雪の舞う義母ははの忌日の墓参りローソクの火も早々に消え
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母の背を追ひ越し時ぞ誓ひけり 嵐の日こそ傘をさすらめ
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関係はないと言ってはみたものの トゥルーマザーの影がちらつく
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プラマイがゼロになるよう神様が 与えてくれた私の余生
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優しさを 持ち合わせたる 君の目に 映る未来を 共に生きたし
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願いごと叶えず吹雪に佇みて涙の地蔵に雪はふりつむ
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老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
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「いい子ねぇ」 言われ続けて 癒着した 仮面気づけば 剥がせなくなり
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子への愛 気恥ずかしいな 何故だろう  けたる愛が 足りなかったか
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僕たちは汚い夜を過ごしても綺麗な言葉で飾りつけした
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愛という 文字を大きく 書きすぎて ふたりの名前が 書けなくなった
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艶やかな髪先靡く 鮮やかに残るは君の背を向ける故
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街宣の車さえ見ぬ過疎の町 真冬日静かに夕映えしき
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いつもなら隠さず物言う賢人の言わぬ本音に優しさを見る
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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方角も 無言もなしの 恵方巻き 美味しく食べて 幸せであれ
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公園の南天の実はおおかたに喰い尽くされて立春迎ふ
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部屋干しで みるみる上昇 湿度計 洗濯日和に お日様ゴメン \ 関東はカラカラです
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寒風に 満月のあり 山の端の 微動だにせず 照り輝きて
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かぎろいの春野を行かば海の見ゆ 父母眠るふるさとの地の
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今はもう土間もかまどもなけれども我を仕込みし祖母眼裏に
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この星を 巡って帰って 来たんだね 去年の君を 想わせる風/r
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憂いなしと請負う人よ勇ましき言葉に日々吾が憂いは増して
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説明図まるで解らず 事務椅子の組立てにもう二時間経過
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盲目に なってもいいの もし君が 私の両目 覆いたいなら
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彼岸より戻りし切り身に繁栄を 鮪に成りて 男は望む/映画『デッド寿司』
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立ち退きに金積まれても応じないわけを知ってる床下の骨
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彼の子と思って大事にしてたのに鑑定したら夫の子だった
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春の水両手に汲んで冷たさを確かめてみる野の小川から
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北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
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