白米は少し残して昼飯用 庶民は難民ここはジパング
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にぎやかな孫らの声の届かぬに春一番吹くふたりの今日は
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土手沿いに歩くワンコの鼻先を くすぐる可憐なイヌフグリ
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友の持つ素描集に見た平凡な名前に記憶の波押し寄せり/知り合いの画家M①
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シャクシャクと水菜をサラダで食めばもう春がきたごと軽やかな口
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梅の香をマスクをさげて深く吸う 鼻炎の吾に油断をさせる
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僕たちが 不動と信じ すがるのは 昨非今是の 正義に過ぎぬ
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りくりゅうよ 老眼に涙溢るる我 ありがとう以外の言葉みつからず
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雪の日の衣更着冷えて昏れなずむ練習帰りや手に息を吹く/折句
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春風に いきなり頬を 平手打ちされたみたいな この寒暖差
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ふた七日なぬかゆきくれてゆく梅の香に弄されて満つ夜半の月かも
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久しぶり ひとり時間を たのしむわれ あなたといるのも 大好きだけど
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スーパーの店内ソングの特集を テレ東あたりでやらないかしらん
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道ばたの水仙ナルシスは今うす汚れ 己の姿観る気も失せり
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幼き子キュンやグズるや竹の子や少子しょうしに笑み咲く歌に癒され
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 残されたいのちのリミットわかるなら 今より優しい自分で居たい
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夕月夜 なれにし袖の梅の香を標とぞせむ 夢の通ひ路
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集まり散じて人が変われば 仰ぐ理想は流転するもの(赤茄子日本翁へ返歌)
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理を超えて崩れ落ちたや 凛として 唯一無二なる宇宙の涯てで/折句
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天下布武覇道で制しあぢきなく王道ものはすぐ消してよい
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3年も 経つけど未だに治らない 次逢ったなら「愛」を刺しそう
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喉仏やはらかに刺す微炭酸 吐いた言葉と呑み込んだ嘘
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父法要 帰省し息子と夜の語らい 互いの平穏 確かめ安堵す
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一点の雲なき空を仰ぎ見て こころの淀み一掃する朝
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押し寿司の押し殺したる旨さかな型枠の内躊躇いの果て、
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カラコロと鳴るあの音は桐下駄か白鸚を観に歌舞伎座くぐる
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Utakataで気づく君の日 ずっとずーっと  癒されてきた君にありがとう
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湯気が立つ夕餉ゆうげの後に湯に浸かり疲れのぼりてこの身ほぐるる
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春来たり 水の冷たさ 和らいで 朝の空気も 私に優しい
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種が落つ器の音は桜色 種がいっぱいポンカンだから
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