昨晩のぶんまで見よという月か今宵十六夜煌々として
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病故やまいゆえ1人が苦手雨音を 聞き帰り待つ息子きみは休日
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蒲公英たんぽぽの群れの目線で桜見て何とか撮りたいこのツーショット
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利かん気で危機一発の子を抱き締めて母はせめずにカモミールティ / イースター、ピーターラビット
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ストーブを点けて観ている Tシャツの誰かの春と同じ国とは
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白鳥に地図などなくて 僕にある真っ白すぎる進路希望書
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夜半よわの雨 打たれ散りゆき花いかだ 枝にすがりつ 名残なごりの桜
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春のゆく花は散り際見定めつ繋ぐ手解く「さよなら」もなく
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楽しみを選んだはずがリュックには「不安」が勝手にパッキングされ
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ブロッコリーに おかかを混ぜて つゆをかけ 春の味する 朝の食卓
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たましいも飛び出しそうな大くしゃみ そろそろ春もいくというのに
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今月に入って「すき」と告白を数えきれぬはエイプリルフール
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桜蕾おうらいに降り注ぎぬ 恵みの雨 潤ひて 満開まで待ちぬ
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通勤路を潤す 菜種梅雨の朝 雨靴と傘とをお伴にし
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風を切り よぎりぬ車 降り積もる花弁はなびらを巻き上げ 花飛沫
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深谷ねぎ使って作るねぎ味噌は高級料理にも負けぬ味
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羊羹とチーズぺろりとたいらげる脂質糖質まみれのカラダ
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譲り合ふ人同士 初対面なれど 会話生まるる 車両の座席
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母さんが勝手に空に逃げぬようベッドに柵と番猫を置く
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新年度 あいさつ回り 時追われ 雨天の土曜 車中で一息
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投稿をやめた友から「人生の幕間まくあいだよ」と絵葉書が来た
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舞ふ桜 躑躅つつじつぼみ 顔を出し 初夏の如 風温し清明せいめい/二十四節気
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真夜中に イタズラ叱った 次の朝 より念入りに ねこを撫でよう
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人生で最後の春休みが終わり春の重みを背負うリュックだ、
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石段を先ゆく君の背に春の終わりを告ぐる蒼き雷鳴
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離れても 逢えると願ひ 萌ゆ二人 ありて流るる 恋の川かな
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桃林は花盛りなり喜寿の春楽し日もあり夢持ち生きる
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丁寧に淹れた緑茶の一服にほっと包まれ一日ひとひを終える
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息を止め箸で土筆を裏返す採取するのは緑の胞子
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数駅を寝落ち過ぎたり花の酔い 戻り列車に慌て駆け込み
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