時計ときを見て  まだかまだかと  待つホーム  春のきざみは  花びら舞いゆく
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帰り来し空ににっこり月細く 写真の母の笑みと重ねて
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携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
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春陽しゅんよういだかれ つぼみゆるまりて 枝紅らむる 神社の桜
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プランター 小松菜の芽が出揃って 農家気取りの二年目の春
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日々眺む開花の時を急かすよに ソメイヨシノは我関せずと
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妹から「居酒屋予約完了」と 早も心は十勝へ飛びぬ /明後日から
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売り込みを競う軍用産業は反戦歌聴く暇もないのか
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公園を彩る花もいいけれど 無造作に咲く野の花いと
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幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
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眠りから 気合いを入れて 起きる朝 アプリおみくじ 大吉嬉し
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窓帷カーテンひらかば しとどなる窓外そうがい 春暁しゅんぎょうを濡らし そぼ降る雨/しとど=びしょ濡れ
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山せまり川が流れてふるさとの駅はもうじき二時間の旅
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あの方は今はどうして居るのだろう連絡先も知らないくせに
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峠道七十kmは許せぬか吾を追い越す数多の車
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木蓮かコブシの花か迷いつつ自転車を漕ぐ鈴懸の道
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ぽんと出す持病の薬がひとつ立つおやっと思ういい日と思う
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うつぶせの我が背に乗り移り鎮座 猫のおしりは意外と重し
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我の手を離さぬ君の指ほどき切なきままにICU出る/回顧
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おぼろげな光をまとい 春の月 しんと更けゆく夜を照らしつ
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十勝へと向かう車窓に雪舞いて 春待ち詫びし昔日思う
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四半世紀この耳かきと共にあり 今日もほじほじ至福の時間
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死んだなら棺の中に入れてくれ パワーストーンとこの耳かきを
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夫と行く遠き蕎麦屋の帰り道 芽吹く野山をふたり見つめて
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土曜日の朝は身体をほどく日でナマケモノ的スピードでゆく
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知らぬ間に守られている日々だったトゲの刺さった軍手を仕舞う
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就活に追い詰められてもutakataで心安寧まんまるになる。
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真珠湾悔いて不戦を誓いたる日本の誇り風雨に揺らぐ
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ドリンクの添ゑつけの果肉搾りて 指先につ檸檬の香り
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全てくう 般若心経 その中に 心理哲学 通ずることらし
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