きせむ
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近頃の 秋は玉響たまゆら なればこそ  鱗雲うろこぐもさえ はかなく見える
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赤い丸 輪切りでづる 五稜星ごりょうせい  スターカットは 楽でいいかも
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炒飯チャーハンは 細く刻んだ かまぼこの  薄紅色うすべにいろが 味を左右さゆう
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けてゆく 口に含んだ チョコレート  愛にちかしい 味がする
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街灯の 一つも照らぬ 田圃道たんぼみち  あおいだ先に 天象儀てんしょうぎ
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まつりごと 合従連衡がっしょうれんこう 複雑怪奇ふくざつかいき  日はづれども 名君は出ず
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迷い猫 網戸越あみどごしから のぞいてる  愛嬌あいきょうに負け 煮干にぼしを渡す
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切れ間ない 曇天どんてんまるで 水彩紙すいさいし  想いはけて 雨はにじんで
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くだらない 取るに足らない その中に  風雅ふうがちりが 一二三ひとふたみっ
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人と熊 山の神との 邂逅かいこうは  ことごとみな すれ違いから
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渋柿しぶがきに 焼酎しょうちゅうかけて 二週間 甘柿あまがきよりも かがや身不知みしらず  /身不知柿みしらずがきが恋しい
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蕃茄ばんか買う 返してみたら 割れていた  今日のカレーは 赤くなる  /安売りしてたトマトの詩
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暴れ熊 人の都合で いかれども  俺等おれらも動物 ごめん戦う
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子は宝 憶良おくらった 当然を  千三百年せんさんびゃくねんて 減る宝かな  /子育ては国事
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街に熊 森から君を 追いやった  人の都合つごうは 秋空しのぐ 
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恋の花 寒さでつぼみが ほこびて  実をつける頃 また寒くなる
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異常気象と 言えどこよみに さからわず  君とのあいだに 秋風が吹く 
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色なき風 金木犀キンモクセイの を乗せて  鼻腔びくうから 秋が始まる
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育ち良き 口悪くとも 気品あり  麻生閣下は 最後の貴族
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中秋月ちゅうしゅうづき 真円形しんえんけいとは 限らない  けしところに 風流ふうりゅう
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の色が からだいだい しゅへ変わる  秋の深みが かきうつりて
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ごおごおと 風と鉄塔てっとう かなでたる  季節うつろう 音がする
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秋色あきいろに 染まりて気付く 葉緑はみどりの  とうとさまるで 夫婦めおとの心
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極楽寺ごくらくじ 権五郎ごんごろうの 力餅ちからもち  波の如くに うませたり
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薄荷油ハッカゆを 身体からだりて とこる  そんな季節が 今年も終わる
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渦巻香うずまきこう 蚊を落としたる そのついで  祖父母の家を 思い出したり
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変わりしは 君の想いか こころ  今はただ わかれてぞ
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秋風あきかぜが うたうたえと さその  そらかりし 小望月こもちづきかな
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野山錦のやまにしき 桜の葉さえ あかくする  赤黄褐色あかきかっしょく 天下秋なり
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女神めがみでも 女帝じょていでもいい この国を  苗から瑞穂みずほへ あらたたまえ  /『女性初』なんて野暮な言葉
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