城東に錆びれネオンの灯る頃圧延プレスの脇で食む握り飯
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巡り合う タイミングだけ それだけで ただそれだけで 別々の鍵
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冬を越え朝の陽光暖かく咲き誇るビオラ今日も元気に
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適温のお湯に緑茶の蒸す待ちの束の間思う君への朝日   「今日は君と」
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青い首輪 セーフティロック安全装置で 行方不明 キジシロちゃんには 青も似合うよ
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川辺りの桜水面みなもに枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
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子どもでも描けそうな絵で印税を稼ぐあなたはやっぱり非凡
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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恋人と呼べずに去りし人送る横浜駅のやさしい雑踏
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西の窓 沈みゆく陽をでた夕刻 今家々の屋根が遮る佳景
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取り出して 眺めて聴いた 「レクイエム」 モーツァルトの 最後の手紙
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国であれ 人がする事 愛憎も 駆け引きもあり 何処に落とすか
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春霞 上着を脱いで たゆたうて 鳥の声また 穏やかなりし
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生きづらさネットのせいにするあいだ 網の隙間を烏は探り
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川の勢に削られ石ころブーメラン海は白波「勢い矢ッ」とそら
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我が庭にムスカリ連翹 雪柳 桜吹雪きて彼岸の明ける
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こんなにも 電波時計を 狂わせて お互い知らない 月曜の朝
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蜜月の頬寄せ笑顔爽やかな私未生の若き父母
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ランドセル姿は最後 卒業のおとなりの子を送るベランダ
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ピュッと風くるの知っててまばたきを我慢するなどできるわけない
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ポロポロと 悲しい雨音 聞いた夜 カップボードに ココアを探す
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花ながれ枝たゆたえば古の栄華ぞ散りぬ楼門の風
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父母と 炬燵囲みし 遠き日の 帰ることなし 春の淡雪 /想い出は飢餓の如く
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枝ぶりの構図瞼に 老木は枯損木となりて久しき
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並んだな並んだけれど入れられずハイブリッド車ハイブリッドを横目で見ては/ガソリン
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ひとつない何かを消したアイコンを僕のうとうとスマホをいじり
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その手すり まだ要らぬと 言いし夫 いまや一番の サポーターとなり
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さくら花儚き色の風が舞う幾年いくとせ過ぎて覚悟のせつな
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訃報来し 翌(あけ)の朝餉(あさけ)に ジャスミンの 匂ひは立ちぬ 泣けと如くに  /挽歌
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冬眠を解かれて未来 問う声は「フェイス チェインジ?」選択迫り
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