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白雨より 緑いちめん 洗われて 耕運機の空に 里山の夏
4
一人去り 二人去りして 見送れば 歳月の粉雪しろく 肩に降り積む
3
これじーじ
描
(
か
)
いた孫の絵
目口鼻
(
めくちはな
)
あちこち跳んで
爺
(
じじい
)
もゆらり
10
750
(
ナナハン
)
で 八月の砂 駆け抜けし友 入道雲立つ バイクに散った夏
5
久々に読みたい本があったから 週末新幹線で帰るね
12
空中を 俊敏に舞う婦人の手 井戸端会議の演出を担う
7
憧れの巻き髪 「憧れのままで良い」と 鏡に写る巻き髪
5
群衆押黙りて支那人の喬氏の名札へ唾を吐きたり
4
あしびきのヤマハピアノまへ調律われときみとをおなじくもせず
2
戦争になるらし錨しづめるかのごと異人しづめて日本国民
3
よくなれど小麦は小麦熟れつつも一デナリよりたかくはならず
3
空気人間達の晩餐空気飾り立てて箱の外へいづることなき
2
ドレスコードを守れ。紀伊国屋書店にて白昼刃物ふるふをとこは
2
われならず火事の青年音立ててピアノへむかひ指を揃へり
2
ずれてゐる禿頭の侭波止場へと仕掛けるものは爆弾とする
4
ジャガイモは 私に命を救われて 冷蔵庫でピンと根を張る
10
淡色で 描く川舟 白壁に 水彩の秋 熱帯夜に飾る
4
ただいまと帰ればおかえりのキスする 猫の鼻はいつも濡れてる
11
撫でる手に湿度と熱を感じ取る あなたのしたいことが分かるよ
6
フランシスコ・デ・ゴヤのたじろぎ憂愁公爵、夫人応接間
4
蕎麦屋にて切る十字かは伊達巻を食すジーザスすがれ
2
蕎麦の花むらさきにしてあはかりぬ青年の頬てらす逆光
10
国境を越ゆる医師団主のごとく死ぬなたかだかコロナごときに
3
解ろうとしないまま眠る教室の隅に今でも私は俯く
8
ラジオから シェルブールの雨傘 ゆくりなく 無音の窓に 豪雨の雨脚
5
「キューピーは天使になれない
高速道路
(
こうそく
)
に微温みたいにひろがる空は」
4
超写実的に熔融せる缶のキャンベルスープ罐の天使絵
3
寺町をこゆれば墓場曼珠沙華ほのほのごとくしたたりやまず
4
されかうべ置かれある書机に扁桃花つかのまを花やぎてにくしみ
2
仰天にそはゐまさずさばいづくにぞ一過性脳虚血しらじらと
2
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