キャンディの包み紙まで桜色 今日のチラシもどこもかしこも
17
価値観は相対ゆえにドローなりされど歴史は大砲を撃つ
17
重力を枷と思わず生きている月に行けたら口角軽く
17
咳込めず喉の道筋がらついて素麺啜るは苦行と覚ゆ
17
サブスクのようだね、多分僕たちは 日々のくらしを課金にかへて
17
雨上がり気温上昇 もやの中 再び春へ一直線の朝
17
面を脱ぎ試合のあとに配られた薬缶のカルピス薄くて美味い
17
学研の付録に焦がれた鍵っ子の夢はち切れるアパートの二階
17
義を為せば民は刃紋の覇を恐る抜かずに収めよ真の知者たれ
17
八朔の 皮剥きつつ広がる春のを 目を閉じ味わう さき幸せ
17
インクのフェロモン辿る本の虫 活字の森にお花摘んでる
17
一打差も勝てば嬉しき負け悔し 飛ばぬ白球止まらぬ破顔
17
レモネードひと息飲み干す 早春の微睡み覚めし夢こそ清く
17
銃声はきこへて来ない非正規も正規もならび牛丼たべる
17
真冬より 肌を舐めたる 春の風 襟袖口を強く締めたる
17
店先にぶらさがりをるはたはたの 骨柱ごと顎でくだきぬ
17
宝くじ買ったかみたい図書館へフォトブック持ち行ったら夢に
17
青空にキリンの如くクレーン立つ データセンター積み上がる 雲
17
イチゼロの波の間に間に小舟ゆく情と涙の櫂に絆され
17
山はまだ 寝起きのような 色をして 少しくしゃみを こらえている
17
隠れ蓑羽織る数だけ身は軽く化身ふえゆき我も誰やら
17
スーパーのチラシに家族が溶けていて私自身は何も見えない
17
水曜の美術館前バス停に春めく君の頬にひとひら
17
いいことにほんの少しの嫌なこと 煮込み煮込んでスパイスカレー
17
一日ひとひ終へ バツ印増へゆく暦 過去へ戻らず 歩みぬ印
17
正解を選べなかった僕たちのノートの余白に降る、雪と酒
48
気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
33
見え透いた落書き捨ててありのまま鴻鵠らしく大空に翔べ
16
掃除する 健気なロボの ご褒美は 充電満タン それでいいかな
16
嬰児虐殺に残りたる頭の割れて受難人形劇の耶蘇置く
16