冬村窓果
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夜の感傷と一抹の寂しさ、それから道中での思いつき。

ずぼらたす露出嫌いは汗だくで夏でも上に一枚着てる
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衒いなく生きたくはある情けなさ 自信過剰がそれでも透ける
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ふと肩をぐいと後ろへ引くだけでゴリとかなんか音がして嫌
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もうちょっと詳しく書いてくれないかお初はなんにもわからないから
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半月の弧と直線はきみ次第 そっぽ向いたり舟になったり
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案外に現のほうが夢よりも朧なもので掴めずにいる
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人生のためにはたとい現在いまでないほうがよくとも逃さずにいたい
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責任の重みがなくてなにごともまるで所在と思えずにいる
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痛みだけ無視してしまうぼくだけに損があるならまるくなるから
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暗闇のへやではじめて気付く夜思っているより外は明るい
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ペンギンが「ペ」って鳴いたら「ンギン」にも意味を見つけてやらなきゃいけない
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ゆるされてその先なにがあるのかを ゆるされなくて知らずにいるの
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走ったら間に合うはウソその前にもっと余裕を持つべきですね
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ギリギリを生きてるそして当然にちょっと遅れて間に合った顔
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見渡しの良さみたいのがほんとうにいいことだって思っているの?
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ターミナル 人混み流れ 惑うひと 洗濯槽の枯葉みたいに
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ひらがなで「ぴょ」ってなんだか間抜けでも結局それもわたしなわけで
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ペンギンを気取っているのぴょこぴょこと歩いてるだけぜんぶ言い訳
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「演じたい」なんて嘘だよほんとうは殻を被って愛されたいだけ
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薄情なばけものだった そこにある人間なんて背景か物
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大学はたいていは坂、つまり山 広くてきみとの「偶然」がない
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花よりも風より月でそれでいて鳥だけ動物なものってなに?
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まだ耳に「人間みたい」がのこってる どこかの誰かが人間じゃない
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はじまりはやさしさだった慣習も今となっては泥濘みたい
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もういっかい あといっかいの くりかえし 一球入魂 全力でやれ
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譲り合いというか単にとりあえずひとの出方を窺っている
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自意識がいつも左に寄っている 自転車、駅ナカ、エスカレーター
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酷使した目頭おさえ乗る電車 まるで揺籃 おとなも眠る
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詳しくは把握してない時刻表 急げばなにか乗れる気がして
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「祈るしか」 そうは言ってもひとだから保険で他に手も打っている
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