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室内へ日暮れのように灯をともしぼたん雪ふるバッサバッサと
26
夜深くなゐに飛び開け非常口誰も出ぬとは思っていても
26
地震
(
なえ
)
ののち寝返り続く幾度目か
考妣
(
こうひ
)
ならびて静かに座せり
26
枯れ葉散り
露
(
あら
)
わになりぬ 枝の
間
(
はざま
)
に
主
(
あるじ
)
無き
烏
(
からす
)
の棲家
26
夫から「買うもの忘れた」LINEあり 吾も忘れて苦笑いなり
26
咲き残るキバナコスモス愛らしき 彩り褪せゆく遊歩道にて
26
うまいこと
三十一文字
(
みそひともじ
)
を並べれば短歌のようなものはできます
26
南天の実が欲しくなる 冬の夜 魔除けなるべし 魔除けなるべし
26
イチローの名言出して励ました部下はあっさり辞めてしまった
26
街中
(
まちじゅう
)
が
唸
(
うな
)
りを上げる沈みかけお月さんだって飛ばされそうだよ
26
散りし跡 細き葉伸びて 春を待つ 舞台降りし彼岸花の冬
26
やさしいと優しくないの僕がいて、やさしいだけの僕でありたい
26
フィクションとノンフィクションの境目を探らないでね醒めちゃうでしょう
26
「各停」を待ち 通過をす「急行」を見送りぬ 木枯し吹くホーム
26
一日は初詣だぜと友が言うそのおみくじはきっと大吉
26
お日さまを寿ぐような鳥たちの
合唱
(
うた
)
朗らかに冬晴れの杜
26
お正月帰れぬ吾子へせめてもと お菜並べて 居酒屋『おかん』 /家族で忘年会
26
いつの間に「お母さん」とはわたくしのこととなったの覚悟もせずに
26
突然の手術の姉を見舞う午後思いがけない笑顔に出会う
26
降る雪の白き光は集まりて紺碧の空に結晶の色
26
つり革に 初めて届き 喜びて 記念日だねと 言ふ吾子愛し
25
娘から『父に彼女が出来たみたい』それは別れる以前からのこと
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夕焼けに染まる故郷の空見上げふと口ずさむ「バラ色の日々」
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塩かしらスープカレーに足りぬのはも少し美味しくなれるはずなの
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日が暮れる冬至に向けて下降する もうすぐ足が底に着く頃
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東北の 地震を受けて 会議する 防災マニュアル 見直し残業
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母娘とも合同供養墓入るのに二人の遺影を描いて遺した
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寒つのる手袋マフラーニット帽 枯れ草かしぐ北風の朝
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雪の朝もう騒いでる猫さんも外に出せとは言わない今朝は
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西の空 ぽっかり残る 残月や 風が強いね 雲が早いよ
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