懐かしき頃のおもひで恋の華いつかの夢に燃えて尽き夜に
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指さしてずどんと引き金引いたらば大雪山に夕焼けおちる
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インフルBという春休み 五日間家族の声で満たす喜び
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五日間、家族で閉じこもる贅沢 熱の喉へとプリンが溶ける
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ハーモニカ初めて吹いた日も今日も音と光は手ですくえない
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入居前のお隣さんと 笑顔を交わし 嬉しい繋がり始まる予感
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目薬を子にさす朝の春がすみ見上げる顔のいがいな近さ
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土手沿いに開花3輪見つけたり 長い眠りの 心地よい目覚め
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理不尽りふじんな  孤独こどくかす  看護かんごの手  胸襟きょうきん開き  きずなしん
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流れ去る モーツァルトの 協奏曲コンチェルト 意固地な我を 解き放たれり
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ガタゴトと農道揺られ耕運機もろこしもいだ たくさんもいだよ
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ヒリヒリの 局面に立つ 細き背を 守りたまふや 雲上にをり
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いまさらに「今日は明日のいにしえ」と晩酌すなる今日の明け暮れ
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雲がまたかたちを変えて流れてくなににもなれないわたしを置いて
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落とし込むギュッと丸めて泡に込めつつく烏がいない夜空へ
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掲示板いくつもあれど閑古鳥ツールは映えるビジュの時代へ
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くさや好き差別されても耐へぬいて 妻に隠れて独り味わふ
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そよ風に 揺れる木の葉の 音色にも 春のきたるを 奏で知るかな
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恥ずかしい気持ち悪いし見たくないどうか変えてと願う春分
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約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
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梅のに  春雨はるさめ降りし  るい流す  べにほおを  で過ぎてゆく
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ちょっとした狂いで春は涙だけ流れ出胸で受ける術なし
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たそがれに仁王立ちする鉄塔が宇宙そらからの光線銃を受け
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傷が付き触れると落ちる背のうろこ一つ一つを拾いてあるく
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興冷めなプラのちょうちん連なりて 地域振興さくら祭の
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わが旅は葉ずれの音の合間より太平洋をはるかに望む
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墓前には無常を諭す親はなく必滅語る生家の更地
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ドラえもんわさびになって久しいが 母の声マネ変わらずのぶ代
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ボイルイカ我の旨みが欲しければ海まで来いと白く横たえ
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