「おめでとう」と言うたび口が切れていく 嫉妬はのみこむためのカミソリ
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投票と買い物 徒歩で吹雪の中 懐かしいねと道産子夫婦ふたり /大雪警報発令中
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ベランダに積もりぬ粉雪を払ひ 柵より舞ふ風花かざはな美し
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除雪車が 運んできたね 冬の朝 眠いからだを 米で研ぎだす
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解け残る雪のに 一際目立つ 収穫されぬ紅き南天
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今日もまた納豆もやしを並ばせて財布の底の静かな反乱
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しだれ梅 硬い蕾が 揺れている 春はまだかな 口ずさむ夜
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雨催あまもよひ 冬の星座の無き闇夜あんや とこに就き 明日あすの雨を待ちぬ
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桜の木ほんのり樹皮があかいのは雨のせいかな春のせいかな
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雨粒が車のルーフを敲つ音は 冬の終わりを告げる調べに
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「雪だべ」と祖母に微笑むドクターのさくら色した往診カバン
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古希なのに若い伸びしろしかなくて「余命五十年」が口癖
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如月の曇り空には小雪舞ひ スノーシューズで足を固める
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代役は良いチャンスだと言われても飛躍するのはわたし以外で
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頭痛さえラベルのように貼り替えて 悪友と飲むクラフトビール
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如月の都心を染むる追ひ雪や 心配す母の電話の声
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投票所 通常業務 並行し 来客多し 息つく暇なし
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窓外そうがいの 風に舞ふ牡丹雪ぼたゆき眺む愛猫の 不思議そな眼差し
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て空に虚しさだけがこだましてそれでも春はやって来るから
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着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
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食欲が戻り口にすトーストの小麦の香りが幸せだったり
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あたたかい気持ちを色にしたような たらこもバターもたっぷりパスタ
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裸木のすべての枝の粧いは昨夜よべに降り積む淡雪のすい
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ほとりじっと鳥待つカメラマン無音の時をひととき享受す
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かぎろいの春野を行かば海の見ゆ 父母眠るふるさとの地の
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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肉球を押し当て マッサージをす如 母想ひ 布団を踏みぬ猫
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孤高なるお花畑の駒草に寄せる思いのまつりごとあれ
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サーモンの旨みと シャリの酸っぱみと 醤油の香り 好きな寿司ネタ
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改札を抜け ほんのりと 梅の香の広がりぬ家路 つまと共に
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