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「コーヒーでいい」というとき肺の奥、珈琲色の闇がひろがる
18
馬の尾の 顔払いたるを 叱りつつ
蹄油
(
ていゆ
)
塗り終え 仰ぐ
落日
(
らくじつ
)
18
膝の上 このぬくもりを 永遠に 手放したくない どうか神様
18
新しき
日暦
(
ひごよみ
)
毟れば丙午 六度目の
年男
(
とし
)
気持ちを新たに
18
寒い
夜
(
よ
)
はみようみまねの卵酒母の味とはかなりちがえど
18
子どもらが それぞれ車で帰省する 送迎の手間も 一つ無くなり
18
必要とされていることの幸福をわたくしは抱く 湯あがりタオル
18
「おいしいね」卵酒飲む横顔を見ていられたらもう、治りそう
18
寄り添ふのワードで浮かぶ猫一択 恋と言へども人は対峙で
18
大腸に酒の残滓が居残りて 仕事始めは低空飛行
18
雪道の一車線を譲りあう車は平和の象徴みたいで
18
寒夜にて
心許
(
こころもと
)
なき水流のシャワーに打たれ今日も生きてる
18
そうなのか母に聴かせる童謡の歌詞改めて意味をかみしめ
18
窓外
(
そうがい
)
に
揺蕩
(
たゆと
)
ふ枝葉 降車口 冷ゆる手の如 頬
触
(
ふ
)
るる風
18
母さんが土砂降りを君に降らせては晴れた後から虹が痛くて
18
臥す妻へ味噌汁つくる年の瀬の寒き厨に湯気立ち匂ふ
54
国道の真ん中転がる
青いクマ
(
ぬいぐるみ
)
拾いバス停ちょこんと立たせ
17
クラファンに協力しよう キラキラの開運グッズ買うのをやめて
17
ノートには
三十一文字
(
みそひともじ
)
に 弾かれて 迷子のままの ことばの欠片
17
2日ほど 起きられぬ日が 続いてる 明日は6時に 起きなくてはね
17
七十四の誕生日迎える正月の居間に流るるアビーロード
17
孫からの いたわりを聞く われ ふとす 齢かさねし 正月の朝
17
いつもの日いつもの人の横にいていつものように好きだと思う
17
人知れず故郷離れた私にも 年賀の便りが一枚届く
17
月影に打ち明け染めし白き肌 月の姫とはついぞ知らずに (落選歌)
17
おはようと ねこにキスして 支度する 今日は病院 ねこの病院
17
石油ファンヒーター
(
ストーブ
)
が強燃焼になっちゃうのだから閉めろと猫に
諭
(
さと
)
せど
17
「連れてくよ」あの非常口の緑へと僕があなたの光になる日
17
励ましはときに気力をうばうもの友に伝える言葉をさがす
17
起きられなくなったとおもへば お月様 満月前後に やってくるのね
17
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