開け放つ車庫シャッターの白矩形円弧描いて鳥が飛びゆく
19
ディズニーの鳩はいくらか肥えていてたぶん僕より豊かな暮らし
19
かけぬける馬の背追わず道草を喰むは愉しき牛のやくわり
19
人ん家の黒猫を見た今日もまた良い日なると信じてみよう
19
前に海 背に山控え 串本の 昼はとんびに 夜は鹿の音
19
豚さんはカナダ、メキシコ海を越えスープの海でしゃぶしゃぶ泳ぎ
19
今はまだ偉くもないし一般のものだけど結果は藤原の性
19
不合格通知で折れるナイフなら 今の私が研ぎ直すんだ
19
だとしても支持者に責をなすりつけ言い訳しちゃうどうなんだろな
19
花粉飛来 鼻腔に春を感ず人 だうか ご自愛なさりますやう
19
豆撒きの 外まで響く「鬼は外」 夜の静寂に凍て空眺む 
19
恵方巻き 残業帰り 売り切れで ままならぬ世に 月は綺麗で
19
カチコチのこころの可動域狭し 広げにゆこう短歌の森へ
28
吹き抜ける風をいなして 寒川に 凛と立つサギ 見惚れる朝よ
18
凧の糸ぐんぐん伸びて百メートル 手に掴むごと正月の北風ならい
18
好きを知る狐一匹キラキラと積もる雪見て頬を赤らめ
18
ウイルスは稀に網膜惑わして街のカラスが青く見えたり
18
近頃の流行りだけれど若い子の涙袋のメイクはキショい(宇宙人みたい)
18
あいらしいふくら雀が陽だまりにころころ並んでピチピチうたう
18
泣き方や笑い方まで忘れ果て氷のような手のひらさす
18
濯ぎてむ 雪に埋もる言霊を 夜明け前こそ君に捧げむ
18
餅つきの準備のための餅米は前年よりも二倍の価格
18
土曜日の朝はロイヤルミルクティー 東京ばな奈のレーズンサンド
18
ねこ病院 ちょっとさむいから まふらーを 巻いて行こうね じてんしゃさんで
18
枯れ枝にメジロが遊ぶ昼下がり隣に見ゆる満開の梅
18
ムチャぶりの手品みたいなお見事は一年たってやっと初恋
18
大根の 鋭利な旨味 一筋ひとすじに  集めてからし かいわれ大根 
18
如月の朝の光は春近し 夜泣きの孫も一年生に
18
髪留めの赤つけて笑む君といるサイゼのランチのひだまりが好き
18
生きるって<その時>までのルーティンと詠めば目にふと梅のほころぶ
18