むずかりて 泣く子の声に 似る冬の 風を抱きて 眠るの月
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薄雲に覆われて尚満月の 光が届く夜の明るき
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通勤路を共に歩んだ 古靴は隠居し 近場を共に歩む
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夢のなか紡いだはずの言葉たち夜明けの空に消えてしまった
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駅が好き 電車が好きで 毎日の 通所は吾の パワースポット
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ああ何で忙しい日に出遅れて焦って悔やんで開き直って
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恵方巻 好みの具材入れ 手巻き 寿司の匂ひの満つる節分
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にゃおんという 呼び声ひとつ いとしくて なんでも叶えてやりたく思ふ
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全容の分かっていない細胞を何十兆も抱えて生きる
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日向夏ジャムは甘くほろ苦く 遥か昔の切なさを ふと
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指先で紡ぎ出される会話から吐息も声も汲める感性
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洗濯物ほしものを畳んでくしゃみ一つして ちょっと困った春の兆しよ /花粉
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肝っ玉母になれぬを責めつつも 手羽先煮込む鍋の静けさ
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泣きながら産まれてきたね それでいい 無理に笑わずスープを啜る
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無償とか正解だとかもういいの 私のペースで明日は呼吸す
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凛として 厳冬に咲く雪中花 凍てる大地に春を待てをり 
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過去というナイフ持った俺が来る 刺し違えても未来を守る
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コンビニで 買うか迷いし 恵方巻き 冒険できず 素通りし我
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八方へ 塞がる壁も権禰宜の 祝詞の声が厄を祓わん 
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白き鬼 心に飼いたる 哀しみに 豆つぶて打つ 明日あすは立春
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豆撒きの 外まで響く「鬼は外」 夜の静寂に凍て空眺む 
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立春に 見頃を迎へし紅梅 露天風呂に浸かりつつ花見/日帰り温泉
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学び舎へ行けぬ娘は春隣はるとなり ゆるむ蕾に希望を抱きいだき
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二人して癌友だねと笑いつつ友に伝える想いあふれる
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徒歩五分それも車に乗るくらし選挙ポスターありやなしやと
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笑ってるだけで幸せ感じてる きみに会えた日心はぬくい
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人生は紆余曲折の連続で くたびれたならもう無理するな
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その花を咲かせる種はどこにある? 追い求めても見つからぬまま/②
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脂のり たまり醤油で 照り焼きに 炭火の香り 食進む夜
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ただいまと 帰ればきみが お出迎え 一緒にうたた寝 優しい時間
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