そそくさと 部屋出る誰か 見なくても 案外誰か わかるものです 

ロクなもの 持たせてやれない悲しみを 8月初めの 墓石にて謝す 

いつの間に 桜は散って 芝伸びる 十五の春も ただ無為に過ぎ 

ぐずついた天気のように不機嫌があなたへうつり泣きたくなるよ 

遠雷を聞いた夕暮れふたりきり 帰れないねとどっちが言った? 

青春はあの教室に置いてきた 一度も味わうことのないまま 

明日こそ話しかけよう 飼い猫の変な寝相を丁寧に撮る 

逃げ場なき条件なれば主体性などあり得ない 奴隷制なり 

UFOで連れ去られるなら今月中  グレイと観るぜ ストロベリームーン 

目が痒い 目薬さしても まだ痒い  目をくり抜いて 洗う妄想 

諍いの 限り知らずか 海向こう  平和謳歌は してられないか 

僕は詩が書けないのです 雨が降り続ける君の部屋にいたとて 

話題(案)-梅雨入り、テスト、夏休み 「クリームソーダ、食べに行かない?」 

この次は 本物見よう と誘わせて 天に貼りつく 幾千の星 

故里の道には空の砂箱と物置きと化した犬小屋ばかり 

りりりりり羊が群れるあの場所へ魂売って出でよとの合図 

遊歩道ばさりと月の欠けてをりわずかな灯で蛇這ひゆけり 

少しだけ素直に気持ち出してみる会話の温度心地よくなり 

噴水の しぶきがはねて一時の涼 モンシロチョウと 青空あおぐ 

‪コンビニで手持ち花火を買い込んで歩むぼくらは季語だったよね 

死にたさの海で背泳ぎばかりして泳ぎばかりがうまくなってく 

天上の穴から覗くかみさまと今日も夜空で待ち合わせなんだ 

‪特大のてるてる坊主になろうか海になるまで雨はやまない‬ 

幾年も かかりし旅の 結びかな 年の過ぐるは 万理よろずことわり 

しろたへの ころも繕ひ 日々過ぎむ 年の待たづは 常日頃なり 

自粛明け おひさまのしっぽ たくわえて 幼子の影 伸びてゆく夏  

あぢさゐの花にこころをたとへまし憂しと見し世のうすむらさきの 

骨壺の中身ひとかけくすねたの 砂に潰して時計にします 

整数解のひとつみたいな君を目で追ったときには始まっていた 

帰路バイト 時代変わって 寺バイト 電子雅楽で 生み出す日銭