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牡牛座の双子

歯ぎしりという我が内なる氷河期よ零時に降り積む白き沈黙
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孤独とは卵の殻の薄さにて焼かれるを待つ 夜の火のなか
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「成長」の文字の重さを知らぬまま雪はらひつつ二十一なり
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明日は多分、教授に詰められる予感。膝のあたりで鳴る成長痛
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蛇口から砂が出てきて、サイババに僕がなれたらマセラティ買う
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整えた眉で世界と対峙する 嫉妬だろうか、街が静かだ
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「忘れた」と言えぬばかりに声を張る祖父の孤独をまともに見れず
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「またスマホおかしいんだよ」の爺ちゃんに「おかしいのはね」ねの後が出ず
30
この頃は切手のように嘘を貼り僕はどこまで遠くへゆくか
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こんなにも切ないものか愛してた人から届く「退出しました」
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齢二十歳取り柄はないがのうのうと生きてる僕はたぶん景品
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真っ赤だと褒められたりんご刃で剝かれ自慢の真っ赤脱がされてゆく
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ドーナッツ二口かじり「こ」も食べる。ぼっちな時間楽します技
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新しきカレンダーにも慣れてきて若気の至りでなくなる今年
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愚かなる昨日のわれが服を着て明日の自分を汚しにゆくか
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「ありがとう」の五音を脱げぬもどかしさ母の言葉の棘 素手で受く
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「ごめんね」を言えぬまま積む言の葉の 尖りて母を、僕を、傷める
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この胸の熱き重みの正体は「逢えて良かった」と告げる一瞬
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今までの悔い一つずつ拾いゆく暗がりの先に輝きを置け
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朝の雪かがやきに目をひらきつつ かじかむ指を光にかざす
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一生を不器用に通しゆくわれか皆が速足にゆく睦月を
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あのときの僕の自由はナイフだし今の僕へと正しく届く
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電磁波の海を漂う魂に冬がWi-Fiのように刺さる
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「独り」より「大勢の中」にいる時のほうが正しく孤独になれる
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既読さえつかぬ画面の奥側に冷えたままある僕のスタンプ
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タイムマシーンあればあの日の僕の背を 叩いてやりたい「傲慢だよ」と
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ストーブに一番遠い季節呼ぶ窓の雪見つガリガリ君を
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「あなたには無理」の呪文を噛み砕く 塩味強め母のおにぎり
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優等生でいられない場所、家にあり母のスープにほどかれる意地
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こんな日も鳥が夜空をめくり上げ駄目な昨日をさえずりにする
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