凍てついたマンホールけ駆けて行く子の頬赤い二月のはじまり
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消パイの出づる処に除雪来ず 道幅徐々に狭く成りぬる
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人肌のほどよき紅に湯煎され今日のつとめのこのほかになし
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あああくそ!早くしなきゃと思うのに社会の窓が見つかりもせず/後ろ前
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転がる豆 追いかけながら 部屋から部屋 付きまとう猫に「福は〜内」
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いつの日か 孫と語らう 夢を見て 今日も励める 英会話かな
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千体の観音を見ゆ回廊に居る訳も無しキアヌ・リーブス
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君のこと好きな私が内にいて 探さないで、と別れが言わせる
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徴兵制復活しても私には資格ないだろうちてしやまむ
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面並べる演説臺のたれかは嫉み読みて辿りぬわが闘争を
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枯れ果てた 稲田にひらり 舞い降りて  株間さまよう シラサギ一羽
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許してね 鍵付き手帳に書いた夢 晒して笑う大人になったよ
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旧市街未来の候補は現れず蔦草絡む茶色いポスター
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「戦争は野蛮時代の遺物と見、軍備の撤廃未来の理想」
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真っ白なテストに消える雪の華 溶けて見えざる核だけ残し
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いにしえのくにまもりきしさきもりのしかばねまくらにオールドメディア
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祖父に似て寡黙な息子 言わぬとも伝わる優しさ 老いる我が身に
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不定期に演歌を離れクラシック今日はなんだかチェロの音が好い
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デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
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せっかちはプロローグなんて観れないわ一話で一気に掴んでくれなきゃ
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短歌とは何でも作れる玉鋼ハートの矢から宇宙船まで
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望まずも訪れる事捨て置きて空に抱かれうたた寝をする
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あたたかく柔くふくれる子の頬が 笑みをたたえる平らかな朝/ママ戦争止めてくるわ
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われはきさまが朋なるゆゑ白骨街道に敷かるを指揮せる
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お茶だけのお茶漬け食べていた祖母のたまごボーロの雪の命日
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東京に 雪降り子らは 破顔する おむすび大の 雪だるまなり
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春の雪ノーマルタイヤを履いたまま 私の車はぢっとしてゐる
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目の上に手を置き眠る猫のいて人の様子と重ねて見入る
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泣きながら産まれてきたね それでいい 無理に笑わずスープを啜る
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耳搔きに うっとり目を閉じ 我が愛猫 癒されてるのは わたしの心
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