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足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
25
背中から両腕回し抱き上げる日々の吾を置き父旅立ちぬ
25
少しでも 形違えば 規格外 それでも良いと 寛容大事
25
宅配で届いた空色ブラウスの清々しさが眩しい雨の日
25
君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
24
通院と買い出しお勝手だけだって有るよと語る日々の歌かな
24
今週の五枚のシャツに火熨斗かけ いろいろなこと平らに均す
24
老猫を抱き上げ軽さ驚いてうまいものなど食わしてやろと
24
妬み書くメモを捨て去り夢追いの光りし風を胸へ抱こう
24
垂れ込めた 重い雲の隙間から ひとすじ陽の光 桜輝く
24
シュッシュッシュッピーに階段駆け下る機関車みたくケトルへ向かう
24
暗闇の中 我探し鳴く君の声 聴こえた気がして じっと耳澄ます
24
現実逃避 するなと人の言うけれど 生まれし日より 夢に生きたり
24
母の負を父の
勲
(
いさお
)
で拭ひ去り 私は独り
介護
(
あした
)
を編めり
24
嘘だったらと 思う哀しみあれこれと 連ねて浸る
4月1日
(
エイプリルフール
)
24
春の気を鎮め潤し降る雨に 心置きなく深呼吸する
24
愛憎も此処に至りて霞みけりふたりの旅はただ手を取りて
23
ゆっくりと胸がつぶれる音がするさよならさよなら春が来たから
23
青バナナ吊るし置くうち黄に熟し やがてあばたの天人五衰
23
一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
23
川辺りの桜
水面
(
みなも
)
に枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
23
春先は カイロと湿布の重ね貼り 腰のご機嫌伺うゴルフ
23
風そよぎ背広の肩に舞ひ降りし 桜の花は払わずに行く
23
渡されしロールサンドの誇らしく赤きリボンを春空に解く
23
山かすみ何かが飛んでる気配するケミカルな太陽は柔らか
23
古
(
いにしえ
)
から 川辺りに立ちぬ桜の樹 老木なれど ひたむきに花咲かす
23
移ろいの四季の描写に飽きは無く自転車辞めぬ理由の一つ
23
川風に花はふるえて七分咲き
顎
(
あぎと
)
を上げて酒を呑む五時
23
想ひの葉ピタリ嵌れと
追敲
(
ついこう
)
す想ひ鎮めよ短歌の神よ
23
父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
23
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