黒板の隅に描かれた怪物が話しかけてくる五時間目
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わたくしを付属品だと軽んじる直ぐに困るさ電源コード
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高い位置 備えられしは 吾が祖父の 仏典経書遺影なり
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日常と非日常 その合間 普通の生活復興の日
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白皿に 赤きマグロの 色映ゆる 遅き昼餉に 足りて街行く
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植樹した ミモザに今朝の ご機嫌を そっと尋ねれば 枝揺らしおり
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春を編む文字の飛び込みはっとすは闇夜に詠みしやさしこころね
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物寂し きみに与えし ひと匙に 今や恋しき 張りすぐる乳
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散歩道人なき家の庭先に倒れた枝に芽生えた蕾
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恋したらどんどん歌が出てきたが鬱になっても歌は出てくる
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大松明 燃え上がりけり 二月堂の 軒の垂木の 焦げむばかりに /二月堂修二会大松明三月十日
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迎撃を 巧みにかわし 爆撃が 原発襲う 修羅の果てなり
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明るめの歌が書けなくなったとて今を読む事それしかできぬ
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置けば泣き 抱けば我が腕握りたり ときの重さを決して忘れじ
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苔むした木の根にぽとり落ちた冬 真白の椿 名は初嵐
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今だから 今だからこそ 活用す 森林資源 日本の宝 ※薪ストーブは原発より素晴らしい 今は煙をださない工夫もされています
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システムをつくるでもなく工場の白い案山子になりきれもせず
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生い茂る 良弁杉の 背向(そがい)にて つぶさに見えず 大松明は /二月堂修二会大松明
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回廊の 隅にて回す 松明ぞ 火の玉落とす 須臾(しゅゆ)の間(あいだ)に /二月堂修二会大松明
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攻めていく造語にトライ!ノックオン繋いで繋いで外外外へ
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ゆびきりの 白い小指に ふれもみで ほぞを噛む夜 幾日数え
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冴え返る 猿沢池に 映り込む 南円堂の 宝珠乱れて /猿沢インからの眺望
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サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みしごとし
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もうとんと掻かなくなった子の部屋に 失くした耳掻き五本現る
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久方の光の鈍きふつかよい 悪心おしんというらし AIに聞く
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悔しくて怒りに震える時にこそ 馬鹿丁寧に文字を連ねる
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不可能を墨で上塗り葬れば焼かれし辞書の生き生きとして
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残雪は 風を味方に へばりつき 春押し返し 子をまもりたる ※「子」 雪の下の草や種子や生物
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此処に吹く 日暮れ時の風 停滞し 灯もともらずに 主なき家
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キリギリス蟻のどちらを生きようかこの人生の選び難さよ
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