屋台消え人がまばらな遊歩道ゴミ拾いする爽やかな朝
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桜詩 美しき詩 皆詠い 我詠う事 時に忘れし
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風そよと西空まぶし春夕焼け 木々をねぐらの鳥影に照る
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いまひとりあの日の記憶抱いたまま泣けぬ貴方の心に春を
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家康いえやすのお手植えされし桜の木 真に信まことか利他の鐘撞く
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いつからかドアがきしんで声を出す度に知らせる家族の帰りを
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保存水賞味期限が近づいて感謝して飲む事なき五年に
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ピーラーで薄く皮剥くアスパラの 緑と白と 春は此処にも
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ゴーカート 君の最初のドライブは、僕の〝人生最高〟になる
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新緑や 君が隣にいた頃も こんな緑に 囲まれていた 
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折にふれ語りかけたき亡き友はライントークの最後尾にをり
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高校をサボって一人喫茶店 誕生日なのを免罪符にして
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生家には大音量でテレビ見る童女のような叔母ひとりいぬ
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夫との会話は今朝はうわの空 心は旅する息子にありて
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時の瀬に 流されて今 初恋は 夏を求めて ただ君を待つ
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眠るの耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
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後追いの一歳児連れてフラダンス ママの背中はゆりかごになり
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プレゼント箱を開けるとまた箱が 最後の箱には指輪がひとつ\思い出①
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丁寧に紙とテープで修理する 夫と半生歩んだ聖書
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君望む ひととなれたのか? 今はもう 知る由もなし 頬たたく風
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五月吹く 若葉の風を追うように ランナー駆け往く川縁かわべりの道
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質問をしただけなのに涙顔 管理職とはそういうものか
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今君の 肩を抱くのは 誰だろう 誰でもいいか 僕じゃないなら
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「先生」と不意に呼ばれて振り向けばかつての少女母になりけり
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カーペット汚したことで口喧嘩それが幸せだと現在いま気づく
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今日からはママと離れて保育園君の世界が拡がっていく
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あの当時背負ってるもの見もせずにきつく叱った我を赦せよ
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真似したい食べたい見たい触りたい「たい」につきあうママ休みたい
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ガザの民攻撃のがれ逃避行荷のてっぺんに乳母車見ゆ
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空耳か 君が呼んだか 振り返る 田舎の夕方 ミョウガの葉揺れ
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