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手を貸すと
いーよ
(
嫌よ
)
いーよ
(
嫌よ
)
と怒られる 吾子は一人でズボンが履ける
42
麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
47
恥ずかしい思い出ばかりが甦る 恥を知らずに生きてきました
40
夏祭り 歩き雨降り 濡れ始め 萎える人々 いい気味音頭
5
気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
40
夏休み静けさの中出勤す 校庭には
早
(
はや
)
工事の足場
43
風鈴や蛙の合唱舞う蛍この街に無い夏の憧れ
27
五輪祭 地続きで鳴る銃声よ
79
年の広島忌
哉
(
かな
)
36
行きつけのドラッグストアはチョコミントアイスないけど卵が安い
13
ノートルダム寺院。青年戴冠式に侯はば受け賜らむか 御旨
8
祖国なし 埃及出自浅黒き橄欖樹へ暗紅の實はふふらまず
8
洗礼名ヨハン・シュトラウス ドナウは昏く靑きゆゑにうつくし
11
朝餐ののちは死化粧 鏡臺へ姉妹の十姉妹が嫌に悲しき
7
田園交響樂さびて明るしいもうとは家系図譜へと贖 は る
10
朝起きて空見上げれば赤トンボ 信濃の朝はもう秋かしら
35
気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
40
「兵器には自由があってころしてくれるぼくたちの敵に 自由は?」
6
志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
8
万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
6
われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
7
夏草へうづもれゐたる兵數多。骨晒れて芥子色の帽垂は
7
泥濘の河亙りみな殺められし。ひとつぶの石骨壺へ収め
9
アニメーション・アイコンへ公民の意志。民ゆくへ争ふ 国家 の
7
偶像 暁の車へはきたらず山鳩のこゑながながし、闇
5
鳩殺し ダリアの花蘂のダイアルを回し呼鈴ひびかふ夜警国家へ
7
更でも属国 独立運動家はげしきののしりす生卵割れて
8
油絵のような大雲黄金色 夏の夕暮れただ息を呑む
38
われあやめたるもの数多千万の軍民草の骨編みて建つ塔
7
平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
10
硝子戸一枚へだて漏れきこゆ工兵のこゑ 大伯父よ去ね
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