葉に残る春の名残りを洗い去り五月の雨は緑を濃くす
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初孫の 我をもっこに ひょいと載せ 野良の仕事に 連れゆきし祖父 
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ひたむきに生きた証が散らばった服や文具の配置に宿る
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待ちぼうけ 指で乱した水鏡 濡れたこの手を如何にせむかな
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早朝の植田に映る山影を踏みしめていくからすが一羽
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父さんの言いたいことが分かるのは私だけよと母さんの声
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にょきにょきと立派なアスパラ顔を出す 昨秋の施肥のお陰なら嬉し
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似たなりのまったく別の雑草として人混みにまじる夕暮れ
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我ひとり温めるための紅茶淹れ ため息ついて孤独を嘆く
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かお皐月さつきの空に遅桜人目もあらでひとり散り失す
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苗代に雪消の水を流し入れて高嶺に遅き春はぬらし
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シャッターを開ければ燕風に乗りふわり飛び来るまた翻る
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膝痛み あちらこちらに 通院す 仕方がないね 年頃だもの
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勤め終え 今日の夕餉は 冷し麺 まだ風涼し 明日から皐月
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水音の透ける煌めき細やかな窓辺の鳥の歌うさえずり
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火事花カジバナと忌まれ手折れぬタニウツギ 謂れ知らずもには飾れぬ
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そこどいて一般図書の915 立ち読みしてる背にかける圧
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縮むのが母の歩みと知ったとて なにも返せず何も残せず
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涙ぐむ AIの組む推しからの 正しく重い正論受けて
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ブックオフ買いたき本を見つけるもセールは明後日(から)嗚呼節約家
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文庫本十冊売りて 原田ひ香 百円足して連れて帰りぬ
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気がつけばもうすぐ五月 慌てつつ予定立てるもまた一人旅
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ぽつとぽつ 草木が「降るぞ」と噂して 私は散歩の きびすをかえす
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暗幕を閉じてはじまる理科室は星のスライド尾を曳いてゆく
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「ゴミ・タバコ・拭き紙・等を・捨てないで」トイレに書かれたリズムをまもって
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風冴えて水に煌めく日の光嵐畏れず花より凛と
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生きるのは稀、大仏拝む800年心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花 /029/100/凡河内躬恒
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ベランダで 陣地争い オセロゲーム 黒のハシブト 白の干布団
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病みて知る 健常なる日の傲慢ごうまんを 今なら添えし心病むひと
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明日には もういなくなる お別れに 思い出すのは いつもの笑顔
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