切りたての君がショートの襟足よ 春空仰ぎ吾頬赤め
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うまさとは温度だらうと揚げ焼きの春巻かじるけふも独り呑み
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二人とも 平気なフリで 肩並べ 煮えたぎる愛を 胸に隠して
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見ない間に 変わっちゃったね 君の表情かお 私が恋した 貴方じゃないのね
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仏壇の花 整えながら 今日の予定も整えている 穏やかな朝
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ひとり生えの花芽がまもなく芽吹く頃 夫草削るそれを遮る
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口紅も 着けない君の 佇まい どこかに忘れた 裸のココロ
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放たれた瑠璃色の矢は野晒しのあきらめた夢目醒ます光凛ひかり/折句
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小雪舞う 老いの一票投じ来る 願いは一つ平和な暮らし
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黒豆の 茶を飲み干して 立ち上がる 明日も家族を支えようじゃないの
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一本の線の違いなだけなのに、こんなに違う「辛さつら」「幸せ」
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妻と子の夕餉をきいて餃子焼き独りよがりは蓋をして蒸す
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無謀の木 夢の陽だまりてんとう虫 葉を食べムクムク無垢に描いて
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挑戦は多難な船出「信を得た」までまだ時間かかるねビール
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今日までの閉店セールご自由に空の青さにかなしみ添えて
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この冬も不意に出くわす死にひるむ倉庫のまえの骸のメジロ
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おだやかな三寒四温の道すがら赤マグナムをひとり飲むひと
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雨予報 草にも樹にもたっぷりと 春へといざなう恵みの雨となれ
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午前4時 うっすら見える オリオン座 冬の終わりも そう遠くない
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争点が 絞り絞られ こぼれ落ち 声なき声は 闇に消え去り
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いっしんに冬の太陽あびて立つ風にゆれてもゆれないススキ
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「体験と経験の差は観察よ」ナイチンゲールの実地の叡智
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正体を隠す仮面を並べては 鉄、ガラス、虎、それとも猫か
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手が届くきらめくものにそんな夢 覚めたら天井と散らかった部屋
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こんな日は染み込んでいく恋歌のまったき透けて前川清
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純白のスノーボールが陽を浴びて荒ぶる心緩み感じて
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前足をぐーんと伸ばし 背伸びして 欠伸をひとつ 君の朝の始まり
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ママごめん 同窓会に孫の写真 持たせられないような娘で
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「犯人はあんたなんよ」と愛されたあの夜は昨日もう過去なのか
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カカオレス チョコ風ではなく これもチョコ 私はいったい どこまでが私
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