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年の瀬に市場群がる
猛者
(
もさ
)
たちを成敗したいこの大根で
26
長き夜を彩りぬイルミネーション
悴
(
かじか
)
む両手 カイロ握りぬ
26
最近の家電はシュっとし過ぎてて電源入れる術が分からず
26
墓参り ご先祖様に 挨拶す 幸も不幸も 引き受けますと
26
起業した 元上司の メールには 苦悩と希望 散りばめられて
26
庭活し落ち葉舞わぬは楽なれど 少しの未練将来見据へど
26
悴
(
かじか
)
みぬ手を
擦
(
す
)
り合はす 帰路の宵
労
(
ねぎら
)
ふ如し 上弦の月
26
一年を漢字一字で表せば「凡」あるいは「疲」「痛」なるかな
26
この部屋の座椅子の窪みばあちゃんが生きてた証小さな重み
26
カーテンを洗えば一皮剥けたごと明るくなった年末の日よ
26
選り分ける
掌
(
てのひら
)
の上の黒大豆 酷暑の夏を二人語らう
25
枕もと イケメン彼氏 期待するが 今年もサンタは 現れなかった
25
春の如
小
(
ち
)
さき
淡桃
(
うすもも
)
色の花 咲きぬ寒桜の クリスマス
25
くたびれに拾ひ物あり届けなば探す人ゐて胸ほどけたり
25
冬らしき決まり言葉を重ね聞く メリクリあけおめ西高東低
25
クリスマス
息子
(
こ
)
は
単身赴任
(
たんしん
)
で戻らぬが吾にも与わるチキンとケーキ
25
クリスマス余韻に浸り 翌朝も 耳に残りぬ 聖夜の曲が
25
凛とした 空気の中を 通勤す 向かい風でも 日差し暖か
25
えっまじか「今から帰る」の伝言に慌てて温めなおすシチュー
25
うたた寝に よき夢見たなと おもふ我 忘れられずにいる はつ恋よ
25
母の居る 空へ届けと ブランコを 力の限り 漕ぐ
星 野原
(
ほしのはら
)
25
サイドミラー 朝焼と雲 感動し 年の瀬迫る 出勤の朝
25
日の暮れが遅くなったと車椅子運ばれ帰る母を待つ夕
25
五時間を耐えて辿れば 純白の実家(さと)に積もれる 古き思ひ出
25
花の無き 季節に枝に 灯をともす
梅花
(
ばいか
)
可愛
(
)
や 春浅く満つ
25
年の瀬に 子らが集まる新年の 食材求めあれやこれやと
25
突っ立ってオブジェように動かない 鷺よお前は何を見てゐる
25
床の間の無い我が家のテーブルでちょっと場違い迎春の花
25
暗闇に吾を連れ去れ地下鉄よ もう帰れないほどの遠くへ
24
落ち葉くべ 焚き火の中の焼き芋の 甘き香りに腹の虫が鳴く
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