晴れ空の下 走るバスの研修車 桜吹雪のエール受けつつ
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月の灯に白さ消ゆれど仄蒼く道を示せし雪柳かな
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安定の秒を定めた科学者に抗い過去へ人は辿りぬ
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企画書で 熱く商談 若手社員 今月退職 素振りも見せず
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春色のミントカラーに爪を染め風船の如 弾む心よ
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豆を挽き 珈琲淹れて 始まりぬ 新芽が光る 日曜の朝
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桜舞ふ バスを待つあゐだに 愚痴をこぼし合ひ 笑ひ合ふ同僚と
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コローの絵の 如き森なり 金色こんじきに  かすみて暮るる この夕雲も
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嬉しさも半分ほどの春陽気 マスク・メガネのフィルター越しの
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この曲を最期のときに流してね 祖母の愛するポール・モーリア
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本当はもっとおしゃれで満ち足りたシフォンケーキがよかったのかも
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一夜明け 明るい陽射し 降り注ぐ 雲ひとつない 灌仏かんぶつの日
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もわもわと 身体からだの毛穴 沸き返る 琥珀の海に 遊びて酔えば
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「ありがとう」デカフェの甘み溶けだして 誰かに言いたい今日という日を
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塩だけの握りが美味い噛むほどに田を持つ人の愛も広がる
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荘厳な直下の滝の天上を目指す稚魚らは砂金なる朝
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やや強き風に誘われダンスするTシャツ・ジーンズ春だ春だと
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輪唱の如 桜咲ひたら 躑躅つつじ咲き 花は順に 春を歌ふ
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玄関を出るたびひらく花がある「がんばれよ!」 と隣のじいちゃん
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お願いです 難しい漢字にルビ振って🙏 歌の全容みえないんです
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夫の笑み思いつ供ふ桜餅 春茜見つお下がりを食む
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塩づけの葉桜つつむ知恵人の想い香も馳せ道明寺食む
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卯月とて夏日に嘆く心辺も夕へ突く音の寺鐘に消ゆ
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足元に花のひとひらくるくると吾と遊べり風のになる
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ハムエッグ久々に食うハムエッグ気持ちいいほどうっすいハムだ
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またひとつ着ている服を薄くする桜青空六月の陽気
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逢う日まであなたの告げた「待ってね」を我胸べりの小鉢へ育て
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いつの日か通り抜けたし 日本一長い商店街の端にて
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いにしえの 雨音途絶えて 朝陽指す 花をつま弾く 兄のギターよ
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きみ包む毛布の手ざわり確かめてそっと伸びする日曜の朝
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