奪ひ合う パン散りパンの 星屑と 遊びて群れる鳩を笑えず 「詠み直しました」
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※ 花祭り 雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
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今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
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富士白き春まだ半ばの甲斐路往く ともがら笑みて山桜かな
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片付けの頃合い逃し部屋の隅 放置のストーブ 今宵こよい火を灯し
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山の蔭蒼く重なる懐に一本の桜淡く雪洞ぼんぼりのごと
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紡ぐは景色の糸で僕を織る僕を導く紡ぐひとみ
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渓流の釣りの前夜の上り坂ゆくぞライトだトライと進み
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ただ年齢としが増えるのでなくそれなりに衰え進む出来ぬこと増え
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老乱視裸眼で見ればあちこちで焚火と紛う水仙の群
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消していけデータ思い出バグる脳デリートできたら君とデートだ
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詩作して生み出す薬を僕は飲むコントロールに世話が焼けるぜ
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愛抱けど君の写真に降る秒の積もる切なき悲しきセピア
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光とも 影ともみえる 横顔に えくぼみつけた 半分の月
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連れ立ちて 幾年春を 惜しみけむ 今年独りの 花の下道 /挽歌
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一瞬の羽ばたく母の遺す笑み消えぬ映写を形見とす我
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色眼鏡外してごらんあの人は幸せそうに笑っているよ
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ライオンに 食わるる我が子 見届けて 涙流さぬ ヌーの悲しみ
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毛布で 吾の枕に長々と 寝そべり毛繕けづくろい 初夏と紛う朝
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鮮やかな山吹咲いた畑の隅黄金こがねの塊輝いて見ゆ
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散文と辞典に載るが告ぐる詩へ夢を抱けて生きる人在り
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昔から 映画を作り 行く旅の 我が尊師なりイーストウッド 「様」
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すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
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工事場の重機の下に微睡まどろむ猫 ぐっすりおやすみ 今日は日曜
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紺色の代車を借りた駐車場忘れて赤い愛車探せず
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「よし、いい!」と思える短歌うたをいざ打たんアプリ起動中宇宙そらの彼方に
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はじめての 発表会にて サックスの 音色響かす つまを見守る
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純白のレースみたいな一輪のトルコキキョウを空き瓶に挿す
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オメラスを 去りて彷徨う道半ば 自由という字の 檻に似ており
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卒業の子と入学の子の在れば涙の親はスイートピーかな
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