とりあえず ゴハンはたべて うまうまと おかおあらってる チビ猫だいじょぶ?
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こんなことするのはあんただけですと母の叱責ふと思い出し
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生きることに専念すると決めました39度のあの日のあの時
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今はただ 風が吹くのを 待っている 犬と私と 錆びた風鈴
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悩む妻 髪をかきあげ 腕を組む 後ろで僕は 途方に暮れる
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終電の各駅停車ドアきて世界が音をなくせし夜半やはん
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心病み職を離れてはや幾日いくか過去を悔いてもそれは返らず
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見下ろした川のマイナスイオン浴び 遠くで犬と遊ぶひと眺む
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ふるさとを 旅立つ車内で 後ろ髪 強く引かれて 黄昏れ俯く
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帰省する息子一家と過ごす夏 笑顔の思い出作ってみせる
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捨てようと するとなんだか なつかしく 思い出ひたり またも捨てれず
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田園の夜を溶かして週末の旅は虹色 サマーバケーション
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幸せは小さいものと分かる朝 手足も動く今日も生きてる
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日の当たる出窓に並べたぬいぐるみ私の愚痴をおとなしく聞く/題『出』
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コンバイン右往左往と疾駆してみるみる刈られる豊穣の麦
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盆帰りふるさと今の街に在り帰る場所なきそれも寂しや
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人はなぜ毎日食べてねむるのか こんな問答孫としてみん
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「夜、うなぎ?」 かぶらぬように 訊く夫 大丈夫だよ 社食で食べて
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「コーヒー飲む?」「いらない」の その言い方が 親しき仲にも礼儀ありとぞ
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強い雨どこにも行けぬ痛む傷そばにいるのに遠くなる音
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風ありて壊れてしまうシャボン玉 一つくらいは雲まで届け
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あまえたい ひさびさフミフミ ちま猫ちゃん ふみふみふみふみ ふみふみゴロゴロ(3分経過)
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炎天下 外の仕事は 過酷なり したたる汗も 悲涙ひるいより…まし
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磯鵯ひよどりも磯恋しかろ街の夏美し声もしばらく聞かぬ
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再会を果たせた事に感謝して 心の中の貴方を消した
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キャンプファイヤーわがままがいて湿る火の浜辺の遠く漁火灯る
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最低な自分と分かっているけれど 息子抱きしめ泣きはらしたい
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自由にといわれると逆に不自由で白紙のままの自由研究/題『自由詠』
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麦の穂を 自由自在に 遊ばせて 光をうつす 風のマエストロ
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京都御所 清涼殿を眺め ふと一条帝が現れそうな /光る君へ
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