安らわむ 硝子の月に 息をかけ 貝の小舟で 眠りの海へ
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我が遅刻より 人の命が大事 救護者の無事を祈る通勤/遅延
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ほろ酔えば いつものきつさが 苦しくて 心のベルトを ニ穴ゆるめる
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湯気の立つ カウンターでの 一人鍋 ポン酢の香り 引き付けられて
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セブンイレブンで 一人用ケーキ 出るそうな 数量限定 ちいかわコラボ
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かまってと言わんばかりに 甲高ひ声で呼ぶ愛猫 そっと撫ぜ
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ババ抜きを一度も負けず終えたけど 運は仕事にとっておきたい
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車のみならず顔面初心者のマークを付ける 大目に見てよ
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冷蔵庫扉開ければ転び出て今朝のおかずは豆腐だそうだ/勝手に決めてくれる
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初夏に見しクレマチス 初冬の今も咲くと知りぬ 師走の小春日
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風邪ひきの感染うつしあいっこ老夫婦 仲がいいのか、そうでもないか
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ネガティブの沼にハマれり這い出さん走ればいいのさ脇目も振らず
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街流る 聖夜の奏 数多く 耳に こだま す「♪最後のHoly Night」/♫杉山清貴
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朝焼が 雲に映って 赤くなる 苺綿菓子 部下が笑って
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年の瀬にふみのあてさきかぞへつつ 薄墨いろの白菊しらぎくを見る
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クリスマス前に旅立つ人看取る業務の心うち如何許り/介護士
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ガンダムのプラモを買った玩具屋おもちゃやも消えた故郷の静かな師走
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うっかりと同じ文庫をまた買って微糖のコーヒーなんだか苦い
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寒くてもその色調は暖かい雪照らし出す冬の夕焼け
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右脳うのうには 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物つく
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街中のBGMがワムだらけいやまてこれは本家ではない
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次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
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ねこたちに みつめられつつ 芋を蒸す 友人レシピの スイートポテト(塩バター、うま🍠)
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降車をす杖つく人に ばいばいと無邪気に さき手を振る赤児あかご
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が慕ふ年長の友らおしなべて老ひの翳りを纏ひて寂し
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ひざに乗る ねこのしふく至福の顔を見る トイレもゆけぬが ひとときこれで
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芽生えたる 夢を忘れる その前に。 命短し 挑めよ我ら
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からからり風におされて大小の枯れ葉くるくる踊るよ輪舞曲ロンド
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冷へ込みぬ朝 待機す乗客らを見送る如 ホームドアに寒鴉かんあ
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街ゆけばファッションさへも黒系に冬こそカラフル決めて行こうぜ
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