スノボーの着地失敗倒れ込み 動けぬ背中に 五輪の重み
11
窓辺から聞こえてくるは車の今夜も誰か今を生きてる
11
静かなる メダル授与式 語らずも 国境を越え 胸に染みいる
11
ぽつぽつと スマホの画面に 水滴が 落ちて初めて 空を見た今日
11
針穴が従来よりも四倍と触れこむ裁縫セット吾も欲し
11
悪代官お酒に呑まれ顎骨折あらあら大変ご自愛ください
11
落書きの竹の生命いのちを削りしがともに枯れゆく傷深くして
11
南西の医療のない国でトゲ刺さるあしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜をひとりかも寝む /坂上田村麻呂 3/100
11
遠ざかる 勇気はなくて 立ち止まり 君の体温ねつだけ いまは灯火しるべ
11
好きなんて嘘って言ってるそばから 爪の先すら溶けて混ざってく
11
スーパーでポイントためて買ういちご酸味が多く世は甘くなし
11
言の葉が 言霊になる 瞬間や アスリートの一語一語に
11
さようなら赤い煌めき胸に抱き いつかどこかで旅路の先で
11
愛猫の首輪の色に歳月を 自販機の色に季節を知れり
11
ぽたぽたと軒下で鳴る音を聞く ずっと騙して もう春だって
11
自らと 距離を取りつつ受け入れる 少し上達ヨガのポーズ
11
息子らに 老い先の対処あれこれと 切々に説かれ 気持ち前向く
11
声高に言うべきことか誰にでも人には言えぬ悲しみがある
11
自らが ゴミ溜めに落ち 観たものは 自分が捨てた 大切なモノ
11
夢から醒めて午前5時 外は霧 記憶の隅で鳴るビートルズ
11
吹きすさぶ 雪の大地に 咲く花の 君が決意と 覚えなりしか
11
パソコンの画面を泳ぐ222。しばし考え日付と気づく
11
春来たり 水の冷たさ 和らいで 朝の空気も 私に優しい
11
初対面 孫飼うチワワの 愛らしさ おもわず頬の ゆるむジジババ
11
日の出前 寒さの元気 薄らいで 鳥の声聞く 今日の始まり
11
犬置いて スキーできぬと 十五年 銀の世界に 白き想う
11
こんなにもみんなで帰る道のりが愛しいことを最後に知った
11
店内に 流るる旋律メロディ そばだてり 奏でをるオルゴール『春よ、来い』
11
目標は生きる力になるかもとカンパネラ弾く漁師を都度見る
29
うつむきて 震えるつぼみ陽を浴びて 薄紫のカタクリの花
27