右脳うのうには 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物つく
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死にたいと口から吐いた白い息 季節は巡ると答えた息
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「大丈夫?」やさしい顔のこの言葉 どんなときでもイエス一択
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窓帷カーテンを開ければ 冴へり 冬の朝 細き残月 見ゆる青空
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漫ろ雨 傘をさしつつ 空を仰ぐ 思案に暮れる その顔は濡れていた
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昨日よりたしかな愛がほしいから日記に書いたあなたの名前
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頼まれて買物提げて娘来しシンクの汚れを見かねて磨けり
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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うつくしいものを見たいと乞い願う私は醜いかおをしている
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寒空のもと ひっそりと葉の裏に 剪定逃れ 残る空蝉うつぜみ
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寂しさは空気が読める奴なので 友の後ろに隠れているの
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エヴァ見ると自分を抱きしめつつ刺しているという感覚になる
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はだいろがピンクベージュと名を変えて澄まして座るクレヨンの箱
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君知るや 人目も恥じず 睫毛墨マスカラ の 落ち滲みたる 我は泣きおり
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ざわざわと人混みの声夕闇に染まる街並みイルミネーション
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暁に 消え入りそうな下弦月 師走の空の雲間隠るる 
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寒き夜に マスクが似合う あの娘かな 君は鴛鴦おしどり 私は独り
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ヒヨドリの尾がスプーンに見え箸を虚しく握る給食はカレー
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薔薇色と すみれ混ぜたる 揚羽蝶あげはちょうの 形崩して 逝く夕雲よ
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八朔はっさくがおっきな箱で届く朝 フライング気味サンタ姉さん
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浜辺にて 君の名を書く 僕の指 打ち寄せる波 君が消えゆく
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雲のない夕暮れの山その奥にそびえるあの山クリアに捉え/冬の晴れた日限定
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「家じまい無事に済んだよ父さん」と墓に供える白い秋桜
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召し上がれ 残さないでね 私の愛 消費期限が 切れちゃうからさ
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ひさかたの光さざめく波間にも 君が御髪おぐし手繰たぐれ我がかい
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脅迫まがいの愛も悪くない 死ぬために生きている我らに
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なんということもない事なんとなく上手くできないそんな今日です
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喉痛く 唾を飲むにも覚悟要る 何故か風邪にも 長居をされる
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火をくべて ほくそ笑む軍需産業 この手にあるは 水か油か
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冬の宵  満月照らす  君の頬  儚く消える  雪の花かな
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