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名曲流る曇りガラスの珈琲舘 一人座の吾の落ち着ける場所
32
純白に 衝撃はしる 秋色の 刈田翔びたつ 白鳥の群れ
38
生き下手で どこか似ている友の居て 互いの不器用互いに笑ふ
39
点滴の続く夜にも満月の透き通る秋の光に浸る
27
木の根っこ 磨きて花台作りたる 父の背中は小さく丸まり
34
同じ身の宵待草と語らひて待てば海路に月のあらはる
28
杖ついて庶民の怒りを票にこめ一揆を起こした民の心情
23
うたごころはや死にしかば現實の實ももたざるはなごろもかな
10
雪花ききづたへなる聖靈の耳霜灼けてなほ靑かりしかども
15
頬杖
(
ほおづえ
)
をついてふと空見上げると 口角上がる柔らかい月
30
分厚めの 段ボール箱に毛布敷き 冬じたくして あのミケを待つ
41
正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
36
真夏には木陰をくれた くぬぎの葉 お疲れさま と ほうきでなでて
40
湯けむりは 増幅させる 泣き笑い いまだに生きる 意味など探し
40
リハジムのがんばってーのぬくき声 千鳥があるくひだまりのなか
17
さはれみづのことば韻文の明くるまで暁星へやかれし涛に
9
禁慾の庭園ならで忌憚の百花白百合の髄蘂ゆこぼるる音せし
12
空中斜塔泛ぶ散水機の鎌頸もたげつる霞の花圏より七牆
13
海嘯の寄する額へ魘されて華窓ありし うつそみからいづ
17
老犬は反応も失せて寝てばかり も一度見たいよ元気なキミを
42
山里の
紅葉
(
もみじ
)
濃くなる小春日に秋を彩るおにぎりを食む
33
ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
40
有終の美のあざやかに冬の朝 けやきともみじ寄り添いて燃ゆ
31
肩にのる落ち葉吹雪のひとひらのささやきを聞く冬日の道に
35
逢いし日の思い出多く無かれども 耳に残るは優し呼び声
11
年忘れ私の中のザワザワをステンレスの鍋で煮てみる
25
枯れ枝の向こうの空に欠けていく月がぴったり心にはまる
22
顔に雪積もるくらいに降りかかる ゆきだるまってこうしてできる
16
ラジオから 幸せとはと問う声に 思い馳せるは 君の幸せ
11
夕暮れにイルミネーション点灯し師走の街に銀河広がる
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