なあ冬よ、せっかく秋が来てくれた。 暫し待ってはくれぬだらうか。
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水道管工事の埋め跡の続く パッチワークの如 アスファルト
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晩秋のハンドル冷たしひんがしの朝陽差し込み解かしていくごと
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親も子も 毒も薬も 喰らいつつ お腹くだして うたかた処方
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鉛筆で 書く音なぜか 懐かしく 午後の窓辺に 西陽差し込む
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幸せを受け取りました。わたしから誘えなかった映画きみから
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雑草と門と銅像だけが立つ透明校舎風も透かして/廃校
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ありふれた街の匂いは変わらねど 風邪鼻は聞く異界の香りを
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赤と黄の 紅葉こうよう見つめ 秋の日は 自然が作る 景色を堪能
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ご近所の 紅葉眺めつ 帰り道 立ち止まっては 花の名教え
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コンビニでバニラモナカを食べたんだ 痰の切れない喉にスーッと
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家じまい使うことなき物多し戦後の義姉あねにミニマリストは
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窓開けて入る空気は冷たくて雪の匂いがする雨の夜
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眉の位置ちょっと違えば別の人福笑い術使って直す
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ベランダに 五つ連なる紅き実の 寒風の中干し柿を干す 
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数多ある歌を読み 自作を投稿 楽しきことの詰まるUtakata
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人ひとり動かすことはらくで無く寝返り排泄入浴しかり/ニュースからふと思い出して
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青空と 公孫樹いちょうの黄色見るにつけ 戦禍の国が思い起こされ
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今少し 眺めたきかな 遠き日の 夕雲に似て 山のに沈む
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昨晩は咳で目覚めることもなく どうやら抜けたか風邪のトンネル
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改札の外は 突然の秋雨 お守りとなる 折畳み傘
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履歴にはわずかに話した跡がある削除した事後悔している
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手術後の犬の呼吸を感じつつじっと添い寝をしている夜長
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また今日も 忙しないねと 道すがら ブーゲンビリアの花が微笑む
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冬になり バッタも茶色に 色を替え 自然の中で 生きる強さよ
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反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
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見出しにはホンダ日産統合の古新聞で包む猫砂
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短日みじかびの貴重二時間不覚にも昼寝で過ごし秋の夕暮れ
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銀杏の葉君の想いが乗せられて便箋となり吾の元へ着く
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大根をおろさぬだけでもらくだなとさばを煮ながらそんなことなど
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