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高校をサボって一人喫茶店 誕生日なのを免罪符にして
19
生家には大音量でテレビ見る童女のような叔母ひとりいぬ
11
夫との会話は今朝はうわの空 心は旅する息子にありて
17
時の瀬に 流されて今 初恋は 夏を求めて ただ君を待つ
5
眠る
犬
(
こ
)
の耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
22
後追いの一歳児連れてフラダンス ママの背中はゆりかごになり
16
プレゼント箱を開けるとまた箱が 最後の箱には指輪がひとつ\思い出①
15
丁寧に紙とテープで修理する 夫と半生歩んだ聖書
15
あの時が 最後だったと思い出す 未来が見えて だきしめる今
26
君望む
夫
(
ひと
)
となれたのか? 今はもう 知る由もなし 頬たたく風
31
半袖にオーバーオールのお出かけも夕暮れ風は肌に冷たい
17
五月吹く 若葉の風を追うように ランナー駆け往く川縁
(
かわべり
)
の道
23
切り株のくぼみに誰が植えたのか可憐な姿の初雪カズラ
16
質問をしただけなのに涙顔 管理職とはそういうものか
10
今君の 肩を抱くのは 誰だろう 誰でもいいか 僕じゃないなら
8
百均で選んで欲しいと投げかける誘惑の中決めかねている
9
お隣の八百屋小さな店構え整然と待つレジ前の客
13
「先生」と不意に呼ばれて振り向けばかつての少女母になりけり
13
カーペット汚したことで口喧嘩それが幸せだと現在
(
いま
)
気づく
7
金平糖あじさいの葉をあしらって 粋なセンスの亡き友想う
20
今日からはママと離れて保育園君の世界が拡がっていく
13
あの当時背負ってるもの見もせずにきつく叱った我を赦せよ
15
近所の子だんだん敬語を使い出し 成長見るも淋しさ覚える
29
真似したい食べたい見たい触りたい「たい」につきあうママ休みたい
21
珈琲の湯気ゆらゆらと 夜に溶け 遠くに灯りのともる日を待つ
32
さよならに聞こえてしまうありがとう 言えずに今日も またね で帰る
35
うたた寝の夢で良い歌詠んでいて書き留める前すーと消えゆく
22
憂鬱が我を制したおとといに何があったと言うわけじゃない
19
ガザの民攻撃のがれ逃避行荷のてっぺんに乳母車見ゆ
14
記憶など捨ててしまえと言う君の若葉のように柔らかな脳
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