春菊を湯掻く香りにふと浮かぶ 母と立ちたる実家いえのお勝手
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親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
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亡き母の語った話とあの頃の懐かしさ共に今日の一日/東京大空襲の日に
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もう苦しくないよね おいしくない療法食ゴハン たべなくていい せめてもの救い
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今年からついに発症せし吾子へ あれこれ伝授すベテランの知恵 /花粉症
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微かなる花粉も過敏に感知して荒れる私をなだめる音楽
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雪を割り芽吹く命のあるごとく老いた父追い日々を越えゆかむ
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両膝のピキン!カクカクする痛み押して歩いた一万歩なり/痩せる努力
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街並みは 装い変えて暮らせども 消えぬ恐怖とあの日の空が
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交差点にも春たづぬ 切り株のわき 紫の咲く ホトケノザ
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朝からの風雪止まぬ春嵐ひとたび春を感じたばかりに
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目を閉じる願いはひとつお互いが 幸せな日々送れますよう
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冴ゑ返るベランダの朝 残月を探しつ聴こゆ さゑづりの歌
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この先の天気予報に雪は無しこれが最後か降る雪眺む
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今頃は 火葬の時間 空仰ぎ 故人思へば 風花の舞ふ /3月8日朝に身内が逝去
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ミステリーを読みふけるきみ 黒薔薇の一輪挿しのように静かに
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降る雪の積もる間もなき夢しずく名残りの雨と泡沫に消え
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アスファルトの窪みに春を溜めておく 星の数だけ路面、光るよ
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ワンランク、ダウンダウンの化粧水老けも速まる物価高にて
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眼前に絶望の大海うみ広がりぬ 苦しい夜は明けると知らずに
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花粉はるの日々 籠り居らずに歩けよと 空の青さが奮い立たせる
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震災後二年経つ日の「浄土ヶ浜」何事も無かったように波寄せ返す (記憶)
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山手線回ってるから大丈夫。外と内との違いは知らない
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片隅に畑の雪は消え残りもう白鳥はいない高空たかぞら
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歩道沿ひ並びし 蒲公英タンポポの黄花 散歩の犬目線の春かな
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さくさくの桜ゴーフル春の香の 選びし夫の気持ち嬉しく /ホワイトデー
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運河から波打ち際をゆく汽車の窓辺で僕は演歌の男
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水槽のメダカ向かって子が歌う「森のくまさん」何故そのチョイス
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生ぬるい部屋にひとりの夜をいて 未来をいまも研いでいるんだ
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虹の橋渡り切ったかタヌ猫ちゃん幻でよいたまに姿を
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