荒涼と日夜を過ごす独り身に迫る師走にもう慣れ果てて
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年の瀬に 雑踏の中ホーム立つ 新幹線は 君待つ街へ 
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冬晴れの荒川の北はるかなる 筑波の山の両の頂
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恋心賞味期限があるらしい買い忘れたる君の梅酒を
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風吹かれダウンを着込む我のよこ半袖の小学生通る
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十字架ネックレスを(珍しく)忘れたけれども 大丈夫 神様は こころの中におわします
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マンションのエントランスに飾られたスプレー菊がおかえりと笑む
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付き合いで行った居酒屋美味しくて 飲めもせぬのに夢中になって
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うつ病に素直に負けてみるもよし意地を張らずに入院しよう
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めをとじて つぎのいっぽは 崖かもと 開けて日常 ふたしかな生
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伊予灘に 沈む夕陽の 優しさに きみのルーツの ゆかりを思ふ
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アガペーを説いて創りし被団協ノーベル賞も師の目曇れり \ 故森滝市郎先生
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上を見た。倒れてしまいそうだから。雲ひとつない空に半月
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朝焼けの宙に一羽のトンビ舞う孤高の世界は君だけのもの
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いぬとねこ どっちがかしこいろんそう論争よ そんなの争いはいらぬ どっちもかわいい🐶🐱
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マイナ迷走2年根深い不信にはデジタル弱者置き去りにして
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今まさに寝落ちしそうになりながら ねこのおやつを両の手に乗せ
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条幅へ初のチャレンジ手本とは似ても似つかぬ十四の文字
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目のかすみ、動悸、息切れ、しわ、たるみ 僕らはそれを老いと呼ぶのさ
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真夜中に腹が減るのはなぜかしら?そこで食うなと言われたっけな
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久々に スカート揺らし 歩くとき 歳をとっても 女を自認
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やはらかな日差しなれども 風吹きて 洗濯物が揺れに揺れたり
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腕広げ「おーい」と待ってる我のもと笑顔で飛び込む吾子は太陽
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急かされる煽られもするAmazonアマゾン民ついついポチるブラックなんとか
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ふりかえりゃ こくさいてきに せんきょ年 ドイツふらんす 余震と隣戒厳
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先生は「手袋を買いに」読むだろう手袋を編む母の娘へ
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散る葉あり黄いろもあかあおもあり だからきらいさ、同窓会は
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風を避け夫の作る干し柿はスマホ頼りのその時勝負
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鳥羽の海 淡く霞める 水の中 淀みの奥に 真珠うまれる
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焼きたての おいもベーグル頬張りて ごまがプチプチ おいも甘〜い
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