良きうたを 秋の夜長に 手探りで  煙くゆらせ 珈琲匂わせ
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メタ認知 夜ごとめぐりて止め処なく「ああまたかよ」とインパスの沼
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こっちがいい あっちもいいねと 他愛なく 語って目覚めた もういないのに
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暗闇のオフィスに光るパソコンでご褒美ポチって今日を終えるの
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「早いね」と話しかけると「早いね」と答える人のいる温かさ
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散り散りの蛍を星夜に詠ったらアニメに被りて没となりけり
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日高屋の中華そばにて「本日の打ち止めになりまする」のてい
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沢山の真顔をくれてありがとうそちらにいなきゃダメですからね
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野放しで己を律せぬ二十代 仕事のルールをじゃんじゃん破り
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過ちを他人ひとに背負わせ嗤う鬼 日輪刀を打ってもらおう!
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キャビネット空っぽだけど朝鍵を開けて帰りに閉めるお仕事
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朝毎に雀にとパン屑まけば痩せ狸来てそれを漁れり
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購いし玉葱の苗絡んだ根世の人模様倣ってるよう
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朝起きてそのまま二度寝昼過ぎに起きてぼんやりしている土曜
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異次元の時を超えてく地球号 ボカロ響かせ船は満員
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無人駅 氷雨で濡れる単語帳 私は私を好きになれない
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バースデー忘年会かクリスマス春夏秋に生まれていたら
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時流れ 年明け妻の 三周忌 春には父の 一周忌… /寺に依頼す
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チビ猫は さいきん べっどのじゅうにん住人で ちょっとやそっとじゃ おきてこにゃいの
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西向きの窓に夕陽が落ちる頃、母のラパンが駐車する音
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髪切った?可愛くなったねと言いたい僕はそろそろ引退61
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四つ角を左に曲がりまっすぐでワンワン吠える犬が目印
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夜半には雨に紛れた星が降る蛍光灯がパチパチしたので
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下町に 残るお酒の 自販機も 撤去されゆく 時代の名残
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切っ先の鈍るおのれにムチを打ち その無知ムチをまた疑いし夜
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紅葉狩り 何が楽しと問うた日よ 私の目こそ深きに染まれ
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角ばって 丸くなれずに 季節過ぎ それでも誰かが 「いいね」をくれる/
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とんがらし油まみれの支那人に 魚の味など分かるものかは
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テレビ画面紅葉を見て心養老渓谷へ走る
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蹴散らしてあなたのいいね(❤️)で暗闇を誰にも言えないほんとの気持ちを
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