使うたびライトがついて動き出す北窓に向く健気なミシン
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「もう出来た」どっこい短歌は奥深し掘れば掘るほどお宝探し
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高3生 決意を胸に あとにした 教室に光 しづかに満ちる/明日、共通テスト本番
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気がつけば 一・一七が 目前に あの日あの時 神戸の受験生
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頑張れはもう聞きあきたはずだからいちご大福そっと手渡す
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震災後 三十一年 過ぎし朝 竹灯籠に 祈りを込めて
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八の字で初ゲレンデを滑りきり涙たたえる八つの吾子は
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愚作でも 一日一首続ければ いつか秀作出ると信じ
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のど飴の個別包装剥けなくて咳こだまする映画館 闇
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寒風の吹きすさぶ中 キミ出かけ ねこと3ニャン まったり過ごそう
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山沿いは100センチっておいおいと針降るごとく落つ雪を見る
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パソコンをくれた愛しいあの人に教えて欲しい。言えはしないが
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初の試み 成人を迎へし日 その一度きり むせびぬたばこ
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踏切の途中でカンカン鳴り出して 早く転職せよと聞こえる
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日は過ぎるものではなくて送るもの今日を大事に送れますよう
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膝の上 うっとり眠る わが撫で 明日も明後日も 一緒にいよう
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箱の中「何階ですか?」に丁寧な感謝をいただく貴重な心地
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流星の如 ゆるり 冬の星座をよぎる 夜間飛行は東へ
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作られた街にもうれし鳥は鳴き犬が散歩し猫の微睡まどろ
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想像の二倍半ほど大きくて 妻の口癖 「ちょっと一口」
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ふと気づく ベッドの足元に ねこボール いつ持ってきた あそびたかったの
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君の来ぬ カフェで飲むホット チョコレート 帰れぬうちに 雪は吹雪ぬ
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漬物で たまご粥食む 冬の夜 月はまだ細く 新月近し
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冬晴の関東平野の名物は なんと言わりょがやはり富士なり
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古くなりお蔵入りしたあれこれを再デビューさせ使うこの頃/CDプレーヤーとか
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満たされた同じ時間を過ごしてるようで違った目の向く先は
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絶版の歌集をさがす 白樺の林のような古本屋にて
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手を繋ぎ初詣ゆく若者の我らにはなき作法まぶしき
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今までの悔い一つずつ拾いゆく暗がりの先に輝きを置け
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スリッパを干して 遠くを見はるかす そろそろ聞こえる 黄砂の便り
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