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牡牛座の双子

予言めく母の言葉を噛みしめる。汁粉の熱さ「言わんこっちゃない」
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「連れてくよ」あの非常口の緑へと僕があなたの光になる日
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悩み事さえもビタミンになるような そんな気がして剥く冬みかん
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杖をつく爺ちゃん追い越す背中あり子供は風を連れて走るよ
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きみが言う「さみしいじゃん」は青空に画鋲をひとつ刺すような音
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「コーヒーでいい」というとき肺の奥、珈琲色の闇がひろがる
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銀色のスプーンに映る爺ちゃんの消えた記憶がまぶしい、ゼリー
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「赤い糸」なんて信じていなかった 紅茶に溶ける砂糖の白さ
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「馬」という漢字のなかの四つの点逃げださないよう釘を打つ夜
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「頑張れない」という言葉さえ頑張ってひねり出してるたぶん、無理です
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「札幌行き」 その五文字だけ抱きしめて電子の波を泳いでいくよ
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「ゆきふるよ」 サクサクのクッキーを噛むように世界が白く塗りつぶされる
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「さよなら」は言わずに降りる各駅の故郷遠く動き出す窓
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二階までお好み焼きの香りして今日で我が家の正月終了
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寒い街抜けて電車に揺られれば君に会うまで少し眠ろう
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「万歳」とつぶやくような朝がきてここが私のスタートライン
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プーさんが眠る実家のベッド君がいない世界はこんなに、ふわふわ
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「さよなら」はパンダの背中の模様のよう白黒はっきりしてなくて、冬
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ふやけてる餅を置く皿なでている除菌シートをぼくは信じる
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きみはもういないから 餅、文庫本、窓に反射するぼくのまばたき
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イヤフォンに届くあなたの声さえも雪のせいかな、どこか優しい
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街灯が伸ばす私の影法師吐く息だけが熱を持ちおり
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眠れずに想い出降り積む年の瀬にうたかたの友愛してやまず/らいとしょっぷより
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眠れずに父よ母よと呼びてみる吾に降り積もる愛(め)ぐし面影
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この部屋の座椅子の窪みばあちゃんが生きてた証小さな重み
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五時間を耐えて辿れば 純白の実家(さと)に積もれる 古き思ひ出
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雪止まぬ線路の先を睨む夜は優しさよりも誰か責めたい/昨日札幌駅にて五時間足止め
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雪華舞う刹那の夢か泡沫に消える運命(さだめ)を君と見つめる
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冬の日はただ単に海が蒼すぎて心まで染みわたる夕映え
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白いシャツ深めに開けたその首筋君の唇触れるる予感
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