とりたてて秀でるもののなかりせば凡なるたひらのなほもむずかし
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不愉快な子供であった私でも大人になり花水木ハナミズキ
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群れ集う習いが常の水仙が道端ひとり風に吹かれて
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君といた春そそぐ海ふかみどり 炭酸水と後悔で割る
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北の海 静かな鏡水きょうすい取り戻し 夕べの不安 無きことの様
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芝生から毎年顔出す ネジバナの タフで可憐な ピンクの螺旋らせん
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窓外そうがいは春晴 傘持参迷ふ 抜き打ち雨予報に戸惑ひ
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「お不動さん泣いているの」とおさな問うこんな顔して泣くのか人も
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庭で摘むミツバ、ぎょうじゃ菜持ち帰る姉の暮らしの豊かな春よ
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初恋の甘い記憶を呼び戻す青くて丸い小花イベリス
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母親の涙思うと耐えられずテレビを消して願う明日の灯
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朝を待つ鏡の奥の静けさに光り零れる涙を拭う
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笑み揺れてオレンジに染むチューリップ白き花びら観覧車の窓
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丘は萌へ峰も萌へたりやまなかの 自生の 花は今ぞたけなわ
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稀なりや心に燃ゆる蜃気楼やおら夢世にわが身いざなひ
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花散りて 桜の枝先若葉萌ゆ 季節ときは巡りて新緑の風 
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寒き朝 鈴の小花に 揺れ雪の 細き水降る スノーフレイク
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車窓から 過ぎ去る雲と長閑なる 田園風景独り眺むなり 
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片恋と不戦敗とをくりかえし さらりと澄んだ新月の空
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春陽のもと さき星型の花 咲きむ 多肉葉«朧月»
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一鈴の童のような無邪気さに憧れ宿すサクラソウかな
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細いのに暑さ寒さをはね返す日日草は僕の友達
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通りあめ真白きシャツはシャボンの香 きみを抱きしむ夏の匂ひと
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厄介な出来事歪んだ心持ち記憶から消え躑躅つつじつぼみ
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れーずんは ねこにはきけん ぶどうもね たべたらだめよ みんニャきをつけて
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聞こえくる 田起こしの音響き来て 春の鼓動は良きリズムかな 
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今年初冷し中華に舌おどる 甘酢の冴えと茗荷の香り
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置き忘れ 菓子折り拾い 自転車でバス会社までゆっくり走る 
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畑仕事に関心うすき我を前に夫は今日の手順を語る
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早天の薔薇の棘こそ緑濃し朝露浴びていよいよ尖る
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