刺草キロ
80
69
投稿数
1967

シニアスタッフの営業マンです。同性同世代の歌に特に反応してしまいます。また、にわか相撲ファンです。

ミスをするミスをなじる者もいる そういう時は黙って修正
20
斗酒百篇 杜甫下戸李白上戸にリスペクト 酔って駄歌詠み翌朝まっさお
17
少し青い甘みがなくて酸っぱくて そういうトマトに塩かけて喰ふ
22
あつめしのまんなかあたりに穴を掘り なまたまご入れおしょゆをちょびっと
17
特売のアメリカ産の松茸も 酢橘しぼれば極上の菜
21
六時間トイレに行かず眠ったら ああよく寝たと自分をほめる
22
歳食えば失敗しても謝らない わざとじゃないと威張って応ふ
12
歳下のあの俳優がじじい役 秋風脇を冷たく抜ける
22
猫母が雲雀のバッジ得らるる日 頬杖ついてあくびして待つ
16
大阪から東京に向かう新幹線 みんなチーズカールを食べている カレーカールも復活して欲し
16
独身の息子の部屋はラディカルで ゴキブリも棲みコウモリも棲む
25
心臓の薬と偽り服んでゐる ビオフェルミンをこっそり収ふ
21
漱石も子規も仰天伊予の街 まんじゅうになり団子にもなる
18
ほうしぜみ秋も鳴くなり松の山 汗を拭き拭き天守に登る(松山暑いっ)
18
田舎空 合図花火が炸裂し運動会が始まってしまふ(体育は苦手でした)
21
『カナリア』のスタライには茹で玉子 ウデスタ一択あせだくだくに(赤茄子日本翁、同学ですなっ)
11
瀬戸内はさざ波たちてただ碧く いついつ見ても言葉さがせず
23
駅ビルが屛風のごとくはだかりて 街並み見えぬ野暮な京都駅
19
西へ西へ息子の暮らす伊予の国 親ばか二人おかず背負ひて
23
65のゴールポストは動かされ 75まで働かなくちゃ
18
梅地下でエッグマフィン朝マックをほおばった あの頃はまだ新入社員
15
こほろぎのひそむくさむら鈴が鳴り 長袖の先しかと留めたり
19
ただ眠く夏の疲れが誘うふ夢 寝待ちのうちに月を見のがし
22
無造作にぎんなんの実を踏み潰す あとの悲惨を知らぬ胡の人
15
靴底でぎんなんの実を踏まぬよう おそるおそると人の行き交ふ
23
女房にカラスが糞を垂れたから 運が付いたと宝くじ買う
16
爪を噛む悪癖やむかと思案して 苦いマネキュア塗りてもやまぬ
20
哀しみは慢性的によこたわる よろこびはただ刹那刹那に
25
「次は卒寿ね」って歳祝い サイクル早いなそこんとこだけ
21
米寿会指折り数えて待ってたと はしゃぐ老母にわれ誇らしや
26