逆向きの席の電車でぐんぐんとバックする先 旧友が待つ
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春巡るバス待つ子らの青き列 畳みし羽根におにぎり忍ばせ
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一秒の景色を逃さず写し撮る心のシャッター広角レンズ
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雪解けの水は盈ちたり千曲川 頒けて欲しかな乾きのダムへ
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朝食の支度のじゃまを やめたねこ 楽だけれどね らしくないんだ
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コーヒーを淹れる数分 未来には内緒で僕を取り戻す場所
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エビのよに きゅっと丸まる 寝姿よ けさはさむいね 我が家のねこたち
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生きてきた証と思うしみ、しわも 鏡の前の薄化粧の春
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遠き日に 思い描いた 夢多く 白髪混じりて「夢」夢となり
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まっすぐな学ぶ姿勢の眩しかり小さき歌会の仲間のことば
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現存の天守に続く急階段 戦の知恵を今に語らむ
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「最高」を上書き続ける夜のなか 平和だなんて僕らが決める
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いく粒かコーンの甘み染みゆかむ 主なくしたカップ温め
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短歌とは「受け手の文学」なるほどね目を閉じしゃがむかごめやかごめ
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艶やかな桜色した雛の寿司 男子も便乗これで酒呑も
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雪洞ぼんぼりの まろあかりに 伏す君の 手弱女たおやめの如き 長き睫毛よ
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香木は樹々の傷あと治癒の樹脂 風雨の歳月かほりに溶けて
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この街の雪が溶けてく速さまま、父の昨日が消えゆく仲春
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目で笑い心で暴言吐いているそんな大人にいつしかなった
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ヒヨドリや掴む小枝に揺れながら見上ぐ紅梅かをる蜜舐め
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霏霏と降る雪は諦め悪いらし(ミシンの日)とうひと日付き合う
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僕ひとり寂しくたって構わない君が「寂しい」それはダメだよ
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啓蟄に 根雪も解けて虫たちも 温む大地に手招きをする
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通院の帰りのご褒美 アイスかな セブンティーンアイスのある駅
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仕事には 工夫するほど 深みあり 効率上がり やる気も上がり
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忘れたる 箱よりでし 大小の 小花のピアス 春は来にけり
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春風しゅんぷうを浴びつ 早桜を眺む ペットボトルのお茶を片手に
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はや満開 多摩川河川敷 白く染めをる雪柳や 早春
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震災のあの日を胸に刻みつつ 祈りて閉じる今日のまなざし
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天空の 宮殿の鳥 鶯は 春をつげむと 舞い降りて
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