Utakata
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冬村窓果
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夜の感傷と一抹の寂しさ、それから道中での思いつき。
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終電で帰るかも、って出る前に今日のログボは取りきっておく
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熱持ちのスマホは最近動作不良 モバ充すらもご機嫌次第
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居酒屋の薄味サワー(小ジョッキ) だのに炭酸ばかりが強い
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ダサいのは服の在庫がない所為と思ってたけどまず身だしなみ
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百円は割り切れるけど出費上割り切れなくて覗き込んでる
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お手持ちの傘は黄色い線内で気遣いあって濡れそぼってる
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行き道の足もと二度見 甲虫みたいな茶色カマキリの鎌
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踊りたいときに踊れるはずもない その点うたは場所を選ばず
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喋るとき、ぜんぶ喋ってしまいたい 次のターンの保証はないから
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皆々様お手を拝借 ほら立って これでお別れカーテンコール
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みな獣 けれど毛皮を持っていないからには定義上では自称
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咳をする 喉が乾燥してるだけ 風邪じゃないけど罪悪みたい
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「あっいいな」思って場所を見てみると遠く前橋、福岡、東京
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もしもし、と誰にでもなく呼びかけてみたくなるふと心のなかで
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血色の悪さをまるで美のように褒め合う怖気立つ美白主義
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不足した自覚があった未知たちの答えがあった未読の便覧
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運ばれるだけの時間があることがわたしにうたを考えさせる
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他事が充実すれば手をつけず 結局ふとした余暇の産物
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見られたいわけじゃないけどただぼくの生身の
肉
(
じつ
)
を肯定されたい
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「この人は関東かもな」「関西だ」乗るたび思うエスカレーター
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理不尽はあらゆる場所に転がって罪なき人も犬に噛まれる
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活字から離れられないどうしても本じゃなくてもなにか読んでる
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昔からなぜかパスタが苦手です ラーメンとかはじゃんじゃん食べる
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じつと見るあの
眼差
(
まなざし
)
の正体が刃物だつたら傷がもらえた
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取りこぼすことのないよう目を皿にしても手も目も二つしかない
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無いものを「ある」と思って生きているような世界の真実は闇
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萌
(
きざ
)
しさえ取るに足らないものを見るように過ぎてく急ぎ足たち
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階段をひとつ飛ばしで駆け上がるように急いで置いてかないで
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お年頃わざと昔の名称を調べたことが今にも遺る
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琴線に触れる こと、こと、音がする そんな気がする こころが動く
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