Utakata
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指切りをする手が蝶に見えるから交わしたあとは春野に逃がす
24
木金を休んで八日の連休を自慢するなよ無職の吾に
22
1日に二回までのバファリンを信じて眠る 雨の火曜日
17
大輪の 薄紫の深見草 甘き香りが我を酔わせり
26
せわしなく検温をしてまわるひと家で待つ子の言えない微熱
16
十月
(
とつき
)
ぶりの投稿駄文の掲載にラミネートして外来に貼る
15
夜が来て朝が来る前 ことの葉はあとかたもなくこぼれたあとで
14
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
29
通知切る 軽い言葉の
泡
(
あぶく
)
など 底なき日々を 濁らせはせぬ
15
鏡には信じるものが映るのみ穢れを祓う柏手一つ
13
知ってるかい悪魔が編んだ歳時記じゃ夏の季語だよ腐乱屍体が
14
予備一つ常に置きたい玉ねぎに日持ちのしない新玉到来
29
左手と右手の違い ペンを持つ方と子猫の背を撫でる方
12
手をのばし値札をみては通り過ぐフキもうるいもワラビもタラも
19
二月頃寒かったんだと実感す引き落とし額さっき見たから
12
手のひらを滑り落ちゆく洗顔の泡を見ているやうな一日
28
エンドロール 語りたい君 隣には もういないこと わかってるのに
11
世の中は川の流るることながら水に
砕
(
くだ
)
くる
巌
(
いわ
)
も在りけり
11
青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
11
万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
14
愛犬に余命宣告 あくまでも推測 長生き固く信じる
11
おばあちゃんに 全部は伝えず 喜ばせ それでいいよと 孫の優しさ
20
日にそよぎ薫りしずかに咲く薔薇の花びらに
透
(
す
)
く淡い蜂蜜
12
関東と 関西という 味の差を 優しく繋ぐ ミツカン味ぽん
11
もう
寝
(
い
)
ぬか 問へど答へず
戯
(
たはぶ
)
れば 笑みに綻ぶ
児
(
ちご
)
の
空寝
(
そらね
)
11
弁当にペットボトルにスマホ2台 日ごとに嵩む鞄の重さ
22
雨あがる 菜の花濡れて
晩春
(
おそはる
)
の のどけき
陽光
(
ひかり
)
頬にも
透
(
す
)
きて
9
漱石に倣えば君は三日月で 笑顔の目元も別れの傷も
9
幸せを頬張る口にそそられて膨らむ頬を指先でつく
9
幸せと感じたことは遥か昔 肩で寛ぐ野生のミミズク
9
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