飴玉を噛み砕かずに舐め切れるそれぐらいには心穏やか
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伊丹発福岡行きの定時便 洗濯物干す我を見下ろし
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老夫婦 言葉交わしつ土起こし 手に手携えゆく道想う
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「いのち」てふ心の揺れる声のして蝋燭灯す 孫三歳に
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ふらるれば水さす恋のなりゆきを春まつ池の鯉は知りつつ
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王朝の 恋、桃の香に 重ねつつ 千歳ちとせ懐かし 雛の貴人あてびと
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デイケアに行けば言われる若いねと七十代はここでは若い
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梅の花ミモザの花が如月の雨に濡れてる春呼ぶ雨に
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 残されたいのちのリミットわかるなら 今より優しい自分で居たい
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集まり散じて人が変われば 仰ぐ理想は流転するもの(赤茄子日本翁へ返歌)
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理を超えて崩れ落ちたや 凛として 唯一無二なる宇宙の涯てで/折句
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天下布武覇道で制しあぢきなく王道ものはすぐ消してよい
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3年も 経つけど未だに治らない 次逢ったなら「愛」を刺しそう
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喉仏やはらかに刺す微炭酸 吐いた言葉と呑み込んだ嘘
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父法要 帰省し息子と夜の語らい 互いの平穏 確かめ安堵す
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ツムツムと言の葉つむぐ僕の色 降ってくるかな?掴んでストンっ
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一点の雲なき空を仰ぎ見て こころの淀み一掃する朝
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宰相は軍拡狂女と謗られど 笑みで返せる肚を据えたり
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押し寿司の押し殺したる旨さかな型枠の内躊躇いの果て、
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カラコロと鳴るあの音は桐下駄か白鸚を観に歌舞伎座くぐる
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Utakataで気づく君の日 ずっとずーっと  癒されてきた君にありがとう
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ゆるゆると 誘(いざな)われたる 夜の道 月暈(つきがさ)ありて ウサギを探す
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日の出前 寒さの元気 薄らいで 鳥の声聞く 今日の始まり
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死語になる 季節のバトン 二季と化し 自然の摂理? 否 「人の業」
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春一番、幼き子らと戯れた記憶の土つぶ舞う広場跡
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軽トラに 婆さま乗せて 聴く声は 春唄いする 今もうぐいす
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手に入れるだけで満足していたが手放すまでが人生だった
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コンビニのトラックぽつんガタゴトと苦労の距離ルールに心が軋み
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覆水の盆に還れば二打罰もありがたきかな賽の白杭
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しんしんと更け行く夜未だ眠れず 静寂の中うつつ彷徨う
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