はんなりとボーナスの出た冬の夜 馴染みの呑み屋で塩と樽酒
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白米は水道水の味がする私は今日も玄米を食む
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犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
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落葉らくようのごとく言の葉降ってこい 短歌うたの種なき 硬き頭に
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駅前の イルミネーション 見とれつつ 子らの笑顔に 平和を感じ
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手を伸ばし肩甲骨の間にとペタリと御札おふだの初カイロかな
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「各停」を待ち 通過をす「急行」を見送りぬ 木枯し吹くホーム
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一日は初詣だぜと友が言うそのおみくじはきっと大吉
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本棚の隅に追われた英和辞書 学生時代の手垢残りて(年末掃除)
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望むこと一つも叶わぬ人生を幸せだった事にしないで
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年の瀬に 老いたる二人の大掃除 赤き指先息吹きかける 
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音の無き氷雨ひさめ夜半よわ窓外そうがいや 星の無き空 雨滴うてき落つ竿
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本心を飲み込まず 吐息の如く 密かに 三十一みそひとしたたむる
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ピークなる疲労の夜に浮かぶ星やさしいオリオン私を照らす
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うっかりと同じ文庫をまた買って微糖のコーヒーなんだか苦い
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父母を父母と呼ぶこと出来るそれって当たり前じゃないよね
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吾子見送おくる寂しさ笑顔に隠しつつ テールランプに手を振る寒夜 /また来年
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年六度 季節の行事を飾る棚 心ほんわり温き場所なり
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金色に 棚引く雲の 切れ間から 冬の夕陽が 光り輝く
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軽々と大き除雪車あやつりて百人力の隣の亭主
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池のはた 葉も艶やかに石蕗の凛と咲く黄に元気もらいぬ
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塩かしらスープカレーに足りぬのはも少し美味しくなれるはずなの
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日が暮れる冬至に向けて下降する もうすぐ足が底に着く頃
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母娘とも合同供養墓入るのに二人の遺影を描いて遺した
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寒つのる手袋マフラーニット帽 枯れ草かしぐ北風の朝
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雪の朝もう騒いでる猫さんも外に出せとは言わない今朝は
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イチローの名言出して励ました部下はあっさり辞めてしまった
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街中まちじゅううなりを上げる沈みかけお月さんだって飛ばされそうだよ
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クローバーを 押し花にして 祈り込め こんなに可愛い ハートの形
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散りし跡 細き葉伸びて 春を待つ 舞台降りし彼岸花の冬
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