一時間半だけ眠れ 明日のため ライブのために 体力温存
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立ち匂う独り身なのを羨まれ心馴染まぬ会合の席
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底知れぬ優しさだけが恒久の光の如く明滅してる
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姿なき今宵は月が底なしの心の闇を照らしつるかな
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冬至まへの夜の明けきらぬ厨から汁のかをりと菜をきざむ音
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年の瀬に 毎歳まいさい思ふ 老親と 過ごす正月 あと幾度なり
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この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
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通学路  友と歩いた  過ぎし日々  かつての道は  住宅街
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太陽は僕の詠久エネルギー夜雨には負けない歌って漕いで
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大群の羽音を追いて空観れば北風彼方故山の威風
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ほうれい線ひっぱり鏡にかつての私呟きたくなりアイラブユー
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目覚めても 君のおはよう 来ぬかぎり 私の一日 始まらないよ
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こんなにも 帰りたくなき 家なのに 三十五年ローン 背中に重し
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きな粉餅きび砂糖ならいくつでも心の機微に触れる甘さで
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「親友」の言葉を舌でころがしてとけないことを確かめている
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秋とばし 酷暑すぎれば 年の暮れ あれよというまに 湯船には柚子
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おびょいんお病院の あさはあおぞら よくはれて ちま猫ちゃんや まふらー巻こう
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病棟の枝分かれしてく夜たちを引き止めようと非常灯淡く
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糖衣錠を舐めてるような生活と分かっていても飲み込めなくて
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冬ざれの野にふりかかる粉糖と赤い実似合う 甘くない朝
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真つ暗のファミレス横に熱心な作業者なのかどろぼうなのか
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宇宙力 人はふわふわ無重力 銀河の核はブラックホール
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窓越しの陽射しにいつも騙されて疑い深くなっていく冬
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夕飯ができるのを待つ時間こそ 子供時代を彩る挿絵
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空き缶とペットボトルがせい比べ六畳一間は今日も賑やか
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年の瀬は誰もかれもが急ぎ足独り身の吾おいてけぼりで
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ラミー(のんある)は無事 セブンイレブンで ゲットだぜ いつ食べようかな ダイエット中😅
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誇らしく働く汗はきんの汗 黄金郷は心に宿り
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バス停も正月ダイヤが貼られててこんなとこにも年の瀬が来て
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カーテンのざしにぴこぴこある影はひさしに突き出た雀の尻尾しっぽ  
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