一足ひとあしも君の世界に入れない そっちは土足で上がり込むのに 

まよなかの店頭に投げだされている異常に安いシャインマスカット 

頼むから忘れさせてはくれないか 思う頭と思わぬ心 

カマキリがヒョコタンヒョコタン跳ぶ昼間「雨が降りそう」「早く帰ろうよ」 

不安なことがある時はお酒を入れて全部忘れてしまおうか 

僕が来た道の後ろはすごい闇 この先十年経て笑いたい 

朝シャワー少し熱めの設定で僕が住む街朝は白くて 

信号を一つも止まらず駆けていく 君の笑顔に早く会いたい 

今日の俺狡いことする予定あり誠実に髭を剃って出かける 

淹れすぎた珈琲みたいなものでしょう?その苦しいの、ちょっとちょうだい? 

シャーペンをわざと折られた友人の「あぁ大丈夫」が中耳に刺さる 

明日なんて知らないふりで耳塞ぐ 砂漠の寂寞一滴涙 

テスト前勉強せずにニキビ摘む ガンプラ銃向け僕を咎める 

ぼくだって「けばわかる」とか言ってみたい (文字のかすれた地図を片手に) 

声あげずソマリアの少女泣いているスマホの向こう大地ひび割れ 

3分間 あればいいです 辞世の句 詠むので少々お時間ください 

変人の周りにいるのは変人だ そんな当然 反芻をする 

スタバにてタルト頬張り「おいひぃ」と笑う友カノ「美味しい」と言え 

泣きし夜 こんな時こそ 一句でも 短歌詠めれば 楽になるのに 

ひきがねを引かせたくせに誰よりも悲しい顔をするずるい奴 

あなたの 弾くピアノ聴き 嫉妬する どうしてそんなに 愛込められるの 

NHKの 視点論点で 熱弁する 人がなぜだか 笑える見てみて 

筆の字の 筆を携え いち、にっ、さん 数えてみるよ 午前五時半 

社会から離れようと足掻いてる君は社会に取り込まれてて 

シャッターおりるぎーとがっしゃんで閉じてゆくまぶた重たき冬の早朝 

オーロラが見えたらいいと思うんだユウウツの森をさまよう僕は 

こげこげの卵焼きには教訓で焦らないことを噛みしめ食べる 

体内が きれいながらんどうなので 少しの紅茶が ころころと鳴る 

「ほら僕は なんでもない日、おめでとう派の人だから」 「何その派閥」 

元気なら馬鹿でもちょんでもいいんだと言う親がいて「言うね」と思う