あの日から揺れと同時に亡き猫は反射でふとんに潜るようになり
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白鳥ものんびり者がいるらしい今朝も二三羽連れ立ち北へ
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「相棒」の最終回の予告見て 春が来るんだ毎年想う
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学生服 友とはしゃいだ あの頃に もう戻れない 戻りたくても
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真冬より 肌を舐めたる 春の風 襟袖口を強く締めたる
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あゝハズいおゝ意外かなすゞめかなつゞる踊り字こゝろ躍らせ
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お雛様 今年は受験で 愛想出来ず しばらくオヤスミ 明くる年まで
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如月のきっと結んだ糸口が解されてゆく「や・よ・い」という音
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寒緩み買い物帰りにセカストで明るき色のコート手に取り
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歌詠みは必然の網巻き上げて途方に暮れる漁師みたいだ
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連れ合いの笑顔見たさにふざけては笑われてこそなんぼのわたし
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「わが国」と 連呼連発する国に 吾の命は 砂塵の如し
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氷の下をひそか流るる水の音今は健気に春を抱えて
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救いとは苦しみの果て「ほんたうのさひはい」さがす『銀河の図書室』
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許されて安穏感ず関係を持たず久しき月日流るる
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二位通過どこがどこやらわからぬもホッと安堵の「がんばれニッポン」
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病院の帰りに寄った公園で、「結婚したい」とふんわり思う。
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静寂しじまさす電球色に夢うつつ元気ぐるぐるパンツは回り
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犠牲者の数字は言わずタンカーが来ない場合のガソリン価格
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陽だまりの たんぽぽひとつ 春が来る 小さな風が そっとゆれてる
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庭の木が 雪を被りて 花景色 寒さの中で 得した気分
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ソラリスで優雅な老後を暮らしたや BWV639聴き(ハピネス殿へ返歌)
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往き方は調べたけれど間に合わず 疾うに葬儀が始まる刻や
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砂塵より 花粉舞い散る 舗装路の 公的工事の 適正を問う
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地方都市 人を招いて 原資とす スポーツ芸術花盛り
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朝餉にて ミルク浸せば クロワッサン 腕に残れる みどりごの重み
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PCもスマホも持たぬ野球ファンほんとにないと困惑の淵
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風止んで 瞬く空や 暖を取り スマホ立て掛け 聴くドビュッシー
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昼食の帰りの道端タンポポに「やぁ春だね」と花をつついて
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夜が更けて 寝つかれぬまま次々と 思い巡らす過ぎし日の悔い
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