珈琲のやけに美味しく淹れられて 他人ひとの詠む歌輝いて見ゆ
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甲斐もなし 技巧に走れば寸詰まる さらさら流る水の素直さ
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寒椿 横目に眺む 帰り道 ねこたち お腹すいてないかい
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パンジーの上に積もった雪をはらう花の黄色に元気をもらう
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独り身に還れば義理が通らない重責を負うバレンタインチョコ
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老三人久々に会い会食の話題はやはり迷路の未来
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願いごと叶えず吹雪に佇みて涙の地蔵に雪はふりつむ
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帰りたい施設の義姉あねのこころ旅 まぼろしの地に毎日帰る
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雪にさす 朝陽あさひの色は 生成り色 忘却の彼方かなた 竹を編む人
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この国の先にも平和ありますか任せていいのあの人たちに
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缶ココア片手に 友と語り合ふ 交はりぬ互ひの白ひ息
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外に出ずる 気もなく窓に 添い見れば 碧空あおぞらすらも 雲重く見ゆ
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凍空に 遠く聞こえし鉄の音 始発電車に一日ひとひ始まりぬ 
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駅前にて また会おうねと 約束を交はす友と 見送りぬ月
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冴ゆる朝 車窓越し 雪富士見ゆる 吊り革握り 揺るる通勤車
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石畳いしだたみの あの道のカフェが 恋しくて 窓際に座り あなたを探す
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ふるさとは雪が降るらし寒い家一人で暮らす弟思う
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10分間しばれる風に身をさらす プラットホームは冷蔵の棚(電車待ち)
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ひょっとしてよく間違えるAIは馬鹿のふりして様子を見てる?
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その消費それは誰かの給料に この給料は誰かの消費
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地吹雪の車内でかける音楽は敢えての夏曲脳をバグらせ
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きっと君は女を使い捨てしないでもそのノックに応えられない
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デコられたシール手帳を並べだす子ども食堂に集まりし子ら
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淡々と読み上げてゆくAIと声まで熱い候補者の声/ラジオ政見放送
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豪雪を思えば心苦しくも 風花舞えばふふとときめき /雪の積もらぬ街で
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教室の隅に透明な僕がいて ポケットの中、拳は熱い
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白米の 湯気に鰹節舞い踊る 鼻腔に満る醤油の香り 
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「この世」というコンテンツが面白いのにログインできない僕の脳内
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もうそんなに 必死に練習しなくていい 高く飛ぶため 少し休もう
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失われそうな僕がここにいる雪の白さは、僕の葬列
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