刺草キロ
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シニアスタッフの営業マンです。同性同世代の歌に特に反応してしまいます。また、にわか相撲ファンです。

十億の国民統治の装置には 民主主義など間尺に合わぬ(と、習さんは言いたい)
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南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 と唱えてもそれは単なる書籍の背表紙
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陽焼けした背中の皮がほころびて 蝉の羽化する痛みを思ふ
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残りめし瀬戸風味かけ冷や麦茶 けふのお昼はこれでいいやと(暑いし)
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蜩がかなかな悲しと鳴く頃に 私の寿命も少し減る哉
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ギギと鳴く今年も彼らがあらはれむ あと三月ほどかまびすしき夏
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夏プール見知らぬ人と競い合う 抜かれてなるかムキになるアホ
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猫母が冷やし中華で呑む酒は それはもちろんマタタビ酒だね
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枝豆ともぎり胡瓜ととうもろこし 鰯の梅煮に酢茗荷添へて(夏のごちそう)
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吊り革にぶらさがったまま寝ている 眠くて眠くてがっくんがっくん
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大災害起こると君が言ったから 七月五日はノセタラダマス
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備蓄米どんだけ不味いか食べてみたい そういう人もけっこういるかも
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独り者綾瀬はるかじゃおちゃめ過ぎ 江口のり子が適役と思う(「東京ひとり」観て)
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備蓄米 流行りものゆえ買う人が大半だろう この国の衆
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横文字に店員困り顔 「サーキュレーター」「さっき揺れた?」ということですか?(翠星むいろ様へ)
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たっぷりの錦糸玉子とハム胡瓜 冷やし中華は立派な肴
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キスをする相手がいても実山椒 ひとつぶ噛めばその気は失せむ
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山椒の実ひとつぶ口に入れてみる 舌と唇しびれにしびれ
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ぬか床に実山椒まぜて半夏生 ひりりと香り湿気払ひぬ
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合掌し体を水に叩き込む 五体投地のブレスト平泳ぎでゆく
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精一杯かいな伸ばして水捉え クロールで漕ぐ人形ひとがたの舟
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水底に私の影が泳ぎゆく 時を遡行し少年のように
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臨兵闘者皆陣烈在前って唱えて 冷水シャワー(古いプールなのでお湯が出ない)
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梅雨明けぬ屋外プールの静寂を 肩で水切り夏を始める
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明日こそは指折り数えて待っていた 屋外プールの開場の日よ
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天蓋が堕ちてきたなら困ります 助けて下さい杞の国の人
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惹き込まれ足踏み入れた細路地は どこに続くか行き止まるのか
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道端に打ち捨てられた空缶に 何思ふてか蜂の寄り来る
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「見ていたぞ」逸らしてみても間に合わない 物陰からの光る両の眼(猫)
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お互いを信頼しない男達 それゆえにこそ相手が読める
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