すぐそこを街の熊アーバンベアーが散歩する法律と言う命綱つけ
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街角に早くもツリーが登場し 短かい秋が逃げ去ってゆく
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いつもより三割増しの大きさで月は静かに側に来ていた
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里山のどてら色した紅葉は派手さは無くも心和ます
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星の数 砂の数より多いと孫に教わる満月見つつ
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ベランダで スマホを空に 向けながら 平安の夜と 同じ月見る
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大和路の名産柿の届きたり甘い実を食み至福かみしむ
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秋空に緑まぶしき柚子の葉や たわわなる実の黄も鮮やかに
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孤独には人は勝てない事もある何も残さず死んだ若者
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峠道 眼下に映る雲海に 見知った山の奥行きを知る
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「感謝しかない」と言う人がいるけれど他にも何かあるはずだよね
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積雪を彩るカラマツ散り敷きて足裏あなうらにそっと秋との別れ
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コンビニのコリアンコスメ手に取ってラメのキラメキ見比べてみる
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ふっくらとみがきニシンの準備終えソウルフードを仕込む冬の日
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昼休みはちょっとワクッとしてしまう自分で作った弁当なのにね
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君を待ち小鳥のきもちなぞってるオリオン座ほど簡単じゃない
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再会に「どなたですか」と問う姉の海馬をそっとのぞけぬものか
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ガラス越し淡く舞い散ることもなく 変わらぬ私 置いてゆく秋
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今秋の塩の加減で冬越しの 野沢菜漬けの出来は如何にか
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自分では死ぬことさえも出来ないとベッドに乗せられ管を繋がれ
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勘当を失言と言ひ繕ひし父よそれを失言と云ふ
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咳をした 君のとなりに居られるの かみしめながら 一人と 一人
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結婚の知らせを聞いた 今日もただ自分一人の肌寒い部屋
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祖母の干す柿をこっそり味見せり 軒に吊るせばふるさとの色
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幸せの形を探して三千里 ちょっとうねったシャンプーボトル
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けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
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さまざまな石鹸の香り交ざりあい籠もる夜更けの公衆浴場
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軒下に大根下がり白菜は大小並んで冬を待ちつつ
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夕焼けに重なる父娘の長い影今日という日忘れたくない
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「来る」「来ない」気まぐれなリス待ち望みいつも桜木目の端にあり
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