羽田にて夜景横目に着陸し忘れたものは空飛ぶ心
10
晩年の祖母の過ごした施設にも 今頃咲くか 睦月の蝋梅ロウバイ
32
水面にビッシリと氷 藻の蔭でメダカは ひたすら 遠き春を待つ
10
飛び方を忘れ 枯れ枝に一枚ひとひら 厳寒に耐へをる 赤紅葉
29
顔中にご飯くっつけ笑ってる幼よいくさ知らずに育て
32
雪かきの苦労なき冬 後にした町より届く雪の風景
35
旅人に道教えつつひとときの寒さ忘れる半月の夜
17
寒さゆへ時すら縮むと思ふ日々 むつむ間もなく睦月は過ぎて
21
梅の木に毎年花が開くのはあたりまえではないと知りけり
20
下向いて笑ってるよなやぶ椿風にゆられて春を待ちます
28
川べりに 一羽の鳥が 悠々と 夕陽を浴びて 伝えし自由
31
今までの 歌を見返し 思い出す 喜怒哀楽と 日々のあれこれ
31
ふかふかの雪は五寸を越すほどかサラサラと落ちスコップに残らず
34
振り返る 君はもういない 帰り道 夜影に灯る あの夏灯籠
14
折り紙で箱と受け皿作り出すユーチューバーの魔術を盗む
31
雪の舞う義母ははの忌日の墓参りローソクの火も早々に消え
30
母の背を追ひ越し時ぞ誓ひけり 嵐の日こそ傘をさすらめ
24
関係はないと言ってはみたものの トゥルーマザーの影がちらつく
8
プラマイがゼロになるよう神様が 与えてくれた私の余生
45
優しさを 持ち合わせたる 君の目に 映る未来を 共に生きたし
38
願いごと叶えず吹雪に佇みて涙の地蔵に雪はふりつむ
32
老梅の萎えし枝にも雪積もり 冴え冴えと立ち大寒迎ふ
23
「いい子ねぇ」 言われ続けて 癒着した 仮面気づけば 剥がせなくなり
36
子への愛 気恥ずかしいな 何故だろう  けたる愛が 足りなかったか
17
僕たちは汚い夜を過ごしても綺麗な言葉で飾りつけした
8
愛という 文字を大きく 書きすぎて ふたりの名前が 書けなくなった
12
街宣の車さえ見ぬ過疎の町 真冬日静かに夕映えしき
45
いつもなら隠さず物言う賢人の言わぬ本音に優しさを見る
52
やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
50
方角も 無言もなしの 恵方巻き 美味しく食べて 幸せであれ
30