星の草草
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初投稿です。

山奥で 閉ざす君の忘れ物 ひぐらしの影 虚しく揺らめく
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霞む空 彼方で育つ積乱雲 貫く白筋異国を目指して
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廃道の脇に佇む道祖神 最後の訪ねは神か仏か
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目覚め前 窓に差し込む朝焼けに 日記の昨日 色褪せてゆく
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朽ち果てて役目を終えた家の軒 倒れぬように燕の巣立ちまで
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静けさを包む砂漠の地平線 星の囁き かすかにはるかに
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枯れる空 瀕死の花は雑踏に 夜空の星のみ愛を注いで
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夕焼けの 雲を分け入る鳥の群 見据えた先は 宵の明星
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星満ちる 夏の夜空の静けさに 海峡の波は ひとつずつ鳴く
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山々の 夏を流るる雲の影  遠くの雨が 川に集いて
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別れ際 夕陽に伸びる僕の影 さりとて君の背中は遠く
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人知れず 斃れて黙る白樺の ありさま照らす 月は煌煌
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天の川 流るる音は聞こえねど 散りばむ光誰を潤す
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すれ違い行き交う日々は 恋心 私も君も同じ月の下
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主人あるじなき 無言の鳥居 神さびて 社の秘跡 今も示さん
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浦の暮れ 絶えて久しい人影に 沖の彼方でカモメが鳴く
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朝霧が沈む湖畔の髑髏しゃれこうべ 鳥は鳴けども未だ陽は来ぬ
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行く風は 月夜も届かぬ道の先 夢もうつつもそこを目指さん。
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