万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
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日にそよぎ薫りしずかに咲く薔薇の花びらにく淡い蜂蜜
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指切りをする手が蝶に見えるから交わしたあとは春野に逃がす
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青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
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腐れ縁憎まれ口と減らず口破れ鍋一つ綴じ蓋一つ
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にょきにょきと 立派なアスパラ顔を出す 心と身体に 元気チャージ
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愛犬に余命宣告 あくまでも推測 長生き固く信じる
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花菖蒲ご無沙汰の友思い出す政治談義に花咲かせし日
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味つけはせめて日毎に変えたいの今日は酢味噌で明日はごま和え
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もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
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やは肌の君の血潮も映らない写真にいいねを付けない指紋
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外来をすませ医局で一服し「一日一首」に生き甲斐おぼゆ
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春なのに 寒く冬服 春服を 交互に着ては 衣変えれず
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薫風に 揺れる藤棚風に乗り 甘き花の香ほのか届けり 
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胡麻和えを作りし後のすり鉢に冷や飯擦り付けひとり頬張る/調理者特権✌
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声だけは憶えておいて いつかもしすれちがったらそれで気づいて
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二組の万年布団の片方が謝るように畳まれている
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春麗ら 予定も無い日を 子と過ごす ありふれた日々 いつもの笑顔
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ISO 認証取って人殺す機械を作れと母は言ったか。
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君と飲む土曜日の夜今ここで言ってしまうか一人で暮らすと
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もしも今わたしが親鳥だったなら子供にさよなら覚えさせない
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花火など鳴って何かの催事かと思いつ母の襁褓おしめを替える
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おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
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木金を休んで八日の連休を自慢するなよ無職の吾に
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1日に二回までのバファリンを信じて眠る 雨の火曜日
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知ってるかい悪魔が編んだ歳時記じゃ夏の季語だよ腐乱屍体が
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産休で職場を離れる同僚に ろくな言葉もかけてやれずに
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春は好き暑くもなくて寒くなくガス電気代かからないから
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うたかたに 登録してみたよ たのしいね 短歌の文字数何文字だっけ
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世の中は川の流るることながら水にくだくるいわも在りけり
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