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将来を夢に描いて捨てて来た過去はきっちり抱えています
27
あと
一日
(
ひとひ
)
辛抱せよと 如月の寒波を越ゆる
毛糸
(
ニット
)
と共に
27
咲き初めし梅に白雪降り積もり溶けて色艶失せし
姥梅
(
うばうめ
)
34
座席にて 持ち主の無き マフラーは 何処で迷子に 揺らるる車両/降車後に駅員さんへ届けました
26
ぼんやりと過ごす時間は自分へのご褒美なんだ頑張ったもの
26
種を持たぬ白き
侘助
(
わびすけ
)
つぎつぎと寒き狭庭に首を垂れつつ
26
ひさびさの ひにゃたぼっこと 毛づくろい いついつまでも みつめていたい
26
海の街 淡き
海月
(
くらげ
)
の 幻か ビニール傘が 連なりて行く
26
「お先に」とまばたきを一つ交わすとき雪の狭路は白くふくらむ
26
生きるのに絶望しても血税で死後の処理とは何か苦しい
26
眠れぬ夜に抱きしめられて聞くサイレン知らぬ誰かの
運命
(
さだめ
)
を祈る
26
うつむきて 震えるつぼみ陽を浴びて 薄紫のカタクリの花
26
マフラーもニットの帽子もうとましく 電車の中で額に汗を
26
恋
(
こ
)
ふと
云
(
い
)
ふ
二文字
(
ふたもじ
)
の中に
綺羅星
(
きらぼし
)
と 風と泉と
夜櫻
(
よざくら
)
が
棲
(
す
)
む
26
如月は衣を重ねることという一枚一枚ぬいで待つ春
26
降車ドア
開
(
ひら
)
かば 眠気覚むるほど 冷へ込みぬ宵風 目的駅
26
蟻さんを見つけた朝が春初日 彼らは知ってる大地の
暦
(
こよみ
)
26
同僚ともう春だねと退勤のみちみち話す空はももいろ
26
肉まんを 耳当てがわり 笑わせる お茶目な部下は 還暦間近
26
コロッケを 出汁に浸して 蕎麦啜る ため息一つ 日付変わる夜
26
ビターな夜を猫で薄めてはちみつより温い耳から眠りがおちる
25
ゴッホ展に娘も誘い予約する たのしみを待つことの幸せ
25
施設での
義姉
(
あね
)
の暮らしも一年にスマホの画像に「私じゃない」と
25
挨拶に「父」と呼ばれてこそばゆし モノクロの子のあどけなき日々
25
ちょっとした昼寝の間長大な夢を見ていたような気がする
25
選手らの背を追うドローンは戦場で 兵士を襲う恐怖ともなり
25
ねこたちを ふたり同時に
抱
(
いだ
)
くこと 稀な幸せ いついつまでも
25
「雨水」だと気付いただけでホッとした雨が降るから春が来るから/明日雨水
25
始めれば素早いのだが動かない動きたくないスイッチは
何処
(
どこ
)
25
背伸びして したこともない 失恋を 感情込めて 歌ってみた日
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