風邪ひいて寝込んだときに現れた天使になぜだか謝っていた
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人生で長く続いたことのない 整った部屋、自炊、恋人
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薬局で薬を買わず菓子だけを買うのにすこし遠慮している
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お互いを高嶺の花と思いあうただ草むらに咲いた二輪の
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イヌ?イタチ?キツネ?ネコ、いやジャッカルだ午前六時の梨畑に消ゆ
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電車から有刺鉄線眺めては風景たちは閉ざされている
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おそらくは金沢だけの弁当チェーン 「すし弁」で買うカツ丼弁当
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青森は五月なかばの気温にて沖縄に次ぐ暑さと伝ふ
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言ったほうだけが引き摺る あのときと同じ窓際の席を選ぶきみ
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石墨の冷めた眼窩をまさぐれば膿んでやぶける一対の指
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頑なに 在宅勤務 拒む理由わけ、 家に自分の 居場所無いだけ
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やは肌のあつき血汐にふれも見で 母には分かるこれはお熱だ (付句)
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新しい墓の毎年五月には小さい鯉幟こいのぼりがひらひら
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半額シール待ち構え生活上手 なんだかちょっと虚しい
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休み明け身体の中も五月病今日も今日とておかゆがうまい
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天と地に二人隔てた天の川 ひと月遅れの再会の日よ
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あの日からふたりの間に横たわるふかくて長い川を渡ろう
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女子校で初めて知った恋心かくして電車 君と揺られる
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だとしても「雑草」なんて呼ばないで光合成すらできないくせに
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楽しみな日ばかり雨が降るきみと初めて行ったデートがくもり
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伸びる伸びる夏野菜 まだ実らぬそれらを前に口の中には味がする
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この子ならわかってくれるかも知れぬ誰にも言わぬ我の決意を
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つるバラが花盛りなり角の家赤や黄の花陽に照らされて
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神戸まつり 市の合唱団で歌ったな 「しあわせ運べるように」と違うけど(だって三十余年の昔‥😅)
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ようやっと歌いめたかウグイスよ 機を逸せしは私の方か
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曇天の月曜の朝重い気を吹き飛ばす様な子どもたちの声
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春雨に僕がなくした青い傘知らぬだれかを守れたろうか
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新じゃがと新人参と新玉と実は特別母の日カレー💐
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死ぬ前のラスト5秒のカウントがあの子の声とかだったらアツい
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飴玉を散歩途中に舐めるのを塩分補給のやつにかえたよ
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