戦地にも聖夜の灯りひそやかに涙の影の子らの笑顔よ
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いつもより早起きの分薄暗く明かりを迷いて通院の朝
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花の手いれ 始めしきみに ひかりさし やすけきときや 歌の生まるる
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セリアにて 猫の毛チャームも ゲットだぜ このこを連れて ライブ行こっか
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離れると分かり初めてこの町も素敵だったと気づく年の瀬
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きのこ雑炊 ごぼうサラダに 抹茶クッキー 明日の夕焼けも 一緒に見よう
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ひさびさに チビ猫抱いて ねむりまし 夢じゃないよね 冬のお楽しみ
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筋肉痛 輝きの日々を 通知リマインド 三日前なり 解散ゴルフ
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夜明け前の染め抜いたような藍色の空は裾から白みはじめる
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みどりごのはだかの足がぶらさがり 若い夫婦のリュックの脇に
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あきらかに血縁者とは見えるけど 意外と他人な阿佐ヶ谷姉妹
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家向かう 重たき腰を ひっぱたき 帰らぬ理由 仕事に求む
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半身をせり出したまま躊躇する寒い閉めたい猫を蹴り出す/すぐ戻ります
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サンタさん夢見る子にはいい夢を見れない子には靴下編んで
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なにもかも すててしまえば 楽ならん この肩の荷を ぶちまけたし
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道場の 上座に座り 思い出す 宇宙を求めし 青い時代を
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外は雨8階ベーター前ひとりゴルゴな気分で間隙狙い
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一番星 あかるく我を照らしゆく 奈々さん わたしの一等星よ
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自治会に汗かく面々生き生きと 老いへの歩み 半歩ほど停め
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ねこたちの おみやげおやつは 買いました 旅するちゅーる ほかにも色々
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孫たちの回転寿司の空き皿が タワーのごとく ジジババ照らす
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我ひとり己の中にもわれひとり五つの口はあーだこーだと
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地に落ちた葉にも命があったこと描けば光るわたしの絵筆
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数年に一、二度口に出してみる 妻への感謝 おそらくは「愛」
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往ぬ時は ひとりがよいな 人知れず 風にさらされ 土とならまし
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ひたむきに 空ばかり見し 少年の 瞳の奥には 何がありけむ
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真実の強さとは何か 胸に問え 歩むその足 響く歌声
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個性とは容易たやすく築けぬ天守閣 量産タイプの殻を脱ぎ捨て
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エアコンの下ひところに集まればより一層の家族なる冬
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二十年あまり前より観ざるよし 見知らぬ『紅白』 なれど年越す
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