もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
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花びらにほのかな霧の咲きなびく紫淡い胡蝶の蘭や
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月めくり世界遺産のカレンダー行きたい国が毎月変わり
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レンギョウの明かりのともる通学路転ばぬように迷わぬように
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間違えて間違い抜いて辿り着く住めば都で眺める虹よ
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銃座にて 見据える仇は 幼き日 我と遊びし パン屋の息子
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ひたすらに幸せだけを詰め込んだ箱庭の中微睡んでいて
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往来の絶えた通りをからっぽの郵便箱が否認している
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幼き日の孫動画見る かたはらの眼差し見れば 子も親なりぬ
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飛行機に乗ってどちらへゆき女婚活のためちょいとヒマラヤ
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リクルートスーツの彼女の哀しみが伝わらずとも沁み込んでくる
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街灯にユスリカの群れ 東京にまだ居場所のない四月の僕ら
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あったかい日のあとにまた寒い夜酒蒸し作り昆布茶を飲み
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ボイジャーが宇宙の果てを目指すころ私は部屋の灯りを点ける
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水瓶の水を分け合う民として近江にありし工場研修
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世界からこまごま飛び出る糸くずで作ったの、極彩色の繭
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さようなら 最期の別れ 休んでね 記憶とともに 涙が溢れ
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白雲をまばらに隠す鳥たちは天国なんて目指していない。
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逆風で腹一杯の鯉のぼり。吾にはなきその強きメンタル
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かお皐月さつきの空に遅桜人目もあらでひとり散り失す
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胃の中のドロドロ抱えて会社道 蛹の中は醜いものだと
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夜更けて 雪降り積もり 日は昇り 独り雪掻き  人笑みこぼれ
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フラレぬる博多名代の石材屋「売り物すべてはかいしたい」と
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三時頃雨は止んでて陽は照ってだが散歩する気力はなくて
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夜明け道 足もと照らす水たまり 夜中の雨の匂いを残す
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柔らかな愛だけ信じていたいからシフォンケーキにホイップ添えた
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沈黙の長さを別の感情にすり替えられてしまう雨の日
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「水の色は水色ですか」と問うている 朝日を弾く水面を見ている
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治らないわけじゃなくって治したくないから抉った もう別の傷
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命尽く ラストページは静寂の すでに届かぬ 我知らぬ父
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