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牡牛座の双子

驟り雨散った桜が溶けそうで句に言い足らぬ春の面影
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芯残るアルデンテ良し。ボロネーゼ食みつつ目指す芯ある大人
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何者になれぬ自分が悔しくて波立つ海に船を浮かべる
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カーテンの隙間から入る眩しさで初夏を感じる寝ぼけまなこで
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春雨に僕がなくした青い傘知らぬだれかを守れたろうか
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来年も会う約束だモンシロチョウ マイナカードを翼にのせて
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アサガオが今年の夏も咲くだろう声をかけよう「今年もよろしく」
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通り雨静まりかえるこの部屋で夏くる覚悟決めたる如し
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紅茶飲む君が小鳥に似てるとき僕は真青な空になりたい
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桜散りマスクを外し夏空を恋う僕がゆく風花のみち
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万博を出れば夕焼け包まれて今なら君に言える言葉が
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寂しさはごめんじゃなくてより深く僕の心の夕焼けにある
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薔薇は咲く 果たされなかった約束を交わした二人はもういなくとも
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ゼミ終わり夕陽を背負って笑いあう若草光る教室の日々
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グリーンのペンで書かれた君のメモ持ってるだけでずっと花束
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山肌に春の残雪眺めいて恍惚とする過ぎし想い出
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柔らかく柳が揺れる風をもて泪の如く桜散り舞う
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てのひらに落ちた桜を水浮かべこの静けさで今日を始める
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雨上がり窓枠が春を連れてきて「頭痛がする」と春病の母
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二十歳なり一人で食べるアポロチョコ手には秘密の宇宙基地あり
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地ビールの店を出てなお夕焼けで明日も晴れだね桜見上げて
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桜の葉花にもそそぐ日和雨僕らがいなくなってもきっと
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音量を下げることなどできません 野生が奏でる蝦夷山桜
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前方に桜が咲いている気配 咲けど散らせど瞳をつかむ
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来年の春のぼくらに逢いにゆく少しは酒に慣れただろうか
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窓ぎわに四月の若き春がきて隣の庭にふきのとうも来る
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夕陽浴び心に灯る花こぶし花びら卍 春のめでたさ
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春だね、と幾度も言ってブーツ脱ぎスニーカー履きちょっとパン屋へ
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春色のメッシュを入れてブランコに乗ってる子たち令和の生まれ
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まだ咲かぬ桜の枝をびゅうびゅうと肝の底まで吹く風は春
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