足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
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背中から両腕回し抱き上げる日々の吾を置き父旅立ちぬ
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少しでも 形違えば 規格外 それでも良いと 寛容大事
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宅配で届いた空色ブラウスの清々しさが眩しい雨の日
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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通院と買い出しお勝手だけだって有るよと語る日々の歌かな
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今週の五枚のシャツに火熨斗かけ いろいろなこと平らに均す
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老猫を抱き上げ軽さ驚いてうまいものなど食わしてやろと
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妬み書くメモを捨て去り夢追いの光りし風を胸へ抱こう
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垂れ込めた 重い雲の隙間から ひとすじ陽の光 桜輝く
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シュッシュッシュッピーに階段駆け下る機関車みたくケトルへ向かう
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暗闇の中 我探し鳴く君の声 聴こえた気がして じっと耳澄ます
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現実逃避 するなと人の言うけれど 生まれし日より 夢に生きたり
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母の負を父のいさおで拭ひ去り 私は独り介護あしたを編めり
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嘘だったらと 思う哀しみあれこれと 連ねて浸る 4月1日エイプリルフール
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春の気を鎮め潤し降る雨に 心置きなく深呼吸する
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愛憎も此処に至りて霞みけりふたりの旅はただ手を取りて
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ゆっくりと胸がつぶれる音がするさよならさよなら春が来たから
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青バナナ吊るし置くうち黄に熟し やがてあばたの天人五衰
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一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
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川辺りの桜水面みなもに枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
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春先は カイロと湿布の重ね貼り 腰のご機嫌伺うゴルフ
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風そよぎ背広の肩に舞ひ降りし 桜の花は払わずに行く
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渡されしロールサンドの誇らしく赤きリボンを春空に解く
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山かすみ何かが飛んでる気配するケミカルな太陽は柔らか
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いにしえから 川辺りに立ちぬ桜の樹 老木なれど ひたむきに花咲かす
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移ろいの四季の描写に飽きは無く自転車辞めぬ理由の一つ
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川風に花はふるえて七分咲き あぎとを上げて酒を呑む五時
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想ひの葉ピタリ嵌れと追敲ついこうす想ひ鎮めよ短歌の神よ
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父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
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