あと八日 今年はこれに懸けてきた 超楽しみで 淋しくもあり
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つつむよな のどかな日差し 川べりの 道を進んで 明日を信じる
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モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
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おすすめの珈琲とケーキ味ぴたり合う珈琲店でしあわせ時間
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何様?と思ふ人様さまさまで燃料だけは事欠かぬ世で
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その肩の 重荷をすべて下ろしなさい 主はそう言われる 仰せのままに
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一画目が震えて上手く書けなくて インクが紙に染みてにじむ
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世の中が 五七五で 回ってる 訳ではないよ いま何時
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旅路にて霧雨の降る大通り楼閣の上鳳凰が乗り
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自室より散歩の方が暖かい日が照っている師走の初日
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日が照れば暖房つけぬ自室より散歩の方が暖かかったり
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祖父と孫の電話おもつたより長くシャドーピッチの影ながくなり
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数日で 飽きた日記を 懐かしむ 最後のページ 隠した本音
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いたずらにテレビに映る飽食の時代の終わり間もなくみえる
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さかずきに したたる血涙 み渡れ 戦火せんかの消ゆる 蒼天そうてん夢見て【折句:さしすせそ】
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空白に勝手に咲いた水仙が勝手にしおれて勝手にさびしい
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煤汚れみたいと言われ猫の柄とても愛しい君の個性よ
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群青の空 オレンジの屋根 白い猫 窓越しに見るまだ眠る街
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膜一枚隔てて感じる違和感がスマホと指とでしかわからん/人差し指に絆創膏
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窓から見る 夜の道路に は点きて 外の寒さに 手さすり暖とる
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明日から 子供の頃をやりなおして あなたみたいに息を吸えたら
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信じれるこの人ならばとピンと来る人はなるべく信じちゃダメよ
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「でもだって、好きなんだもん」と言われたらあげるしかない、ぼくのプリンを
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北国の寒波の報を聞くたびに この島国の広さに気づく
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眼が覚めて仄かな白の満ちた部屋ここから見えない月の光に
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寒くて布団から出れず「満月だ」と彼氏言った冬を愛そう
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GUの値段に魅かれ服を買い階下で肴買う無駄遣い
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帰り道 月より光る 街灯に ぽつり照らされ 星の気持ちに
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愛猫と 語らいながら 夢心地 幼き夢を 思いだしつつ
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新月も満月ということにする 「愛している」を気軽に言いたい
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