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雲間から差し込む斜光照らし出す冴え冴え白く光る山頂
26
師走来て 路面凍結冬タイヤ 交換するも老いの身重し
26
アラームを止める指先
悴
(
かじか
)
みて 毛布に引き込みぬ 寒波の朝
26
動かざる思ひ知りたる雨の歌ひとり受けたし
歩
(
あゆみ
)
静かに
26
大掃除 拭いたばかりのガラス窓 指差し呼称妻からダメだし
26
救急の惨事を告げばデイケアの瞳の奥に涙の光り
26
窓を出てぐるり回って勝手口開けてくれろと猫のルーティン/朝
26
かあさんはもう多分餅食えないとお供え餅を1個だけ買う/嚥下障害
26
ダイソーで可愛いピアス買い漁る美女と呼ばれた意地があるから /還暦
26
多忙なる
一日
(
ひとひ
)
の終わり 静寂が クールダウンを 吾に施す
26
明日への扉を閉じて今はただ心に灯すおやすみなさい
26
このゴミが入れば明日は辛くない一回壁に当たって入る/ゴミ箱
26
雨間
(
あまあい
)
に 青空見ゆる 露天風呂
温風
(
ぬるかぜ
)
の師走 春の如し
26
白い湯気しゅーしゅーさせて蒸してから
蒸篭
(
せいろ
)
を開ける瞬間が好き
26
縄文の人も食いけむ栃餅や土器のまわりに笑みのあふれり
26
枯れ葉さえ 舞わぬ一日 小雨降る 寒気沁み入り 柚子湯を想う
26
ふたつめの持病完治を目指す
手術
(
オペ
)
二月と決まり安堵と不安と /夫
26
クリスマス 予報は
生憎
(
あいにく
)
の雨天 翌夜は居間で 聖夜を祝ふ
26
笑い合う「
夫・息子
(
親子
)
」の会話子守唄 ほっこりしつつ眠りに落ちる
26
山の端にまだ色残る冬茜薄雲かかり霞む三日月
26
自転車でコンビニ着いて気がついたクリスマスってすぐそこなんだ
26
ありがとうの意味を込めて 我が傍に 言葉代わりに 寄り添ひぬ猫
26
会長の上に名誉が付くなんて殿堂入りということですか
25
吾
(
あ
)
の腹のうだる痛みに凛と立つ妻は修羅場の花の神なり
25
目をこすりもじゃもじゃ髪のおばさんはググれば名医 明けの明星 / ミスで再掲
25
通院にペダル踏んでも月一回ひと駅歩けば十キロ以上
25
生憎
(
あいにく
)
の
雨催
(
あまもよ
)
ひ 予定揺るがす 今宵は
夫
(
つま
)
と イルミネーション
25
「寒いね」とかじかむ指をすり合わせお鍋の煮える音を待つ夜
25
雨催ひ靄もかかった冬の朝 奇妙に温ひ師走の日曜
25
代わり映えない毎日を送りつつポリポリかじる甘辛らっきょう
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