冷え込んだ朝には薬缶で湯を沸かし 熱いお茶飲み脳味噌起こす
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届かないとは知っていても また書いた 知事への手紙市長への手紙
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人知れぬ裏街道の細道で醸成される愛を隠して
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愛犬の 歳を二十も 抜かしたが 僕に寄り添う 君は姉なり
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あの人の声が聞きたい それだけの理由で 生きるのには十分だ
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ほうき草 刈って干し上げ来年の地這う南瓜の布団とならん(なるかな?)
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目的は寂れた街のおにぎりや あったか豚汁ボニーテールの君
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散り残る葉のある枝から散り落ちるように雀のはらりと下りる
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屋根を見て「シュガーレイズドみたいだね」無邪気に笑う今日は初雪
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不忍しのばずはちす立ち枯れまた咲きぬパンダはとわにこの国に来ず
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ベランダの雀よ何を待っている親か子どもか凍て風か陽か
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紅葉の袋田の滝ちょろちょろ流るここも水不足
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晩秋の雨音きこゆ部屋にいて暖房付けてアイス舐めてる
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低く差す陽ざしの中の散り残る紅い木の葉の輝くこの日
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キスさせてよ あすもあさっても そのさきも そんなにおおくは のぞまないから
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おかあちゃん おこされたので ちょっとだけ カモミール飲み インスタタイム
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ちま猫ちゃん あさからうろうろ うろうろす きょーは おびょいん? いやなよかん予感
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氷雨降る 雲の隙間の水色は 空か雲かと思い巡らす
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巨大なる駅ターミナル冷える陽に老若男女分断される
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つらいしつらいしつらいけど本音をのんだらおいしかった
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愛馬たちデビューを控えビッシリと攻め馬終えて息を整え
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産廃をつぎつぎ放るパッカー車ティラノサウルス手なづけるやう
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あの一言言葉の毒は抜けもせず脳裏の影に現れては消える
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愛し君ずっと幸せでいてくれと 願ったその夜わがままを言う
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心捨て言葉も捨ててスマホ見るここは淋しい星なのですか?
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青信号を前に歩みを緩めだす 二人の帰路に懸かる三日月
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長押しで電源を切る親指がたしかに息の根を止めていた
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ジハンピで コンポタひとつ買ったとて 悪くはあるまい いつも売り切れ(ただいま!😸)
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洗い物 山ほど溜まる 十七時 未だパジャマで スマホをつつく
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朝の業知るひらがなをなぞり書き「<に>は<こ>の進化」と子は看破せり
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