肩の雪払ってくれる姉の手に亡き母想うそんな正月
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あごだしと味噌で娘がお雑煮を そういや母もおんなじレシピ
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染めたての艶やかな黒にひらり桜 幽玄の君はまるで春の季語
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義母という要なくした正月も流れていって煙の如く
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言いもせず 言われもしない 柔らかな 言葉をさがし 雪降る窓辺
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天高く 冬の月る たった一つ 欲しいがための あり余る似非えせ
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裏返すまえのパンケーキのように、黄色いまんまるの月がいいんだ
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親という 一番近い歴史見て 繰り返さぬと誓ったんだが
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案外に好きな曲って聴いてないそれよか未知と出会いたくてさ
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五年前きみと出会えたあの日から雪だるま式に増え続ける愛
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なすすべも ないと思える夜にこそ ハチドリ習い 一滴の歌
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朝になりジャムもつけずにパンかじる生きたくもなし死にたくもなし
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世界一ピンクが似合うと叫びたい 「〝が〟じゃなくて〝も〟でしょ!」仰る通りです
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カメラから外れて消えた君の影を探し求めてにらむ画面外
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歯車が まわる音にも 聞こえたり ポトンコトンと 屋根からの雪
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ありがとうそのひと言ももらえずに 今日という日が静かに終わる
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結晶を 結べないまま 降り積もる ゆるかった冬 豆をほお張る
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立春の朝の日差しは透明で隣の家の屋根の雪落つ
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警報が トレンドの今日 蝋燭ろうそくの 灯し火りんと 微動だにせず
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感情を 揺らさぬように 生きている やけにまたたく 春のシリウス
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言葉には色んな意味があるわけで 「寒いね。」だけで伝わる何か
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降りしきる 雪の合い間に 一筋の光りはありて ひた走る春
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満月に誘われるよに南から一等競い春風は吹く
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君がいない 春なんてもう来なくていい 一応布団は半分 空けるね
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ぼたもちを 自分で作って 棚にのせ 偶然じゃない けれど幸せ
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輪郭が ぼやけたままの 月ひとつ おぼろな夜に 窓埋める雪
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今日のこの 星の並びを またいつか 観るのだろうか 君と一緒に / 過去詠再掲
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昼も夜もひたすら眠る十六歳(愛犬) 「散歩行くよ」とそっと抱き上げ
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支えられゆっくりゆっくり散歩する 懸命に生きるキミは励みだ
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枝葉の鳥 追う君の目に縋りつく 僕は空舞う影しか掴めず
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