目を細め 念入りに顔洗う君 きょうの雨予報知っているんだね
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しまわずに外しおいたる上っ張り 羽織ればぬくき寒戻る朝
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行き過ぎた政治取引 負の遺産 負債抱える 後世の人
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かすむ名を召しあげとかす今日の青 胸をつらぬく三月のそら
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不調さへ歌をうたいて超えようと腹の底より声放つのだ
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手伸ばせば 届く君の肩 波打った 鼓動のせいで 話しかけられない
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心臓が 耐えられぬなら、と 結局は 変える未来より 安静を選ぶ
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今日もまた 世界の不穏なニュースあり  無力な自分 平和祈るのみ
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八朔の 皮剥きつつ広がる春のを 目を閉じ味わう さき幸せ
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ゆびきりを 求めるキミの 白い指 触れたら二度と 戻れない夜
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電車代もらってチャリで魔の誘い小狡さバッサリ誇らしくあれ
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金沢でおでんにはたはた暴飲も 3キロ泳いで帳尻合わせ
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注文のQRコードを読みとれば まなざし優し子と春の昼
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愛犬きみが為 惜しからざりし命故 旅立つときも共にありたい
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水曜の美術館前バス停に春めく君の頬にひとひら
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いいことにほんの少しの嫌なこと 煮込み煮込んでスパイスカレー
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降りて来ぬ 思い浮かばぬ言の葉を 苦悶の末に一首絞り出す
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考えて 無になるくらい 悩みつつ 藤沢の海 一人で泣いて
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寒し地の雪は溶けたか二月尽 雪洞ぼんぼり灯る春近付きぬ
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春風しゅんぷうに 白旗掲ぐ 冬将軍 寒の戻りの短し二月
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なかなかに眠れぬ夜を過ごしてか 家のソファで安堵の寝息 /夫退院
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現実はかくも露わに証明す 「核なき国」は攻撃される
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国の長(おさ) 命が一つ 消えていく 巻き込まれたる 無辜(むこ)の民あり
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ゆるゆると ただ淡々と 日々を詠む 虚飾なき事 まさに詠み人
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さうかもう、下の子だけと行く園のヤマアカガエルのひとみはつぶら
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階段を一個飛ばしでいく春の初出勤のをのこの背中
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キャンディの包み紙まで桜色 今日のチラシもどこもかしこも
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価値観は相対ゆえにドローなりされど歴史は大砲を撃つ
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重力を枷と思わず生きている月に行けたら口角軽く
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咳込めず喉の道筋がらついて素麺啜るは苦行と覚ゆ
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