詠む内に広がる世界に差す光この瞬間を待っていたんだ
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一昨日まで 暖房いれてた寝室を ねこも暑かろと 快適おまかせ
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草刈りてひとりの庭に佇めば 羽根欠けてなお空を見る蝶
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春光を浴びつ 商人らは憩ひ パックのジュース片手に談笑
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海底で君と朝日へ揺れていたあの日恋しく景色が滲む
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パチパチと黄色の線香花火萌ゆ陽ざし直下のオキザリスかな
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夜半の竹 薮に光るや月の如 姫はなにゆゑ竹に入りてや
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卯月満つ 藍裂くほどの静寂に 木群むらだちのぞく月ぞうつろふ
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心地よい 風をあびつつ 仕事して ベンチ休憩 無のひと時を
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老い宅へ訪問くるる駐在さん既に周知の情報ばかり
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初恋の甘い記憶を呼び戻す青くて丸い小花イベリス
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母親の涙思うと耐えられずテレビを消して願う明日の灯
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笑み揺れてオレンジに染むチューリップ白き花びら観覧車の窓
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てってってっ チリチリチリンと 音がする ねこが起こしにくる音がする
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紫のツツジ満開 ちらほらと ピンクと白も いとささやかに
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青のとき一番星が瞬いてもうじき夜のとばりが下りる
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水温み駆け足でゆく白き砂ちいさき手をひく鼓動の伝はる/妹との思い出
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何処ゐづこから 東風こちに乗り さき花弁舞ひ降り ベランダに春添へり
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暑くなる予感の朝や紅ツツジ 花見の風邪の癒える間もなく
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冷凍庫の ねこみにタルトと 目が合って 土曜の朝食 これで決まりと
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どこかにて 袂を分かつ 風なれど またいつの日か ひとつの世界
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放っといた庭木柿の木紅葉の木放埒すぎる枝のやんちゃよ
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はじめての 発表会にて サックスの 音色響かす つまを見守る
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庭先にそびえるモミジ陽を浴びて 若葉きらめき生命いのちみなぎる
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せいくらべ 孫はつまより 十センチ 高くなりけり アスパラの如く
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何であれわたしを負かす後輩は頭かきつつ「番狂わせっす」
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おさな子の手を引き歩いた野辺の道 変わらぬ風情ふぜい 若葉萠え立ち
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「暑いですね」 卯月と思えぬ挨拶交わし 額の汗拭き庭の草刈る
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起きたらば ベッドの上に ぼーるさん ちま猫ちゃんが あしょんで遊んでいたの
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ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
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