告別のヒールにずれし我が足よ 痛みは癒えず 忘れもできず
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落ち葉焚き垣根の先の曲がり角ありゃりゃよく見りゃ連続放火
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わしらかてさっぱり区別付かへんで山口組と大阪府警
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沢山の人に囲まれ戯けても僕は見透かす虚言癖の君
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ふと問われ心の形を考える気体のような銀河のような /ひとふで様のあたたかい歌に
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ころころと布団の中を転がればキミのとこにつながってないかな/肌寒い夜
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「アルコールの量が増えた」心配しかできない私に送るキミ/霜月九日
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『この冬は 寒ぅなる』しれっと言うてんでー 聞き間違いか? もっぺん言うてー?(怒
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舌を出し においと味で誘われて 苦界を泳ぐ蛇の宿業
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『かの鳥に成るの望みは成らざらめ 己は鳥と知りてこそ得め』
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『かの月に成るの望みは成らざらめ 己は月と知りてこそ得め』
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上野から 徐々に北上 乗換えすれば 寒気かんきと反比例する 吊り広告
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記帳後に 通帳見返し 白目剥く ゼロが六個の 誤送金なり
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ものづくり琴線ふれる作品は平明にして気をてらわない
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お天気を気にするように彼の人の心気になる恋愛予報士
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きみが言う四次元コードっていうのはたぶんブラックホールのことだ
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足を止め写真撮りたる彼の人は野辺の花にも冬を見ており
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殉教の丘に眠りし千人の塚はかがやく淡き冬の日
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人類が初めて月に向かうとき 恋は地球に置いていったか
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「善良な心の橋」を渡るため必要なのは経歴じゃない/『闇に願いを』
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すごろくを覚えた娘にせがまれて朝から無限すごろくの秋
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山肌やまはだに 落葉布団ぶとんを 掛けし木々 裸になりて 雪衣ゆきごろも待つ
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際だちて鮮やかなりし黄色かな濃ゆき葉陰に石蕗つわ花咲く
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投稿の短歌うた見ればすぐ顔浮かび聞きたき吾おり住んでる場所など
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秋の雲 自由自在に姿変え 詩人のように季節をうたう
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抱かれても こころはカラで 満たされぬ 愛など知らぬ方がよかった
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恒例のイルミ点灯御堂筋イチョウ青々晩秋はまだ
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戦前 酒断ち磨いだ 精神を 病に喰われ 折れる心体
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色無くし 1年半の記憶喪失なし 老けてくだろう 心そのまま
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ヌートリア五匹の子供孫生ひこばえをむさぼるようにあたり気にせず
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