店の壁草間彌生が来たようにペイントをした大きな作品
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啓蟄に 根雪も解けて虫たちも 温む大地に手招きをする
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今週の乱高下する血圧はひとまず忘れカラオケに行く
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見晴し台広がるいなべ花の海助走をつけて飛び込んでみよか
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こぼれ落つメモとペンとを追いかけてあわあわとする我が手がおかし
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校章をはじめて知ったのはたぶん卒業式の退場のとき
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塾へ行く 道に毎日 向かい風 負けてたまるか 待ってろよ、春
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十五年 母に寄り添ってくれました ありがと、タヌ猫 どうか安らかに
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水槽のメダカ向かって子が歌う「森のくまさん」何故そのチョイス
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もう苦しくないよね おいしくない療法食ゴハン たべなくていい せめてもの救い
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濃桃色こいももの花零れ落つ遊歩道「意宇の里おうのさと」なる名の椿らし
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名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
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いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
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紫の 星のかけらの 散りたるが 朝日を得れば すみれと咲けり
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ほどほどに石橋叩きて歳月とし過ぐも地図捨てた日の欠片もありて
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嫁ぐまで嫁ぐまではと雛人形ぼんぼりの灯翳る弥生よ
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あふれよと死をみせしめし弥生なる十一はかなし 哀しき記憶/東日本大震災が近づいて
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父看取り 母ひとり生きた15年 我も母のこ  前向き生きん
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半干しの柔らの骨のはたはたで ちろり二合の立山を呑む
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朝はチャリ昼は無心で夜は外 風と寒さに歌を教わり
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また来てと言われてカットを予約する床屋は実家と言うアーティスト
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流れ行く景色とともに雨の粒 車窓に糸引く春の通り雨
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「ありがとう」不意にこぼれて春の日に ミニカーだけが知る青い空
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絵日記を付けるが如く詠む視線ピャッと素早くヒヨドリ逃げて
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降りて来ぬ 思い浮かばぬ言の葉を 苦悶の末に一首絞り出す
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すぐそこの春の気配をかき消してびゅんびゅん吹雪く冬のプライド
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二日酔いと浮腫み無念極まれりガリガリ君しか食べられぬ刑
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AIで自律し人追ふドローンらは きれいな戀の歌を詠むらし
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歌の橋 月まで千年つらなりて重ねる短ざく飾る浮世に
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母も読み我もいろはをこの書から「栄養と料理」さみし休刊/休刊最後の発刊に
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