石鹸の匂いと君を抱きしめる 裾を揺蕩たゆらす風の優しき
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退勤は初夏思わせる昼下がり 卯月の空に日傘かざして
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笑み揺れてオレンジに染むチューリップ観覧車のまど膝向き合わせ
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横たはり 時をり小声で クックッと なに夢見てか 愛犬の寝言
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庭先にそびえるモミジ陽を浴びて 若葉きらめき生命いのちみなぎる
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何であれわたしを負かす後輩は頭かきつつ「番狂わせっす」
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おさな子の手を引き歩いた野辺の道 変わらぬ風情ふぜい 若葉萠え立ち
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「暑いですね」 卯月と思えぬ挨拶交わし 額の汗拭き庭の草刈る
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起きたらば ベッドの上に ぼーるさん ちま猫ちゃんが あしょんで遊んでいたの
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春の陽も徐々に空まで連れてゆく元気になれるパンジーの白
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思慮深さ揺るがぬ君を紫のパンジー照らす二人の明日
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ボランティア「携帯トイレ持参要」 そのひと言で参加ためらう
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あめのひは ねこもねむいね ねこだんご ぴったりよりそい なかよくねんね
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里山に何も求めず美を徹すままにほほ笑むおきなぐさかな
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一歩ずつ母へと向かう純白のカーネーションの愛を抱きしめ
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朝を待つ鏡の奥の静けさに光り零れる涙を拭う
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梅が散り辛夷こぶしも散って桜桃さくらんぼもう咲いている吹く風寒し
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ワッハッハッハッハ楽しげな声こだまして山は微笑み久々の晴れ
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関東と信濃を隔つ険路にも ちょぼりちょぼりと山桜咲く
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くしゃくしゃに笑ってみれば寂しさを吹き出し笑うあなたが好きだ
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花散りて 桜の枝先若葉萌ゆ 季節ときは巡りて新緑の風 
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右手チョン 左手もチョン ねこベッド とてもかわいい 眺めであるよ
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急登の先の道辺に淡き朱の揺らるしだれり 大櫻かな
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一鈴の童のような無邪気さに憧れ宿すサクラソウかな
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朝焼けの窓の斜光に硝子器の一輪挿しの薔薇の際立つ
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日残りて 黄昏迫る山里に 我が影伸びて夕陽に染まる 
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心地き宵の温風ぬるかぜ 頬を撫ぜ 北斗七星仰ぎ 家路へ
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早植えの田に吹く風を吸いこんでとびの鳴く空飛んでゆきたし
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水温み駆け足でゆく白き砂 遠く人かげ予感の走る
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人の祖の地に両手付く遺伝子を辿りては老い地上へ帰る
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