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根元から切られてこぶの酔芙蓉 夢を紬ぎて如月を生く
29
残業の 超過警告 メール来る 仕事終わらぬ 理不尽な闇
29
クッションに頭乗せ 毛布を被り 飼い主の寝姿のよな犬
29
感覚で投じる票の危うさよ思考を捨てる流浪の文化
28
おおきにと言われた市バス ご夫婦が隣り合うよう席を替わって
28
風運ぶ花粉をまとう干し物を必死で払う軟弱な腕
28
春が三日、半減の雪に花壇のフェンス本日登場
28
南風
(
はえ
)
により暖められし如月の 今宵の月の傍には昴
28
楽あれば苦あり苦あれば楽ありと鼻で笑って溜め息をつく
28
春旱 草も生え無き我が畑 砂を巻き上げ春一番吹く
28
バーボンの花の香りや春一番 「微笑がえし」鼻歌にして
28
福もちを食んで 粗茶などすすりたる お正月の名残 これでお終い
28
雨の降る 少し前には 土の香が 森の香りも 運ぶ春の日
28
情景の言の葉の声 聞けたらば
筆
(
ペン
)
を走らせ
推敲重
(
すいこうかさ
)
ぬ
28
こわさないように避けて歩いてく 春の夕焼け宿す水たまり
28
子の熱に眠り削りて添う母に 豆電球の明かりやわらに
28
仕事終え電車乗り継ぎ夫の元 明るい笑顔に疲れも飛びぬ /明日退院
28
明日こそ太陽のような「おはよう」を言いたい寝癖が似合うあの子に
28
気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
28
白鷺が 春の朝陽を 浴びながら 川を渡りて 水面は光る
28
南風
(
はえ
)
吹きて予報は伝ふ五月並み ベランダに出て確かめてみる
27
暁の豪雨は街を洗浄し 朝の
南風
(
はえ
)
は滴を払ひぬ
27
店内に 流るる
旋律
(
メロディ
)
欹
(
そばだ
)
てり 奏でをるオルゴール『春よ、来い』
27
鉛筆画 モノクロームに 色彩を
描
(
か
)
き想像さする 事の豊かさ
27
反り返る 足の親指割れ爪の 苦節に耐へて吾を支えをり
27
あさおきて ねこはねむれり すやすやと
あくしゅ
(
握手
)
もとめるやうな おててで
27
半分はどこへやったの?上弦の 月に問ふてる夜風はうらら
27
会うたびにハグせし孫も近頃は吾の背を抜きてはにかみをみせ
27
恵みの雨 ねこはねていて よいけれど
夫
(
キミ
)
が眠いは 困ったものだ(薬で)
27
雪洞
(
ぼんぼり
)
に
睦
(
むつ
)
みて座る 人形の 頬の白さの 妖しき花冷え
27
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