熊蜂くまばちが 蜜吸う羽音はおとや 藤の花 庭にでれず 盛りを過ぎぬ
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退勤は初夏思わせる昼下がり 卯月の空に日傘かざして
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風光る横断歩道をタンポポら揺るランドセル上げる手揃え
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歳重ね 逝きにし友の無常知り 出会ひし友の有難きかな 
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クラス替えスキップの先 少女いた 教室光り陰は透明
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道端の ハルジオンたち おしゃべりで ついつい会話 弾む朝なり
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半夜雨の最後の既読「おやすみ。」が何度も何度も淡く滲んで
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窓外そうがいは春晴 傘持参迷ふ 抜き打ち雨予報に戸惑ひ
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受診へと施設の義姉あねをドライブに 何処へ行くのと繰り返し問う
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畑仕事に関心うすき我を前に夫は今日の手順を語る
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夕陽さす昇降口ふと立ち止まり 微かな足音おとにきみと気づけり
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我が古家ふるや 燕 あちこち 巣を作る 母は笑顔で 猫はパニック💨
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青のとき一番星が瞬いてもうじき夜のとばりが下りる
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心まで見詰め返して来るギリア愛する人に思い届けて
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石鹸の匂いと君を抱きしめる 裾を揺蕩たゆらす風の優しき
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笑み揺れてオレンジに染むチューリップ上る観覧車 向かい合わせに
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チビ猫が 行方不明の 朝であり 皆で捜索 箱ですやすや
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鶏の 声に目覚めず きじの鳴く 哀しき声に 朝焼けを知る
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紫を朝日に染むるアネモネよ 石段のに凛として立つ
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君といた春そそぐ海ふかみどり 炭酸水と後悔で割る
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一本樹 幹の捻じれて 陽の揺れる 藤棚涼し 風ありがとう
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「お不動さん泣いているの」とおさな問うこんな顔して泣くのか人も
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日脚ひあし伸び心地良きかな夕散歩 数多あまた花咲くとき味わいつ
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水芭蕉、ツツジ、辛夷も咲きそろい春の野山に色戻りくる
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座りたる 美女にたとえし 牡丹花ぼたんばな 雨は涙か 泣きて散りゆく
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部活帰りの少年の食むガムの 甘ひ匂ひに和みぬ車両
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暑過ぎず寒過ぎぬ午後エアコンのフィルター洗って気持ちも晴れて
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言語のなき猫の仕種しぐさに 憶測をしては ナレーション入るるつま
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公園で駆けるおさな子 後を追うじいじの笑顔に 緑の風吹き
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持ち主の元へ戻れたのか 枝に掛けられていた ユニフォームは無く
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