ハレの日に粋な着物を着る父の伸びる影追う幼き記憶
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また一年 この日を刻み歩く親父ちち 今逝けないが 「今日」だと決めてる
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コツコツと 溜めてた金を今日渡す オジのためなら いいよな?愛瑠翔   
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激辛を理由に涙するぼくが送り続ける手旗信号
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ジャムの香のかすかに残る空き瓶にコスモス挿して秋を愉しむ
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落葉に紛れた蝉の抜け殻は夏の思い出と共に砕けて
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15年振りひさびさに アーヤのうたを聴きに行く 変わったおれと 変わらぬ君と
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約束は忘れたことにしておくよ次の恋へと走り出す君
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しめやかな雨が窓辺を濡らす朝に 妃の逝去と昭和時代の終幕
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十六時どこへ急ぐかその落暉大き湖あかあか照らし
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見つけたよ雲の隙間にお月様 近づく心を感じた夜
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ちゅーされたけど俺結婚まだせんし!さすがに小三すぎてかわいい
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片付けが苦手すぎる君それみて片付けすぎるわれなり
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晩秋は雨が降ったりやんだりのように誰かは誰かが好きで
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夕暮れの秋空高く澄み渡り 去り往く碧が心を拐う
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金風が ジブリパークの木々渡る サツキを見たり ドンドコ森で
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ショートボブ揺らして話す君の腕気づいていたよ透ける傷あと
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いよいよだ、 鬼の住みかに初陣じゃ 喰われるだろが 鬼になりたい
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いにしえの 私の写真 色鮮やか ヘビロテTシャツ 15年前
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あれは母かもめとなりて飛ぶ海の緑の深さ深い霜月
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地を離れ友と疎遠になりつあり仕方ないわと豆腐を崩す
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時間ときてば薄れていくと思ってた 日に日に貴方きみの影は濃くなり
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君の手の短過ぎる生命線繋げるみたいに手を握るよ
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横顔の窪みを埋める横顔の重なる音だけ聞いていたい
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無防備に 手足を伸ばし きみは寝て 静かに時を 刻む音する
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おじいちゃん 俺は気をつけているヒートテックに! それを言うならヒートショックだよww
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目の前に満月ぬうっと昇り来て帰路の私をエスコートせん
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目を見張る満艦飾の注連飾りスマホに確かむ今日の日付けを
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豚カツを揚げる二十二時 負けないで ほら、負けないで僕の胃袋
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友くれしハンドクリーム手に塗ればフッと赤ちゃんの頭のにおい
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