憧れの巻き髪 「憧れのままで良い」と 鏡に写る巻き髪
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群衆押黙りて支那人の喬氏の名札へ唾を吐きたり
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あしびきのヤマハピアノまへ調律われときみとをおなじくもせず
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戦争になるらし錨しづめるかのごと異人しづめて日本国民
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よくなれど小麦は小麦熟れつつも一デナリよりたかくはならず
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空気人間達の晩餐空気飾り立てて箱の外へいづることなき
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ドレスコードを守れ。紀伊国屋書店にて白昼刃物ふるふをとこは
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われならず火事の青年音立ててピアノへむかひ指を揃へり
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ずれてゐる禿頭の侭波止場へと仕掛けるものは爆弾とする
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ジャガイモは 私に命を救われて 冷蔵庫でピンと根を張る
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淡色で 描く川舟 白壁に 水彩の秋 熱帯夜に飾る
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ただいまと帰ればおかえりのキスする 猫の鼻はいつも濡れてる
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撫でる手に湿度と熱を感じ取る あなたのしたいことが分かるよ
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フランシスコ・デ・ゴヤのたじろぎ憂愁公爵、夫人応接間
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蕎麦屋にて切る十字かは伊達巻を食すジーザスすがれ
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蕎麦の花むらさきにしてあはかりぬ青年の頬てらす逆光
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国境を越ゆる医師団主のごとく死ぬなたかだかコロナごときに
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解ろうとしないまま眠る教室の隅に今でも私は俯く
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ラジオから シェルブールの雨傘 ゆくりなく 無音の窓に 豪雨の雨脚
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「キューピーは天使になれない 高速道路こうそくに微温みたいにひろがる空は」
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超写実的に熔融せる缶のキャンベルスープ罐の天使絵
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寺町をこゆれば墓場曼珠沙華ほのほのごとくしたたりやまず
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されかうべ置かれある書机に扁桃花つかのまを花やぎてにくしみ
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仰天にそはゐまさずさばいづくにぞ一過性脳虚血しらじらと
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うまくいかざるもの 不具の恋 レスラーの羽固め 水菖蒲
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さらばさらば友よふたたびあらずともはないちもんめのいちめんの闇
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下腹部に眠る命の素たちはいつか他人になるのだろうか
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縁側を 斜めに照らす 夕映えに 秋ほどく風 ゆっくりと晩夏
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チェルノブイリ。苦艾のみづ忘れ水流されはじむひとのこころも
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桐の花箔押しにふちどらるるに静謐馬耳東風なりき東風こち吹く
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