Utakata
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気がつけば駆け出していたあの頃の無闇に明き三日月の夜
22
我は
汝
(
な
)
が あばら骨より 生まれたるか 広き胸に満つ 創世の海【聖書の創世記・アダムとイブより】
18
デイケアでおしゃべりはずむ女性陣寡黙な小数男性陣よ
27
はつらつと若きスタッフ心地良く週一なれど心が弾む
34
白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
36
暗幕
(
あんまく
)
に 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の
音
(
ね
)
いくつ
28
なんとまぁ多くのゴミを出す命フロアにかけたコロコロを見て
15
魂を売ってでも金欲しいけど腐ってるから誰も買わない
14
庭なずな白き小さき花なれど可憐に咲きぬ陽だまりの中
32
ひと様の花壇眺めて昼散歩陽に照らされし赤きマンリョウ
35
来し方の小さく見える日のありて 相模の湯屋は紅葉のなか
20
窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの
音
(
ね
)
低く 空に溶けゆく
25
生かされて流れのままに赤い葉は
泡沫
(
Utakata
)
に棲み夢を浮かべる
31
誰を待つ 訳でもなくティーカップあり
葉洩
(
はも
)
れ日の散る 庭のテーブル
27
麗
(
うら
)
らかに咲いて輝く花一輪ピンクの薔薇は影を照らして
17
あの人の好きな色だと買ったのに渡せぬままの赤い手袋
42
茜色雪を染めゆく夕焼けて苦き珈琲君を思うよ
23
悶々と闇に埋もれて眠る夜 地上の日々に星を求めて
16
兎に角も 『共時性』てふ幸運に 今日の一日 賭けてみようか
16
爪切りに小さな教会描かれて師走なればとしばし眺むる
48
安らわむ 硝子の月に 息をかけ 貝の小舟で 眠りの海へ
30
ほろ酔えば いつものきつさが 苦しくて 心のベルトを ニ穴
緩
(
ゆる
)
める
27
冬の田に降り来る鳥は姿変え孤高の鷺から白鳥の群れに
21
切なさが 思い出を超える 昼下がり ニーノ・ロータの 旋律が舞う
20
吾
(
あ
)
が慕ふ年長の友らおしなべて老ひの翳りを纏ひて寂し
24
年の瀬に
文
(
ふみ
)
のあてさきかぞへつつ 薄墨いろの
白菊
(
しらぎく
)
を見る
27
右脳
(
うのう
)
には 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物
創
(
つく
)
る
(
)
時
33
必ずや 新大阪で 立ち寄って たこ焼きうどん 勝負めしなり
29
のぞみにて 作りし資料 確認す 新幹線は 会議室ナリ
26
君ってさ 存在感が 薄いねと 我を一瞥 ふと笑う人
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