万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
27
青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
21
指切りをする手が蝶に見えるから交わしたあとは春野に逃がす
33
日にそよぎ薫りしずかに咲く薔薇の花びらにく淡い蜂蜜
18
腐れ縁憎まれ口と減らず口破れ鍋一つ綴じ蓋一つ
16
花菖蒲ご無沙汰の友思い出す政治談義に花咲かせし日
17
味つけはせめて日毎に変えたいの今日は酢味噌で明日はごま和え
15
にょきにょきと 立派なアスパラ顔を出す 心と身体に 元気チャージ
15
愛犬に余命宣告 あくまでも推測 長生き固く信じる
16
外来をすませ医局で一服し「一日一首」に生き甲斐おぼゆ
14
もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
14
知ってるかい悪魔が編んだ歳時記じゃ夏の季語だよ腐乱屍体が
18
春は好き暑くもなくて寒くなくガス電気代かからないから
15
やは肌の君の血潮も映らない写真にいいねを付けない指紋
13
春なのに 寒く冬服 春服を 交互に着ては 衣変えれず
13
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
35
左手と右手の違い ペンを持つ方と子猫の背を撫でる方
18
ISO 認証取って人殺す機械を作れと母は言ったか。
14
胡麻和えを作りし後のすり鉢に冷や飯擦り付けひとり頬張る/調理者特権✌
21
うたかたに 登録してみたよ たのしいね 短歌の文字数何文字だっけ
12
二組の万年布団の片方が謝るように畳まれている
18
薫風に 揺れる藤棚風に乗り 甘き花の香ほのか届けり 
22
春麗ら 予定も無い日を 子と過ごす ありふれた日々 いつもの笑顔
12
1日に二回までのバファリンを信じて眠る 雨の火曜日
23
産休で職場を離れる同僚に ろくな言葉もかけてやれずに
23
君と飲む土曜日の夜今ここで言ってしまうか一人で暮らすと
11
もしも今わたしが親鳥だったなら子供にさよなら覚えさせない
11
花火など鳴って何かの催事かと思いつ母の襁褓おしめを替える
25
木金を休んで八日の連休を自慢するなよ無職の吾に
25
世の中は川の流るることながら水にくだくるいわも在りけり
15