夕陽差し軒のつららは光得て垂れた雫の下には土筆
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遥かなる故郷産の冬苺口に入れたし財布に痛し
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雪国に 生まれし民はあはれなり 年老ゆてなほ雪に抗ふ 
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顔面をおそう濁流とまらない鼻水なみだ花粉デビューか?
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本当は逢いたい事も蓋をして駆けて行けたら泣いてしまうよ
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光るだけ光って消える稲妻よ わたしの心もそうでありたい
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水練で鍛えたつもりのうぬぼれも この低山で不覚の大汗
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後悔はしないと思うそう言った自信無さ気な生命いのちの軽薄
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福寿草 陽光ささぬ厳冬に 頑なまでに蕾を閉じて 
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旅の宿 朝寝を愉しむつもりでも 結局いつもの時刻に目覚め
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昼時報ゆきやこんこん曇り空わだかまこえ雪原に滲み
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爪切りが苦手な愛猫あいびょう 頑張ったね ごめんねと 優しく抱擁す
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エレベーター降りる人が先なこと知らないままに大人になる人
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見えぬ息 動かず寝入る 老犬の 腹の動きを 幾度も見つめ
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けさはねえ おひるがはやめに ほちかった ねこたちふたりで おかあちゃんおこす起こす
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どこまでも ついてゆくのよ ちま猫ちゃん おかあちゃんのあとをトテトテ
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コーヒーの湯気のゆらめく壁見ればムシカ聞いてる一輪の花 \ 音楽喫茶ムシカにて
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温かい布団の中が療養所 眠れば荒れた心鎮まる
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おかあちゃん おきるとうれしい ねこたちは のんびり日向 被毛きらきら
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「きれいだね」言ったら「うれしい」と返されて セクハラならずにほっとする俺
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きらきらの 飴玉ドロップのような 言葉だけ からころ鳴らして 生きていけたら
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受け取りしひかることばを蓄へつつ軽やかにその海泳ぎたし
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予報では寒波狭間の温かさソメイヨシノもわずかに膨む
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短歌とは事実ではなく真実(こころ)だと聞いて納得なるほどですね
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春を待ち 葉も花もない 裸木はだかぎの 美しき枝振りに見惚みとれて
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ゆうれいが みえる・みえない せつもある ねこにまつわる みすてりーかな
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ママはどこ 生後間もない 仔猫たち 保護猫活動 必死な救助
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水仙がはやしおれたる安房の国 あざといほどの菜の花盛り
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かぎろひを背負いて眺む白浪の轟々たるや館山の浜
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駅前の自転車置き場でやっていたドミノ倒しは風の悪戯
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