ピーナッツバターを買った 実家では出来ないことが出来てる夜更け
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半ドンと聞いても響かぬ人ばかり 昭和の土曜 午後は快晴
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汗ジミが帽子にくっきり白い線散歩の吾に夏が来ている
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歳経ても ゴルフの誘ひ受けし夜は 心躍りて遠足前夜 
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同窓会この爺達にあれこれと想い悩んだあの頃可笑し
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旅をしてひとりの時間終わったら我の任務があることのさち
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図書室であなたがくれた水色のガムを見つけた二十五の春
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庭に咲く八重のどくだみ滴あり雷雨の後の夕陽に映える
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肉塊を気合で締める試着室やはり無理ねとため息が出る
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しあわせは子猫のかたちいるはずのない温もりをただ祈るだけ
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海岸で犬に拾われくわえられ振り回されて第二の人生
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どこからが 君でどこまでが 僕なのか この浴槽では 定義されない。
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三十一みそひとは方舟なるや 宙翔けて 煇りては消え 何処にか生く
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ああまた誰かが慰めに失敗したのか二度目の雨に濡れながら思う
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右を向く 三角を押す きみだけに言えない気持ちを 誰かが歌う
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離れても再び出会う いつの日か今日の角度を思い出すだけ
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放課後の 窓に映った 二人きり 世界が少し 狭すぎてた日
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雲のみちゆく若鳶幸あれと遠く見送る春の夕空
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現実と重なる歌詞と情景にざわつく心まぼろしをみる
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一夜寝て拙歌改作思いつき手を加えるかただ悶々と
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鼓動ごと 外へ奏でる 産声に ようやく会えた 茜さす君
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春の午睡 慌てて起きて外を見る 葉ずれの音が雨に聞こえて
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番い蝶飛び交う庭に遅咲きのつつじ真紅に燃え盛るなり
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見上げれば はるか頭上の いのち綱 その先の空 とんびの一羽 「吉作落とし」
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簡単に捨てそうになる身を抱え魂だけですり減って逝く
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クールビズ 去年のズボンが ギリ履けた しゃがむのちょっと 気をつけないと
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いつだれがのぼるのかって思ってた塔に今のぼりきみに手を振る
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もう好きじゃない振りばかり上手くなり 友の顔して交わす乾杯
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手の甲に口づけをして頬に当て甘く自分を放りたい午後
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強すぎず弱すぎない光の刺激 低温調理で気付けば手遅れ
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