西の窓 沈みゆく陽をでた夕刻 今家々の屋根が遮る佳景
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取り出して 眺めて聴いた 「レクイエム」 モーツァルトの 最後の手紙
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給食は残さず食べるべきなんだああそれなのにキノコが見てる
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国であれ 人がする事 愛憎も 駆け引きもあり 何処に落とすか
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平和の世ねがふ口もて謗るわれこころやいばや鞘ぞいづこに
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春霞 上着を脱いで たゆたうて 鳥の声また 穏やかなりし
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生きづらさネットのせいにするあいだ 網の隙間を烏は探り
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故知らず 人恋しくて 茶を啜る 彼岸の明けの 薄日さす午後
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週一に 来る孫からの ハグ受けて たちまち我は 充電満タン
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川の勢に削られ石ころブーメラン海は白波「勢い矢ッ」とそら
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雪のないベランダ脇には四五人のコロポックルのごとく蕗の薹たつ
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幼き息子 日がな一日どろだんご 磨きに磨きし その光沢勲章もの
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我が庭にムスカリ連翹 雪柳 桜吹雪きて彼岸の明ける
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ぬくぬくと  背に受くこたつ  画面には  アフリカゾウガメ  われが映れり
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ランドセル姿は最後 卒業のおとなりの子を送るベランダ
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花ながれ枝たゆたえば古の栄華ぞ散りぬ楼門の風
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闇の中  ランタンひとつ  ともしおり  音の波間に  夜は深まり
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父母と 炬燵囲みし 遠き日の 帰ることなし 春の淡雪 /想い出は飢餓の如く
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枝ぶりの構図瞼に 老木は枯損木となりて久しき
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並んだな並んだけれど入れられずハイブリッド車ハイブリッドを横目で見ては/ガソリン
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灰色な今日をなんとか変えたくてデルフィニウムとトマトを買った
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年なのになんでそんなにツヤツヤとしているのだと禿見て言うか
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ぼた餅のあんをこなして黒ゴマときな粉を添えて三種供えり
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耳かきをしている時のあの顔は誰にも見せれぬ顔であろうな
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サービスのミニトマト種粒入り 十粒確かめる息を止めつつ
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今此処の 種火ボヤにて 消し止める 何れの時の 大火に備え
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ウォーキングあんこ型女子二人連れ母さんを待つ僕を睨めつけ/何か気に障ったのでしょうか
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初嵐 威勢良き名は 見目無垢の椿と知りぬ 詠う人いて
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好きな人黄色い傘を差している恋空は今晴天となる
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混雑を 避けて近場で 見物す 呼吸ひとつ 花が満ち足り
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