曇天と 墨汁なぞる アスファルト 雪衣着て 緑待ちわぶ
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外された眼鏡の奥に棲む嘘を飲み干す人が私でよかった
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高さこそ突きつけらるる峰の花 霞の中にてとくと見据えん
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あと少し、もう少しなら叶うかな オセロの一手 待つよこの恋/フィクションです
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バス停のベンチに座り来ては行く電車の音を聴きて わびしや
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けふの夢 帰らぬひとにて満席のバスに遅れて挨拶などし
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ちさき手を 伸ばして池に パンの屑 群がる鯉に 孫あとずさり
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逃げ道はすでに破滅で埋まったし血まみれの手で解答埋める
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えッ逃げた?逃げたみたいだ逃げたのか逃がしてやれよ逃げたいんだろ
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宴の儀 歌の剣舞は華やかに 刹那ひと突き片目をペンで
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神の矢を背負ふ戦は夢弓むきゅうの陣 馬群の間隙 狙い見定め
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凍てついたマンホールけ駆けて行く子の頬赤い二月のはじまり
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恋情は青年ならば純情と 中高年なら劣情と言わる
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白き鬼 心に飼いたる 哀しみに 豆つぶて打つ 明日あすは立春
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駅が好き 電車が好きで 毎日の 通所は吾の パワースポット
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あんたらはどれだけ楽をしてるかと惰眠貪る猫に言えども/家猫
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厳冬の宵 暖求め 我が膝に丸まりぬ猫 命のぬく
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身に覚えないビチャビチャの廊下床風呂上がり猫ブルブルの跡/知らぬ間に落ちたらしい⋯
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キラキラと輝いていたつららが白濁しては身を減らす午後/暖かいポタポタ
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御仏の御導きこそ無かれども孤独に耐える心を下賜され
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あまっけて終業式の帰り道降られた雪に似た午後の雪/水っぽい
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平日の車窓を通した河川敷 投球練習芝は冬色
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あれこれと 地域クーポン 使ったら 得したはずが 気づいた浪費
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あちこちにチラシ看板恵方巻き 節分前にお腹いっぱい
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諦めと度胸が身につく四十前しじゅうまえビビり散らかす明日も見えるが
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早朝の 家族忙し 洗面所 お湯になるまで すこし一息
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生きていていいのかしらと萎縮する心なき娑婆冷たき世界
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伝書バト荷も重くなる寒きふみふるさと目指し低空飛行
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末娘のくれし毛糸の靴下を大事に履きこしがつひに穴あく
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股越しに降る雪ならば昇るはず「ぐぐぐ重力」僕らを縛り
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