lightshop
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散る桜閉じる蒲公英 世のすべて終わりがあって美しくあれ
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届くはず誰か想って詠むうたは 朝日で光る桜とともに
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君は霧。皮膚からぼくを包み込み満たしていくね、そっとおやすみ
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眼の中に棲みつく去年の桜とか君の笑顔がぼくの方舟
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走りだすあなたの汗が春を呼ぶ想い描いた未来が今だ
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しなやかな猫の如くに駆けだせば雪解けの泥青春に散る
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隣屋根に残った雪と春霖と福寿草だけ光あつめる
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この冬は小鳥に米をあたえたが心開かぬまま春がくる
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鶏卵は隣町から鶏肉はメキシコ産で丼にて親子
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目に沁みる風冷たさ左手のスタバのコーヒー風の温度に
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いちゃいちゃとしてる佐田さん見てしまい下がる口角止まらないんだ
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本当の俺はこんなもんじゃないとみぃんな思い見る二等星
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二十歳なり。かたちを変えた青春を十秒前で君は待ってて
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切りすぎた前髪おさえ笑ってる君に吹く春白シャツなびく
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ぷーさんの頭を優しく撫でてみるおそらく僕がして欲しいこと
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その服は洗ってから来て欲しかったヤツの煙草のにおいがするよ
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ほろ酔いで星をみながら帰り道春の白雪頬をすべって
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棘のある言葉で拘束されながら撃ち抜かれたんだ弾にまみれて
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すっ転び立ち上がろうと片膝をついた瞬間「ヨーイ」の体勢
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講義室 外より早く夕焼けにまみれるんだよ蜘蛛の巣揺らし
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ハンガーのダウンは重くずれ落ちてコーヒーよりもアンバサ下さい
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春の雪が僕のまつ毛に乗っかってこのまま一生溶けなくていい
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カーテンの裾から入る陽だまりに顔が照らされ春で目覚める
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公園のベンチで鳩に囲まれて細胞の隅キュッと縮まる
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クッションをすすすと陽射しに移動させ眠った老猫温ませてみる
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頭上の木緑に染まりゆく歩道初春の出来ごと十指にはいる
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諸事情があれこれあって今言えず来世であって謝罪をします
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心毎一つも言えない今日もまたパラボラアンテナに陽が落ちて
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アラームにぴちぴち頬を叩かれてそれでも眠い春が始まる
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人生で嬉しいこと第三位寒い夜猫がベッドに入る
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