拭いつつメガネのレンズ今日は何汚し汚され過ごした日なの
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「まけとくよ」その言葉にも断れず買ったあなたの桃がやさしい
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イヤホンは寝歌ねうた聞かせる人の無い私の側でずっとやさしい
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八月は透明な青と口にする花と木くぐる風に吹かれて
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Amazonの段ボール箱溜まりゆく僕の物欲ごと潰したれ
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コスモスという平凡が愛しくて秋の光をやわらかくする
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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唐突に秋の気配はやって来て夏を記憶に変えてしまった
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早々はやばやと鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
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颯爽と走る若者つい見とれ 背中を見送る私と老犬
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画面には笑顔溢れると孫が 心によぎる会えない寂しさ
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サルビアはまた恋をして散ったとて風に舞っても紅を忘れず
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かき氷味を覚えた一歳は 大きなあーんで兄の後追う
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賑やかなさえずり声に見上げれば 豊作の柿でヒヨドリ宴会
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窓の外夜毎に通う三匹のヤモリ確かめ夫は寝床へ
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半月は 夜露の虹に つつまれて ななめ上向き 十五夜の夢
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一言も行くよだなんて言われないでも選んでる君の好物
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どうしたら 浄土へ着くか 今年あと 三月みつきと半分 ストーブける
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よく乾き衣類畳めば不思議なる吾は吾の香母は母の香
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「まだ読むの?」疲れた兄ちゃん逃げたいが 一歳あと追う「もういっかい!」
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やっぱりね楽しさ倍増アンサンブル フルートの醍醐味仲間と味わう
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逃げたこと だめだったこと 並べたて 自分をきらいになっても 満月
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「受かったよ!」弾んだ声が忘られぬ 電話口に見た息子の笑顔\思い出
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帰り際こっそり小遣いくれた義母はは 微笑む写真を今日も眺める
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お彼岸が近づいて来て曼珠沙華ヒガンバナ 今年も変わらず頭を出した
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Utakataの一首一首に心寄せ 想像巡らし読むのは楽し
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老犬よ こんな時もあったのね ドアにはあかし数多あまた爪痕つめあと
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紅葉はまだ早いけどおにぎりを割った中身は紅い梅干し
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急ぎ旅なれどコスモス風に揺れ吾を迎える ふるさとは秋
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