幼稚園前で神社の看板が今年も寿ことほぎ「祝七五三」
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傘寿過ぎ同窓会はこれきりに誰言うとなく皆んなその気に
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ねこのおめめ まんまるなのは きたい期待だよ めはくちほどに ものをいうのよ
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落葉に紛れた蝉の抜け殻は夏の思い出と共に砕けて
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約束は忘れたことにしておくよ次の恋へと走り出す君
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眠れずに過ごす夜長で冷えきった 鼓膜揺さぶる寺の暁鐘ぎょうしょう
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詠む時に浮かぶ良さげな言い回し昔読んでた本に助けられ
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雨垂れとカラスの声が重なって淋しくなった三時半前
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語るごと鳴き交わしいる白鳥の次の予定を謀りているか
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来てすぐに林檎手渡し駆けてゆく白雪姫はおとぎの話し
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晩秋の 庭に落つるは山茶花の 白き花びら 冬は来るにけり 
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紅葉こうようを愛でる回廊賑やかに異国の言の葉舞い落ちるごと/河口湖もみじ回廊にて
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湯に浸かり 爪あと あちこちしみるなぁと 思へど ねこは いとしきものよ
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金色に 光る銀杏の 道抜けて 昔話に 花が咲く母
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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まぶしくて手で顔隠し眠る猫その手が何ともまた可愛くて
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本屋の書棚で、こんな本読みたかった宝物、みつけたしあわせ、ありがとう😊
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チョコレート、身体にとけてゆくときに甘い匂ひのたちこめる脳
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秋の朝水面に線ひく小鴨らは潜るやパシャや水輪ゆらめく
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をさなごの歩幅にあはせあゆみつつともにひろへり黄の葉赤の葉
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夢うつつ涙の先に船浮かべオールを漕いだ先には母が
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透き通る波打ち際の結晶はいつかこぼしたガラスの記憶
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朝の光景 毛布膝にかけ くつろぐ母 膝にタヌ猫 赤子のよに乗る
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小春日はたまにあるからありがたし ここまで続くとなまぬるビール
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洋服もアップデートが必要で ユニクロ、ジーユーあって助かる
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泣く理由わからぬままに泣きやまぬをさなごだきてくらやみのなか
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物忘れの病を受けし妹を義姉あねは励まし果ては叱りき
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もう今夜ゆっくりしたい夕飯は魚を焼けと母相撲みて
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あの夏はSASサザンを聴いて恋もした 懐かしいなとひとりつぶや
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水を替え線香つけて手をあわせ 答えを探しに来てはいるけど
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