入院が癌の手術と聞かされず再会出来た今日の喜び
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パソコンで初めて詠んだうたかたのときめくよりも慣れぬ指先
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朝起きて空見上げれば赤トンボ 信濃の朝はもう秋かしら
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志願せる少年兵はためらはず窃盗、強姦、虐殺す けふのことだよ
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夕膳に笹舟にのる豆腐ちくわの穴を覗けばふるさとの海
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親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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世の人に媚びへつらわず正直にそんな母娘を救う人あり
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呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
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知らせ受け義兄あにの葬儀の準備する 近づく台風 不穏な朝に
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蝉の声 嵐の前の静けさか 手持ちぶさたにシフォンケーキ焼く
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ぎっくり腰これも気圧のイタズラか 台風一過そろりと散歩
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期せずして三度帰省のこの夏に 悲しみの中にも故郷は嬉し
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ハッとした 能面のよう母の顔 もう一度見たいよ昔の笑顔
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繋がった蜻蛉運河をじわじわり海に向かうか逆流しつつ
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髪の毛をメッシュに染めて夏休みメガネは真面目ズボンも真面目
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美容師にぼさぼさの眉カットされティシャツも靴もダサいまんまで
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歩けぬが可哀想とは言わないで 老犬キミは大事な我が家の希望
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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鰯雲眺めつ歩くなんだろうスタンド・バイ・ミー歌いたくなる
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寝ることが仕事の老犬昼時は しっかり目覚めてオヤツをねだる\体内時計?
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じいちゃんのつくった葡萄つややかだ良かった年も哀しい年も
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白桃とプルーンを前に悩んでる君の瞳にうつる惑星
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漆黒を走る流星お前もか俺も同じだひたすら孤独
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窓際で外に向かって最敬礼 思わず笑みがこぼれた 豆苗とうみょう
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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老犬キミはもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
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一歳が初めて言った「パッパッパー」アンパンマン お熱の今日もしゃべり続ける
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髪の毛を乾かす時間も少し延び ドライヤー持つ手に秋を感じる
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嵐神の怒りに耐えし朝顔は漏れる日差しに藍の清けさ
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