エージングやっと済んだとほつれ穴指引っ掛けて今日も着るシャツ
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福寿草枯れ葉かき分けよっこいしょまだ雪残るお庭であくび
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ほっとけば見てないからと走り出し気づかぬうちに沸騰してる
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突き進む楔だとして槌が打つお尻あたりでがんばるわたし
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コルチゾンアドレナリンか崖っぷち外観以外全部変身
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愛らしい庭の地べたのクロッカス踏まれぬようにできれば逃げて!
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彼氏より眷属がほしいと嘯いて返事も聞かず空へ連れ出す
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遺棄された廊下のしっぽ犯人はうちのまりちゃん食っちまったと
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静かだしヒマだったので猫の耳引っ張ってみた何も起きない
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斜め下ファスナートップが見上げてるそこはまずいぞズボンのチャック
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テロップが出ぬと今のは何だろと急にホラーになる謎の揺れ
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やれぬはずやってることのルーチンはどこに隠してあったのだろう
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静かだし何やら今日はさみしいな家族が死んだ日の夜に似て
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脳漿の雫滴るシナプスのスパーク数多あまた雨の山茱萸
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iPhoneさえも滑り落とすこの手で夢が掴めるっていうのか
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殻を割りほつれる辛夷花びらの白は羽化する蝉の脆弱
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ウエットは息苦しくも肺胞の悲鳴を聞いて街を満たして
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浮きもせず沈みもせずに沈めても柔に抵抗する不気味さよ
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我慢した今のくしゃみがどれほどに世界を変えた因果のほとり
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見えるので見えたまんまを呟けば枚数増えるクロッキー帳
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線香の煙ひとすじ上空で乱れ絡まる態が切ない
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梅辛夷仲良く咲いて青空の高枝を見るその先に月
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いらぬときあちこちにいているときは どこにもいない増えるスケール
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割れて壊れたばあちゃんのフォトスタンドに入っていた二千円札
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にぎやかな音が近づく県議選地元のひとり以外は知らず
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福寿草ふくじゅそう山茱萸さんしゅゆ連翹れんぎょう水仙すいせんの黃と黃と黃と黃そして山吹やまぶき
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仕入れしてまた仕入れして売っていた在庫一掃閉店セール
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やったあと言ってないとか忘れてはこともなさげに言うやつばかり
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鼻の奥何かいるので掻き出すと小指突っ込む脳だったかな
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禿げてます皮膚剥がれ落ち肉削げて血垂れ臓物引きずる幻視
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