コスモスという平凡が愛しくて秋の光をやわらかくする
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素人の文字の看板海の家斜めに落ちて夏も終わりつ
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髪の毛をメッシュに染めて夏休みメガネは真面目ズボンも真面目
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美容師にぼさぼさの眉カットされティシャツも靴もダサいまんまで
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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鰯雲眺めつ歩くなんだろうスタンド・バイ・ミー歌いたくなる
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じいちゃんのつくった葡萄つややかだ良かった年も哀しい年も
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白桃とプルーンを前に悩んでる君の瞳にうつる惑星
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漆黒を走る流星お前もか俺も同じだひたすら孤独
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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嵐神の怒りに耐えし朝顔は漏れる日差しに藍の清けさ
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唐突に秋の気配はやって来て夏を記憶に変えてしまった
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ずいぶんと離れて威嚇し合ってるトイプードルとトイプードルが
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限りない星また星の中一つ僕に向かって光る星あり
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ニット帽母の手作り喜ばぬ私であった後悔と逢ふ
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空き缶のフタ外さなきゃ資源ゴミ外せば不燃ゴミになる謎
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いい母になってるのかな?亡き母に問えば揺れたる線香の煙
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麦茶煮て残り少ないティーパック一袋買う?答えてよ、夏
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早々はやばやと鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
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花ニラの 白き帽子シャッポの 後ろから 百日草が こうべでる
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颯爽と走る若者つい見とれ 背中を見送る私と老犬
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画面には笑顔溢れると孫が 心によぎる会えない寂しさ
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サルビアはまた恋をして散ったとて風に舞っても紅を忘れず
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目覚めると空から銀の糸流れ秋雨といふ罪に打たれて
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かき氷味を覚えた一歳は 大きなあーんで兄の後追う
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清らかな流れのままに笹舟の精霊バッタの姿寂しい
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賑やかなさえずり声に見上げれば 豊作の柿でヒヨドリ宴会
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窓の外夜毎に通う三匹のヤモリ確かめ夫は寝床へ
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半月は 夜露の虹に つつまれて ななめ上向き 十五夜の夢
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一言も行くよだなんて言われないでも選んでる君の好物
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