選り分けるてのひらの上の黒大豆 酷暑の夏を二人語らう
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カリカリとポッキーの如頭からししゃも食む曽孫ひこ四才男子おのこ
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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氷点下十一度という予想気温思い出せない夏の苦しみ
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冷えた朝鼻からせいよく吸い込めば粘膜凍るの知っている人 ︙居ますか?
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降り止まぬ雨の暗きを詫びるごと 束の間灯る茜雲かな
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同居でも基本孤食の我が暮らしバランス良くと知恵をしぼりて
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一晩中 雪の明かりに 照らされて 白夜なのかと 見紛みまごうほどの
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都市部でも大粒の雪低迷でらしさ失い明日は大雨
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病室の壁があまりに白すぎて何かぶつけてやりたい夜更け
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壁に穴母の眉間に皺ふたつ少年たちは大人になりぬ
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『宇宙には文明を持つ生命体……』たちの実験場なる地球
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急いでも仕方がないことあるんだよベルを無視して終活休み
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あの窓もこっちの窓もほの明かり眠れない人この指とまれ
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針の目を たどるがごとく 街路樹の 背高ノッポの コニファーの列
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核家族などで習慣「大掃除」薄れる「やった」過去最低か
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のみこんだことばの欠片?のどのおく癌かもしれぬ石ころひとつ
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幸せは看護師の手の温かさ眠れね夜も痛みの朝も
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子らの来ぬ二人きりの年の瀬は気楽ねなんて ちょっと強がり
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負け越しの年と思えり年の瀬に「B.Jブリジットジョーンズの日記」で憂さを晴らせし
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高層のベランダからは憧れのキキの魔法が翼を広げ
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もう少しあと少しだけ光ってて 今年最後の夕日が沈む
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初茜はつあかね 詠みたいところ やはりグレー あまける馬 まなうらにあり / 元旦
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病み上がりなれば訪う人もなし正月だけが静かに来てた
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めぐっては消えないままの後悔が午前三時にわたしを起こす
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鉄橋を渡る列車の音でさえやさしく響く もうじき夜明け
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冬枯の 乾きし森に 雪が舞ふ 朝には白衣びゃくい まとひし舞台
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蛇口からお湯が出たりはしない頃湯たんぽのお湯とりっこしてた
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電話でも義母ははの話はマシンガン ただただ聞くのみ それも孝行
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雪の庭よこ切るキツネの足跡は今朝のことらし年始のための
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