街灯が灯る合図で家路へと急ぐ背中を照らすオレンジ
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春並みの暖かさとかだまされた午前に日陰歩けば寒し
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車にて すごい速さで 抜かされて でも信号で 結局並ぶ
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あのとき きみに一杯の水を差し出す勇気があれば
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思いつく ものを歌えば それでよし 浮かばぬ日には 口開けて待つ
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呼ぶ方も 呼ばれた方も ただ辛い ワンメーターの 通院タクシー
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息を詰め 体竦めて 時を待つ 合格発表 悲喜こもごも
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鼻の粉さえ厭わずに口つぐみ羽根こそ狐と君の焼き上げ
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アムロさん 貴方はスターなのだから外子のひとり産んでください。
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フレームにわがものとせし化石には一千万と我の二年ふたとせ
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北国は今日も平和にいとなまれ無事に仕事に戻るしかなく
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辞めたいと騒いで戻った赴任先 掃除ゴミ出ししていた私
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故郷にも 今では建ちぬ 住宅地 我が想い出の 畦道いづこ
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年初から 人もメディアも ざわついて 吾慎重に 階段降りる
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惜別か ブラームス四番シンフォニー 小さき窓越し鳥の声あり
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「義理チョコを今年もあげる」と手渡され そうか今年も 味はビターか
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黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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ゆっくりと 後ろに下がり 手をたたく ごきげんさんが よちよちあるく
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妻となる人を知らずにひと部屋のアパートにゐた男がよぎる
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片腕をメンテに出せない世界線パシッと合わせる鳥居の前で
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下ネタに笑い転げて君たちの起立知らないちんぽこ二月
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取り過ぎの 税を返してもらうだけ ただそれだけのことに過ぎねど 確定申告
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天気予報 春突き抜ける 暖かさ 酷暑を憂い 背筋凍りつく
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鉄橋を通過していく電車音風が不穏な気圧変動
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Utakataの言の葉はいつも誰かに操られそっとこころに舞い降りる
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道ばたの水仙ナルシスは今うす汚れ 己の姿観る気も失せり
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氷雨ゆき軒の下こそ暖めつ 虹の青いろ冴へ冴へと見ゆ
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診察で上着ぐのを考えて重ね着一枚減らす見え有り
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雪に耐え春の日差しに残り柿受験の子らよサクラも近い
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春想ふ 砂の丘へと伸びる影 そっと繋ぐ手熱を帯びゆく
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