が胸は 遠き潮騒 いだかれて 桜貝となり 眠り漂ふ
28
朝目覚め 青空に向け 手を合わす 今日の日がまた 穏やかであれ
21
烏瓜からすうりの つる螺旋らせんは 無口なる 「自然」の漏らす 不意の冗談
21
柔らかな日没前の陽が照らし 我が街もやや上品になる
24
ぬばたまの 夜が朝連れ 去りしあと 龍が駆け抜け 東雲しののめと化す
22
秋晴れだ 心と身体 清らかに 全身広げ 深呼吸する
19
童謡 森のくまさん 森でわなく 今は街中 すたこらさっさー
15
ミサイルは張子の虎の紙芝居放つニュースは国民愚弄
6
秋寒に 酒にこころを 馳せる帰路 あたたかな陽が 足を急がせる
16
また落ちる 資格の試験に 我嘆き 傾向まるで 成長せずと
9
息切れて うずくまり居る 足元に 野菊は揺れり 晩秋の風
28
朽ちし葉は螺旋らせんえがき舞ひ降りる 露天風呂から眺む晩秋
35
素直なる人持て余したる煩悩を鎮め応援すべく思案してみる
29
静寂の 秋の夜長に 君想い 歌奏でるは ああ小夜曲セレナーデ
20
愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
59
板の間に素足をのせる冷たさで 秋の終わりが足の裏から
28
十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
60
夜八時 シーリング切れ 慌て買い ヤマダで買いて いと感謝せり
8
我ミスを 犯して今は げんなりと 木枯らし吹きて 日々悔いて居り
13
麦飯を炊く湯気にさえ形なく やがて近づくアラームの音
9
一会なる翁は教ゆ酒匂川さかわがわ 初めて見たり黒雁こくがん来る
12
高々と咲き誇りたるハナミズキ歌思ひ出づ 翠雨すいう悲しや / あの歌は亡き母の歌
19
在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
30
遠過ぎずだが近くもないこの恋にヶ月焦れてる私を見てよ
15
厳かに ソナタ奏でて 昇りゆく 月の丸さの 不可思議な夜
25
渋柿を干して安堵の秋の昼 色変はる頃冬は来るなり
51
なんてことない風景が愛おしいうどん屋さんで心ぽかぽか
18
幼き日乗った車を運転する 昔は空を見るだけだった
18
夕焼けの一番綺麗なところには思い出せない思い出がある
21
冬支度ひとも木々も動物もそれぞれ生きるこの田舎町
26