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啓蟄に 野の草花も 色を増し 春の
宴
(
うたげ
)
の 準備中
13
平日の 午前十時 駅近は
囀
(
さえず
)
り靴音 子等の
歓声
(
こえ
)
あり
13
さくら花散るを誉れといくさ場に
莟
(
つぼみ
)
の学徒数多帰らず
13
鎹
(
かすがい
)
の 子どもがあっても いなくても 互い離れぬ 磁石がいいの
13
西風が 雲送り出し 室内に 晴れ晴れ曇り 晴れ一瞬曇り
13
細胞のひとつひとつの震えさえあなたのせいにしたくなる恋
13
目をそむけ 知らないふりを したけれど じわじわ怖く なりゆく世界よ
13
町内のスタバは異国のバル化してガラスづくしのそとにふく風
13
母と医師姉妹のように会話するナースステーションカウンター越し
13
並列で春夏秋冬って書くことに抵抗したい雪国の人
13
鴨南で蕎麦を覚えし四十路過ぎ 君が馴染みの店に手を引く
13
その人の目にとまりなば炎上の 掠め去りたる安らかの 翳
13
わたくしを付属品だと軽んじる直ぐに困るさ電源コード
13
今すぐに持ち物検査して下さい机に憎悪がはみ出ています
13
高い位置 備えられしは 吾が祖父の 仏典経書遺影なり
13
日常と非日常 その合間 普通の生活復興の日
13
白皿に 赤きマグロの 色映ゆる 遅き昼餉に 足りて街行く
13
嘘じゃなく約束でもない寄せ書きの余白に春が着地している
13
植樹した ミモザに今朝の ご機嫌を そっと尋ねれば 枝揺らしおり
13
詰んでいる寒くて辛く悲しいと言うあてが無くなるとはこれか
13
春を編む文字の飛び込みはっとすは闇夜に詠みしやさしこころね
13
夢血るる狼ねずみガブリがぶっ幕は引き分け共に子がをり
13
歳甲斐の寂し 明け暮る空蝉の子安貝かな
燕
(
つばくらめ
)
舞う
13
PCもスマホも持たぬ野球ファンほんとにないと困惑の淵
13
傘の花色とりどりに揺れる朝六年生とゆく通学路
13
風止んで 瞬く空や 暖を取り スマホ立て掛け 聴くドビュッシー
13
母の肩
揉
(
も
)
めば
上手
(
うま
)
いと 褒められり 亡き後に残る 感触寂し
31
孔雀
(
くじゃく
)
たち 野生になりて 逞しく 子孫を増やす 南の大地
32
今朝はまた気圧配置に救われた昇る朝陽よ我の援軍
12
枯れ草の 生い茂る地に 風吹きて 復興の種 蒔かれたりおり
12
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