泥濁る溝に小蝦ざりがに釣りし日は舗道となりて靴音のもと
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記憶ではこんな軽口言わぬ人 増えた白髪(しらが)に思う歳月
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「てやんでえ」突然はじまる江戸の華やんややんやと人垣作り
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定年のない職につき半世紀 閑古鳥鳴きやがて停年
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風の香に 日の温もりに 宵闇に 仄か滲みし春のさきぶれ
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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春を待ち ようやく土から顔出した 雑草抜きつつふとやましさ感ず
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築30年 思い出だけが残されて  今はひとりで今日を重ねる
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会ふ度に きれいになりゆく姉の子 幼き頃の面影残し
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リビングへ 軽やかにゆく 靴を脱ぎ家族の心も裸足にさせる
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三月の イオンモールの 賑わいに あてもなく買う 春色ブラウス
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口先に花弁くわへしヒヨドリの落とし拾ふを見る散歩道
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星屑と 雪の結晶 合わさりて せせらぎ流る 冬の銀河は
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ほうじ茶の蒸す間をはかる砂時計 曇りて見むとす細き白糸
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真名仮名を綴り織り成す物語 誰を温めし布となりけむ
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遥か先霞んで見える富士山の天辺てっぺんまでさ歩いてみよう
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女房の皿に取りおく餃子二個 二個分だけは春日に免じ
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歌にする これが私に 合った型 痛かったことも 聴いてUtakata
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ロボットになった笑顔はカクカクだ会話が途切れるフリーズタイム
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夕立に二人濡れゆく放課後の 底に眠らす折りたたみ傘
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いちごやらミニトマトやらの商標™️は愛らしいのが流行りと見たり
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中国人 来なくていいと 皆の声 何を今更 マスコミ騒ぐ
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格差拡がり 優しさは変容す 「憐れみ蔑み憎しみ」へと
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「誰もゐないとき倒れたら・・・」と云へず妻渓流釣りの解禁近し
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温もりを 肌で感じる 昼日向 夜は温き手で 恩返しする
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乾燥し 鼻腔の奥がぴーすかと 鳴るのを一人密かに楽しむ
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子は母を母は子をみて安堵して最後に我に礼云いて去る
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ぜいたくなノート一首を一ページしるし余白の余韻五冊目
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メールなしLINEもなければUtakata無一物中無尽蔵何もなければ幾らでもあり
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息ひそめ生きあぐねきし言の葉の千五百首は泡沫の露
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