「歩けたね!いつものコース、久々に」老犬抱き上げ頬ずりをする
17
桜詩 美しき詩 皆詠い 我詠う事 時に忘れし
14
箱庭の中へ死にゆきぬ智慧の実も腐りきつたり 食卓のうへ
6
風そよと西空まぶし春夕焼け 木々をねぐらの鳥影に照る
25
見上げれば三十年がよみがえる息子の記念樹 八重桜咲く
19
「できたよ!」と つかまり立ちで満足げ 孫の姿は期間限定
16
幼子は狭き我が家を駆け抜ける まだまだ寝ないと親から逃げて
38
家康いえやすのお手植えされし桜の木 真に信まことか利他の鐘撞く
13
老犬のお尻吊り上げ散歩するリハビリ毎日 私は筋トレ
14
ラジオからゆったり流れるピアノ聴き気分は高級ホテルの朝食
13
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッテ画伯憎しみき群天使、葡萄、鳩尾
8
八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
56
戦後生き 戦前を生む 私たち せめて届いて カナリアの声
30
新緑や 君が隣にいた頃も こんな緑に 囲まれていた 
9
なぜだろうみんなが好きと言うものがよくわからずに雲を眺める
14
人の目は欠点ばかり見つけがち君の伸びしろ私は見える
24
好々爺 看護師さんの前でだけ 家族はむっつり 柏餅食む
37
そのへんの言葉じゃサイズが合わなくて 裸の気持ちがくしゃみをひとつ
41
朝食後 歯みがき洗濯洗い物 天気に尋ねる優先順位
14
早朝の二階の足音世の中は連休明けかスタートは雨
22
高校をサボって一人喫茶店 誕生日なのを免罪符にして
19
夫との会話は今朝はうわの空 心は旅する息子にありて
17
レギンスとレッグウォーマー離せずに歳を取ったとしみじみ五月
22
時の瀬に 流されて今 初恋は 夏を求めて ただ君を待つ
5
誰だって誰かを失い生きていく 色んな後悔心に綴じて
53
眠るの耳元にそっと「さんぽだよ」ささやく夫に優しさを見る
22
カーネーション長持ちさせるって難しい 日に当て水やり大事な花たち
15
清貧を崇む私に初夏が来る端切れ草履に素足をはさむ
28
後追いの一歳児連れてフラダンス ママの背中はゆりかごになり
16
プレゼント箱を開けるとまた箱が 最後の箱には指輪がひとつ\思い出①
15