逢う日まであなたの告げた「待ってね」を我胸べりの小鉢へ育て
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「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
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つい歌に落とし込むクセ抑えつつ気持ちの煌めきだけをすくって
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悪女とはすごい美人と限らないとっても悪い女ですもの
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取り囲む山並み雲に溶け込んでとろり鈍色梅の白冴え
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朝の瀬へ向かふ歩みに夜へ乞ひし恋慕の灯り苦し相反
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この曲を最期のときに流してね 祖母の愛するポール・モーリア
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僥倖の大口取引掴み取り シニアの意地をここに示せり
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しゃべりたい自慢したいがカッコ悪い Utakataだけにこっそり投げる
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移ろいの旬の素材に触れて湧く綴りし文の果て無き旅へ
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さりげなきまばゆい笑みに心音の波はあの日の君へたゆたう
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冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし季節ときよ桜咲くなり 
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宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
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地球儀をまわせば指が街を消し 僕らは桜の圏外にいる
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矩こえしシオニズムこそ元凶を諌めず魔王はゲームのいくさ
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最終便  繋ぐ右手の温もりと左手刺さる入場券と
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やや強き風に誘われダンスするTシャツ・ジーンズ春だ春だと
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夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
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想ひ出も春の嵐に散りゆけばコート脱ぎ捨て光纏はむ
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一点変ロ音の 音程の冴え 確かなる 柱時計の とき告げる音
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大吉のくじを枕へ入れて見る夢は幸なるあなたの未来
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痩せないといけないのかな?寝る前にとりあえずやるストレッチだけ
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寝室の窓から眺むモミジの樹 萌黄の若葉に 雨滴光りて
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別れとて黒・黒・黒に囲まれてもう還らない君の笑顔は
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価値観で測れるものか人と人あなたとわたし心が遠い
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霧つつむ木の葉に集う一滴のしずくへ揺れし明日のこの星
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繋ぐ手を見咎められるふたりこそ花の命と咲くを止めえぬ
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「逢いたい」と書けば光るね嘘という 名前をつけた僕の優しさ
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火照る波ふるえて呑まれ漂えば夜の水面に月は歪んで
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「暑い」とふ久方ぶりの形容詞 いつもの電車に駆け込んでみて
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