人生は 走りきるのが 一苦労 バトン渡せぬ 孤高のアンカー
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太陽も山の向こうの青空も塗りつぶされる 黄砂降る午後
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禁煙を成し遂げた人は何よりも何をおいても偉いと思う
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ちま猫がお腹の上に乗っている 正確に言うと膀胱の上
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満面の笑みでほおばるハンバーグ 「今日はいい日。」とつぶやく息子
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世界中てきになっても構わない 鳴らぬスマホをじっと見つめる
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打ち込める何かをずっと探してた 餃子を包んでひたすら食べる
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ねこの手を そっと握ってスリスリし ぷにぷに肉球も一緒に触る
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くちづけて愛を誓ったひとに今「オメデトウ」なんて拍手している
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日焼け顔麦わら帽子がよく似合う亡き父想う命日の春
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道のべの 知らぬ名の花 ひっそりと  春の香りの いぢらしきこと
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はらはらと散る花びらが君のよう破顔一笑帰らぬ勇姿
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乾かない 洗濯物と 低気圧 気分を上げたい 湿度は下げたい
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咲く花も 美しいけど 風に舞う 花の姿は 薄紅の雪
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長きはねたたみ吾の胸着地する天道虫のまろさ愛らし
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「あの街の特産品は苺」かと高速分岐を左へ曲がり
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コンビニで本麒麟買う人と仲よくなれそうな気がする、たぶん
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振り返りその瞬間に目があった ふたりの旅が再び始まる
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気がかりな ことの一つを やり終えて ホッとひと息 心穏やか
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君としか愛し合えないわけじゃない。君が良かった、それだけなんだ。
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しあわせにできているのかわからない どう?ときいても「ナン」と鳴くきみ
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真夜中に教え授かるひらめきは宇宙のチリのそのまた欠片
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労働も、家事も、選ばれぬ苦しみも、全部丸めてゴミ箱にポイッ
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親竹は 竹の子の為 葉を枯らし 黄色くなりて 我が子育てる
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雨降ると代わりに泣いてくれているような気がして心落ち着く
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発泡酒バンシャクで飲むわが家ではホンモノビール土日限定
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牛乳のメーカー特に決めなくて その都度安いの まぁほぼ同じ種類おなじ
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シルエットだけで姉弟ふたりを判別す カーテンの向こう あのはだあれ
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殺してはいけないものを決めたので、殺してもいいものが決まった。
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悲しみにやっと触れた夜の底こんなところに隠れてたのか
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