六人の孫順繰りにせし積み木 崩るるままに七たびのなく
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残された夫の動画ひとつ 何度もスクロールし 声聴きに行く
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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駆け回る 子を先生が 追いかける その歓声よ 未来に続け
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金ローの魔女宅録画見つからずキキに会いたくTSUTAYAに走る
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君想う  春の陽光ひかりに  桜散り  地を埋め尽くす  わが恋の果て
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母は「デイ」 吾は洗濯 布団干し いい一日だ これまた癒し ※「デイ」=「デイサービス」
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靴底を張り替えてなお履き続け靴紐緩む夜の下駄箱
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はな咲けどまだ浅き春昏れゆけば戸口に立ちてにほひぞ知りぬ
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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起き抜けにプリン蜂蜜ラズベリー目覚む命に瞳つむって
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春の雨 まだ咲きめし桜花さくらばな 散ることも無く しとど濡れつつ
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カフェの客午後二時にして吾一人次が来るまで立ち去りがたし
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せわしなく車行き交うこの街も 油尽きればゴーストタウン
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空振りをイチローにならい頷いて描くイメージ明日の打席へ
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言葉にしたら 壊れそうなこの想い もどかしさ抱え今日を過ぎゆく
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名前より長いあだ名をつけられて馴染めないまま忘れさられた
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二人して久しぶりだね カラオケのマイク握れば 隅っこに春
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くもり空 ねこたち今朝も おべっどさん ふたりなかよく きゅっとひっつき
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猫さんがくれというので食っているカニカマを出すこれじゃないらし
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山頂を雲で隠して山たちは幽玄ぶって佇んでいる
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あなたへの届かぬ想いしまい込む朝の光に桜ちらちら
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梅辛夷桜山茱萸咲きますと言えば看護師楽しみと言い/訪問看護
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外晴れてちょっと遠くの通りまでカラオケ屋から「なごり雪」聞こゆ
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貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
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AIは「歩兵」の稽古に付き合って攻める敵陣「と金」に鍛え
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亡き父の 終の職場 通り行く 不思議な空気 不思議な時間
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あの戦この国にさえ来なければ それでいいじゃんニホンのホンネ
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都合良く見えることだけ吐き出して そろそろ季節のうたでも詠もか
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忘れない、どんな地獄に墜ちようと 大好きだから君は置いてく
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