名も知らぬ愛する誰か夢に見た 枕に染みる輪郭のひと
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あの世こそ みなの末後の 行先よ 月の光も 終ぞ届かぬ
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逢ふことの 揺れぬ恋路の 今日なれば 二人の世、夜には かかる罹る、懸かる雲無き
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そういえば 声は忘れて しまったな 笑い顔なら 思い出せるのに
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能登の地で育ちし米を縁者より購いて食む 味わい深し
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火葬場の 骨の白さに 雪まじり されど地球は まわるまわるよ
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日常の 泥の中から ときめきの ことばにのせる 三十一文字
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薄明に アネモネ愛でて 待つあいだ 雨上がりの 木漏れ日の下
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どうしたの 戻れないのは 知ってるわ 全くほんとに あなたは馬鹿ね
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枯れ木林 空を昇る 白吐息 見上げる紅葉 踏みしめ進む
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好きだった駄菓子が僕より先に死に 先月癌で母が、死んだ
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もうちょっと話せばよかったあの人と勝手に一人で失恋気分
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地球はね今この時も回ってる されど人生上手く回らず
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声重ね 午未ごび酔いにと 移ろへば 名さへ忘るる 欠けし逆月
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カリカリとポッキーの如頭からししゃも食む曽孫ひこ四才男子おのこ
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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クリスマス今年は平日クリスマス気楽にケーキだけ食べよう
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甘い目へ  六〇センチと  白い息  「君が好きです」  夢想かさなむ
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雨と鐘  うたれうたれる  湖畔には  水にはなれぬ  僕とリナリア
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雨あがり 人気ひとけの無い路地 イブの夜に 南天の実が 一粒手に落ち
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寝る前にキスを重ねるかのように電話越しにて大好きと言う
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かしましく 子らが友来て 汗かいた コップの氷河 宴の足あと
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犯人は君が言うには 余りにも ポップが過ぎた僕の躁鬱 
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降り止まぬ雨の暗きを詫びるごと 束の間灯る茜雲かな
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眠すぎる疲れてない気がしてたけどきっと体は疲労困憊
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小雨降る 軒下に籠 ひとつあり 二匹重なる ごろ寝三毛猫
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元気でと 席立つ君と ぬるいソーダ 飲み干すことも できないままに
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現世うつしよおごそかなへかねて寒空さむぞら下常世恋もととこよこふなり
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同居でも基本孤食の我が暮らしバランス良くと知恵をしぼりて
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ふれたなら光のように溶けそうで眠ったきみをただながめてた
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