鳥が鳴く遠い日に聴いたその声のその鳥の名を知らずとも知る声
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お世辞でも褒めてもらえぬ身姿の今をけなさぬ人が居るとは
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筆持たずペンだこ出来た不可思議はお裁縫する指ぬきの跡
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眉毛など整えたあと眼鏡かけ手鏡を見た顔は忘れぬ
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山背やませ吹く 沸いたお風呂に 浸かったら 底がまだ水 そんな日曜
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鼻つかみ 触って叩いて 一歳児 「どうぞお好きに」老犬寝そべる
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「かみのけもぬいていいのー?」五歳児は初めて一人でトウモロコシ剥く
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青虫がひょっこり現わるレタスから キミは野菜の安心マーク
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添い寝して頬のうぶ毛の光る様呼吸する音ミルクのかおり
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母よりも子育て上手にやっている 娘を見ながら懐かしむ日々
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ソーメンがマジックのように消えていく 食欲旺盛一歳男子
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どこからか万両食べたヒヨドリの運ぶいのちの花に雨ふる
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かっと照る陽射しを受けて朝歩き 小径に一輪ひまわり微笑む
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恋愛に発展しない自信とはふたりっきりでスーパーへ行く
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猛暑日にミミズ這い出し地獄絵の群がる蟻が野辺送りする
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表情が豊かになる孫 うする母 ああ、歳を取るってこういうことかな
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ごちゃごちゃの資材置き場のわきに咲く白い昼顔待つ人のなく
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ローカルの 駅舎にひなが 待ちおりて 戸は閉めるなと 張り紙のあり
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兄ちゃんのあのブルドーザーが欲しいんだ! ヨチヨチ歩きはあともう一歩
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猛暑日は子供の遊びも奪い取る 歓声消えた寂しい公園
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吹く風にこころまかせて雲を見る梅雨のもどりの気まぐれのりょう
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一晩を寝ずにトイレの模様替えそれだけなのに清々と朝
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夏祭り 街の賑わい感じつつ 二人で過ごす静かな土曜日
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老犬は一生懸命生きている 介護しながら癒される日々
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アパートの間の気配に立ち止まり逢瀬の途中の猫と目が合う
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やっぱりねゴミには出せない 眺め入る箱一杯の子供の作品
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平屋建て三部屋程の借家にてリクガメ愛でる少年のひざ
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老犬とバリカン片手に大奮闘 丸刈りされて さあ夏本番!
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またひとつ子どもの楽しみ消えていく 猛暑で中止 キャンプファイヤー
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先生の手作り温泉大にぎわい お泊まり保育「ああ、いい湯だなー」
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