「彼女できたら行くんだ」と息巻いた海沿いのカフェ  まさかの閉店
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露西亜兵今日も「うらあ」と言いながら戦ってるかトルストイ読み
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還暦の 年を迎えて ふと思う 少し大人に なれたものやら
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若すぎた 恋だったから 楽しくて 無邪気な君は もう思い出に
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無理矢理に忘れる必要ないけれど自然と忘れる方が寂しい
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春雨のふるき軒端の梅が香は誰が袖触りし形見なるらむ
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雪道に残る足跡目を凝らし知らない犬に思いは馳せる
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おかあちゃん おてれびみてると つまんにゃい ちま猫ちゃんは あぴーるするよ
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誰かのため 過ごしてきたの 残りはさ わたしのために 生きると決めた
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君のみた映画を一人で見に行った自分が少し嫌になる晩
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わたしにふれるきみの肉球はつめたいが 爪をたてないやさしさもある
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ラインより手紙がいいと書きまくり返事を待てど来なくて短歌
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建築の 天才ガウディ悲劇人 段差に躓きそこに電車の悲運ありサグラダファミリア展より
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淡雪を 乗せて消えゆく交差点 赤いシグナル季節を置いて  
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三島江はなほ風冴えて真菰草まこもぐさ角ぐむ上に泡雪ぞふる
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強風に 抗い羽ばたく 小鳥みて 吾の生きざま しばし自戒す
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ゆるやかに流れる雲と笑う君 この世に二人 されどまた夢
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色のない 潮騒をゆく 浜千鳥 岸に寄せるは 捨てられた夢
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「上手だね」「練習してるの?」「頑張って」味方の振りして馬鹿にしやがって
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犬散歩君はどこまで歩くのか 風は強いし鼻水ずびずび
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今の世も不正のおおう政治なり 2.26の蜂起の怖れ
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白壁に水面の影ぞ揺蕩ひて おとなひ告ぐる 春日舞姫
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夜道なら誰もが主役スター僕でさえ 優しく照らしてくれる十七夜
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子はふたり多忙抱えたそれぞれは母親なんて無くても平気
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体にはたまに戻ってくるみたいかあさんどこへ遊離してるの
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さくら前 梅に菜の花 水仙と 花だよりきく 真白の大地
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風の底に ふと懐かしさ 感じ居り 東京 下町 江東区 春
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自分に嘘をついたまま踏み出した足と心はいつでも痛む
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居なくてもいい生き物を乗せ船は浮かび続ける朽ちるときまで
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泣くことが 許されるなら あの土手で キミに抱かれて 鳴いて果てたい
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