花前線 桜前線 恋前線 開花の時は 待つ恋に似て
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水温み 保湿ケアもやうやう終はり 使ひ余りぬ ハンドクリーム
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こんちはに こんにちはって1秒の会話が温い見知らぬ人や
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見間違ふ 良く似た星を 気遣いす 優しき方は 優しき詩人 /旧「麻だ。」様
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鶯が声高らかにファンファーレ 鎮守の杜も春爛漫なり
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上向いて落ちる椿の見るものはまばゆい空か蕾の子らか
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花冷えに夕焼け染まるロッカーの名札剥ぎとり卒業とせむ
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五00キロ 離れし友を訪ね行くプチ家出だと高一の孫
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穏やかな待合室で衝撃の事件を喋る準備をしている
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四月一日わたぬきの度 嘘をき笑ひ合ふ 学友から 今はつま
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真新しランドセル背負うひい孫の写メを写真の夫にかざせし
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四月来て店内明るく賑わふもウソも混じらぬ値上げのリアル
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雪解けて ほこり舞う道 おそるおそる アクセルを踏む 桜を乞うて
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誰一人 わざと起こした者などは居ぬが たまさか遅延に泣きぬ
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薄日射す うつむく姿清々し 野に咲きそむるカタクリの花
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自分ではツヤと思えど人からはテカリだとしか見てもらえない
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年なのになんでそんなにツヤツヤとしているのだと禿見て言うか
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駅前のバスターミナル 満開を迎るソメイヨシノにむる
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死の直前考える事は死ぬ事だ正義なんかで助けちゃいけない
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足跡を波に消されて抱き寄せた君は海より深くはかなき
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雪解けの 春の鼓動を風に聴く 桜舞い散るせせらぎの路
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突然に春の季節の底が抜け咲くや咲くやの祭りとなった
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吾子送る 夜風は春の匂いして 寂し思いもふと和らぎぬ
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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スリットを割ってチラリと真っ白な花色見せる辛夷の蕾
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親からの愛を知らずに育つ子は一生愛に不自由するんだ
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整頓の手を止め 近場にて花見 よどみぬ心をほぐす桜
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花曇りの散歩は夫婦ふたりのんびりと色とりどりの野花愛でつつ
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私にも家庭と離れる日が来るの朝霧夕霧たつ北の街
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人混みで 圧死の恐怖を 思いけり 改札口の 人波の中
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