撫子の湯にぞゆるりと浸かるれば 疲れ溶けてく 明日も頑張ろ
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かつて来し 森の温室 夜は冷えて 君の名付けし 星灯草せいびそう 咲く
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早朝の 家族忙し 洗面所 お湯になるまで すこし一息
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伝書バト荷も重くなる寒きふみふるさと目指し低空飛行
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末娘のくれし毛糸の靴下を大事に履きこしがつひに穴あく
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5歳 母はお礼に一台づつ園児は窓辺でミニカー走らせ
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贅沢の限りを尽くす午前2時  明日の仕事を生き抜くために
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氷点下6度の夜を越えた朝 カップを取った指から解けそう
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『最強王』ホッキョクグマの子殺しの慟哭に泣く児の誕生日
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悪かった、悪かったって終電でくまを抱えたひとが寝言を
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寝付かれず 言葉さがしを 延々と…見つからないまま 白々と朝
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行き違うあの子の視線流れ星今日も言葉は溢れなかった
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唇の渇きも知らぬ恋だった リップの硬さにふと、そう思い
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紆余曲折 有りて 4児の父となり  家族を守りつ 息子は歩む
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暗い歌ばかりを詠んだ 比例して笑顔になれる そんな気がして
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足早に前を横切るキジ猫の耳にひとひら桜刻まれ
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やらなくちゃいけないことはあるけれど今日はも少し寝てたいのです
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モコモコの クッションみたいに 丸まって  眠る猫の背中 そっと顔うずめ
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約束をして危険から逃げる暇なしはしつこいボツのようだね
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つきたてのもちの香りも食感も味わいもすべて伝えていきたい
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ひとりぼっちに させたくないから わたしはね  君より少し 長く生きるよ (愛猫への伝言)
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飛行機よ頼むよどうか飛んでくれ俺を家族に会わせてくれよ
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焼け野原だったであろう いつもなら見向きもしない雑草が咲く
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シュレディンガー方程式を解きながら短歌のことを考えている
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うたを語りうたを愛せし剃髪は正岡子規に似たるよこがほ
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遺言を聴ひていたのかひび割れたスマートフォンは蛍のひかり
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この部屋に占める「私」が増えた日の 少し大きくあくびをする九時
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付けふみを 結びつがえて 時を待つ 雲が流れて 弓張りの月
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内なるや鬼にも五分の魂 熱を知るほど生きむとせむか
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外うちに鬼福分けずにしなやかに 人生をゆく一度きりだし
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