いつもより 幾分早く 家を出る 話せるかもと 期待を胸に
16
赤っ恥晒して生きる我が身には 新芽青々 心ひいら
16
まだ眠る 藤花とうか見下ろし ひこうき雲 初夏の翼を 置いて消えゆく
16
沈丁花 甘さの奥で あの人の 整髪料の レモンがふわり
16
春秋も知らぬ常盤ときはの山隠れ花も紅葉も見ずは長閑のどけし
16
優しさが 我が身に届く この香り 思わず手に取る 柔軟剤かな
16
紫の風鈴満ちて夜の風へ子守歌抱くカンパニュラかな
16
珊瑚の美 狙うヒトデは胃で舐める 眉をひそめる食性の怪 (★ゲスな歌への感想込み)
16
豆喰えば腹膨るるを知る午の留守居の我に春は過ぎゆく
16
薄明に 姿見えねど 鳥の声 朝一番の 合唱団
16
端午の日菖蒲と蓬を軒に差し束ねし菖蒲で門口叩く
16
此処彼処人の命が殺められ 戦無くともここは戦場
16
庭に咲く 小さな花は 風に揺れ 木漏れ日の中 嫋やかに咲く
16
野に遊ぶ 心潰(つい)えて けだるさに 家籠もる日を 春闌けてゆく /春愁
16
ランドセル 傾けながら ゆく背中 見送る朝の 光眩しく
16
曖昧な 道交法と 道区分 どうぞお先に 目と目を合わせ
16
新しき試み流るる泡沫Utakataに春のせせらぎ賑やかなれと
16
線香の 匂いが好き と孫の言う 我は君の香 好きと呟やく
16
沿岸の北の大地の街の灯が揺れない星と願い続ける
16
風音が 見えなき黄砂 予見させ 大陸の余波 風下の国
16
仕留めたる 鼠をくわえ 見せにくる 健気な猫と 共にありし日
25
庭先に 鳩訪れて クルポッポ 幸先よろし そんな気がする
19
ダイサギよ ドブほとりで 何を見て 何を思うか 春雨の中
15
いくつもの人生乗せた鉄の箱過ぎるそのたび綿毛が飛んだ
15
買ったもの 食わずに捨てる 贅沢か? 食うべき物と 食えない者と
15
春の旬賑はふあとの食卓の皿をパズルのやうに重ねる
15
美味いもの最後に残すもう止めた先ずは今からたまご焼きなり
15
遠き地の花を束ねて うたかたの文字が織りなす桜並木よ
15
逃げ逃げて此処まで来たり桜樹のもと 涙拭いし桜花はなの褥に
15
君の声 波長に響く親知らず 抜いて解かれた僕への魔法
15