岸壁の釣り人たちに 在りし日の夫重ねる  潮風うけつつ
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道挟み 日陰と日影の 匙加減 満開の花 散る花もあり
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春風に 舞い立つ心 人々は 浮かれ飛び交う わたげの如く / 新学期
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期待値のノルマに届かぬこの僕を 桜のせいにできればいいのに
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「ありがとう」デカフェの甘み溶けだして 誰かに言いたい今日という日を
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輪郭を白砂にぼかし俯瞰する写真の街はおもちゃに見えて
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春雨に 蕾膨らむ桜花 陽射しを浴びて今ぞひらかむ 
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東屋あずまやでひと時いこう花見行き先客の花びらが鎮座す
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「たまに良し」ビールの泡に閉じ込めて 蕎麦を待つ間の自由な私
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春風を彷徨さまよひ 羽化したてのはね休ませつ 花求む初蝶はつちょう
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ラベンダー 蕾たくさん 背伸びして 桜のあとの リレーの如く
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出会えずに闇夜の空を見上げては春の満月恥ずかしがりや
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団塊の端にも春はひかり満つ 妻とおとなうたまゆらのはな
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読んでいる二つの本に退職の警官がいてシンクロニシティ
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雨上がり ひときわ映ゆる 花の色 清らかさとは 後に気づきぬ
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無言人ぬっと現れぬっと去る持ち去るようじゃ猿かも知れず
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先を行く きみの腰に揺れる水筒 共に歩きし あの日の野辺に花
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蕎麦すする音にオーイと呼ぶナナも食べてワーイと笑うインコや
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仰がれて 風に煽がれ 雨を受け 少し遠見の 桜の宴
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廃屋の荒れにし庭に水仙の栄華の名残り一隅を照らす
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利便性 詐欺師にとって 出入り口 「AI」※エイアイさんと 「SNS」エスエヌエス氏 ※「AI検索」は「諸刃の剣」
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茶の色の束の間に褪せ松抱けど小舟や過ぎし蒼き川の辺
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花冷えの 雨降り出でて 悲しみの ふたたび返る 君が四七日(よなぬか) /挽歌
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キミ想い清明の空見上げをり新たな年も共に生きたい/卯月六日
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諦めた。次の冬にはインパクトレンチインパクト要るなと思うタイヤ交換/あちこち痛いし
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上半期ノルマを早くも達成し 何食わぬ顔これぞダンディ
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コロナ禍で会へない祖父に文送りおまけに添へたはじまりの歌
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残り咲く桜の腕を掴んでは放して揺らす名残りの夜に
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垂乳根の母になりにし妻なれば若き日よりもさらに眩しき
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遠巻きの我をいざなふ桜かな寄れば触れれば歌に酔ひしれ
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