抱かれても 濡れているのは涙だけ 渇いたこころ満たすことなく
12
トイトレをがんばる2歳最近は間に合わなくて悔しくて泣く
11
なんとなく 魔法をかけた フリをした ただそれだけで よろこぶ子ども
11
まだまだと残った暑さは恋心 アイスとドロリ溶けてゆくまま
11
片隅に集め置かれし規格外 子等は喜ぶつつつのきゅうり
11
線引きは一体どこにあるんだろう。今考えても仕方のないこと。
11
いつまでも続いて欲しい信号が 変わって私今交差点
11
絡まって いちどは切った 赤い糸 小指に残す お互いの糸
11
君が袖 かすめし風に 香をぞ知る よそへし笑みに 心くだけぬ
11
さなぎでも愛してくれた君だから空へ行けるよわたしの羽で
11
紫外線、他人の悪意、死の予兆 目に見えたなら避けられるのに
11
わが太刀たちは抜くも虚しき無銘刀 月みて流離さすらそ似たりけり
11
宿命は努力の果ても届かねど運命ならば変えて生き抜く
11
ねむるまでニュースから目が離せない何度も見たくないのもあるが
11
人間に好かれなくても構わない だって猫のほうが超可愛いし
11
きっとある短歌カラオケ専門店 自作を詠って採点されたり
11
街中でただすれ違うあなたにも 愛されたいと思ってしまう
11
太陽のおかげで生まれた僕だから ずっと君だけ見つめて回るね
11
黒丸の音符が誘う空の旅どこでも行ける僕らは自由
11
サヨナラの代わりに一筋光るのち、海の向こうへ夕陽が還る
11
あさっては明日の次で前日で…なぞなぞみたい繰り返してる
11
非日常フィルター越しに見やる街 同じなようで同じじゃなくて
11
サルスベリ誰が付けたかこの名前百日紅ひゃくじつこうで良いと思うが
11
憧れた田舎暮らしにさようなら都会の暮らしに夢を語ろう
11
秋空に 暑さのこれりも 風涼し 夏の終わりを 鈴虫告げる
11
不況下も 半額サービス うどん屋で 大行列にて カオスと化す
11
手の内を明かしてもなほ揺るぎなく 文字もんじは言った「を放て」と【後編・歌会始の締切迫る】
11
腕伸ばし 吾のだいだい 水色の 空に溶かせよ 人無きクレーン
11
深くなる水面ミナモの縁を覗き込む揺れる水草光に影に
11
いつまでも嘆くことなど無いなどと友の言葉でまた歩み出す
11