初蝉の 鳴いてすぐ止め 二度寝かな 夏まで少し もうちょっとだけ
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恋愛に発展しない自信とはふたりっきりでスーパーへ行く
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ローカルの 駅舎にひなが 待ちおりて 戸は閉めるなと 張り紙のあり
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訳なんて知らなくていい いつかこの片道切符を正解にする
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ベランダで朝の日課のマッサージ 老犬は過ごす至福のひととき
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一晩を寝ずにトイレの模様替えそれだけなのに清々と朝
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豆の香の木綿豆腐は堅くあれ もさり武骨な益荒男ますらをの味
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アパートの間の気配に立ち止まり逢瀬の途中の猫と目が合う
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平屋建て三部屋程の借家にてリクガメ愛でる少年のひざ
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アスファルト柄の白線手と足を同時に出して歩くあすなろ
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久々に一人の朝食これもいい ジャズ聴きながら家事後まわし
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電子版ローカル新聞見出しには歩いて行けるケーキ屋の記事
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口角に残っただけの笑み残しどうせなら恥 楽しめよ俺
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強い雨どこにも行けぬ痛む傷そばにいるのに遠くなる音
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30年前の君から 今届く 宇宙の中ではすぐ そこに居る
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この世には止める神すら居らぬのか天災地災暴走のまま
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あなた今 オタクをバカに しましたね 頼んだケーキに 手もつけないで
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「暑くても食べらさるしょ」の祖父の字と富良野メロンのあたたかき涼
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読みきれぬほどにメールはくるけれど一番ほしい君からこない
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「てへぺろ」の絵文字で終ったラインみてちょっと笑ってえんぴつを折る
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ばあちゃんが「お金たりてる?」手を出せばここで夢覚め お盆は近し
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匂いたつ薔薇の花びら感じつつ孤独は罪と魂を刺す
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空爆で殺戮さつりくされる子ども達 チャンネル変えれば五輪の歓喜
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車窓の灯糸引きながら雨も連れ夏の冷たさ差し出してくる
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盆を待ち暑さ寒さも取り揃え次の絵見ればアキアカネ飛ぶ
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眠らない子どもが増える夏休み深夜のファミレス街の痛覚
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気が付けば ひこばえ青々繁ってる ああ、生きてるね 桜の切り株
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入院が癌の手術と聞かされず再会出来た今日の喜び
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夕立に立ったまんまで一人泣く自分も知らない声を出しつつ
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ごめんねを言わない君と言えぬぼく心は触れぬ白い結晶
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