七転び 八回起きて また転ぶ それでも立てば ナンクルナイサ
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黄金の花梨をぎし指先に可憐な花の面影を追ふ
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病院の 花壇に咲くは 春色の 色とりどりの 冬の花たち
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積む雪のはじめは六花ひとひらのあまねく広く銀世界見ゆ
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ひとりだけ住む人の手で丁寧にただ撫でられているカーペット
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犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
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さるすべり夏の名残りの赤々と街路に咲けり血の色をして
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二軒分 家事と介護を こなすには 知恵を絞りて 手抜き息抜き
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壁に揺れる光の網を綾取りで取って取られて朝のうたかた
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老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
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電話口 後輩の声 懐かしく 深夜残業 頑張ったよね
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金色に 棚引く雲の 切れ間から 冬の夕陽が 光り輝く
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修正ペンで塗りつぶした一角がそのまま流れてくエンドロール
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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六十路なる吾の通信簿 理音四 国美社が三 数体下がり二
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てのひらで慈しんでた太陽の焼け跡が疼いて眠れない
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雨の降る 師走の街に ちり流れ 過ぎし一ひととせ 思はるる夜
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まだ固い 梅の蕾の その先の 親友ともの未来も 代わりに歩む/命日に寄せて
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救急の惨事を告げばデイケアの瞳の奥に涙の光り
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このままじゃ猶予人生終わっちゃう箸を転がし笑ってみるか
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ラムの焼きあがり待ちつつお隣の紳士はごきげん赤ワイン飲む/サイゼリヤにて
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多忙なる 一日ひとひの終わり 静寂が クールダウンを 吾に施す
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この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
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年忘れ歌会の後の会食は笑顔・満腹 時を忘れて
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十年後 大丈夫だよ 伝えたい 十年前の 不安な君に
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免疫を 上げる為には 笑うこと 笑ってなかったと 母笑ふ
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地に落ちた葉にも命があったこと描けば光るわたしの絵筆
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朝からの雨は昼には雪となり追い越し車線を行く車なく
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明日こそ明日こそはとただ今日を見ないふりする今日この頃です
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沖縄の 黒糖入れて かぼちゃ煮る 体に優しい 自然の甘さ
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