高く強く 飛ぶためにこそ この翼 ひととき休め また舞うために
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透き通る 飴細工の虹 渡り行き まほろばの星で めぐり逢いたし
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爪研ぎの犠牲になった畳たち今朝毛羽立って足裏を搔く
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粉々のポテトチップは捨てられて講義終わりの教室静か
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冷へ込みぬ朝 待機す乗客らを見送る如 ホームドアに寒鴉かんあ
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街ゆけばファッションさへも黒系に冬こそカラフル決めて行こうぜ
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父親へ感謝の気持ち添へ 花をえがきぬ子どもの チョークの壁画
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うたをよむ余裕があるならだいじょぶね良い娘さんだなぁまんまるさん
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泥の雲 掃きて清めて 拭い取り いだきて見たき 月のかんばせ
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除雪する手間はなんだが包まれて妙に落ち着く雪の景色よ
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ライブまで カウントダウン あと5日 風邪も引けない コロナは論外
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監督の喝よりずっと効果あり タイムアウトで君を見つけた
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カニカマを咀嚼しながら自己暗示これはタラバだこれはタラバだ/ココニャン様が羨ましい
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打ち合わせ 終えしカフェの ツリー見て 珈琲一口 パソコン向き合い
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冬の風邪 長引くきみの 横顔に 憂いのあとの またひとつふえ
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払暁の東のそらに針の月 ほどなく消ゆる年の暮れかな
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ラジオから陽気なクリスマスソングノリノリで作るきんぴらごぼう
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朝晩の冷へ込みを他所よそに 小春日の微笑むけふは 師走中旬
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しぼり出すちゅ~る 冷ゆる指に着きし める猫のさき舌 ぬく
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暁に 消え入りそうな下弦月 師走の空の雲間隠るる 
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乾燥し痒み止まらぬ冬の肌ニベア青缶手放せぬ友
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雪の朝もう騒いでる猫さんも外に出せとは言わない今朝は
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かんたんな言葉ひとつで夢心地 ちょっと浮くだけ空は飛べない
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あの頃は『女の子たち』と呼んでいた五十年後の君たちに会う
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3℃冷たい雨の日曜日 36℃のプールで泳ぐ
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まだあるか雪で少しは落ちたけど届かぬ高い枝に生る柿
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あら、おかし小六の子より「いいね」来る 野鳥写真は世代を越えて
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賀状出す我が人脈も狭まりて卆寿を越せば僅かとなりぬ
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ふたご座の流星群に 願うのは 今はただひとつ 叶えて星よ
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まだ暗き公園の中見渡せば枯れた木々には鳥たちの群れ
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