うしろ髪 しなやかに揺れ 十六夜の  独り一夜の 夢追いかけて
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白梅の 花びら浮かぶ 柄杓より 水琴窟に 水注ぎけり /四季倶楽部京都加茂川荘
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地は乾き 轟音立てて 春の風 まったりしたれ 温泉日本
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ネブラスカっていったい何処にありますか幸福のパン売っていますか 
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心葉こころはの  ながなみだは  漆黒しっこくに  故郷ふるさとすみ  かしゆくなり
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人いきれ耐えかねたとき青空を見上げることをお勧めします
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満ちるより 欠けゆく日々を 愛したい 独りぼっちの 三日月のため
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放課後は球拾いのみ明け暮れて白球唸る 声の届かず
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アウターの人半袖の女性(ひと)もいて横浜は今春の入り口
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初嵐 威勢良き名は 見目無垢の椿と知りぬ 詠う人いて
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混雑を 避けて近場で 見物す 呼吸ひとつ 花が満ち足り
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西の窓 沈みゆく陽をでた夕刻 今家々の屋根が遮る佳景
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取り出して 眺めて聴いた 「レクイエム」 モーツァルトの 最後の手紙
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春霞 上着を脱いで たゆたうて 鳥の声また 穏やかなりし
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完全側臥位法とかしてみればあれよあれよと砂に滲むよに/100ml
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故知らず 人恋しくて 茶を啜る 彼岸の明けの 薄日さす午後
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週一に 来る孫からの ハグ受けて たちまち我は 充電満タン
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よるりて オリオン低く みなみ空 誰かが云った また来ん春と
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老いて老うまま生きんとすれど 足掻く心は未だおさめ難し
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花桃が笑い出したら春休み下校のリュックに花びらひとつ
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電車内 見知らぬ外国人が会釈する 牧師の夫に何かを感じて?
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レベッカを聴きながらミラを走らせた未来を捨てた十九の私
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日々眺む開花の時を急かすよに ソメイヨシノは我関せずと
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時経ちて 陽春ようしゅんうた最中さなかなり 飛び立つ花粉せい黄金こがねに輝く
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カラオケで A I頼みの 選曲び 気づけば我が夫 昭和に戻る
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銀だこの 最後の一個 取り合って 椅子から転げ 落ちてみたいな
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麗らかな 春の優しい 木漏れ日に 憂いを覚え 部屋に篭れり
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ファインダー覗く世界は 変わりゆき モノクロームからフルカラーへと
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さかのぼる 制服ふわり あの頃は ぶつかりながら いまは隣に
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甑より 取り出し扇ぐ 饅頭の 面影にたつ 彼岸来にけり /彼岸の酒饅頭
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