昨日今日、バナナとプラム茹でた芋ゴリラと同じ朝食を摂る
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朝顔の花も葉もなお揺れており風のかたちを触れず見ている
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湧き上がる寂しさあるがさらさらのタオルケットに夜はくるまる
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図書館に行こうとするとジーンズがグズって行けぬPМ一時
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うっかりと君に触れたら感電死するかもしれぬ暑い浜辺で
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夕膳に笹舟にのる豆腐ちくわの穴を覗けばふるさとの海
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親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
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世界一自分勝手なクワガタにきゅうりとゼリー甘やかす ぼく
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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世の人に媚びへつらわず正直にそんな母娘を救う人あり
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呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
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菊の花一つ座席に忘れられ誰が乗ったの丘行きのバス
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抱き上げた爬虫類展のパイソンは舌で何度もピースを見せる
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この街の夜の終わりを告げるため終電バスが扉を閉める
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触れたくて触れられなくてほおずきはやわく包んでおそらく少女
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知らせ受け義兄あにの葬儀の準備する 近づく台風 不穏な朝に
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蝉の声 嵐の前の静けさか 手持ちぶさたにシフォンケーキ焼く
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ぎっくり腰これも気圧のイタズラか 台風一過そろりと散歩
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ブログにはどこまで書いて良いものかどこまで嘘を流してるのか
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約束は破られた方の負けだから。夕立降って傘貸したまま
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メロンパン袋破ればバターの香 食べる楽しみ香る楽しみ
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拭いつつメガネのレンズ今日は何汚し汚され過ごした日なの
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「まけとくよ」その言葉にも断れず買ったあなたの桃がやさしい
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期せずして三度帰省のこの夏に 悲しみの中にも故郷は嬉し
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イヤホンは寝歌ねうた聞かせる人の無い私の側でずっとやさしい
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八月は虫の音色がかわりだす幾万年の星の夜の下
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八月は透明な青と口にする花と木くぐる風に吹かれて
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Amazonの段ボール箱溜まりゆく僕の物欲ごと潰したれ
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ハッとした 能面のよう母の顔 もう一度見たいよ昔の笑顔
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繋がった蜻蛉運河をじわじわり海に向かうか逆流しつつ
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