キキの手にはいつも温かな飲み物おソノさんにもウルスラの手にも
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神さまか誰かがくれたギフテッド活かし育むためこそ、独り
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気がつけば戦争中を生きてゐて真綿で首は細くなりゆく
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暴君は 屍の数を 気にもせず 骸の行方 知ることもなし
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耳コピで奏でる歌は楽譜より別の音符となりても響く
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外よりも 寒き家内(やぬち)に 身震いし 少し薄手の マフラーを捲く
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城東に錆びれネオンの灯る頃圧延プレスの脇で食む握り飯
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巡り合う タイミングだけ それだけで ただそれだけで 別々の鍵
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生活は 日々のタスクの 繰り返し 手をかけるもよし 抜いてもいいよ
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無花果の枝の武骨にそよそよと水仙の白 病める身の春
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庭先で 土筆とふきのとうを摘む 後の手作業も  たんたん楽し
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食べ切れるはずと茹でたるソーメンが明日の昼まで庫内で待てり
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春物のピンクのコートを羽織りたや おじさんなのでそれは無理でしょ
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真実は人の数ほどありますが事実はひとつしかないのです
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正座して 痺れし脚を 引きて行く そろりとそろりと 狂言の如
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鉄錆を研ぎ澄ませれば三日月の芯より清き真(まこと)極めり
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君が代も無くふつり閉ずさまを聴き今朝は閉じたと案内も聴く/ラジオR2終了に
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階段を上れば明かる桜木の塀に隠るる集いのありて
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懐メロもいにしえよりの歌よみもわれの心の揉み師なるかな
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来年の担任だれかママたちは予想屋となり集ふ我が家に
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風のに羽をまかせて飛ぶ鳥の声清らかな春はかろやか
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数だけを追うは愚かな仕事なり仕事の魅力が人なり作り
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弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
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五日間、家族で閉じこもる贅沢 熱の喉へとプリンが溶ける
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咲きむる桜に見惚みとる傍らに はかなくも地に落つ紅椿
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ポロポロと 悲しい雨音 聞いた夜 カップボードに ココアを探す
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枝垂るるは逆巻きに立つほむらかな 武蔵の国の東郷寺、春
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父母と 炬燵囲みし 遠き日の 帰ることなし 春の淡雪 /想い出は飢餓の如く
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並んだな並んだけれど入れられずハイブリッド車ハイブリッドを横目で見ては/ガソリン
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ため池の堤防で詠む春の歌「鳥はさえずりたんぽぽ笑う」
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