真っさらそらには 太陽のみ光る 師走の朝の 暖かき冬
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濃い青にバサリ羽ばたく光る白鷺が旋回ひとつして去る
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なにもかも ひととき忘れてみたかった それは誰にも責められぬこと
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容赦なき乾いた風に枯れ葉舞い 気管支炎は二十日治らず
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枝打ちて寂しく映る木々たちは根と根で繋がるネットワークで
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哀しみを湛へたやふな青ひ瞳の キエフの若者ますらお大関と成り
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街路樹や芝に野の草見て通る移ろい楽し花壇見ずして
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彼岸花  カムパネルラは  もう居ない  幻想なのか  銀河鉄道
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40円のガーベラ買って ホクホクよ ピンクのガーベラ ちいさな一輪
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頂いた値段が高めの珈琲コーヒー豆が好み合わない時の無念よ
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西向きの窓に夕陽が落ちる頃、母のラパンが駐車する音
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髪切った?可愛くなったねと言いたい僕はそろそろ引退61
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四つ角を左に曲がりまっすぐでワンワン吠える犬が目印
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夜半には雨に紛れた星が降る蛍光灯がパチパチしたので
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下町に 残るお酒の 自販機も 撤去されゆく 時代の名残
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切っ先の鈍るおのれにムチを打ち その無知ムチをまた疑いし夜
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紅葉狩り 何が楽しと問うた日よ 私の目こそ深きに染まれ
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角ばって 丸くなれずに 季節過ぎ それでも誰かが 「いいね」をくれる/
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とんがらし油まみれの支那人に 魚の味など分かるものかは
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テレビ画面紅葉を見て心養老渓谷へ走る
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蹴散らしてあなたのいいね(❤️)で暗闇を誰にも言えないほんとの気持ちを
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この国の成り立ち知らず住んでいる 全部忘れて皆素直だ
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若者は右に乗っかり草草々 謙虚な人は四人に一人
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競争にそろそろ負けてもいいだろう過ぎ来し年を数えて思う
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好きな曲 耳傾けて街歩く 今日の私は 誰よりもかわいい
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なんとまぁ多くのゴミを出す命フロアにかけたコロコロを見て
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灰と白 雲の合間に 月が見え 空に寝転ぶ 三毛猫がいた
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昭和の雰囲気漂うアーケード100円ショップだけ令和にて
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食パンに ハムゆで卵ツナマヨと 食パン重ねて私は一人
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歳をとる事は嬉しくないけれど 君の祝福が欲しいだけかな
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