小雨降る 軒下に籠 ひとつあり 二匹重なる ごろ寝三毛猫
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元気でと 席立つ君と ぬるいソーダ 飲み干すことも できないままに
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現世うつしよおごそかなへかねて寒空さむぞら下常世恋もととこよこふなり
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同居でも基本孤食の我が暮らしバランス良くと知恵をしぼりて
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ふれたなら光のように溶けそうで眠ったきみをただながめてた
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一晩中 雪の明かりに 照らされて 白夜なのかと 見紛みまごうほどの
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壁に穴母の眉間に皺ふたつ少年たちは大人になりぬ
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泳げるくらいの涙が出たら 私をその海の真ん中に浮かべて 
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草をかき分け 人をかき分け 降りた先に何が見えるか 熊
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傘を借りて走る 靴下も靴も頬も濡れているけど あそこまで行けば 私に勝つのだ
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どこまでいけば 私が分かるの 私の中にあるのに置いていくのね 心
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今晩は初めて見ました火の用心呼びかけているおじさん達を
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それじゃ、とあなたが言う。 今日から座りやすくなったソファー。 元々1人用だったし。
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痛い。きっと昼の牡蠣が当たった。あなたと食べたもの。あなたと食べたから?
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小さき私。何になりたかった?うん、甘いね。ショートケーキか。うん、上手よ。
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匂い立つ 茶葉が織りなす 紅の 舞に見入りて 砂の刻忘る
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めくります古いページはもうめくる黒豆ゴマメあたりめ焼いて
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均等な瞳のなかの一人です あなたの前でモブにもなれず
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喧騒を 越えて在るのは うつつかな 街灯の先 見える足跡
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自分なり ひそめた眉に 留まって 足元見えず 身がお化けかな
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何曜日? でしたっけ?その 日の夜は? 運が悪いと今殺される 
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まっさらな 空の息吹が 頬に沁みる 青の絵の具に カルガモひとつ
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猫来たる 無理くりのるね ご飯中 邪魔じゃないけど ちょっとどいてよ
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息を吐き 想うは跡か その先か 煙突じみて もくもくするや
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安心してよ。何も持ってないから。手なんてあげなくていいから。ただ、繋いでいて。
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やめてよ、熱くて危ないよ。買ってくれたのはあなたなのに。水色で素敵なの。
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病室の私そんなにまぶしいですか?先に死んだりしないよきっと
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オペ室のライト点くとこ見たかった全身麻酔夢すら見ない
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友と会い 酒を交わして 気づくのは 虹と見紛う 宝石の時
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鼻の奥涙の波が寄せることバレたくないから夜を呼んだの
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