ふかふかの雪は五寸を越すほどかサラサラと落ちスコップに残らず
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肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
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頬を刺す 風感じつつ お迎えに 陽が長くなり 夕焼けを見る
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飛び方を忘れ 枯れ枝に一枚ひとひら 厳寒に耐へをる 赤紅葉
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焼き魚ここまで綺麗に食べるとは匠の技だ 弟子入りしたい
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「そのバッグまだ持ってたの?」ママ友よ一生出汁巻き失敗してろ
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息子から「面白いよ」と差し出さる本で温もる家族の時間
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「お先に」と誕生日過ぐを報せくる友よ間もなく吾も追いかける
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コミカルに 介護続ける 親友の 基本姿勢は 恐らく愛情
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寒太郎(北風小僧の) 山を泣かせて 逃げてゆき 静かな夜宙よぞら 上弦の月
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お題【悲惨】 完璧にマニキュア塗って乾くのを待つにトイレもよおした時
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寒の内 人もまばらな公園で 梅の香りを独り占めする
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ひだまりで 夢見心地の きみを見て 伸ばしたい手を ぐっと堪える
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暖かき診察室をはしごして出ずれば昏き街は大寒
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あと五分 まどろみ夢の冬の朝 二度寝邪魔するアラームの音 
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生きるため いっしょうけんめい たべている ねこたち見習い 豆乳とビスコ
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寒い朝石油ストーブ石油切れ石油ポンプの電池切れ嗚呼
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ゆずれない避けたい事と望む事今は何だろ票の行方に
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この苦悩いつか笑える日を待ちて すごろくのコマは 1回休み
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孤独とは卵の殻の薄さにて焼かれるを待つ 夜の火のなか
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単位より音数数える指先が留年のほうへ展開される
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ひたすらに乾燥に耐えるこの地よりひたすら雪に耐える地を思う
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車椅子通れるくらい平らにと降る雪を掃く降る雪を掃く/掃いても掃いても掃いても
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声荒げ朝を待つ間に研ぐ米の白きひかりに「ごめん」をそえて
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降る中を朝の散歩の柴犬は雪が似合うね目を輝かせ
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暖房の ない体育館 終日の イベント管理 芯まで冷えて
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魚屋にひと皿残る雲丹鮪 宵待ち光るの誕生日
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王将の守りの駒が逃げ道を塞いで負ける それも人生
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泣きたくて猫を抱けば、僕だけが不純物なり。窓外は銀河
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冬眠の熊の夢らし樹氷みな怪獣になり雪に戯る / 蔵王
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