期せずして三度帰省のこの夏に 悲しみの中にも故郷は嬉し
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イヤホンは寝歌ねうた聞かせる人の無い私の側でずっとやさしい
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八月は虫の音色がかわりだす幾万年の星の夜の下
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八月は透明な青と口にする花と木くぐる風に吹かれて
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Amazonの段ボール箱溜まりゆく僕の物欲ごと潰したれ
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ハッとした 能面のよう母の顔 もう一度見たいよ昔の笑顔
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繋がった蜻蛉運河をじわじわり海に向かうか逆流しつつ
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コスモスという平凡が愛しくて秋の光をやわらかくする
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素人の文字の看板海の家斜めに落ちて夏も終わりつ
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髪の毛をメッシュに染めて夏休みメガネは真面目ズボンも真面目
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美容師にぼさぼさの眉カットされティシャツも靴もダサいまんまで
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歩けぬが可哀想とは言わないで 老犬キミは大事な我が家の希望
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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鰯雲眺めつ歩くなんだろうスタンド・バイ・ミー歌いたくなる
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寝ることが仕事の老犬昼時は しっかり目覚めてオヤツをねだる\体内時計?
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じいちゃんのつくった葡萄つややかだ良かった年も哀しい年も
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白桃とプルーンを前に悩んでる君の瞳にうつる惑星
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漆黒を走る流星お前もか俺も同じだひたすら孤独
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窓際で外に向かって最敬礼 思わず笑みがこぼれた 豆苗とうみょう
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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老犬キミはもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
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一歳が初めて言った「パッパッパー」アンパンマン お熱の今日もしゃべり続ける
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嵐神の怒りに耐えし朝顔は漏れる日差しに藍の清けさ
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唐突に秋の気配はやって来て夏を記憶に変えてしまった
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ずいぶんと離れて威嚇し合ってるトイプードルとトイプードルが
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限りない星また星の中一つ僕に向かって光る星あり
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ニット帽母の手作り喜ばぬ私であった後悔と逢ふ
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空き缶のフタ外さなきゃ資源ゴミ外せば不燃ゴミになる謎
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いい母になってるのかな?亡き母に問えば揺れたる線香の煙
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麦茶煮て残り少ないティーパック一袋買う?答えてよ、夏
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