ちま猫ちゃん つういん通院のあさ いいてんき まふらーさんを まいて たいき待機
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浜辺にて 君の名を書く 僕の指 打ち寄せる波 君が消えゆく
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人がおりただ人がおり群成して煩悩林と言い得て妙な
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歩いてく 夜中の帰路を 隣り合い 父と話せば アイスが溶ける
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小説に 短歌にゲームに 写真集 絵画に音楽 作った一年
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宅配を 捉えてみれば 甥子から 嬉しさ七分 肩透かし三分
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生きている 確かめるため抱きしめる 黒の毛玉が応えてくれる
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夜が明けて 風も止まりぬ ただ静か 灯を手放して渡る浮橋
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この畳 汗と血と涙 しみこみて 狼どもの 古巣となれり
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安売りの値段につられ毛糸買うも 編み辛過ぎてはかがいかない
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心病み 大好きな 口紅コレクション メイクできずに ただ眺め 愛でる/いつか必ずこのくちびるに…
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次女迷子!焦る母にもニコニコと「写真撮ろう」と父は動じず (昔話・母激おこ)
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ひたむきな 少年のころの 私に まだまだ答えを 出せていないよ
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動かない 互いに顔見て 苦笑い 押されてなかった 階数ボタン
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雲間よりわずかに見える青空はやがて広がり 日差し背に浴ぶ
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雀の子 枝に連なり 列を成す キバナコスモス 枯れて残念
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無為むいのまま 降りつづく雪 こうなれば 有為ういであろうか 飛ばない飛行機
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腹を押す医師の温もり身に沁みて眠りに落つる冬ざれの夜
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やっと来た返礼品のタラバガニ 年末一度の蟹祭り為る
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追いつけず別れも言えず この道を逆に行けばいつか会えるかな
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もし君に出会わなければ 会いたいと願うことすらなかったのに
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黙々と 夢中になって することは 二時間だって あっという間で
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一度だけインターホンの鳴ったあと降り続いている夜の雨音
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寒空に 煙ひとすじ たちにけり うさぎようさぎ ほねになりしか
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山越えて 街を過ぎゆき 立ち止まる 人の在り方 晩の献立
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白猫か黒猫なのか洋猫か和猫なのかも分からない猫
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夕飯を 裸足で作る 修行かと 炬燵に流る 足は凍えて
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ガラケーで 老母ははかろうじて 通話のみ さすがにメールは 夢のまた夢
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みっつだけ あとまだ欲しいものがある ちいさなツリーと ネイル(シール)とイヤリング(百均)
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無音なりあったかまぶた南向きたった独りのこれがいいのよ
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