不屈なる自由の炎に立ちて野合の果てのマル道険し/折句
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親心「おや」とも思わぬ子心に手心くわえる小心の親
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スピードで死に損なった翌日のなんと優しい窓の光よ
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白妙の無印良品店内で静かなぼくが静かに暮らす
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暮れ急ぐ空のひかりを惜しみつつ 鴨と並びて影を重ねむ
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いいね数いい歳すごして貰う花 若いよ若い未成年だよ
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りくりゅうよ 老眼に涙溢るる我 ありがとう以外の言葉みつからず
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雪の日の衣更着冷えて昏れなずむ練習帰りや手に息を吹く/折句
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春風に いきなり頬を 平手打ちされたみたいな この寒暖差
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満開の 河津桜が 春を告げたり 主の退院を待ちわびて
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久しぶり ひとり時間を たのしむわれ あなたといるのも 大好きだけど
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懸案の債権回収成功し やれやれやれとロング缶呑む
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幼き子キュンやグズるや竹の子や少子しょうしに笑み咲く歌に癒され
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隣席は 誕生日ケーキ 受け取りて はしゃぐシニアの声幸届く
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シャンプーの泡に流してほぐれたら浮きて心は歌に染められ
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隣人の訃報知らせるドアホンのひそやかに鳴り 春待つ夕べ
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ひび割れた バス停のベンチの端にガムテープ 絆創膏の如
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名言の「めんどくさい」を言いたがる妻は女子する暇があり過ぎ
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ひなたには 満開の梅 見つめつつ 桜と喜び 孫がはしゃいで
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深き森 泉を求め獣道 小枝パキッとハラハラ進み
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如月の 摂氏十度を 超へる昼 上衣の要らぬ 心地き冬
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満開の山茶花並木はべに燦燦 冬のフィナーレ飾る如くに
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アスリートみんな孤高の顔をして幼き日々の親の送迎
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猛暑ニ度 越えて大株 シクラメン 深み増し咲く マゼンタの花
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鬼さんを怖がらない児いるんだな戸惑いつつも嬉しげな鬼
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珈琲とサイゼと君とひもすがら黙して啜る起承転転
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うまさとは温度だらうと揚げ焼きの春巻かじるけふも独り呑み
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義理だよと言い繕ったチョコレート奪って妻はバリバリと食う
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わたしから受験やめたらと言われても続ける息子の強さに涙
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許されぬ 恋に落ち逝く運命なら ともに地獄へ行方もしあわせ
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