Utakata
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川辺村道
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ただ飄々と
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気になってまた会いに来た柴犬に「売約済」の真っ赤な文字が
32
どこ行くのと聞けばあなたは宝塚歌劇モードで「風を探しに」
28
片恋と不戦敗とをくりかえし さらりと澄んだ新月の空
27
寝返りを打つたび揺れる胸の内 もう辞めてやる ここは我慢だ
30
新聞の人生相談読みながら飲むコーヒーがひときわ苦い
31
何であれわたしを負かす後輩は頭かきつつ「番狂わせっす」
23
試写会を観てきた君のくちびるは つるり滑ってネタバレしそう
30
とりあえず番犬だけど 人間はみな善良と信じてる
瞳
(
め
)
だ
41
退勤の時に出やすいじんましん ホッとしているサインらしくて
32
この曲を最期のときに流してね 祖母の愛するポール・モーリア
28
いつの日か通り抜けたし 日本一長い商店街の端にて
28
投稿をやめた友から「人生の
幕間
(
まくあい
)
だよ」と絵葉書が来た
27
聴かれない副音声としてもなおあなたの歌を詠み続けたい
26
公園に江戸の足音聞こえそう ここは土佐藩下屋敷跡
25
姉ちゃんの声は涙で途切れたり『泣いた赤鬼』朗読しつつ
26
ネットでの投句勧めてみたけれど祖父は杖つきポストに向かう
30
寛解の医師は「患者の心境が分かったかも」としみじみ言えり
30
リンリーンガタンギュインと言いながら路面電車を
描
(
(
か
)
)
いてる園児
27
仲立ちをしたカップルと写ってる 原作者って感じの顔で
22
宇宙人のガイドブックの片隅に「美しいけど残念な星」
32
誰にでも苦手はあるさ 散歩中猫に出会うと逃げる柴犬
31
先輩はマンガ喫茶かサボりつつ結果出すのがプロだと言って
31
知らぬ間に守られている日々だったトゲの刺さった軍手を仕舞う
30
空腹にガタゴト響く鉄路なり 廃止されてた車内販売
27
幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
29
脚色の目立つ噂を聞きながら硬いトマトを噛んでるランチ
30
あの頃は幸せ過ぎて友だちを失くしたのってきみはほろ酔い
24
離陸したきみのジェット機 雨雲の上の世界に突き抜けてゆく
26
選り抜きの豆で淹れようコーヒーを飲むとぐっすり眠れる君に
24
ミステリーを読み
耽
(
ふけ
)
るきみ 黒薔薇の一輪挿しのように静かに
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