映像の凪の海には眼に見えぬ うねりに満ちた波の本質
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花咲けば手折るひとあり枯るるとも水やるひとの傍らにいて
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過ぎた恋 取れたと思った かさぶたが そぼふる雨に しくしく痒い
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戦場に植ゑて兵士を養ひぬ 諸葛菜とは蕪の異名ぞ
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住職に  スカウトされし 孫五才 似合うはずだね 線香の香り
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朽ち果てて 終わる命に炎をつける 燃え尽きたとて 新芽の土に
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真っ白な花つけ街路彩る樹 ナンジャモンジャはゆかいな名前
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名乗るほどの者ではないと言い残し落ち葉に隠くる かたつむりかな
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青空に 繁るモミジの樹 日に日にみどり濃さを増し 初夏を彩り
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今ならねちゃんとわかるよあのハグはせいいっぱいの I love youだ
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今はもう ここを去る事望まぬと くいや憂いは多少あれども
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テラスにて 資料まとめて 夕刻に 寄り添う親子 笑顔可愛げ
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風に舞う綿毛に揺れるタンポポへ母の笑顔を照らして歩む
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新緑と 苔むした庭 朝のカフェ 貴女と過ごす 癒された我 
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櫛に生ゆ 母の髪の毛 細き見て芒の夕べの風を抱く我 「芒のぎ。すすき」
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荒天の 運河の流れ 見つめつつ アトリエで待つ 時とまる午後
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自転車の旅路に満ちる花の香をこぼさず走る夢の百キロ
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陽光の眩しさ時に灰になる頭痛持ちには遮光カーテン
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軒並みの庭に魔法をかける南風はゑ 早咲きの藤の垂るる卯月
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愛のない単なるオスの事件には同時代者はついてゆけない
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朝の陽へ撒きし餌へ舞う群れ鳩と触れ合う爺の影は伸びやか
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いつ会える金曜日なら平気ねの文に溜め込むランチの笑顔
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キンセン花 命の捧ぎ萌えてなを慈愛果てなき道へいざなう
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きみが今やっと笑ってくれたんだ嬉しいのにさ泣いちゃったよね
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わが好む 写生の歌と 異なれど 幾たびも読む かの人の歌 
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いにしえの願いを捧ぐ甘き香の清楚たゆたうカモミールかな
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夜更しが峠を越えて朝になり 夢へ「おはよう」日の出と眠れ
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窓を開け 卯月の風吸い込んで 気分リセット! 「今日」がまた始まる
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紫雨浴びて 枯れゆく頬も なまめかし バス停までの 藤のまやかし
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吾妻山 種蒔きうさぎ 姿消し 野を駆けめぐれ 冬に備えて
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