Utakata
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告別のヒールにずれし我が足よ 痛みは癒えず 忘れもできず
11
落ち葉焚き垣根の先の曲がり角ありゃりゃよく見りゃ連続放火
12
わしらかてさっぱり区別付かへんで山口組と大阪府警
12
沢山の人に囲まれ戯けても僕は見透かす虚言癖の君
9
ふと問われ心の形を考える気体のような銀河のような /ひとふで様のあたたかい歌に
25
ころころと布団の中を転がればキミのとこにつながってないかな/肌寒い夜
18
「アルコールの量が増えた」心配しかできない私に送るキミ/霜月九日
18
『この冬は 寒ぅなる』しれっと言うてんでー 聞き間違いか? もっぺん言うてー?(怒
12
舌を出し においと味で誘われて 苦界を泳ぐ蛇の宿業
11
『かの鳥に成るの望みは成らざらめ 己は鳥と知りてこそ得め』
11
『かの月に成るの望みは成らざらめ 己は月と知りてこそ得め』
11
上野から 徐々に北上 乗換えすれば
寒気
(
かんき
)
と反比例する 吊り広告
12
記帳後に 通帳見返し 白目剥く
零
(
ゼロ
)
が六個の 誤送金なり
8
ものづくり琴線ふれる作品は平明にして気をてらわない
14
お天気を気にするように彼の人の心気になる恋愛予報士
16
きみが言う四次元コードっていうのはたぶんブラックホールのことだ
7
足を止め写真撮りたる彼の人は野辺の花にも冬を見ており
17
殉教の丘に眠りし千人の塚はかがやく淡き冬の日
17
人類が初めて月に向かうとき 恋は地球に置いていったか
9
「善良な心の橋」を渡るため必要なのは経歴じゃない/『闇に願いを』
10
すごろくを覚えた娘にせがまれて朝から無限すごろくの秋
19
山肌
(
やまはだ
)
に 落葉
布団
(
ぶとん
)
を 掛けし木々 裸になりて
雪衣
(
ゆきごろも
)
待つ
37
際だちて鮮やかなりし黄色かな濃ゆき葉陰に
石蕗
(
つわ
)
の
花咲く
23
投稿の
短歌
(
うた
)
見ればすぐ顔浮かび聞きたき吾おり住んでる場所など
17
秋の雲 自由自在に姿変え 詩人のように季節をうたう
25
抱かれても こころは
空
(
カラ
)
で 満たされぬ 愛など知らぬ方がよかった
10
恒例のイルミ点灯御堂筋イチョウ青々晩秋はまだ
22
戦前 酒断ち磨いだ 精神を 病に喰われ 折れる心体
8
色無くし 1年半の記憶
喪失
(
なし
)
老けてくだろう 心そのまま
13
ヌートリア五匹の子供
孫生
(
ひこばえ
)
をむさぼるようにあたり気にせず
20
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