何となく幸せ感じる一瞬が 消えずに続くすべないものか
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三つ折りにかれ燃える線香も うちのひとつぞひとり尽くらめ
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ガスグリル魚はダメよパン専用こんがり焼けるわ恋も未来も
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けふもまた殊更などに非ずして過ぎゆくものをただ見送るや
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今生に関わる人は三人か亡き両親と今ある妻と
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来た頃は 周り田畑 外遊び 蛙の歌を また聞きたいな
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散る桜 掴まえようと手を伸ばす無邪気な君と三度目の春
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霧雨の花のかすみの柔らかな波紋の浮かぶ春の野景色
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マシュマロのシュクシュク溶けて今日雨と反し真白な夏雲浮かぶ
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菜の花は今茹で上がり厨には蒼き香りと春が拡がる
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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スギ終わりヒノキまでの隙突いて布団にうららな陽をたっぷりと /花粉はまだ続きます…
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面会の十五分ほどちぐはぐな義姉の話題は帰宅に尽きる
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ひそやかに降る春の雨 花開き浮き立つこころ鎮めるように
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春だから 桜桜桜はなはなはなと 人は云う 気候たがえて 何を花とす
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昨日まで蕾も今日は咲いていて眺める吾は歩みを止めて
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『ちゃいるど』てふ歯科医院にかかりし子のそのまた子の 旅立ちの春
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たらちねの南の山は白みつつカラスの声に母は身支度
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いつしかも 車を走らせ 行かばやと 近くて遠い 夏の海辺へ
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古寺の門をくぐれば背伸びすと四方よもを眺めるみつまたの花
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楽しげな嘘が溢れてそのなかで各自が愛を削がれていくよ
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「ママはどこ?ねえパパ!」「百合が綺麗だろ今年は肥料が良かったんだよ」
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春淡し 伊香保石段 のぼりつつ 湯けむり越しに 思い出埋まる
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早春の 寒気なお残る 榛名路を 身を引き締めて 杉間ゆくなり
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連絡の 遅れを詫びて 汝(な)が妻ゆ 訃報ぞ届く 彼岸の宵に /挽歌
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徒然に かの君想ひ 筆をとる 短歌に込める 言えずすきの二文字
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哲学の桜並木を歩む二人は言葉交わさず銀の館へ
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ぼた雪の 椿枝垂れる 春の朝 雪の間に落つ くれない滲む
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まっすぐな視線に射られ こころ知る 正すつもりが逆に糺され
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イランより むんずとふぐり 掴まれて 身動きとれず もがくトランプ
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