蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
62
病床に見せぬ蒼空 カーテンの裏に出づるは初春の日かな
10
ローカルCMを見て あの日を偲ぶ 寝正月 ひとり微笑む
3
エアコンの フィルター掃除 終わらせて 震えて待ってる 乾くそのとき
8
木枯らしが 背中を叩く 神無月  妻の笑顔が 懐中の
6
寒いはみようみまねの卵酒母の味とはかなりちがえど
19
励ましはときに気力をうばうもの友に伝える言葉をさがす
20
こんな夜はもうないはずの傷あとがちりちりちりと痛む気がして
17
二千円 次こそ買うぞ シュトーレン 三が日では 鬼は笑わず
8
ふにゃふにゃと笑うあなたを見ていたい 宇宙が滅んでしまうまで
8
「ご飯だよ」呼ぶ声さえもさえずりに聞こえる朝は奇跡と思う
29
修行です「それを言っちゃあおしまい」の言葉をごくり今日も飲み込む
9
お月さま受験の子らを見守ってカゼひかぬよに雪降らぬよに
18
友に似た高校生にふりかえるお下げの頃にもどるふるさと
18
いよいよに小さなアパート二人だけ 新婚生活戻ったようで
47
愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
55
沈む日はまぶたの奥でなお光りあきらめわるい私みたいだ
16
「知らないの?」得意げなきみ可愛くて いつも記憶を喪失させちゃう
9
見ないでね 全部バレたら困るから 告白するなら口で言いたい
6
深夜2時 子の胸の上下確かめる 母は強しと 聞いていたのに
10
部屋中に カラフルなおもちゃ 溢れても 君選ぶのは 絨毯のタグ
17
外は雨 吾子の泣き声 響く部屋 もう14時か まだ14時か
10
口々に父の思い出母の味家族にもどるふるさとの夜
20
知らぬまに手術痕きずあと撫でて眠るくせ夢の中では母の手だった
19
あと五分眠っていたいと思ってた 今は眠れず朝を待ってる
17
ねむすぎるそんな朝でも君の声聞いてるだけで元気になれるよ
6
幸せが くる年までは 難ければ 晦日限りの 命ともがな
6
九時半に床に入りたる幸せを 二時に目覚めて 二時ふたときまどろむ
7
夕刻の暗闇迫る郊外に無灯火のままスマホ見る君
6
AIに心配事を話しける かのSFの幕開けを見る
9