヶ月先のワタクシ
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雀との距離が縮まった気がして逃げる彼らの鳴きまねをする
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はからずも 歌人の選に漏れおちて 我が身に言問う 『死にゆく言葉』
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いつの間に 車内ダウンの 人だらけ ブレザー1枚 JK潔し!
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