てくてくと 歩くカラスの 一匹に ちいさな影が ついて来ている
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魂の 入れ物ひとつ ぼんやりと  駅のベンチで 電車 見送り
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憂鬱が 肺の底から 押し寄せる。 苦しくなって ため息を吐く。
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爪剥げて傷の癒えない指先で 月面地図の海をなぞった
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氷山に幾万年の陽は照りて 温き水 いま 海へと還る
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新しい家族のカタチ始まりぬ 午前五時前 母の転倒
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涼求めくすのきの下見上げれば繁る木の間にまほろばの蒼
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困ったら椎名林檎を聴くうちは死んでもきっと冷笑される
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ふとつけた テレビに映るウルトラマン 哀しきヒーローゼットンに散る
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自分など死んでしまえと思いつつ 生きてた頃の何故なぜ最盛期 /いと度し難し 我が身の上よ
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ありがとね 君に届けと 空あおぐ 出逢えたあの夏 サヨナラの夏
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夕間暮れ ソファにもたるる君ありて 夏の終わりのしどけなきかな
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チチチチチ 朝一番の台所 何処にいるのか ここにも秋が
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幾度目の転生よみがへりかとふと思ふ  十六夜いざよひ月を追ふてみる夜
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満面の笑顔でミスドのドーナッツ たまにはいいネ ママひとりじめ
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幼子おさなごが きし多彩な 抽象画  値千金あたいせんきん 我が家の家宝
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あのねママ今度の先生変なのよだってちっともエッチじゃないの
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担任がイケメンなので化粧にも気合いが入る授業参観
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参観に来てもいいけど先生を誘惑するのやめてよねママ
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参観に来てもいいけど先生にチップあげるのやめてよねパパ
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家にある 季節外れのラムネ瓶 秋風吹かれ 飲むも良きかな
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僕はまた往復切符を隠してた 君は独りで帰らない旅
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カサカサと 囁く竹林 涼しげで 行燈の灯に 秋の空気を
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敬老の心こもるる飾りつけ集う笑顔に感謝あふれて
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人類の月に降り立つあの頃のワクワク感に似た、株価かな
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風花かざはなの 磐梯山ばんだいさんに 別れ告げ  積もらぬ雪に 会津あいづおも
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やっちゃったクリックひとつで全削除きっとすべては取り返せない
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かなしいな 短歌づくりに没頭し 電車のりこし多摩川を越す
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三色ペン ふと見りゃ赤が 減り早く ノートを見ると 間違いばかり
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「じ」を「ぢ」と書くし、ワラと打つ、頭痛は痛む。 そんなやつより僕が良いよ。
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