風に揺れ 戻りし青き リンドウの 芯の強さに 力を受けて
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玄関の ガジュマルを見て たくましく 優しく包む 今日でありたし
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花言葉「悠々自適」秋空に黄の花ヘチマ実もぶら下がり
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かのひとを想ふよすがの曼殊沙華 時の埋火うずみひ 葬頭河そうずか
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答えなどでないが介護のしんどさを語れる場所があればいいよね
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無知ばかり腹に抱えた芋虫は路上の葉っぱで羽根を作った
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陽射し浴び 夏を感じる 昼下がり ふとした風は 秋の入口
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朝方の 雨音聞いて 芝生見る 風が運びし 爽やかな薫り
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隣り部屋美味しい匂いが届いてる気付けばそれは我が家の唐揚げ
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曼珠沙華祖父の旅路にあかあかと燃やす想い出爺っ子の泣く
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亡き夫の好みしおはぎ供えんと朝から小豆コトコトと煮る
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大切な人を亡くして十年も生きてきたことだけで勲章
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堤防に 芽吹き始めた 彼岸花 赤白混じる 風景を待つ
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吾亦紅われもこう この曲聴かば泣けてくる 秋の彼岸のセンチメンタル
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何気なく振り向く君の無防備を記憶の森に額装したい
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どこまでも私が欲しい蒼じゃなく絵筆を取って空を見上げる
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きみらしくこのさよならを消化してわたしの涙見えていますか
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胸が鳴るあなたと会える約束をお守りのよに握りしめ歩く
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段々に明け遅くなる長月にゆったり生きろと朝の伝言
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亡母ははがいるご詠歌ひびく講のあと沢庵茶の香も秋風になる
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悪夢覚め夜明けの空は澄み渡り心に深く秋を吸い込む
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できたてのおはぎと煎茶夫の前しばし語らん日々のあれこれ
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急に来た秋に焦って七分丈 引っ張り出してアイロンかける
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介護には先の見えない辛さあり愚痴こぼしつつ日々奮闘す/姑の介護十二年
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介護は一人で背負うの無理ですよデイやヘルパー頼れる場所を/きのぽ様
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姑送り十年の時流れたり介護の日々も遠き思い出
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お彼岸のお参りすませ見る空は屈託もなく高く広がる
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ストレスは溜め込まぬよう愚痴も言い 自分のケアが一番大事/元気じゃないと力が出ない
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芋けんぴスパイス塩味揚げている母はシナモンシュガーとねだる
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早朝の 冷たい空気 身にしみて 昼はかけそば 湯気も味わう
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