休耕地揺れる秋桜くすくすとナイショ話をしているみたい
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短くとも 深く眠りたい 眠剤の8錠め そっと手を伸ばしたり
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ただ親友ともの元気な顔が見たいから チャイティーラテの香りの先に
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ねむそうに ゆれてるねこを なでながら シリアルバーなど かじる夕暮れ
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七時半目覚め爽快とび起きて言い訳・ご飯何から先に
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陽光に透ける紅葉の欄間かな冴える空気の季節の彫り師
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くるくると回る落葉で気付くんだ風ってこんな姿なんだね
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明日の午後母の痴呆の結果聞くどんな結果も母娘ははこですもの
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大樹だけ見上げて僕は腕の中 強き命は大地の力
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デイケアでおしゃべりはずむ女性陣寡黙な小数男性陣よ
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寮跡の敷地にも 木枯しの吹く 枯れ草の中 咲きをる野菊
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人と人 えにしはたしかに有るもので 隣に座った奥様 ご近所さん>メンタルクリニック
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辛酸も苦汁もまるごと鍋に入れ、煮込んで飲み込む私の勝ちだ。
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風に舞う 白き六花の 粒滲む 手弱女のごとき 君が睫毛に
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のんあるの ワインの休日・赤飲んで エビグラタンで ボジョレー気分
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打ち合わせ 終えてカフェで メール処理 右手にチャウダー ふぅーと息噴く
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なんとまあ二度目の蒲団の心地よさ こういうことをしあわせと言う
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ねこたちは びびりまくりの 消防点検 ちま猫ちゃんは 炊飯器横へ
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首かしげスマホを睨む母さんはやっぱり紙のチケットがいい
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街角で電波拾おう手を振れば振り返す人いてあたたかだ
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母さんにたんたんたぬき歌わすと勝手にウケて笑顔が戻る/認知症
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あさのひかり それは「希望」といふ名前 今日もいちにち 食べて生きよう
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叱られた遥かな記憶 耳掃除している祖父のそばで暴れて
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偉くなど 成らなくて良いわ 風を浴び ぬくい光に くるまれてたいの
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雨に煙る ベランダで線路見下ろして 宇治行き特急 今朝も見送る>真冬にはきっと!
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母の背をとっくに越した小六がぎこちなく袖通す制服
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小春日の温もりは母を 木枯しの厳しさは父を想ふ初冬
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朋輩よ虚無に陥ることなかれ 妻亡くしてもはなお生きる
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飲み足りず 君を誘って ウイスキー プライベートで 気取らぬ二人
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久方に 地下鉄始発 出勤す いつもは車 景色も変わり
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