西日射す 部屋の隅にて 泣く君の 髪に映ゆるは 明日への光
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かすがいの 子どもがあっても いなくても 互い離れぬ 磁石がいいの
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彼岸には帰ってくるよと言いながらなすびの牛にまたがったパパ
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目をそむけ 知らないふりを したけれど じわじわ怖く なりゆく世界よ
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母と医師姉妹のように会話するナースステーションカウンター越し
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並列で春夏秋冬って書くことに抵抗したい雪国の人
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上の句も下の句ももう浮かばずに ただ時だけが浮かんで消える
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ピンクから黄色に変わりし店先の居並ぶ花に頬ほころびぬ(再考)
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本厄を蹴散らしてゆけ 夢たちよ わたしはまだまだ伸びるタチアオイ
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運河から波打ち際をゆく汽車の窓辺で僕は演歌の男
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ニット帽マフラー手袋装着し コートの襟立て、って三月なのに?
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さんとくジャガイモを 植へたがる母 拒む我 遅霜おそじも逆算 植へるは彼岸
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亡父ちちが聴く 「アンコ椿は恋の花」 アンコの意味が わからなかった
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幼馴染と心ほどける居酒屋の隅っこが僕の避難所だった
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嬉しきは 孫から貰えし折り紙の ピカチュウお守り宝物なり
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もうずっと天袋てんぶくろから出さぬまま雨降りだとて桜餅をと/天袋てんぶくろ(押入れの上の棚)
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夕飯(ゆういい)は 何にするかと 冷蔵庫 いくども覗く 灯のともるころ
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咳込めず喉の道筋がらついて素麺啜るは苦行と覚ゆ
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行き過ぎた政治取引 負の遺産 負債抱える 後世の人
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節句の日生まれし君のまなざしは深海のヒカリ天空めざす
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趣向変え 手に品を変え 埋没す バラエティーは 退却予備群
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眩しくて目を閉じていても青いまま 影の輪郭黒く濃く浮く
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犬と猫焼きもちだけはおんなじで噛み合いながら仲良しになり
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雨だった昨日のせいで売れ残る値引きシールの桜餅食む
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気に留まる 頁に付箋を 貼る様に 春を報せに 鳥木に止まる
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椿散るさよなら冬が好きなひと あとに残るは春と桜と
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真夜中に大利根月夜聴いている眠れぬ夜の森のぶおとこ
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履歴書に貼った写真は笑ってた。その時は未来を知らなかったから。
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雨音は されど水しぶき立つ道路 大小兼ねた交響楽
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今朝はまた気圧配置に救われた昇る朝陽よ我の援軍
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