下敷きに推しの切り抜きはさみこみ昭和の子らは恋をしている
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春告鳥(うぐいす)の鳴き声未だ聞かずとも  確かに聴こえる 春の足音
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涙してポストに入れたあの手紙いまの私に送った切符
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砂山の砂に寄る辺の霞み草沖行く船にテセウスの旗
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猫と会話ひとりの日常 懐かしき 夫や母との口喧嘩さえ
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放課後に 頬を冷まして 何気なく 義理だと言って 渡す想いを
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スーパーに 百円の春 並びおり ピンクのスイートピー まずは仏壇
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ひまわりのような恋なら古希だって「あのね」「介護じゃないよ」「うふふよ」
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久々のポーチ装着お気に入りチャチャっと出し入れ効率上がり
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加加阿カカオさへすこしき腐りて干さるれば甘きかほりに人は包まれ
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いつもなら 雪掻き追わるる我が里も ひと山越へれば天国地獄 
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英雄が歴史のうえにいたならば覇道か王道どちらも英雄
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福豆を年の数だけ喰む夕べ膝で微睡む猫大あくび
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眠れぬ夜に抱きしめられて聞くサイレン知らぬ誰かの 運命さだめを祈る
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まだ暗い 部屋にひとりの呼吸音 宇宙そらとわたしの 秘密の時間
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マイペース こねこのように のびのびと 生きてみたいね ヒトは不自由
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普段とは 違う弱気な 君と会う 目元に滲む マスカラの黒
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「普通」という二文字をのみ込み雪を掻く僕の未来よ、滑走路なれ
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日の本はメルカトル図に表わせばそこそこでかい地球儀見てみ
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サザエさん日曜にやる始まりでベランダに出て明日を語る
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バス停で肩にツバ吐く男あり「何か用かな?」笑みで投げかけ
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我が家には ずっと前から君が居て こころの 奥底和らげてくれたね (我が愛猫に感謝!)
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ピタゴラの玉の軌跡のなぞる詩 転がる変わる心トリック
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春忘れ芽吹きを忘れしおれゆく市井の一票どこかに消えた
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きしむよに鳴き交わしゆく冬鳥の白きやじりあかつきの月
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好きな曲シャッフル再生満員電車 音量ボタンを二回押す
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若人が雪と氷を友として 命謳歌すミラノコルティナ
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色のない 世界で君が 絵の具持ち 筆持つ僕に 「色をつけて」と
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「人間がひねくれているから」とまず前口上から語る愉しみ
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はんなりと梅愛でる間の惜しければけんもほろろに鶯の邪魔
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