表裏 裏の表のまた裏と 聞きたい事だけ耳をそばだ
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錆びついた 缶箱開けたら 遠き日に 娘と撮った プリクラにほろり
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娘らはみな巣立ちける今もなほ老妻いはふ雛祭なり
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人形は早く仕舞ったはずなのに去年の今頃母に言われた
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パワハラで辞めた会社のCMをぼんやり観てる。生活は続く。
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心をばアイロン掛けてピンと張り背筋伸ばして珈琲流す
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感触のかけら 集めて縒り合わせ作り上げたるときの楽しさ
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春なのか冬の残滓の中なのか三寒四温のVAR
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門出の日いつも通りのドリップに明日からふたつ ふたつとつぶやく / 幸せに!
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スマホ繰る指先より伸びし糸 地球の裏の愚痴を手繰りて
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「お互いにブスは損だね」そんなLINE受け取り私は強い酒飲む。
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心だけ君に贈るよこころだけ君はそのままそのままでいい
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嗚呼ああうみに 心が流れて 行くような  こんな日にこそ 君に会いたい
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真夜中に ふたりの小指 絡めたら 針を飲むのは どちらだろうか
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啓蟄に 野の草花も 色を増し 春のうたげの 準備中
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平日の 午前十時 駅近は さえずり靴音 子等の歓声こえあり
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白髪を櫛けづる手もおぼつかぬ老ひが養ふ子の五十ごじうかな \8050問題
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みちのくは桃梅 桜同時咲く夕餉の仕度に紫の雲
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あの子なら起きているかも午前二時 いつもはしないお話しよう?
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西日射す 部屋の隅にて 泣く君の 髪に映ゆるは 明日への光
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かすがいの 子どもがあっても いなくても 互い離れぬ 磁石がいいの
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彼岸には帰ってくるよと言いながらなすびの牛にまたがったパパ
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目をそむけ 知らないふりを したけれど じわじわ怖く なりゆく世界よ
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母と医師姉妹のように会話するナースステーションカウンター越し
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並列で春夏秋冬って書くことに抵抗したい雪国の人
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上の句も下の句ももう浮かばずに ただ時だけが浮かんで消える
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ピンクから黄色に変わりし店先の居並ぶ花に頬ほころびぬ(再考)
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本厄を蹴散らしてゆけ 夢たちよ わたしはまだまだ伸びるタチアオイ
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運河から波打ち際をゆく汽車の窓辺で僕は演歌の男
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現存の天守に続く急階段 戦の知恵を今に語らむ
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