眠すぎる疲れてない気がしてたけどきっと体は疲労困憊
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小雨降る 軒下に籠 ひとつあり 二匹重なる ごろ寝三毛猫
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元気でと 席立つ君と ぬるいソーダ 飲み干すことも できないままに
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群れをなす数字の中に我と似てただ一つだけ孤独な素数
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緩んでる蛇口のようにポタポタと 秘めてたはずの想いが漏れる
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ふれたなら光のように溶けそうで眠ったきみをただながめてた
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アイデアにノーとしか言えない人にアイデアは無い? 答えはイエス
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今晩は初めて見ました火の用心呼びかけているおじさん達を
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やむなくも 短期記憶の欠落に いよいよ映える 若き日のきみ
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匂い立つ 茶葉が織りなす 紅の 舞に見入りて 砂の刻忘る
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めくります古いページはもうめくる黒豆ゴマメあたりめ焼いて
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まっさらな 空の息吹が 頬に沁みる 青の絵の具に カルガモひとつ
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猫来たる 無理くりのるね ご飯中 邪魔じゃないけど ちょっとどいてよ
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病室の私そんなにまぶしいですか?先に死んだりしないよきっと
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オペ室のライト点くとこ見たかった全身麻酔夢すら見ない
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鼻の奥涙の波が寄せることバレたくないから夜を呼んだの
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花の無き 季節に枝に 灯をともす 梅花ばいか可愛や 春浅く満つ 
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年暮れて 有象無象の 声なき声 包んで降らん 新雪の夜
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臥す妻へ味噌汁つくる年の瀬の寒き厨に湯気立ち匂ふ
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飲みこんだ言葉がきりり鳴いている喉の奥から胸の中から
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伊達巻の作りかた知る余白かな正月料理をひとつなまびて
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一年を振り返ってみたところ今年の抱負が思い出せない
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白き画布に 向えば百鬼夜行する 未知のイメージ 徐々に現る
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クッキーが本当にたまに食べたくなる輸入お菓子の甘いクッキーが
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冬晴れの富士はふわりと雲浮かべポパイのパイプくゆらすように
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もう一度食べたいものは母さんの生姜の利いた大きなういろう
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散らかって調和のとれぬ中に居て落ち着けるのが我が家と知りぬ
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病室の繭から出れば年の瀬のまちはわれをも主婦にもどしぬ
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「お正月どこから来るの?」母さんは黒豆吹いて笑ってたっけ  
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初春と書けば幸が舞ふ気して賀状に添ふる温き言の葉
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