赤や黄の 落ち葉を踏みて 冬になる そんな空気も 嫌いじゃなくて
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風浴びて 気持ちも冷えた 二十二時 みそラーメンに 心が溶ける
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雨後の駅 見ゆ細き月 改札へ向かふ人らの背を 見守りて
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十日後の漬け物あける緊張感 姉のキャベツは今年も美味い
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菜園の 大きく育ちし白菜を 両手に抱えて秋空眺む 
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塒から発つ白鳥を追う旅立ちぬ祖母送る日もみた景色かな/三回忌
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夫と行く散歩を兼ねたお買い物 小春日和に歩を緩めつつ
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熱々のだいこん仕込み布団には冬のカバーをかけ終える午後
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金色にきらめく 街路樹のイルミネーション並ぶ 駅ビルの宵
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新月の ぽっかり浮かぶ 西の空 夕焼け空に 明日を誓う
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あした何着ようかなって考える そんな楽しみ あってもいいよね
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ユーチューバー魔性のネットを生業にフェイク流して揺らぐこの星
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南天の実の愛らしき 朝さんぽ ひとつつまんで帰りたくなる
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連休も 仕事で過ぎる 晩秋に 差し入れ和菓子 唯一の癒しに
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一区切り 気分転換 喫茶室 仕事の二人は 黙って一口
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兄妹の愛しむ日々にザル菊の二千の株に温もりの秋 / 小田原の鈴木様の庭園
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沸騰を知らせるメロディー「愛の讃歌」古いくりやにピアフの調べ
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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曇天のたまに雨舞う一日は唯々ただただ明日の晴れを待ちおり
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青空を 描いたような うつわ買ひ ビタミンカラーの 野菜盛り付け
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指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
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冬は雪 春は花弁はなびら 夏花火 秋は紅葉こうよう 舞ひぬ彩り
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プラタナスの大き枯葉が散るベンチ 秋を惜しみつ日向ぼこする
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熊出ればフィットネスジム繁盛で散歩難民風と桶屋と
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彼岸花 萩、ほととぎす 秋深く いのち名残りを 惜しみつつ咲き
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足の怪我しらせてよこす友へ出す小さな荷物あれこれ詰めて
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今君は母の知らない場所へ発ち恋人の側で夢を見ている
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旅行前お土産何がいい?聞かれ其処らで買えるが月餅と言う
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社長たる父には勝てぬ誕生日別れた母の誘い断わる
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芽吹きては 咲きて散りゆく 花の生 我かたわらに 見届けており
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