音もなく輝き出した八月に マヌケな顔で会釈しました
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うっとりと メロンの如く 美しき ひびりたる 失恋も有り
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青空に枝を広げる大木のそれぞれ抱く宿り木まろき
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あの子は良いなぁ、強がりってなんの意味もない。何のためにこんなに意地はってるの
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こっからここまで沢山歩いたね、まだ目がキラキラしてる。あなたって綺麗ね
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真っ白なレースのカーテン揺らしつつ 春風ふわり 部屋へ迷い込む
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飲み会だ!またはぐれたぞ!余ってる飯を食べるぞ!また行きたいぞ!
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幾春いくはるを 越えれど 未だ芽吹かざる 蕾の秘める恋よ 何色
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福豆を年の数だけ喰む夕べ膝で微睡む猫大あくび
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萎れたるポインセチアの花殻を摘みて春光注ぐ如月
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海の街 淡き海月くらげの 幻か ビニール傘が 連なりて行く
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夫逝きて三年みとせ目の春紅梅の咲きて嬉しや命の満ちる
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味もなき白湯をすすりて酸ひ甘ひわが身の内の塩梅を知る
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さよならの 言葉吸い込む 皐月の空 また多分君の 夢を見ていた
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弟は確かな手つきで淀みなく描く弟みたいな図形を
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飲み明かし ムソルグスキー 想起する 絵が重なりて 門が開きたる
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吾妻山 冠れし雪が 形変え 衣を少し 脱ぎたるように
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明け方の 夢に出て来し 通学路 我が母も師も この世に亡きに
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ケ・セラ・セラ明日は明日の風が吹く 気楽にいこう空は澄んでる
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明日から 期末テストの 筈だった インフルBで 自宅療養
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まどろめば 携帯電話の ベルの音 鈴虫のごとく 飛び交う車窓
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後悔はしないで最期迎えたい 私の人生私のものだ
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前世ではスパイをしてたらしいから その分派手な口紅を塗る
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「一」足せば「辛い」気持ちは「幸せ」に 下は向かない前に進もう
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髪睫毛 眉毛も抜けし 抗癌剤 ウイッグツケマに 眉シールして
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見る物に ただ鮮やかなる 色あれば 寒さ寂しさ 暖まりゆく
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粉砂糖ふりかけたごと朝の雪昼には溶けて雛飾り出す
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あどけなきかほを見せつつ足下あしもとはわがものとせし悪茄子かな
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おくすりを出しときますね 君にしか言えない本音も出しときますね
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降りかかる 数多あまたの試練 凌ぎつつ 果たし遂げなむ ふたりの夢を
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