やすやすとキレイゴトだけ述べたてる 戦後昭和の学級委員のごと
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スカートをめくった相手はわたくしの おそらくそれは初恋の人
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つゆのまか 鏡のなかのわが髪の 白に褪せたるテセウスの船
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かけ足で選挙制度を子に教へ投票先を濁して終へる
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果てしなき想ひモクモク夢の白 青き空へと雲の階段
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若草の泉に寄り添ひ陽に向かひ 雲雀と歌ひ風とそよげる
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明日もまた 会うのだろうに 石段で 話しこけてる 学生いいな
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苺大福だいふくをキメなきゃやってられないよ 試験と就活 中指を立て
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小用に醒めし夜半に老境の雪月花なき「東京アプリ」
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生命いのちとは熱きものにてたらちねの母子はわれを父親にせし
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一億の國民たる日を逃れ得ず國家のひとつの家に喀く血も
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誰も居ぬ事務所でひとりティータイム社長の椅子にふんぞり返り(私は末端社員)
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寒中は 生きていること 思い出す  凍えた両手 包む両手に
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柚子の香の熱湯あつゆに入りて憂きことを洗い流して変身解除
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君がいる 詠う横の その横で 馬に歌を 聞かせるようで
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曇天と 墨汁なぞる アスファルト 雪衣着て 緑待ちわぶ
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高さこそ突きつけらるる峰の花 霞の中にてとくと見据えん
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痛みさへ消えゆかむかな 微かなる 蜜の香りか君の刺しあと
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朝げにて 空いた小鉢を 見つめつつ 想いを馳せる 祖母のぬか漬け
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バス停のベンチに座り来ては行く電車の音を聴きて わびしや
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今どこに墓石へ向かい問えばだだ山茶花ひとつ花びら落とす
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街頭の演説の中通るとき過緊張する身がひきしまる(笑)
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微笑みや涙のわけを探したら…曖昧模糊を枕にごろ寝
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満月が右上にゐる信号を左折でむかふ夜明けの世界
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けふの夢 帰らぬひとにて満席のバスに遅れて挨拶などし
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ふるいかけ落つを嘲るお殿様 痩せる庶民のはらわた抉り
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宴の儀 歌の剣舞は華やかに 刹那ひと突き片目をペンで
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恵方巻黙して食すが定めとか独りの吾はいつも黙食
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四方から 聞こえる歓声 今は無く 静けさ漂う 節分の夜
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自白するスカートめくりをしましたと 学級委員にうなじをたれて
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