独り身に還れば義理が通らない重責を負うバレンタインチョコ
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水色の 空に浮かぶや 半月の 淡き光が 吾に微笑み
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「しわよせて笑うお前の顔が好き」と言われて汁粉煮るお人好し
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寒い朝石油ストーブ石油切れ石油ポンプの電池切れ嗚呼
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長靴がいらない街に慣れていく 都会の冬の風に吹かれて
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この国の先にも平和ありますか任せていいのあの人たちに
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缶ココア片手に 友と語り合ふ 交はりぬ互ひの白ひ息
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外に出ずる 気もなく窓に 添い見れば 碧空あおぞらすらも 雲重く見ゆ
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凍空に 遠く聞こえし鉄の音 始発電車に一日ひとひ始まりぬ 
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駅前にて また会おうねと 約束を交はす友と 見送りぬ月
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冴ゆる朝 車窓越し 雪富士見ゆる 吊り革握り 揺るる通勤車
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石畳いしだたみの あの道のカフェが 恋しくて 窓際に座り あなたを探す
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ふるさとは雪が降るらし寒い家一人で暮らす弟思う
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10分間しばれる風に身をさらす プラットホームは冷蔵の棚(電車待ち)
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珈琲のやけに美味しく淹れられて 他人ひとの詠む歌輝いて見ゆ
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その消費それは誰かの給料に この給料は誰かの消費
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寒椿 横目に眺む 帰り道 ねこたち お腹すいてないかい
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きっと君は女を使い捨てしないでもそのノックに応えられない
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二年越し 履き古す靴 擦り減りぬ数ほど 共に歩みぬ証
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吾は良い このにだけでも 健康を 返してやりたい 切なる願い
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脱ぎ捨てた僕を拾って歩く夜シンクに朝のカップが残る
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冬越せぬ 花のむくろを 土に埋め 来春にまた 逢はむと願う
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裏起毛透過し肌を刺す冷気内か外かに一枚要ると
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「この世」というコンテンツが面白いのにログインできない僕の脳内
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もうそんなに 必死に練習しなくていい 高く飛ぶため 少し休もう
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失われそうな僕がここにいる雪の白さは、僕の葬列
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黄バラ枯れ ドライフラワーとなりとても なほ夢を見む 梅の季節に
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受話器持つ指の震えをそのままに 友の笑い声もう還らぬ
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「厄落し厄落し」言い礼も言う割れた湯呑みに捨てる湯呑みに
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まう少し甘へさせてと すねに擦り寄りぬ愛猫 出勤の朝
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