蝉しぐれ 降りしきるかな 夕暮れに な つ季節と己の 終わり報せて
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ラタトゥユにウインナー入れ忘れたわ あとは有り物炒めて夕餉
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疑えば 絶望するし 信じれば 裏切られると 臆病になる
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老人は 暗い夜道の 運転は しないでおこう 長生きのため
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憐れみの 心を持てば なんのその 屈辱だって 迫害だって
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6歳の君が奏でるソナチネの振りかぶりたるフォルティシモのファ
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あの頃は休日充実してたよな 笑顔の写真 部屋で見返し
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同窓会どうして君は来なかった 話したかったあの日のデート
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起きがけにLes moulins de mon cœurの一節歌ったら重音できた
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ソレジャナイ!煮詰まるとか言う そうじゃない! 穿った見方も ソレジャナイ!
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エイリアン 平安京に 名古屋撃ち 百円の山 みるみる減って
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ひたすらに漕いで隣の町来れど駐輪場無し行く宛もなし
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キミを見てふと『故郷こきょう』のルントウが浮かぶキミを空っぽにはさせない
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「そうなんや!」 「へー!そうなんや!」 「そうなんや!」 よー分からんけど ええねん多分
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喜びや幸せを追い求むこと その心根が貧しさの元
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お薬を追加しようか迷う時ほんとは知ってる薬じゃ何とも
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清廉で 潔白なるを 自負してる そんな老人 面倒くさい
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よく笑い よく聞くならば いつだって 子供は心 開いてくれる
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毎日が 喜び溢れ 愛感じ 心穏やか それで十分
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寝ることも出来ず転がるこの身体恐ろしいのは眠りにつくこと
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一夏の海辺で燃えた思い出を産婦人科に捨てに行く秋
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文化祭初めて触れた手の感じあの人今はどうしてるだろ
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それぞれの立場から見たものごとは事実だけれど真実じゃない
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慎ましく秋桜の咲く夕暮れに目立たぬように秋はそこまで
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チェンバロの切なき音色ラジオから 二人でいても独りと独り
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