いつかまた生まれ変わって会いたいよその時もまた笑ってほしい
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ぽつかりと空いた欠片ピースが気になつて何か足りない不惑のパズル
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幾百里いくひゃくり離れた街に君思う道く人に影重ねつつ
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しゃべらない息子が居ればうっとうしい 居なきゃ淋しく部屋覗いたり
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口角を上げたらもっとと言われても反比例するわたしの眉毛
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灯るように咲いた桜が散っていき春がしずかに消灯される
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ライブ後 やっちまったと自己嫌悪 お客の笑顔でネクストステージ
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久々にぐっすり眠れた日曜日窓開け放ちヨガでスタート
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三本の冠動脈に四つ目のステントるや七十二歳ななじゅうに、春/連休明けに予定
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道なんとか 多すぎわからぬと母は言う 名前そこは説明のしようもなくて
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おぞましい 事件を見聞き するにつけ 純真無垢に 生まれただろに
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ここ大事アンダーラインを引き過ぎて どこか大事かわからなくなる
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真夜中の土砂降りが好きだ 何もかも洗い流して無かった事に
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戦後生き 戦前を生む 私たち せめて届いて カナリアの声
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マスクした女子の写真が孫だとはわからなかった母よそうよね
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たんぽぽの綿毛まーるい散歩道 とびゆく前に杖の音聞いてる
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脱皮するやうに子どもは衣脱ぎ毎朝毎夜大きくなれり
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ちま猫のお誕生日のご馳走は もちろん チビ猫もおすそわけだよ
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雨降れば早く晴れよと思う吾 晴れたる日には涼しきを乞う
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母の言う「猫かわいがり」との教えあの日の孫はまもなく五十
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春祭り黄砂のすきま漂って空つき刺さる赤いふうせん
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霧雨に 浮かぶ新緑 美しく 落ちる雫は 君の涙似
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もう既に鬼籍の人と思い込み街で出逢って深々お辞儀
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雑木木の芽吹き見え来る下一面アズマイチゲの白きが群れる
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若葉寒 雨の匂いと困る君 毎年聞くよ 着るものがない
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utakataここでしか知らない貴女あなただけれども 逝ってほしくない これはエゴかな
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ジャイアンとおんなじ服着たおじさんが花に水をあげている春
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越えられぬ恋心ならば粉々に細かく千切れて飛んで行かぬか
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プランタに育つ赤蕪見捨てられ 徒労に嘆く白花かなし
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雨降りに頭痛来るやと覚悟すも 腰痛も来りてしばし臥せこむ
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