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祖父の通夜 自宅で祖父と 共に寝て お別れをした 遠き思い出
29
上向いて落ちる椿の見るものはまばゆい空か蕾の子らか
28
背中から両腕回し抱き上げる日々の吾を置き父旅立ちぬ
28
車両にて 楽しげにしりとり遊び 盛り上げし親 子が飽きぬやう
28
宅配で届いた空色ブラウスの清々しさが眩しい雨の日
28
満開の 桜便りは届けども 我がふるさとの蕾は硬く
28
タンポポが白も黄色も雨に揺れ草に埋もれる季節がまた来る
28
花冷えに ちま猫ちゃんは さんかくの おにぎりになる おててはのばして
28
ふきのとう、教えてしまえば僕だけの春が二人の景色にかわる
28
今月に入って「すき」と告白を数えきれぬはエイプリルフール
28
病院で近況報告『舅死す』知っていたのか静かに聴いてる
28
小夜雨のテンポ早まり安定の君の寝息を数え夢見る
28
通院をメインディッシュに一日を盛りつけている老後のふたり
28
桜蕾
(
おうらい
)
に降り注ぎぬ 恵みの雨 潤ひて 満開まで待ちぬ
28
らっきょうを 添えたカレーは 春の味 疲れも取れて ギア入れ直す
28
通勤路を潤す 菜種梅雨の朝 雨靴と傘とをお伴にし
28
立ち寄り湯人のまばらな薬湯に知らぬ媼と桜を語る
28
風を切り
過
(
よぎ
)
りぬ車 降り積もる
花弁
(
はなびら
)
を巻き上げ 花飛沫
28
幾たびか 花は生まれて 花は死に 弔いて行かむ 絵筆に
託
(
たく
)
し
28
陽を浴びて黄のクロッカス咲き揃う笑みているのか歌っているのか
28
トゲのない言葉を探す会話するへとへとになる今日も一日
27
母の負を父の
勲
(
いさお
)
で拭ひ去り 私は独り
介護
(
あした
)
を編めり
27
薄っすらと汚れ具合も布製の文庫のカバー手に心地好し
27
ぽつねんと庭先に咲く花桃の紅白濡れて門出の
朝
(
あした
)
27
実体の無きまま ふわりとした君に
暁
(
あかつき
)
逢ひぬ
黄泉
(
よみ
)
を旅して
27
数駅を寝落ち過ぎたり花の酔い 戻り列車に慌て駆け込み
27
曇天に見上ぐ桜で雨宿り奥の枝先ヒヨドリが来て
27
レンギョウの黄はまぶしき光となりうつの
脳
(
こころ
)
にまっすぐ刺さりぬ
27
週末は 花散らし雨 降ると言う 我見ぬうちに散ること無かれ
27
気が付けば真円となる月ありて
月読
(
アルテミス
)
の船今一廻り
27
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