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牡牛座の双子

お向かいの更地を照らす水無月の お婆ちゃんの笑み、僕のフォルダに
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さらさらと初夏の日差しは人恋し着信待ちの長き一日
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じいちゃんの記憶はまばらに溢れてて哀しいくらいに白く澄みゆく
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光栄で溺れそうだと呼びかける 河童の皿に水を足しつつ
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ピストルの音で目覚める朝もあり 青空透けるクラスの旗よ
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リビングを透明にして雨上がり風を満ち満ち大の字で寝る
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わたくしの命の軽さ考えるつつじの花びら指紋を透かし
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ウォッカはタイムマシーンと気がついて はじける頭痛で目覚める朝だ
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夕暮れのファミレスにいて君がつく しびれるような優しい嘘を
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リラ冷えのまあるい寒さポケットのなかであなたの手を思い出す
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自販機のあかるさのなかタンポポと夏のありかを探すサイダー
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夏の入り口の匂いがしたけれど 夜の涼しさもう少しだけ
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将来に不安のなかったぼくのこと 湯船でアヒルは今も待ってる
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見上げれば五月の空は青すぎて 慣れない革靴 鳴れファンファーレ
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へましたら無かった顔をする僕の そこがイタくてかわいいところ
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カッコいい先輩でいる 顔面にちいさなカット毛光らせながら
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受話器からこぼれる声のあたたかさ じいちゃんパワーをポッケに詰めて
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コンビニのアイスコーヒー握りしめ 未来のぼくの話をしよう
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ステップをゆるり一段戻る日々 僕があなたの手を引く番だ
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ばあちゃんが遺した愛を受け取って じいちゃんは今日もかわいく生きる
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リラ冷えや弁膜症は母譲り 胸のノックを聴くごとき日々
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ダイソーの絆創膏はすぐ剥がれ 赤く滲んだ傷が治らず
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正解をなぞるだけなら機械でいい 迷った傷から春を咲かせる
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「大人」とは息を整え次の場へ 戦う背中に風を飼うこと
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面接の熱が冷めない指先でレポートの文字を熱く刻んで
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台所のまな板の音。 言えなくて「美味しい」ばかり繰り返してる
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「あら」なんて鏡に向かって言ってみる 心細いなこの若造は
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ネクタイを締めれば僕は主人公 就活という物語を撃て
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おまかせを頼める僕になってやる WEBを閉じる指のちからで
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荷造りを終えてしまえば母さんの「おかわりは?」すら胸に刺さるな
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