花は散り 桜の珈琲淹れる朝 淡きにほいに 満たされていく
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高々とメトロノームの如く手を振りつつ君は路地に消えゆく /想い出は飢餓の如くに
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「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
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頭「ず」と心「しん」が乱れ今にも落ちそうで曇天へ言う一緒に泣こふ  
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雨上がり 降り注ぐあお わが今日に いいことあるよと そっと告げくる
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色眼鏡外してごらんあの人は幸せそうに笑っているよ
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週末のアイロン作業は捗りぬ 「ながら曲」にはボサノバが良し
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ライオンに 食わるる我が子 見届けて 涙流さぬ ヌーの悲しみ
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夫婦喧嘩 激しさ増して 炬燵猫 瓶飛ぶ前に 縁側へ去る
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満開の 桜は何か 眠たげで その花の下 お昼寝したい
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毛布で 吾の枕に長々と 寝そべり毛繕けづくろい 初夏と紛う朝
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匂ひたつ植物どもの体臭に 気怠さおぼゆ木の芽時季どきかな
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夫の笑み思いつ供ふ桜餅 春茜見つお下がりを食む
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膝抱え床の中にて胎児の形 ゆるり流れる刻を食みつつ
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久々にサイト開けた喜びは短歌うたへの思いかみなさまへの思慕か
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無垢な笑み失う怖さ憂ふ世を 悟られぬよう笑みを保てり
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葉桜に 新たな明日へ 導かれ 風にさらわれ 君にさよなら
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セルフレジ 行列できて 人のレジ 日祝日は それもいいかな
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血の色に染まりて蕊や 散る桜 連理の枝にゆくへぞ問はむ
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まほろばの 階段の下 遺書遺す 「もう疲れた」と どこに消えたか
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子の爪を切らうと新聞ひろげ知る土屋文明賞立ち上がり
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知らないでモヤっと不安でいるよりも 学んでしっかり不安でいたい
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思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ春の夜の月
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この春は花より蕊のこころして落ちゆくみぎわ水面の揺れて
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待ちわびし 花咲く春は 巡れども 黄泉竈食(よもつへぐ)いの 君は帰らず /挽歌
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満開のあとの名残りの花咲かす黄緑ピンク恋人桜
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保育園の担任妻はピタリ当て足掛け五年つかんだ人事
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死ぬ事に不服は無しと豪語せし 我の服薬手のひら一杯
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一夜漬け叶わぬゴルフスウィングのYoutubeなど彷徨いており
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カスハラに困り果てるもその人の神対応に胸はざわめく
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