かあさんはもう多分餅食えないとお供え餅を1個だけ買う/嚥下障害
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多忙なる 一日ひとひの終わり 静寂が クールダウンを 吾に施す
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明日への扉を閉じて今はただ心に灯すおやすみなさい
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このゴミが入れば明日は辛くない一回壁に当たって入る/ゴミ箱
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雨間あまあいに 青空見ゆる 露天風呂 温風ぬるかぜの師走 春の如し
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白い湯気しゅーしゅーさせて蒸してから蒸篭せいろを開ける瞬間が好き
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縄文の人も食いけむ栃餅や土器のまわりに笑みのあふれり
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枯れ葉さえ 舞わぬ一日 小雨降る 寒気沁み入り 柚子湯を想う
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ふたつめの持病完治を目指す手術オペ 二月と決まり安堵と不安と /夫
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笑い合う「夫・息子親子」の会話子守唄 ほっこりしつつ眠りに落ちる
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能登の地で育ちし米を縁者より購いて食む 味わい深し
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自転車でコンビニ着いて気がついたクリスマスってすぐそこなんだ
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なんちゃってケーキだけれど 「母さんのケーキ」と呼ばれ今も昔も
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の腹のうだる痛みに凛と立つ妻は修羅場の花の神なり
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目をこすりもじゃもじゃ髪のおばさんはググれば名医 明けの明星 / ミスで再掲
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通院にペダル踏んでも月一回ひと駅歩けば十キロ以上
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生憎あいにく雨催あまもよひ 予定揺るがす 今宵はつまと イルミネーション
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「寒いね」とかじかむ指をすり合わせお鍋の煮える音を待つ夜
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目覚めれば 師走の空に茜雲 今朝の気温はマイナス3℃ 
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雨催ひ靄もかかった冬の朝 奇妙に温ひ師走の日曜
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代わり映えない毎日を送りつつカリポリかじるピリ辛らっきょう
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耳たぶに伝言ひとつ残すためストーブの前動けずにいる
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野球子の夢を育む母たちは落ち葉を寄せて想いを焚きぬ
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バス通り 車窓を濡らす 俄か雨 駆け込みぬ 傘持たぬ学生
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鰤照り焼き かぼちゃはいとこ煮 炊き立ての 白ご飯にて 冬至過ぎゆく
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おむすびを頬張る顔はわんぱくで母さんの手は魔法の小籠
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冬至の湯 柚子を浮かべて邪気払い 無事に新年迎えらるよう
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熱々の潰したカボチャに片栗粉絶妙にあいソウルフードは
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うまいでも不味いでもなく母さんは顔顰め食む冬至の南瓜/認知症
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苛立ちを三日こらえて立ち止まれ先人の言う知恵に鎮める
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