lightshop
107
106
投稿数
314

牡牛座の双子

講義中素晴らしい短歌思いつく休み時間には忘れてて 乙
24
星の数競うことしか能のない街で学生やって満ちたる
17
手相見るを口実にして触れた手の運命線はわからなくても
22
歩きつつソフトクリーム越しの君この景色ごと僕の季語なり
26
貝殻を耳に当てたら心臓の音が聴こえて胎児にもどる
21
六月は新緑の海きみの髪に触れて知った初夏の冷たさ
17
アイライン引く時にする真剣で無防備な目を僕だけ向けて
23
芍薬が静かに落ちた六月に君がたしかにいた夏探す
31
渡された万年筆のあたたかさ君の体温に心ときめく
24
苺って最後にとっとく僕だから今まだ好きって君に言えない
21
丸めたるゼミのプリント覗いたら君が振り向き時間が止まる
21
既読にはなったとしてもならずともゆらゆら揺れる赤チューリップ
25
くるぶしの火傷の痛みを告げぬまま走るよ君も夏も駆け足
31
たとえ君が赤白ボーダー着ていても探し出せるよどこにいたって
21
ガーベラを一輪挿したようだった「おはよう」と上げた君の右手は
25
枝垂れてる柳の下を通るときIt's too late now頭を下げ過ぎる
16
ゆく先は決めていなくて夏帽子千木先とまる鳥の如くに
24
生き急ぐこともなかろうビル陰でやっと咲き出す五月の桜
38
右左両の手のひら差しだして乗せて眺める初夏の虹
22
人想うための嘘なら透明でビニール傘は空が透けてて
32
昨日より太陽の匂い濃くなって駆け足で過ぐ春から夏へ
34
君が打つ水鉄砲の水の色その透明を超えるものなど
26
笑うなよ頬のえくぼが見えるだろバレるじゃないか君が夏だと
29
初夏という春でも夏でもない季節曖昧なれど緑は濃くて
30
葉桜の下でパンジー咲いている夏が生まれる準備ととのう
28
僕たちが話した言葉を波にして海一面に愛を集める
20
驟り雨散った桜が溶けそうで句に言い足らぬ春の面影
19
芯残るアルデンテ良し。ボロネーゼ食みつつ目指す芯ある大人
30
何者になれぬ自分が悔しくて波立つ海に船を浮かべる
23
カーテンの隙間から入る眩しさで初夏を感じる寝ぼけまなこで
23