夕映えのそよぐ植田に白鷺の舞ひ降る影のすがた麗し 

おそろしくやる気の出ない毎日をやり過ごすうちゾンビになった 

君と寝て死んでいけたらそれでいい 貯金してたら嘘っぽいかな 

幾年も かかりし旅の 結びかな 年の過ぐるは 万理よろずことわり 

しろたへの ころも繕ひ 日々過ぎむ 年の待たづは 常日頃なり 

自粛明け おひさまのしっぽ たくわえて 幼子の影 伸びてゆく夏  

横の子に貸したノートが連れてきたふせんの熊とありがとうの字 

三階の渡り廊下で反射する金色こんじき見上げ浴びるファンファーレ 

コスモより ゆらり煌めき降ってくる 幾千星と君のLINEと 

誰がために赦されたいと火を灯す みぞれ静かに降る夜の果てに  

眠るならきみのとなりの墓がいい ダメならダメで それでいいから 

生ビール 深夜営業 何杯目? 語る夢とか 心は大きく 

‪選ぶメニュー選ぶメニューがことごとく売り切れの日はちょっと誇らし‬ 

ひたひたと 満ちる「もしも」に抗えぬ 心細き我 未明の如く  

夜更けには 大切な人が 大切な恋が 誰の胸にも ありますように 

窓際でブレザー脱いだ君の腕 無垢で透明恋した教室 

スーパーな富岳で演算進めたら地球の未来百景のぞめる 

ぼくのデオキシリボ核酸ときみのデオキシリボ核酸が混ざる 

永遠に夏の大気を嗅いでいるそんな仕事につけたらいいのに 

夏至の夜 星の奇蹟を 思いつつ わたしの奥に あなたが届く 

きょう君に失望したただそれだけで 汗ばんだシャツ 折ったボールペン 

鴨川の等間隔を見たあとは世界をすこし愛したくなる 

レイドボス発生時のみ路地裏で会えるさくらの帽子の君よ 

手触りと温度が違う君の声電話越しだと凍ったみたい 

月探す君の睫毛をながむればわが胸中で舞う白孔雀 

うねうねと 月夜の浜に 打ち寄せる あなたは波で 私は島ね 

さらさらとこのまま溶けていなくなれ お砂糖だったら紅茶を淹れよう 

誰も彼も 恋なんてものを狂信し 泣くわ笑うわ 今日も忙し 

ぐちゃぐちゃな  私の色を  隠してく  等しく暗い  夜が救いで 

名前さえ  知らない君と  話す時間  私の生きる  糧だったのに