新月も満月ということにする 「愛している」を気軽に言いたい
12
うまくいくことより どうにかなることのほうが 幸せだと思うの 
12
灯り手に心の洞窟どこまでも蝙蝠コウモリたちはキキキッと舞って
12
森七菜の 演技に惹かれ ひらやすみ 岡山天音 読み方知らず
12
自治会の街路清掃出てみれば感謝の声よそれも糧なり
12
九度の熱 頭の中で換気扇が回っているみたいな感じ
12
暗闇を走る電車に腰掛ける疲れた僕と傘が一本
12
ぜつぼうの光と陰がかさなつて奏で叶へるみらいへのうた
12
深夜バス待ちにコーヒー飲み干せば流星のごと人工衛星
12
そのうでがいつかわたしをつつむなら そのひのためにきれいでいたい
12
古の栄し村も今は唯雨降り溝に水が流るる
12
衆愚化の海に揉まれる人波を 眺める我も雫の一つか
12
陽光の満ちた明るい通りまで冷たい日陰のこの道がある
12
くらやみで 手を差し伸べてくれたから 君のことだけ考えている
12
11年たって移ろう心模様 部屋が変わってタオルもかわる
12
冷たいな 冷たくしたのは僕だった 優しくないと優しくされない
12
ライブ服 昨夜決まりて 体型は キープするべし 体重はいいから
12
テトリスだ 押し込まれた 満員電車 今日も消えずに ゆくぞ仕事へ(帰りたい)
12
垣根越え 山茶花さざんかの花 べにさして 含羞はにかむごとく 路地にこぼれおち
12
短歌すらむ気が失せるほどえた心振り切りまた筆を
12
注意され「うっせー」ドヤる若者よ「うっ制道」を貫いて行け
12
夜十時街灯のそば通り過ぎ追い越し消える自らの影
12
僕を乗せトロッコ列車は今日も行くトロトロ吐露吐露ゴットン朝焼け眺め
12
世の中は鏡であると承知して逆さのままで冬に慣れゆく
12
終業まであとしばらくはあるけれど 駅のパブにてアイラの酒呑む
12
牡蠣届き 生を喰えない奴、フライ? 酢牡蠣しかない 加熱用買え
12
冬枯れの始まる頃に可憐なる黄花きばな嬉しき思いは同じ /ねこ母さまへ
12
これからを 約束できない俺たちの 無言のままで 触れ合った指
12
真ん中のストレートだけ見逃していつまでも待っている変化球
12
ちま猫ちゃん ずつき頭突き  ますます逞しく きょうは(ぱじゃまの)おそでに はいってみたよ
12