真昼間のライトブルーに背を向けて私は私の濃い影を引く 

仰ぎ見る 人工衛星 あの空は まだ黄昏が 終わっていない 

正確に風を捉える少年のはねた寝癖が指さす航路 

冗談のように黴てる食パンのたましいごめん、星座になれよ 

淹れていただく珈琲は懐にじわり香ばしゆるりと甘い 

風にのりコンビニ袋がこの街のため息のように真夜中を舞う 

わかってた、独りでも呼吸いきできること 風がなくても踏み出せること 

快速をわざと逃して生きづらいほうのわたしで見てる夕焼け 

ほんとうの暴力ほどに見えなくてあなたの「馬鹿」はいつもやさしい 

「前線」には血生臭さがつきまとう桜前線は冬を殺して 

‪なんてったって悲しみは悲しみなんだ成長とかはないので黙れ 

どうかまたわたしに笑顔をくださいな 夢のなかでも 死のまぎわでも 

‪あなたって汚れたいんだと思ってた白いTシャツばかり着るから 

「また明日」次の約束結ぶよりまだこの今日が続いてほしい 

横の子に貸したノートが連れてきたふせんの熊とありがとうの字 

「降車時はブザーでお知らせ下さい」が使えりゃいいのに人生にもさ 

いつかまた 君に会えたら名乗り出よう 「あの日助けて頂いた蜘蛛です」 

梅雨空の横断歩道走り抜け前髪かばう右手が光る 

今のところ ピアスをつける 気はないけど そうね、貴方が 開けて下さる? 

「そういえば したことないわね 大人買い」 「いつから大人だと思ってたの?」 

ねぇ、私 相槌だけは うまいのよ 多分AIには負けるけど 

とてつもない でかさのテディベアになって 疲れた貴方を ダイヴさせたい 

アイドルになれなかった課長です 握手はただで構いませんよ 

悲しみが 目から耳から 吹き出して やがておぞましい 木になるでしょう 

もう二度と会えないような顔なんてしなかったじゃん桜の下で 

「僕なんか」君が言うたび、悲しくなる あ、違います、お前じゃないです 

緩やかに歩みを止める僕たちを抱く眩しい白の陽光 

リモコンを持って外出してしまい見てごらんなさいこれが世界よ 

湯あがりのきみは異界を連れており異界とともにベランダへ出る 

僕の部屋 ただ僕だけが 帰る部屋 いつか僕すら 帰らない部屋