雨間あまあゐの車道をば 通過す車 散りぬ桜花おうかを 振り払はぬまま
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風を切り よぎりぬ車 降り積もる花弁はなびらを巻き上げ 花飛沫
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深谷ねぎ使って作るねぎ味噌は高級料理にも負けぬ味
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譲り合ふ人同士 初対面なれど 会話生まるる 車両の座席
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欲しいもの挙げ連ねたら切りがなし 人の欲とはおそろしきかな
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病故やまいゆえ1人が苦手雨音を 聞き帰り待つ息子きみは休日
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新年度 あいさつ回り 時追われ 雨天の土曜 車中で一息
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乗馬テクさながら 犬にまたがりて 部屋中を駆け回りぬ赤児/動画
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投稿をやめた友から「人生の幕間まくあいだよ」と絵葉書が来た
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休日の 昼寝効果を 実感す 足取り軽く 散歩に出掛け
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闇の中 白き鳥 幾重いくえの枝に居て 我を見下ろす 木蓮の花
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ストーブを点けて観ている Tシャツの誰かの春と同じ国とは
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白鳥に地図などなくて 僕にある真っ白すぎる進路希望書
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春のゆく花は散り際見定めつ繋ぐ手解く「さよなら」もなく
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楽しみを選んだはずがリュックには「不安」が勝手にパッキングされ
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美味すぎた鶏白湯麺のレシートを再来店の切符として抱く
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チョトコイと 忙しなく鳴くコジュケイに 春の眠りを奪わるる朝 
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物音に動じず 熟睡す愛猫 よほど疲れてゐたのだらうか
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青色の満ちゆく花の波に浮く家を守れる芝桜なり
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詠めぬ夜に1本きりの水性の青き字で書く春よ褪せるな
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出来上がり二、三日後が美味くなるきな粉ねじりは待てば歯ごたえ
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春だから訪問看護師入れ替わり前任者の今ずっと気になる
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早緑の山椒の若葉艶やかに葉陰にひそとさき花咲く
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週末は 花散らし雨 降ると言う 我見ぬうちに散ること無かれ
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姑の植え残したる椿の木赤と緑が春の陽はじく
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すぐそばに桜の名所ありながら毎年スルーものぐさゆえに
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羊羹とチーズぺろりとたいらげる脂質糖質まみれのカラダ
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おべっどから おみみがよっつ はえている 外は雨風 春の嵐よ
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母さんが勝手に空に逃げぬようベッドに柵と番猫を置く
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風が吹く桃も桜も吹き飛ばし春のただ中切りさくように
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