雨上がり気温上昇 もやの中 再び春へ一直線の朝
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面を脱ぎ試合のあとに配られた薬缶のカルピス薄くて美味い
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学研の付録に焦がれた鍵っ子の夢はち切れるアパートの二階
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義を為せば民は刃紋の覇を恐る抜かずに収めよ真の知者たれ
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インクのフェロモン辿る本の虫 活字の森にお花摘んでる
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一打差も勝てば嬉しき負け悔し 飛ばぬ白球止まらぬ破顔
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銃声はきこへて来ない非正規も正規もならび牛丼たべる
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真冬より 肌を舐めたる 春の風 襟袖口を強く締めたる
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店先にぶらさがりをるはたはたの 骨柱ごと顎でくだきぬ
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愛されるセンスが足りない変わり種まったくネタには困らん奴だ
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眠いのに抗うクセは拒眠症 死んだらゆっくり眠ればいいさ
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青空にキリンの如くクレーン立つ データセンター積み上がる 雲
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イチゼロの波の間に間に小舟ゆく情と涙の櫂に絆され
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山はまだ 寝起きのような 色をして 少しくしゃみを こらえている
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隠れ蓑羽織る数だけ身は軽く化身ふえゆき我も誰やら
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スーパーのチラシに家族が溶けていて私自身は何も見えない
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目移りし買えずに帰る縁日の氷川神社や提灯揺れて
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宇宙(そら)に咲くアカシアの黄よ夢ならば漂ふ香こそ瑞々しけれ
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腹の虫 飼えばむしばむ心の和 虫は大好き黒い怒りが
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朝六時 わたしのためのコンサート あなたの寝息と鳥のさえずり
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戦争も花粉も我の上をゆくどこまで鈍感でいられるか
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咳き込めばトローチ持ちて妻のくる隣の部屋の壁の薄さよ
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今週の乱高下する血圧はひとまず忘れカラオケに行く
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すぐそこの春の気配をかき消してびゅんびゅん吹雪く冬のプライド
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雨上がり 立ち上り来る土のを 風が運びて啓蟄のこう
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北風に 凍えてなびく 梅の花 春は足踏み 曇天もよう
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閉づシャッター並ぶ 寂れし商店街 宵闇を灯すLED
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温かい湯船に浸かる 泣きながら刺さった言葉を一個ずつ抜く
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土温み 駅ロータリーに 下草を食む 鳩・雀 カラス横切り / 訂正しました
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AIは 人間よりも? 褒め上手 自ら手綱(たづな) 強く引き締め
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