富士白き春まだ半ばの甲斐路往く ともがら笑みて山桜かな
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片付けの頃合い逃し部屋の隅 放置のストーブ 今宵こよい火を灯し
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紡ぐは景色の糸で僕を織る僕を導く紡ぐひとみ
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渓流の釣りの前夜の上り坂ゆくぞライトだトライと進み
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やさしさを求めるだけの人だからずっと本音は言えないままだ
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ただ年齢としが増えるのでなくそれなりに衰え進む出来ぬこと増え
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老乱視裸眼で見ればあちこちで焚火と紛う水仙の群
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愛抱けど君の写真に降る秒の積もる切なき悲しきセピア
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水泡みなわこそ逢瀬のごとに透き通り 壊れぬうちに君を忘れむ
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光とも 影ともみえる 横顔に えくぼみつけた 半分の月
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真新しランドセルにも花びらが 雨をお供に孫入学式へ
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雨降る日 スーパー行きは あきらめて 冷蔵庫のぞく 特別スペシャルレシピ
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九十九の母が労わる七十四 逆バージョンの『老々』にして
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世界中 似たような事 起きていて 進化はしても 猿の末裔
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毎朝に とりの過酷を 思いやる 大きさよりも 殻の薄さに
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雨上がり蝶かと紛う白き花 スナップえんどう夢をひらひら
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雨声うせい止み 扉を放ち 一呼吸 雨の残り香吸ひつ 散策
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週末に 雨に打たれし 祭り場は 静寂の時 耐える店員
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いつの間に増えなくなった思い出と作れる料理作らない日々
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俯瞰せる人の世の庭眺むれば色の違わぬ芝の色かな
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風呂の湯をまじまじ見つめ降りてみてバチャバチャ這い出す濡れ猫亡き猫逃げて
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言うたとて 晴れる胸でも ないものを ぽろりと零れ 忸怩たる愚痴
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感嘆の「しおそば」飲み干す寸前に残り餅入れ味わい尽くし (ニュータッチ凄麺)
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帰り道 青いインクの 言の葉が やさしく沁みる やさしい雨と
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春の夜に 紡ぐぬくもり 憩えるなら 今もほどけぬ 花かんむり
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嫌われる 都市型クマも 命懸け 裁判官は 猟銃を持ち ※複雑な……
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どん兵衛をすすって深夜ラジオ聞く 見えぬ仲間も期末試験か
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戯れに 答え求めて 幾世紀 今で云うなら 学者馬鹿?
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「今日は四月六日ですね 今年も一年よろしくお願いします」/三十一音届く
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声のトーン下げてと言うねん日本やな世界は強いでパッション大事
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