なんてことない風景が愛おしいうどん屋さんで心ぽかぽか
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幼き日乗った車を運転する 昔は空を見るだけだった
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夕焼けの一番綺麗なところには思い出せない思い出がある
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冬支度ひとも木々も動物もそれぞれ生きるこの田舎町
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いつもならペロリと食べる弁当を小鳥がエサをついばむ様に/発熱おさまる
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昔日せきじつの秋の 祖母との思ひ出を繋ぐ 鬼灯ほおずき 隣家の庭に
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雨の中 猿投の里に こだまする 棒の手演武 気合の掛け声
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泣き顔の 眉にも似たり 紫の 細き三日月 連れて歩く
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有りだよね 餃子を塩で 食べた君 今も変わらず 皆がうなずく
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冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
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風強し 風の錯乱か 枯れ葉舞う 雲の流れも また急ぎ足
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迷いおれば 風をはらみて カーテンは 帆を上げる 今、船出をせよと
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山の湯で近くに熊が出たと聞く 湯船に溶けし凝りが戻りぬ
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皆違う旅の途中の今日の日の昼のひと時とても静かだ
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「おつかれ」と自分にメールを打ってみて、なんか知らんが涙出てきた
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秋空は 淡く哀れに 泡のな 今亡き夏の 君の半袖 
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会食を 終えて一人で ウイスキー 味わう時間 大人のひと時
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勉強と 元上司に 誘われて 本格的な 茶室で一席
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高層階 名古屋の夜景 一望し 二人で話す 5年後の夢
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久方に 友らと語らいはしご酒 ひねった膝は 痛飲のゆゑ
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足りぬのだ描く努力が足りぬのだ知っていながら筆さえ持たぬ
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さやかなる晩秋の空 見上ぐ如 背伸びし咲きぬ 皇帝ダリア
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はらはらと さき扇子を振る如く舞ふ 鴨脚樹イチョウの葉 霜月の風
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晩秋や ひむがしの空 オリオンは 大凧の如 昇りゆく夜半よわ
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AIの疑似人格に話しかけ 独りで生きる練習をする
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秋晴れは 心地良きかな 陽を浴びて 力蓄え 光合成す
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デパートの物産展で初めて食べたおやきの味が忘れられない
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駅ビルで買ったふたつのおやき食べ今日一日が肯定されてく
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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程々の緩さを秘めて仕事する真面目なあの娘に伝えられたら
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