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牡牛座の双子

逃げ道はすでに破滅で埋まったし血まみれの手で解答埋める
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やさぐれて小銭取り出すこともせず重さ増してくショルダーバック
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小銭だけ鳴らして歩く期末とかどうでもいいほど透明になり
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雪だけですべてを覆う冬の夜こんなに白く失われるなら
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雪だから細くなりゆく路地歩きすれ違う人袖すり合わせて
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泣きながら産まれてきたね それでいい 無理に笑わずスープを啜る
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エリートの文字を消し去り夕闇に灯る我が家の窓こそが幸
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同じこと今夜も話す受話器越し 祖父はただ今二巡目生きる
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ごま団子甘く噛みしめ向かい見る 未来の僕を診るクリニック/団子屋の向かいは糖尿病クリニック
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「だめな僕」という付箋を貼りすぎて心は糊でベタついている
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守りたい、の「い」で拳を握りしめ 駄目な僕ごと未来へ放つ
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僕たちの未来が朝を連れてくる落第点でも明日はくるよ
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教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
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笑い声あかるいナイフとなって降り僕の輪郭削りとってく
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嘘という透明な服を重ね着て 立ち止まるとき僕だけ寒い
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脱ぎ捨てた僕を拾って歩く夜シンクに朝のカップが残る
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「普通」という名のバスをまた見送りて 私は私の歩幅で帰る
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「ごめん、重い」でも嬉しいよ ストーブといびきを分け合うチョコ色の午後
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「全おなか」で受けるストーブ幸福がはちきれそうな猫という毛玉
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泣きたくて猫を抱けば、僕だけが不純物なり。窓外は銀河
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凍る月眺めファンタを飲む部屋は二十五度設定。夏の展開
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失われそうな僕がここにいる雪の白さは、僕の葬列
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真っ白な世界に僕の輪郭が溶けてめまいがする 未練、たぶん
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降り積もる雪よ僕らの未熟さも埋めてしまえと願う銀河系
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「この世」というコンテンツが面白いのにログインできない僕の脳内
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単位より音数数える指先が留年のほうへ展開される
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積雪に埋れゆく僕の脊椎を息吹きかけて掘り起こさむと
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歯ぎしりという我が内なる氷河期よ零時に降り積む白き沈黙
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孤独とは卵の殻の薄さにて焼かれるを待つ 夜の火のなか
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「成長」の文字の重さを知らぬまま雪はらひつつ二十一なり
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