隣席は 誕生日ケーキ 受け取りて はしゃぐシニアの声幸届く
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Pの字のまっすぐな線やさしくて涙のしずく半分持ちて
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老眼にハンダごて持ち思い出す子供の頃の鉱石ラジオ
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みそひとの呂律の波の荒ぶれば詠み手読み手の櫂の抜き差し
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癌なんてよくある事と言い聞かせつ 結果待つ日々 不安高まり
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一周忌の 積み団子を 丸めつつ 君の生きたき 時を想えり
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正月の飾り片付け空いた場所 ちさき雛人形 ちょこんと鎮座す
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髪睫毛 眉毛も抜けし 抗癌剤 ウイッグツケマに 眉シールして
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田の雪は毘沙門天か野仏かやらずの雨に童心溶けて/折句
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如月の 吉報待ちてサクラサク 若き息吹に六花溶け落ちぬ
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日替わりでセンター飾ったネクタイは今や不動の箪笥のセンター
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手の甲に鉛筆芯の黒き点 君のくれたり暮れの学び舎
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我からも粉舞う姿にたじろかれ思えばあわれこの向こうずね
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珈琲に甘さを足さず啜るきみ心なしか背筋伸びたり
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白髪染め 終わらすことの むずかしさ えいやと春のピンク試せり
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花屋から淡いフリルが香り立ちほのかな喜び思ひ出しけり
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真っ白なレースのカーテン揺らしつつ 春風ふわり 部屋へ迷い込む
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想い出すこともないまま花の香に不意を突かるるきさらぎの夜
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山麓の清水ながれ義父からの日本酒二升飛山と筑摩
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不屈なる自由の炎に立ちて野合の果てのマル道険し/折句
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親心「おや」とも思わぬ子心に手心くわえる小心の親
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スピードで死に損なった翌日のなんと優しい窓の光よ
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白妙の無印良品店内で静かなぼくが静かに暮らす
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暮れ急ぐ空のひかりを惜しみつつ 鴨と並びて影を重ねむ
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いいね数いい歳すごして貰う花 若いよ若い未成年だよ
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りくりゅうよ 老眼に涙溢るる我 ありがとう以外の言葉みつからず
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雪の日の衣更着冷えて昏れなずむ練習帰りや手に息を吹く/折句
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春風に いきなり頬を 平手打ちされたみたいな この寒暖差
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久しぶり ひとり時間を たのしむわれ あなたといるのも 大好きだけど
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懸案の債権回収成功し やれやれやれとロング缶呑む
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