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名も知らぬ愛する誰か夢に見た 枕に染みる輪郭のひと
8
あの世こそ みなの末後の 行先よ 月の光も 終ぞ届かぬ
10
逢ふことの 揺れぬ恋路の 今日なれば 二人の
よ
(
世、夜
)
には
かかる
(
罹る、懸かる
)
雲無き
7
そういえば 声は忘れて しまったな 笑い顔なら 思い出せるのに
11
能登の地で育ちし米を縁者より購いて食む 味わい深し
30
火葬場の 骨の白さに 雪まじり されど地球は まわるまわるよ
8
日常の 泥の中から ときめきの ことばにのせる 三十一文字
11
薄明に アネモネ愛でて 待つあいだ 雨上がりの 木漏れ日の下
9
どうしたの 戻れないのは 知ってるわ 全くほんとに あなたは馬鹿ね
6
枯れ木林 空を昇る 白吐息 見上げる紅葉 踏みしめ進む
10
好きだった駄菓子が僕より先に死に 先月癌で母が、死んだ
6
もうちょっと話せばよかったあの人と勝手に一人で失恋気分
10
地球はね今この時も回ってる されど人生上手く回らず
13
声重ね
午未
(
ごび
)
に
宵
(
酔い
)
にと 移ろへば 名さへ忘るる 欠けし逆月
10
カリカリとポッキーの如頭からししゃも食む
曽孫
(
ひこ
)
四才
男子
(
おのこ
)
29
父さんの
お母さん
(
おばあちゃん
)
から僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
50
クリスマス今年は平日クリスマス気楽にケーキだけ食べよう
10
甘い目へ 六〇センチと 白い息 「君が好きです」 夢想かさなむ
7
雨と鐘 うたれうたれる 湖畔には 水にはなれぬ 僕とリナリア
9
雨あがり
人気
(
ひとけ
)
の無い路地 イブの夜に 南天の実が 一粒手に落ち
25
寝る前にキスを重ねるかのように電話越しにて大好きと言う
10
かしましく 子らが友来て 汗かいた コップの氷河 宴の足あと
9
犯人は君が言うには 余りにも ポップが過ぎた僕の躁鬱
6
降り止まぬ雨の暗きを詫びるごと 束の間灯る茜雲かな
31
眠すぎる疲れてない気がしてたけどきっと体は疲労困憊
9
小雨降る 軒下に籠 ひとつあり 二匹重なる ごろ寝三毛猫
18
元気でと 席立つ君と ぬるいソーダ 飲み干すことも できないままに
8
現世
(
うつしよ
)
の
厳
(
おごそ
)
かな
日
(
ひ
)
に
耐
(
た
)
へかねて
寒空
(
さむぞら
)
の
下常世恋
(
もととこよこ
)
ふなり
8
同居でも基本孤食の我が暮らしバランス良くと知恵をしぼりて
30
ふれたなら光のように溶けそうで眠ったきみをただながめてた
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