かっと照る陽射しを受けて朝歩き 小径に一輪ひまわり微笑む
20
残年を片手の指で数え得る身となりながらTULLY'Sに居る
11
鳥たちは頭寄せ合いついばんで 草刈りの後に残ったご馳走
23
東雲しののめの空明け染める細路地に其の儘のキミ現わると信じ
9
初蝉の 鳴いてすぐ止め 二度寝かな 夏まで少し もうちょっとだけ
25
猛暑日にミミズ這い出し地獄絵の群がる蟻が野辺送りする
15
表情が豊かになる孫 うする母 ああ、歳を取るってこういうことかな
27
ごちゃごちゃの資材置き場のわきに咲く白い昼顔待つ人のなく
25
吹く風にこころまかせて雲を見る梅雨のもどりの気まぐれのりょう
31
二度咲きは小さく可憐 夏空に薄紫の藤の花咲く
29
夏祭り 歩き雨降り 濡れ始め 萎える人々 いい気味音頭
5
星ならば 見えて届かぬ あたりまえ 君との間 30光年
26
窓の外アゲハ舞いきて紫蘇の葉に風にゆらるる猛暑日の涼
22
どしゃ降りが上がって一気に蝉時雨 この声もやがては懐かしくなる
23
頑なに夏は綿と思ってた 確かに涼し エアリズム着る
32
パリオリのテレビ漬けから脱皮して蝉しぐれ降る真ん中にいる
25
行きつけのドラッグストアはチョコミントアイスないけど卵が安い
13
ノートルダム寺院。青年戴冠式に侯はば受け賜らむか 御旨
8
祖国なし 埃及出自浅黒き橄欖樹へ暗紅の實はふふらまず
8
洗礼名ヨハン・シュトラウス ドナウは昏く靑きゆゑにうつくし
11
朝餐ののちは死化粧 鏡臺へ姉妹の十姉妹が嫌に悲しき
7
田園交響樂さびて明るしいもうとは家系図譜へと贖 は る
10
朝起きて空見上げれば赤トンボ 信濃の朝はもう秋かしら
35
「兵器には自由があってころしてくれるぼくたちの敵に 自由は?」
6
志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
8
万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
6
われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
7
夏草へうづもれゐたる兵數多。骨晒れて芥子色の帽垂は
7
泥濘の河亙りみな殺められし。ひとつぶの石骨壺へ収め
9
アニメーション・アイコンへ公民の意志。民ゆくへ争ふ 国家 の
7