会うたびにハグせし孫も近頃は吾の背を抜きてはにかみをみせ
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楽あれば苦あり苦あれば楽ありと鼻で笑って溜め息をつく
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春旱 草も生え無き我が畑 砂を巻き上げ春一番吹く
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バーボンの花の香りや春一番 「微笑がえし」鼻歌にして
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福もちを食んで 粗茶などすすりたる お正月の名残 これでお終い
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雨の降る 少し前には 土の香が 森の香りも 運ぶ春の日
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情景の言の葉の声 聞けたらば ペンを走らせ 推敲重すいこうかさ
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子の熱に眠り削りて添う母に 豆電球の明かりやわらに
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揺るる車両 言の葉編みぬ その最中さなか 微睡まどろみて 夢に消ゆ推敲歌すいこうか
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明日こそ太陽のような「おはよう」を言いたい寝癖が似合うあの子に
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枯れ茎のあじさい見れば芽吹きゆくみどりごを抱く弥生のいのち
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いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで午睡ひるね
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店内に 流るる旋律メロディ そばだてり 奏でをるオルゴール『春よ、来い』
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鉛筆画 モノクロームに 色彩を き想像さする 事の豊かさ
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反り返る 足の親指割れ爪の 苦節に耐へて吾を支えをり
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あさおきて ねこはねむれり すやすやと あくしゅ握手もとめるやうな おててで
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半分はどこへやったの?上弦の 月に問ふてる夜風はうらら
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恵みの雨 ねこはねていて よいけれど キミが眠いは 困ったものだ(薬で)
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雪洞ぼんぼりに むつみて座る 人形の 頬の白さの 妖しき花冷え
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お互いに 忙しくなり 連絡もままならぬ友 元気でいるのか
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この国は どこに向かって 進むのか ニャーと鳴く愛猫きみ  無垢な心で
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春風にベランダ干しの布団さえ 右に左に揺れて喜ぶ
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沈丁花 花の香りを 全力で 主張する様 命短く
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三月の イオンモールの 賑わいに あてもなく買う 春色ブラウス
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王朝の 恋、桃の香に 重ねつつ 千歳ちとせ懐かし 雛の貴人あてびと
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80年代 洋楽聴いて 問いかける 過去の自分に 限界値かと
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堅雪に追いかけ回る童のころ 幼なじみの声甦る
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揺るる車両 母に身を預け眠る子 命を運ぶ 安全運転
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陸橋に揺れるスカート西陽差し冬の終わりは風の音に知る
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親友がインターホンに映ってる カメラ目線でモデルのポーズ
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