真っ白なレースのカーテン揺らしつつ 春風ふわり 部屋へ迷い込む
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想い出すこともないまま花の香に不意を突かるるきさらぎの夜
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このカレー実はシチューのリサイクル働く母が添えるらっきょう
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口紅も 着けない君の 佇まい どこかに忘れた 裸のココロ
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山麓の清水ながれ義父からの日本酒二升飛山と筑摩
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義理でもなく 特別愛でもないけれど チョコは 勝手に  笑顔を運ぶ
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赤い糸 たぐり寄せたその先に 君との出会い あの日の譲渡会
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扶桑なるゆずりはの葉や 歯固めのゆりかごゆれて きよらけき雪/折句
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味もなき白湯をすすりて酸ひ甘ひわが身の内の塩梅を知る
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あっいけねポンカンの種飲んじゃったせめて短歌のネタにしなくちゃ
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丸まった背 いっぱいに陽を浴び まどろむ君 束の間の春 明日は春寒
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僕たちが 不動と信じ すがるのは 昨非今是の 正義に過ぎぬ
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偉人さえ時が変われば暴君で見方変われば英雄となる
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さりながらみそひとのみちの遠ければ掃くも動ぜぬきざはしの塵
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出てくれよ、頼んでいるのに無視される 自律神経腸を支配し
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アイロンでシャツの皺のばすついでに こころもシャキッと正す朝かな
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吾妻山 冠れし雪が 形変え 衣を少し 脱ぎたるように
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りくりゅうの金の鶴舞う朝空や よくぞよくぞの拍手轟音
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我が子には 愛と不安が同居して 孫への感情 ただただ愛しい
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いくらにもならぬ還付の手間暇を思えば迷う税の申告 確定申告始まる
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つま先をたてて背伸びし指先を天の何かに伸ばしてみる時代とき
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愛しさのほむらしずかに立つ夕べグーグルフォトの走馬燈に似て
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三時間二十四分なり我のプレイリストを繰り返し聴く
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涙星 泣きたいときは鳴けばいい いつかは渇れて 忘れてくから 
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「雨水」だと気付いただけでホッとした雨が降るから春が来るから/明日雨水
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乗り合はす女性ひとカバンに吊るされし マスコットのシマエナガの視線
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始めれば素早いのだが動かない動きたくないスイッチは何処どこ
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抽斗ひきだしを整理整頓 混沌こんとんす思考と共に 心整ふ
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受験直前 大丈夫な息子は寄ったファミマで『ゴルゴ』立ち読み
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『夢みたい』犬を迎えし孫つぶやく 緊張と嬉しさあふるる テレビ電話に
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