時褪せてセピアの本を読む人の静寂緩まぬ九段下かな
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賢いね シーズー犬に 癒やされる 吾は飼えねど 愛おしきかな
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ボランティア「携帯トイレ持参要」 そのひと言で参加ためらう
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あめのひは ねこもねむいね ねこだんご ぴったりよりそい なかよくねんね
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気がすさむ体きしむをやり過ごす買い出し行ってお勝手立って
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冬眠の開けしじゃがいも待っている姉の電話に隣町まで
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漬け樽をひっくり返すとまろび出た たくあんお前 まだ居たのかい
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楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
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ピーという電子音こそファンファーレ干し終えたなら春へ飛び出せ
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集まれり 球児ら開く ドカ弁へ 母の祈りの 光り照らせり
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輪郭を白砂にぼかし俯瞰する写真の街はおもちゃに見えて
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酒好きで免許返上しちまって遊びに行けない雨の休日
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散々に風を吹かせて 春は往く 戦の嵐 まだ収まらず
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雨粒を抱えて若き花ひらき淡い朱の舞う花みずきかな
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構造は生死を分ける神なのかテトロドトキシン毒たる意味や
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脚本こうぞうで趣き変わるワンシーン歌人は監督カメラを回し
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さくら散りふと思い出す詩歌には花びら流れ少女の肩に
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豪州の肉を噛みつつ和牛とはかくも遠きか年金の日々
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稲妻が走ること無く 音だけが響く春雷 ひとり聴き入りし
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「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
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色眼鏡外してごらんあの人は幸せそうに笑っているよ
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どこでまだ咲いてるんだろ花びらが風に吹かれて路上を転がる
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ひと言の「言葉はチカラ」それだけで今も歌える師へ馳せる愛
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日曜の 公園にぎわう 家族連れ 弾む声聞き  平和よ永遠とわにと
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手はスゴい脳より先に解く答え理屈は後から仕事あるある
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目が合って 吾は目を伏せ 彼女笑む 半世紀過ぎ 幸せであれ
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ぽつねん島 枯れ木に若葉 深緑 丸い斜面に芝桜萌ゆ
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魂は 不在なれども 吾を見る 御魂がありて 吾は生かされ
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手水舎に 穢れ清める 湧き水の 指慈しみ 水ぬるみけり
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親ごころ尽きることなく病める子と代われるものかと思いこそすれ
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