咲くたびに庭のさんしゅうと歌ったそれは山茱萸ではないらしい今寝たきりの母さんが歌っていたな庭のさんしゅう/山椒とか
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うっすらと紅粉べにをぼかして微笑めば枝垂桜の妖艶なるかな
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満開の桜の宵は仄冷えて桜の珈琲おとすひとあり
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自転車を始めた頃の道行くが抜きに抜かれて今も初心者
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風に舞う うす紅いろの 春の使者 はかなさ愛でる 花なればこそ
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咲く花に添える薫りの香ばしい初々しさの萌ゆる葉桜
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君だけに纏いて包むあたたかな春の微風よジェラシーも消せ
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積読を発掘中に重複をまた二つほど見つけ呆れる/持ってたのかよ!
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人混みで 圧死の恐怖を 思いけり 改札口の 人波の中
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咲き匂ふ 職場の窓外そうがい 公園の桜を眺めつ食む おむすび/職場の隣には公園
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罰なんて今日まで信じて居なかった舅が首を吊ったと聞くまで
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貧しくも思いは高くと言い訳し株は疎くて短歌うたに溺れる
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水たまり キラキラ光る 春の朝 森羅万象 神々宿る
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ベテランの刑事でかも目逸らす現場げんじょうに立ち会った後飯五杯食う
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桜の木山手通りに立っていて入学生を歓迎してる
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春は来る朝が来るのと同様に 私ばかりを置き去りにして
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『ちゃいるど』てふ歯科医院にかかりし子のそのまた子の 旅立ちの春
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たらちねの南の山は白みつつカラスの声に母は身支度
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いつしかも 車を走らせ 行かばやと 近くて遠い 夏の海辺へ
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古寺の門をくぐれば背伸びすと四方よもを眺めるみつまたの花
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楽しげな嘘が溢れてそのなかで各自が愛を削がれていくよ
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「ママはどこ?ねえパパ!」「百合が綺麗だろ今年は肥料が良かったんだよ」
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春淡し 伊香保石段 のぼりつつ 湯けむり越しに 思い出埋まる
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早春の 寒気なお残る 榛名路を 身を引き締めて 杉間ゆくなり
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冬ごもり春日を待たずにけるを惜しと云はぬが華の枯人かれびと
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連絡の 遅れを詫びて 汝(な)が妻ゆ 訃報ぞ届く 彼岸の宵に /挽歌
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徒然に かの君想ひ 筆をとる 短歌に込める 言えずすきの二文字
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ぼた雪の 椿枝垂れる 春の朝 雪の間に落つ くれない滲む
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まっすぐな視線に射られ こころ知る 正すつもりが逆に糺され
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イランより むんずとふぐり 掴まれて 身動きとれず もがくトランプ
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