君に言う はずの言葉を 路地裏の ぬくぬく眠る 子猫に語る
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公園に 桜のいろの風ひかる 言の葉むすぶ 人の輪ひらく
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うっすらと紅粉べにをぼかして微笑めば枝垂桜の妖艶なるかな
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詠み歌の自費出版を夢みるも贈る相手がいないに気づき
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公園の 二股桜 咲き盛り ドッジボールの 球が飛び交う
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咲く花に添える薫りの香ばしい初々しさの萌ゆる葉桜
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食べ切れるはずと茹でたるソーメンが明日の昼まで庫内で待てり
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正座して 痺れし脚を 引きて行く そろりとそろりと 狂言の如
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鉄錆を研ぎ澄ませれば三日月の芯より清き真(まこと)極めり
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どうもって先行く我に「はい」と言う譲りし人の響く心音「こころね」
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詠ふ君 五十首の峰のぞみしや誰ぞ目指さむ険しき道を
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父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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断捨離を苦手としてる私には執着というガムが付いてる
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老いて老うまま生きんとすれど 足掻く心は未だおさめ難し
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プラス5度 二月思えば 暑いはず 寒い身体は もう春仕様
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美少女も小鳥も餌をやらなけりゃ死んじゃうんだと飼ってわかった
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格助詞を 替えれば歌が 良くなると 告げやらましを 歌会ならば
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制服で自転車漕いでどこまでも 不自由の中の自由を愛した
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春の日にキャベツ畑のモンシロチョウひらひら舞いて卵産みつけ
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叔父さんに冷凍餃子大量にもらった。リュックの背中がすごく冷たい。
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眼に映るすべてに心弾ませて発語なき子と手を繋ぎゆく
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きみのいる世界にぼくも触れたくてしゃがんでみたりおなじ目線に
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入社式となりの彼にドキドキと元カレに似て胸を離れない
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言葉には ならぬ悲しみ 拭へども 拭ひおふせぬ 血の涙かも  /挽歌
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朝顔の 垣根しなだれ 昼下がり 陽背負いその影 薄れ消えゆく
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いつからか忙しい時の口ぐせよ気合で乗り切るという「悲哀」
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ヨカナーンの 首に聖穢せいえがこびりつき サロメのキスは 破滅の調べ
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里帰り 7年ぶりの 友人は やはり同じく 歳を重ねて
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懐かしい 景色のはずが 変わりすぎ 思い出せない 昔のここが
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