杉咲花ちゃんが物喰う姿から説明のつかぬ幸せ貰う
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なくなった田んぼにできた道路には雨あがりだけ蛙がないた
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我が庭の 咲きほこる花美しき 美を残すため リースに丸む
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お出掛けは 年に一度の 里帰り 羽根が生えたよ 半世紀前
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ガラスペン 折れないように 紡いでも 結局朝には 引き出しの中
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耳立てて雨音に目を凝らしなば曇り硝子の灰のいや増す
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昼餉あと机に沈むひと時は生きる為なりなんちゃって歌
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疾風が どんより空を 消し去りて 晴天の果て 山はくすぶ
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大きくは決して漕がないきみたちもいつか漕ぎ出す 鞦韆ぶらんこゆれる
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青虫は 庭の敵だと知りつつも 育てしパセリ餌と差し出す
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草餅に言い寄られをり桜餅ほのかに香るケースの隅で
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校庭に遊びし児童あの鐘に 引き潮のごと教室帰り
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家出猫 心配よそに 涼し気に ボス面かざし ご帰宅され
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地獄さへ創りし我ら人なれば桃源郷は造作無きかな
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包丁の 鋭さ知った 初新居 母の日に花を 送ろうと思い
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羅針盤持たぬ我には島見えず違和感頼り微速前進
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いそいそと つまの弁当 作る朝 我のランチ会 見抜かれており
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ある国は ウィンウィンも 他の国は 関係性の 再構築期
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無駄なんだ蛙を叩けば跳ね返る跡はスコップ頭が凹み
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かっくんと顔を真上に振り上げて錠剤を飲む 父のしぐさで
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この山の 「形・濃淡 」 ブロッコリー 新緑の頃 食べて候
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烏さん 何かくわえて 巣作りか 朝に昼なに 勤勉なりし
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重ね来て日毎生まるる我なりと思ひけるかな独りの空に
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秀吉の兵糧攻めによく似たり トランプ王の海上封鎖
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霧かぶる 木々の彼方の 光明こうみょうに 北の大地の 息吹をぞ知る
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流れ星よ 悲しみ色の西の空 東の空では〈希望〉の待てり/『日曜日よりの使者』に敬意を表し
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鈍色の空の隙間に薄き青すこし広がる水たまりの道
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思い出は残されたものたちだけの 権利であるらし 義務であるらし
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ミサイルの 飛び交う空の 下よりも 「お花畑」が いいじゃない?
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隣家なるツツジの花は萎びれて独り暮らしの姿が見えず
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