夜に沈む部屋にプラスの網ゆれる『短歌』『テミス』に『ひらやすみ』して
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見上げれば 薄いシフォンに覆われて 霞がかりし春の空かな
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海見つめ 君を奪ひし 訳問ふも 優しき波音 詫びに聞こゆる
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不足する労働力を補うは われらの世代の責務なのだろ
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五歳児のたたかいごっこに『ハッキング』『課金で強くなる』技があり
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事が起き 散り散りになり 切なくも 新たな時代 築かれてゆく
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針はゼロ いつもの部屋で バースデー 向かい合っては 微笑み交わす
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雲雀鳴く田舎電車の高校生 いっちょうまえに彼女連れをり
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雪国の春は幾分控えめに土の匂いの這い回る道
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年取ると 傷の治りがわるいです 穴塞がらず 闇が漏れてく
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じいちゃんとじいちゃんいぬが歩いてく朝凪あさなぎのみち海のある町
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休日の惰眠あっての高出力プライベートに馴染めぬ僕は (平日休み)
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ちぐはぐな組み合わせだね冬コート 春を先取り白のタイトスカートタイト
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早春の寒夜 窓外そうがい眺むれば 冴ゆる星空 オリオンは西へ
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レンジからさじ入れたままのマグカップひやり起きたら休まなあかん/無事で何より
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さくら花散るを誉れといくさ場につぼみの学徒数多帰らず
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思い出の プロローグあり 住宅街 夕焼けのなか 鍋の湯気立つ
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かすがいの 子どもがあっても いなくても 互い離れぬ 磁石がいいの
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西風が 雲送り出し 室内に 晴れ晴れ曇り 晴れ一瞬曇り
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細胞のひとつひとつの震えさえあなたのせいにしたくなる恋
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町内のスタバは異国のバル化してガラスづくしのそとにふく風
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母と医師姉妹のように会話するナースステーションカウンター越し
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並列で春夏秋冬って書くことに抵抗したい雪国の人
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鴨南で蕎麦を覚えし四十路過ぎ 君が馴染みの店に手を引く
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その人の目にとまりなば炎上の 掠め去りたる安らかの 翳
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黒板の隅に描かれた怪物が話しかけてくる五時間目
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わたくしを付属品だと軽んじる直ぐに困るさ電源コード
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高い位置 備えられしは 吾が祖父の 仏典経書遺影なり
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日常と非日常 その合間 普通の生活復興の日
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白皿に 赤きマグロの 色映ゆる 遅き昼餉に 足りて街行く
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