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虚無感に襲われておりフルセットでデュースの末に負けたみたいな
16
ささやかな ミニの願いも 立ち枯れて トマト引きぬく 般若波羅蜜多
48
変わりなき繰り返す日々美しき明日はいらぬ今日の温もり
20
暗黒の
闇
(
けむり
)
の如き排気ガス バス発車時に吐き出されおり
28
汝戰に征かず懸崖の菊一輪取つて曰 特攻隊につづけ、と
15
ふるさとに帰ると決めて初夏の駅 遡上してゆく鮎でありたい
27
引き金と注意サインに対処する「道具箱」書く具体的にね/
wrap
(
ラップ
)
勉強中
14
ちゃっかりと僕の寝床の中央で寝ている犬に「もしもし」と言う
28
富める日本。夢遊病にてくちずさむ約束手形に偽眞珠母 生る
13
賛成の萬歳響く駅前に傀儡のごと晴着――濡れかへ ら ず
13
溌溂と晧歯剥きつつ小綺麗なる口蓋言ふ 「原爆もたば」
22
いくつもの
〓
(
ゲタ
)
がならんだ三世代ほど未来から来たラブレター
5
免れぬ老いではあるが胸底に忘れたくなき乙女心よ
26
とりどりの百合の花咲く庭園に蜜吸うアゲハ陽に煌めいて
26
無人島もしも貴方と流れたら大声だして空っぽになろう
8
声あげて公園で騒ぐ子供見て羨ましいなと思うか否か
13
いたずらを𠮟られそうな柴犬がソファーで狸寝入りをしてる
29
両親と選挙に行ける年になり数年ぶりに入った母校
19
あの頃に家族で通ったジョナサンの新しくなった看板を過ぎて
10
特別なあの人に会いに行く時に聴く用のプレイリストを組む時
8
ふれあいの 森に広がる 阿鼻叫喚 救われたいと 無限の音源
/
蝉しぐれ
37
いまここで眠れば走馬灯はそう 愛か呪いか恋多分恋。
8
恋なんて とるに足らない ことと知り 寂しげに夏 静かにくれる
41
猛暑から蝕まれつつ起床するふとした仕草で足がつります
27
一匹のイワシとなって終電の
漁火
(
いさりび
)
めいた明かりに向かう
27
条約に隔てられてもなほ海は絶へず微分可能な球面
11
この歳で記憶の中の恋愛は全てきれいに磨かれている
41
胸底の 黒いタールを みつめてる 白い世界へ 往く日のために
46
自己嫌悪、白いブラウス着たはずだ。来る人がうつす真っ黒な羽根
31
夢を見る 本間ちゃんとのむ 珈琲は 森の喫茶店 千百円也
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