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老犬
(
キミ
)
はもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
31
子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
48
いつだってぼくらはきっと若すぎる 上手くできないことばっかりで
45
朝夕に耳朶を掠めるそよ風の 淡い冷気が秋を
囁
(
ささや
)
く
18
早々
(
はやばや
)
と鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
29
六十年ともに過ごした古ラジオ 時代・時代の歌を聴く
朋
(
とも
)
38
新しい街の生活 少しだけバカンスのよに一週が過ぐ
42
丁寧な暮らし生き方憧れる せめて歌はと丁寧に詠む
57
秋来ぬと窓を開けども頬を打つ 風の熱さに夏がまだいる /「残暑」
15
無花果
(
いちじく
)
のほのかに甘い風香る 無花果の木の小さな木陰
37
鳳蝶
(
アゲハチョウ
)
ひらりひらりと舞ってゆく 季節に乗って翔び去ってゆく
35
夏という季節が決壊した様な豪雨が僕を叩き続ける
42
ゆりかごの歌を一緒に口ずさむ 親子互いの歌声聴いて
36
午後の陽が少し傾く夏がゆく 跨線橋から電車を見てる
42
波音に耳を澄ませば満ちてくる 人は何処かに
渞
(
みなもと
)
を持つ
39
偶然が偶然を呼ぶこの
惑星
(
ほし
)
で一緒に焼こうお好み焼きを
46
賢人が知識は武器になると云う 少し足りぬがコクリ頷く
33
疱疹
(
ほうしん
)
は赤く
脹
(
ふく
)
れて我に告ぐ「このお
身体
(
からだ
)
はお疲れですよ」
59
無い
尻尾
(
しっぽ
)
一生懸命振る老犬 分かる分かるよあなたの気持ち
31
吾子からの人生最初の「ごめんね」は、「(ママの牛肉食べて)ごめんね」
44
鉢合わせ 会ってしまえば 逃げられぬ さちを願えば 朝霧つつむ
24
水たまりぴしゃぴしゃ弾むステップで吾が子は踊る時を忘れて
39
水たまり遊び帰って吾が子ふと「
あめ
(
雨
)
いたねー」とつぶやき笑う
37
名曲流る曇りガラスの珈琲舘 一人座の吾の落ち着ける場所
32
この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
40
生き下手で どこか似ている友の居て 互いの不器用互いに笑ふ
39
解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
57
木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
37
木の根っこ 磨きて花台作りたる 父の背中は小さく丸まり
34
海底を二万
里
(
マイル
)
も行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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