ほんさき心の棘の除かれて 見やる夕日の美しさ増す
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素の笑顔 引き出したいと 願いつつ 貴女を想う 静かな夜に
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思い人彼はスターと思えばいい誰を愛していようといまいと
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水道管工事の埋め跡の続く パッチワークの如 アスファルト
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鉛筆で 書く音なぜか 懐かしく 午後の窓辺に 西陽差し込む
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また今日も 忙しないねと 道すがら ブーゲンビリアの花が微笑む
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通勤車揺られ 眠気に誘はれて 詠みかけし歌も夢現ゆめうつつ消ゆ
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空泳ぐ鯨の雲の腹の中 肋骨あばらをくぐるピノキオと我
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幼き日目を患いて片目なりスポーツ苦手車は乗れぬ/自転車は乗れた
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見送って送られてまた見送って「また明日ね!」で真ん中バイバーイ
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究極に荷物減らした旅支度 されど一冊「えいえんとくちから」
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染めたまへ きみが訪ひまつ肌の はまゆうの花からくれなゐに
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あさゴハン やわらかじゃなく たべられた おかあちゃんもう それだけでいい
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背筋のばす その方がきっと楽だから 大丈夫 空はあんなに明るい
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夕焼けに重なる父娘の長い影今日という日忘れたくない
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空気澄み 星が輝く 秋の夜 片手にビール 紅葉散策
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緊急の 仕事対応 カフェ入る メールに一言 いつもありがとう
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桜貝 小指の爪より ささやかに 波濤を越えて 安らぎており
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真夜中に母のトイレで起きる冬の寒さがやってまいりました
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畏れつつ自然のかたちを見過ごして先回りしてまた傷つけし
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花どろぼう 罪にならぬといふけれど やっぱり罪だよ 眺めるだけね
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豚肉で パワーつけよと キムチ鍋 お豆腐熱々 〆は雑炊
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「分からないきみの気持ちが分からない」芭蕉風味で別れたカレシ
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彼と行く旅行の小遣い渡すため夕飯と風呂も用意してます
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得意気に ぎんなん煎ってくれたっけ もう何年も口にしてない
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何だろなと思ってた実は 河内晩柑 こんなところにも 実がなるんだね
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久に会う誕生月の娘のために少しはずんでランチ愉しむ
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冬になり バッタも茶色に 色を替え 自然の中で 生きる強さよ
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反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
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妻介護 手作り手摺てすり 喜ばれ… 今では我が 独りで握る…
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