珈琲のやけに美味しく淹れられて 他人ひとの詠む歌輝いて見ゆ
26
甲斐もなし 技巧に走れば寸詰まる さらさら流る水の素直さ
26
寒椿 横目に眺む 帰り道 ねこたち お腹すいてないかい
26
地吹雪の車内でかける音楽は敢えての夏曲脳をバグらせ
26
パンジーの上に積もった雪をはらう花の黄色に元気をもらう
26
独り身に還れば義理が通らない重責を負うバレンタインチョコ
26
雪の舞う義母ははの忌日の墓参りローソクの火も早々に消え
26
淡々と読み上げてゆくAIと声まで熱い候補者の声/ラジオ政見放送
26
みどりとは赤子につけばみどりごに髪に付ければみどりの黒髪
26
豪雪を思えば心苦しくも 風花舞えばふふとときめき /雪の積もらぬ街で
26
僕たちの未来が朝を連れてくる落第点でも明日はくるよ
26
歯ぎしりという我が内なる氷河期よ零時に降り積む白き沈黙
28
この国の先にも平和ありますか任せていいのあの人たちに
25
缶ココア片手に 友と語り合ふ 交はりぬ互ひの白ひ息
25
外に出ずる 気もなく窓に 添い見れば 碧空あおぞらすらも 雲重く見ゆ
25
凍空に 遠く聞こえし鉄の音 始発電車に一日ひとひ始まりぬ 
25
駅前にて また会おうねと 約束を交はす友と 見送りぬ月
25
冴ゆる朝 車窓越し 雪富士見ゆる 吊り革握り 揺るる通勤車
25
石畳いしだたみの あの道のカフェが 恋しくて 窓際に座り あなたを探す
25
ふるさとは雪が降るらし寒い家一人で暮らす弟思う
25
10分間しばれる風に身をさらす プラットホームは冷蔵の棚(電車待ち)
25
可愛さに 磨きのかかった 笑顔見て 貴女を想う 幸せな時
25
おかあちゃん ふじんか婦人科いくのと ねこが鳴く べつにいきたく ないけどいくの
25
肩こりと聞いて手を止め真似をする日暮れお勝手ラジオとわたし
25
ひょっとしてよく間違えるAIは馬鹿のふりして様子を見てる?
25
その消費それは誰かの給料に この給料は誰かの消費
25
きっと君は女を使い捨てしないでもそのノックに応えられない
25
デコられたシール手帳を並べだす子ども食堂に集まりし子ら
25
冬木立 固き蕾は着々と春色ロケット カウントダウン
25
新調し 良き履き心地なる靴と 軽やかに通勤路を歩む
25