散り咲いて香る風来る金木犀スニーカー底花踏みしめる
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健やかに新しい朝与えられ 一期一会の命を生きる
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藤袴やっと秋よと咲き告げて アサギマダラをやさしく迎え
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冬布団 取りに帰りし 吾子の為 品数多く 作りて持たせ
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いつの間にか風の便りもなくなった友が残した本だけ 売れない
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地球よりもでかい猫の腹の上で眠る夢をみたい
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慌ただしい人々照らす朝空はあまねく伸びる宇宙の端っこ
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ようやくに家を出る息子に老婆心 あれもこれもと箱詰め始める \ 33歳の自立 羊の皮を被った山羊さん有難うございます
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いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
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泥の中 見事に咲くは 蓮の花 ままならぬ世に 光差す日も
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久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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もし君に出会えなかった私なら 今日の青さすら見つけられない 
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どんぐりを拾う媼の声弾み童に帰り秋の野遊び
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僕がすぐそばにいるよと遠くから想いを送る夕焼けの空
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自転車で 車道走ると 嫌がられ 歩道走ると 違法になる は?
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ハ長調みたいな声で話すけどこころは変ロ短調の夜
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薄陽差す野菊咲く道散歩道楚々と咲く花揺らす秋風
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見ず知らず人の行き交う冬の街コートの襟を立てる夕方
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心臓が 言葉の数を 怠けだし 金木犀より 曇りが好きです 
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趨勢の末枯れ死にき世の浅茅刈る積車に安らかなれど
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日の出前 徐々に濃くなる朝霧に 山と林と 村も消えゆく
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中央のタビビトノキの丈高く誰かを待つや北の地に生き
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心なし淋しい夜もある秋は素直に腕に巻き込まれたい
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ビル壁に映る秋空だけを見て七日が過ぎる 媼ひとりで
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三度目の 金木犀が 香っても 下書きのまま フォルダの中
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誰からも忘れ去られてここにいる そんな行く末を願ふものたち
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年一回同じ毛糸をいて編む度毎たびごと針も棒も痩せこけ
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願望か 狂いなのかな 糸はまだ 切れていないの 風ささめくから
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歌の宿命とはおもふ有明の月蝕旅館から仇敵の余名出づ
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