風鈴や蛙の合唱舞う蛍この街に無い夏の憧れ
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温い風、肌灼く日差し、蝉時雨 ぼんやり歩く真夏の街路
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五輪祭 地続きで鳴る銃声よ 79年の広島忌かな
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気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
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油絵のような大雲黄金色 夏の夕暮れただ息を呑む
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平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
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「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
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「あたしたちのイエスさまが変になっちゃったのよう」魚眼レンズ直視
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ほおずきが有るからきっと迷うまい心細気なあかり添えつつ
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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蝉時雨 ふと立ち止まり目をつむる 矢の如くゆく光陰の中
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どんなにか素敵だろうかあの人に〝ありがとう〟って伝えられたら
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降る雨の雫の中に秋がある 清めの如くわだちを染めて
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風運ぶ 青さが少し薄れゆく  ホットコーヒー 夏に句点を。
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茹でたての枝豆を噛む喜びよ 夏という名のご馳走がある
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黄金比律に六弁花百合の落雁はかわきをり 誰そこぬも
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人体機関へ昏き淵あり鐡芯の骨組みきウェヌスは婦人
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通勤の改札出れば天気雨 夏の終わりの香りが満ちて
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子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
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いつだってぼくらはきっと若すぎる 上手くできないことばっかりで
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朝夕に耳朶を掠めるそよ風の 淡い冷気が秋をささや
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六十年ともに過ごした古ラジオ 時代・時代の歌を聴くとも
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新しい街の生活 少しだけバカンスのよに一週が過ぐ
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颯爽と走る若者つい見とれ 背中を見送る私と老犬
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画面には笑顔溢れると孫が 心によぎる会えない寂しさ
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秋来ぬと窓を開けども頬を打つ 風の熱さに夏がまだいる /「残暑」
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鳳蝶アゲハチョウひらりひらりと舞ってゆく 季節に乗って翔び去ってゆく
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帰り際こっそり小遣いくれた義母はは 微笑む写真を今日も眺める
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夏という季節が決壊した様な豪雨が僕を叩き続ける
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ゆりかごの歌を一緒に口ずさむ 親子互いの歌声聴いて
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