川辺村道
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ただ飄々と

浮き雲に寝ている心地 ごめんねと言えてすべてが軽くなりけり
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ころころと笑うあなたの手料理の熱々ポトフにまろき芽キャベツ
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笑わずに教えておくれチケットを買うところから離陸するまで
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「雪だべ」と祖母に微笑むドクターのさくら色した往診カバン
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図書券の礼を言いつつ現金がよかったなってこどもごころに
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進まない会議に見やる窓の外 雪は元気に吹き上がってる
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説明図まるで解らず 事務椅子の組立てにもう二時間経過
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代役は良いチャンスだと言われても飛躍するのはわたし以外で
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あの人に惹かれ過ぎてる 輪唱で同時に歌い終わるみたいに
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全容の分かっていない細胞を何十兆も抱えて生きる
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眠れぬ夜 羊かぞえるのはやめて 牧羊犬を走らせてみる
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フルートを吹いてるきみの大好きな北海道の「美笛びふえ」の地名
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食事中テレビ消された幼き日 ウルトラマンの登場前に
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留守録に入った自動音声の詐欺のデタラメ聞いてる厄日
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カチコチのこころの可動域狭し 広げにゆこう短歌の森へ
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王将の守りの駒が逃げ道を塞いで負ける それも人生
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焼き魚ここまで綺麗に食べるとは匠の技だ 弟子入りしたい
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お守りのつもりと言ってじいちゃんはエビオスを飲む犬と一緒に
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マルーンを幼いながら知っていた ふるさとを行く電車の色で
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鍋つかみ両手にはめてフォッフォッとバルタン星人真似てた姉貴
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あの人が受賞するよう 裏山のちいさなちいさな滝に祈った
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ニッポンの治安は良いと夜遅く帰るエレンに ダメダシセネバ
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隠し事してはイヤよと医師に言う 祖母はお茶目な少女みたいに
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絶版の歌集をさがす 白樺の林のような古本屋にて
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ライバルにふかく一礼 将棋にて優勝決めた小三の子は
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踏切の途中でカンカン鳴り出して 早く転職せよと聞こえる
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不登校のぼくの心に軟膏が浸みてくような祖父の雑談
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嬉しくて少しさみしい コミックの全巻セット大人買いして
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公園の敷地半分削られて なんとか残った遊具のパンダ
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銭湯のえんとつ消えてのっぺりとつのを失くした下町の空
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