「今日は四月六日ですね 今年も一年よろしくお願いします」/三十一音届く
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春仕様 猫と私も 衣替え 言いつつ寒く ストーブ囲む
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飛んで跳ね 殻を破って 突き抜ける ロックの元祖 ベートーヴェン
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ゆっくりと期待と不安の花びらが心にヒラリと舞い降りてきて
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黙々と釣り糸垂れる夫の傍で はしゃぐ吾子たち 過ぎし日の光景 /回顧
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※ 花祭り 雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
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シャーロット いつも会う場所ところ 横断歩道上 君も私も 同じルーティン /犬です
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日に透けてやさしくそよぐ木々の葉は燦々として風に煌めく
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富士白き春まだ半ばの甲斐路往く ともがら笑みて山桜かな
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「ありがとう」デカフェの甘み溶けだして 誰かに言いたい今日という日を
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お師匠の声に呼ばれて軽トラへ積むのは釣りのお土産話し
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窓枠に切り取られた空の青 雨に洗われ 何と清々し
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殿様トランプ大統領の 舌の裏には舌があり 振り回されて それも世の中
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罪咎つみとがをしばし忘れし散り桜 何人なんぴとの上分け隔てなく
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群青のスーツに笑みを貼り付けた青年がゆく四月一日
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ただいまと扉ひらくとおひなさま おかえりなさいと母のまなざし
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帽子かぶりベンチコート着てマスクして杉林下のゴミ収集場へ
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西行の歌をそらんじ老夫婦 桜尚舞う羨む我に
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漱石がかつて座った縁側にじっと佇み春風に酔う
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焦点の揺れる駅舎に目をそらし騙し絵のように君と知らずに
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 公園へ 誘われし春 にぎわいて いつしか夏の 夕暮れ想う
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「そのままでいいと思うよ」そうやって僕じゃないほう選ぶんですね
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枝垂れ梅 香こぼれる 春月夜 酒酌み交わし 花の宴  
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二時の列「クジラ」のあとの「ラーメン」で決着つきて煮干しも薫る
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子供らの歌聴きながら家事をする 今日は花曇りのち雨の土曜日
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生まれたての萌黄が笑って風が吹く わたしは春を深く吸いこむ
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無垢な笑み失う怖さ憂ふ世を 悟られぬよう笑みを保てり
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消えた短歌思い出してはメモに書きまさに推敲二つ三つ四つ
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嫌われる 都市型クマも 命懸け 裁判官は 猟銃を持ち ※複雑な……
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子の爪を切らうと新聞ひろげ知る土屋文明賞立ち上がり
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