見た目ほど若くはないとつぶやきつシルバーシートの遠き夕暮れ
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どす黒い 闇の衣に包まれて こころも体も まっくろくろだ
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引き取り手なき遺骨ギリギリ生活の目立つ高齢政治家は無視
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空回る心の遠心力だけで 空が飛べそう春が来ますね /「緊張」
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青空を白抜きにする木蓮は 無限の蒼にも混じることなく
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「ありがとう」の言葉を添えし春の花 墓前に供えあなたと話す/3月1日夫の命日
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TICトランプの「最大の賭け」のチップには僕らの明日もベットされてる
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夜に発つ白鳥姿は見えなくとも子犬のような派手な声量
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流れてく景色は季節まで進む 満開までの早送りの梅
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香木は樹々の傷あと治癒の樹脂 風雨の歳月かほりに溶けて
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いいねだけ溺れて仕舞えば落とし穴 歌力が濁る空っぽ色に
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雨は髪を濡れさせたい髪は僕に触れさせたい 傘に隠れて
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サーモンを 宝石みたく 散りばめて 孫が微笑む バラちらしかな
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年度末 デスクの花瓶 桃の枝 満開願い 残業向かう
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最南端 世界遺産に 魅了され 波の音聴き 心をほぐす
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広告の 桜 旅立ち おめでとう 明るき文言弥生に踊る
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今日はまた 音もなく雪は おちてくる 軽やかに しかし明らかに地に
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枯渇した土に恵みの雨が降り 萠えいづる春へ 拍車をかける
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奥歯欠け 型取りまでに 二週待ち 接着までに もう二週とは
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ウイルスの声を拾ってインタビュー「進化の鍵を試しているのさ」
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らしさって縛られちゃうと自滅するものなんですよほどほどがいい
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初物のデコポン悩んで やっぱ割る 熟し加減が すこし足りぬか
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ジャグジーの 吹き出る流れに身を委ね こころも整え明日へと向かう
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夫が去って8回目の春 今年もまた 「元気だからね」と笑顔で言える
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真夜中に 腰になにかが 乗っている たぶん ちま猫ちゃんだとおもう(暗いから見えてない)
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雲垂れて 下校の子らは 淡々と 口を結びて 家路を辿る
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旧暦と新暦の差のひと月は 季節のずれた並行世界パラレルワールド
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鹿しし威し溜まりてココンッと流るれば春夜しゅんやの花びら微かに揺れて
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息合わず崩れて5位のりくりゃうの逆転に似た多趣味のボクら
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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