茶の色の束の間に褪せ松抱けど小舟や過ぎし蒼き川の辺
19
黒き羽ゴミを見張って塀の上 話しかければ春の友達
19
今日だけは逢いたかったし今日だけは声が聞きたいキミから着信/ありがと
19
雲の無き空の寂しくの里の瀬に母を思わば涙こぼれて
19
雨が降り風も吹いての半月も入学式まで桜持ったな
19
1首詠み吾の機へ送り受信して吾を振り返る詰め込む明日
19
お孫さんより贈られしものなのか おうなのスマホに吊らるる«ちいかわ»
19
僥倖の大口取引掴み取り シニアの意地をここに示せり
19
菜の花は今茹で上がり厨には蒼き香りと春が拡がる
45
箱根路の高嶺へ消ゆる86を焦がれど我は愛でし軽トラ
18
「さよなら」の 余韻は直ぐに消え去りて 都市なるものの 本質を見る
18
親ひとり 置いていくのは 忍びなく ただ鬱々と 何とか生きる
18
何かこう 口さみしくて キッチンと 居間行き来する 花の雨の日
18
どうしようもうダメダメだダメすぎる私の場所はあるのだろうか
18
誇る花 散る花もあり 野辺の花 人が愛せば 次の世もあり
18
ぐちゃぐちゃの豆腐顔して爆発だ 君だけにしか見せない自分
18
大地揺れ遠きあなたを照らす目が上下左右に彷徨いやまず
18
光る音パパパッパーパーがア・イ・ラ・ブ・ユーだろうと思う未知との遭遇
18
真夜中に窓の戸開けて誰か見ていたら怖いな風の音聞く
18
風そよぐ今宵を照らすピンクムーン花の薫りに揺らぐ月影
18
桜舞い欅は芽吹くさわさわと御宮をわたる風の依代
18
雪花(せっか)ほど 縁に欠けある 飯碗(めしわん)に 囲炉裏火映り 麦飯を食む
18
オイルとは地球に流れる血液だ人はドラキュラ生き血を啜り
18
夢の中 ぐらい良い夢 見たいもの ピンチ連発 寝ていられない
18
田畑が 家に道路に 置き換わり 今岐路に立つ 列島改造
18
いつの間に増えなくなった思い出と作れる料理作らない日々
18
俯瞰せる人の世の庭眺むれば色の違わぬ芝の色かな
18
観桜の ぞめきをよそに 寝つ起きつ 持て余すなり 微熱ある身を
18
言うたとて 晴れる胸でも ないものを ぽろりと零れ 忸怩たる愚痴
18
帰り道 青いインクの 言の葉が やさしく沁みる やさしい雨と
18