気がつけば ひと月休み 無く仕事 月夜に照らされ 自分を労う
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赤い実の 色づき具合が グラデーション 魔除けの南天 実家のそばにも
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​かじかんだ 淡桃色うすももいろの 吾子の手を 包むこの手で きみ守りたし
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幸福も不幸もきっと平等だ街ゆく人のきらめく幻影
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不登校くさって部屋で泣いてたら父が差し出す少年ジャンプ/思い出
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南天の実の愛らしき 朝さんぽ ひとつつまんで帰りたくなる
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あかむ街路樹 眺むバス通り 通勤がてら 深秋しんしゅう感ず
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さかずきに浮かぶ三日月眺めては懸けた想ひをグイと飲み干し
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月並な悔やみ言葉を送っても 妻を亡くした友は応えず
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小春日の庭に五色のザル菊の薫りに迷い帰り蜂舞う
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冷ゆる体に 染み渡る いい湯加減 仕事帰りの いい風呂の日や
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断捨離の荷をのせる時軽トラにとまった蜻蛉 秋の終わりの
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樹に生りて赤き果実の一粒や咥えし鳥の発ちて夕映え
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濡れ鼻を ツンと当てくる 老犬は 言葉無き愛で 我を励ます
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犬を抱き小雨の中を早歩き 師走の足音から逃げるごと
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いいにく1129の日なのに 魚をつつきたる 秋刀魚のわら焼き はらわた旨し
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少しずつ防雪柵は組まれゆき里の風景日ごとに狭まり
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幼日おさなびいだく 父の友人との写真眺む 届きぬ喪中
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ぐずぐずと寒さのことなど並べ立てベジタリアンと見紛う夕餉
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灯油切れ 霜降る朝に給油する 老いの暮らしに冬来たりけり 
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ユーチューバー魔性のネットを生業にフェイク流して揺らぐこの星
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容赦なき乾いた風に枯れ葉舞い 気管支炎は二十日治らず
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哀しみを湛へたやふな青ひ瞳の キエフの若者ますらお大関と成り
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街路樹や芝に野の草見て通る移ろい楽し花壇見ずして
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芽吹きては 咲きて散りゆく 花の生 我かたわらに 見届けており
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店内の曲 聴きながら食む 寿司と 亡き祖母とのくら寿司の思ひ出
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寒い夜は 妻と囲みし二人鍋 湯気を肴に晩酌進む 
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音もなく 散りゆく銀杏の並木道 過ぎゆく秋が黄色に染まる 
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秋の海 光のあみがゆれうごく僕のはだしと一緒にうごく
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久方に 地下鉄始発 出勤す いつもは車 景色も変わり
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