指先を砂糖まみれにして食べるシナモンシュガートーストがいい
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金利差のコンマ一位に幸求め一時間待つソファの固さ
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よる独りたわむれ歌を書きおけばそでのうちよりかすむ妻
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「出したくねぇ、あんたの都合は聞かないよ」 腸が手を組む自律神経
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誰もが皆 心優しい 世界なら 大声もも 張らずにいれる
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ピタゴラの玉の軌跡のなぞる詩 転がる変わる心トリック
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春忘れ芽吹きを忘れしおれゆく市井の一票どこかに消えた
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きしむよに鳴き交わしゆく冬鳥の白きやじりあかつきの月
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好きな曲シャッフル再生満員電車 音量ボタンを二回押す
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若人が雪と氷を友として 命謳歌すミラノコルティナ
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色のない 世界で君が 絵の具持ち 筆持つ僕に 「色をつけて」と
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「人間がひねくれているから」とまず前口上から語る愉しみ
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はんなりと梅愛でる間の惜しければけんもほろろに鶯の邪魔
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母無き仔熊 自然の恵みに囲まれて 山中の暮らし 続けと願わん
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子を洗い 妻に託して 湯につかり アヒルのおもちゃ 沈めてプカリ
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流石です。やみつきになる「チョコまみれ」あの顔見れば不二家にまみれ
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切りたての君がショートの襟足よ 春空仰ぎ吾頬赤め
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青空に映ゆる紅梅 咲き揃い 指差すおさな子 見守る母の笑み
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花屋から淡いフリルが香り立ちほのかな喜び思ひ出しけり
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真っ白なレースのカーテン揺らしつつ 春風ふわり 部屋へ迷い込む
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見ない間に 変わっちゃったね 君の表情かお 私が恋した 貴方じゃないのね
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想い出すこともないまま花の香に不意を突かるるきさらぎの夜
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このカレー実はシチューのリサイクル働く母が添えるらっきょう
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口紅も 着けない君の 佇まい どこかに忘れた 裸のココロ
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山麓の清水ながれ義父からの日本酒二升飛山と筑摩
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義理でもなく 特別愛でもないけれど チョコは 勝手に  笑顔を運ぶ
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赤い糸 たぐり寄せたその先に 君との出会い あの日の譲渡会
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ありがとう こんな言葉を 言えるのは 今幸せと 証明すること
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扶桑なるゆずりはの葉や 歯固めのゆりかごゆれて きよらけき雪/折句
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手離せば歌はふた世の始まりぬ 道標しるべなき野に骨晒すごと
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