寒緩み買い物帰りにセカストで明るき色のコート手に取り
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歌詠みは必然の網巻き上げて途方に暮れる漁師みたいだ
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連れ合いの笑顔見たさにふざけては笑われてこそなんぼのわたし
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「わが国」と 連呼連発する国に 吾の命は 砂塵の如し
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氷の下をひそか流るる水の音今は健気に春を抱えて
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救いとは苦しみの果て「ほんたうのさひはい」さがす『銀河の図書室』
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許されて安穏感ず関係を持たず久しき月日流るる
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二位通過どこがどこやらわからぬもホッと安堵の「がんばれニッポン」
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病院の帰りに寄った公園で、「結婚したい」とふんわり思う。
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静寂しじまさす電球色に夢うつつ元気ぐるぐるパンツは回り
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犠牲者の数字は言わずタンカーが来ない場合のガソリン価格
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陽だまりの たんぽぽひとつ 春が来る 小さな風が そっとゆれてる
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庭の木が 雪を被りて 花景色 寒さの中で 得した気分
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ソラリスで優雅な老後を暮らしたや BWV639聴き(ハピネス殿へ返歌)
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往き方は調べたけれど間に合わず 疾うに葬儀が始まる刻や
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砂塵より 花粉舞い散る 舗装路の 公的工事の 適正を問う
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地方都市 人を招いて 原資とす スポーツ芸術花盛り
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朝餉にて ミルク浸せば クロワッサン 腕に残れる みどりごの重み
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PCもスマホも持たぬ野球ファンほんとにないと困惑の淵
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パソコンの操作を教えてくれるひとー?・・・なんて優しいスマホAI
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テレビ消し、静かな部屋に雪が降る見ない優しさ認めてほしい
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暮れ六つを過ぎて やうやう星影の見ゆる弥生の オリオン高し
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川べりの土手をトコトコ四十雀二つ三つ咲く青きムスカリ
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仏壇に選手名鑑供えると春が来たなと毎年思う
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外来の診察きょうで最後です三条大橋桜の眩しさ
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薄紅の 桜咲くたび 色褪せぬ 心の中の 君に伝える
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白髪を櫛けづる手もおぼつかぬ老ひが養ふ子の五十ごじうかな \8050問題
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西日射す 部屋の隅にて 泣く君の 髪に映ゆるは 明日への光
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幸せな湯気が並ぶ食卓のテレビに映る遠くの爆煙
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運命の残酷はしみじみとした共感も脅かす凶器だ
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