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平日を 泳ぎきるため 休日に 息継ぎだけして また人の波へ
28
巻き添へを食らふも 悪気の無き人を許し 運の無き事と笑ふ
28
ジーパンの君しか知らぬ友達の震える喪服 薄い三日月
28
「ただいま」の声を待つ間の静けさに鶏肉沁みて愛しき夕餉
28
親のため親が死ぬまで共にいる良い息子だが白けた私
28
傷あればこそ愛でらるるこの身体賢くなきを許して歩む
28
顔中にご飯くっつけ笑ってる幼よ
戦
(
いくさ
)
知らずに育て
28
鳥の声途絶えし朝の吹雪なりわが家の芯をスープで熱
(
ほ
)
てらす
28
我が赤のセーターと色が一緒と 赤のブーツを履ひて来し友
28
せっせっと低い踏み台作ったよ 落ちた筋力取り戻すのだ!/無理はしない
28
凍る月眺めファンタを飲む部屋は二十五度設定。夏の展開
28
当前と 思われながら 働く身 雪に埋もれる 都会の線路
/
大寒波
28
しくじりも「わたくし」なのだと頷けば鳥舞う空に冬の陽の満つ
28
数年もストッキングに縁遠くかかとのケアも怠っている
27
冬ざれの 狭庭に出る蕗の芽の 萌ゆる緑に春を見つけたり
27
雪降るか降らぬかの朝時を
喰
(
く
)
うやかんに手かざし
温
(
ぬく
)
めつつ待つ
27
例えれば雪に倒れて死のうとも見つけてくれたらそれでいいから
27
曇天をかき分けてゆく白鷺の 羽毛の如き初雪ひらり
27
雪来ぬが極まる水の冷たさに指のあかぎれピリリとしみる
27
足るを知る 削ぎ落とすのも 心地よき でも無駄という 余白も
愛
(
いと
)
し
27
頬を刺す 風感じつつ お迎えに 陽が長くなり 夕焼けを見る
27
歯ぎしりという我が内なる氷河期よ零時に降り積む白き沈黙
27
醜きも愛しきわが身と抱きしめて午前二時の闇に火を灯す
27
飛び方を忘れ 枯れ枝に
一枚
(
ひとひら
)
厳寒に耐へをる 赤紅葉
27
平行線交わらぬまま居心地の良き安寧の日を静かに重ね
27
焼き魚ここまで綺麗に食べるとは匠の技だ 弟子入りしたい
27
降り積もる雪よ僕らの未熟さも埋めてしまえと願う銀河系
27
息子から「面白いよ」と差し出さる本で温もる家族の時間
27
冬ざれの 羽が膨らむ寒雀 梅の枝先春を待てをり
27
整えた眉で世界と対峙する 嫉妬だろうか、街が静かだ
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