雲ちぎり洗濯物をさらわんと悪童わらしは歌う 名は寒太郎
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厳寒の 布団の中の温もりに 吐く息白く抜け出せぬ朝 
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隣家より もぎたてをお裾分けされ 年々甘く成りゆくみかん
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英語など勉強し出した小学生母は知らずに秀才だと言う
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布団という安全地帯に包まれて 外の嵐も遠い響きに
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久々の棒針編みに苦戦する弟子わたし師匠ははは笑ってるかな
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明日から日の出一分早くなるただそれだけの明るい話題
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今までの悔い一つずつ拾いゆく暗がりの先に輝きを置け
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勤務中 プリン 脳裏に浮かびけり 帰途にコンビニ寄り お土産に
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お金では私の傷は治らないこのトラウマも脳障害も
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「愛(かな)し」とは「悲し」に似ててわが胸に一匹の鬼棲ませてやまず
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青空に溶けて蝋梅咲き薫る寒の緩みも今日までらしい
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だ寝静まりぬ黎明れいめい 阪神を襲ふ震災 忘るるなかれ/一・一七
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幾たびも神戸に行きしボランティアやはり要るなと携帯電話けいたいを買う/亡夫
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新しきカレンダーにも慣れてきて若気の至りでなくなる今年
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ドーナッツ二口かじり「こ」も食べる。ぼっちな時間楽します技
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さへづりぬメジロ 窓辺に座りをり そばだてる猫 冬のラプソディー
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帰り際 手を振るお子の良い笑顔 またねと言えぬが辛いところ /クリニック受付
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早朝のコメダで憩う人々は 目覚めた顔とこれから寝る顔
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「お母さん、ごいりょくってなんの威力?」持ってる全ての語彙でうんちく
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縫いぐるみのお猿を乗せてカート押すばあ様お茶目な幼女になりて
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誕生日ケーキは要らぬと キミの言ふ 明日で同い年 また同い年
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「またスマホおかしいんだよ」の爺ちゃんに「おかしいのはね」ねの後が出ず
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冴ゆる空 睦月の あか山茶花さざんかの蜜を求め つひばみぬメジロ
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報われぬ思いを抱え帰る日は鯛焼き買っていちごも買って
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むすめとの 夜のデートは 本山で 旦那の愚痴を 肴に飲んで
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耐えゆけば枯れ野の果ての陽だまりに食欲めばえおでんの香り
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最強のホワイトアウトの起きるさま何処まで飛ぶかわずかな新雪
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ライバルにふかく一礼 将棋にて優勝決めた小三の子は
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母さんが忘れることはイヤなこと忘れたいから忘れると言う
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