白鳥に地図などなくて 僕にある真っ白すぎる進路希望書
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春のゆく花は散り際見定めつ繋ぐ手解く「さよなら」もなく
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楽しみを選んだはずがリュックには「不安」が勝手にパッキングされ
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疲労感 深夜の国道 山岡家 明日の力に 豚骨パワーを
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美味すぎた鶏白湯麺のレシートを再来店の切符として抱く
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チョトコイと 忙しなく鳴くコジュケイに 春の眠りを奪わるる朝 
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物音に動じず 熟睡す愛猫 よほど疲れてゐたのだらうか
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川上の名所は疾ふに散りたるや 花の筏は河口に至り
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詠めぬ夜に1本きりの水性の青き字で書く春よ褪せるな
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出来上がり二、三日後が美味くなるきな粉ねじりは待てば歯ごたえ
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春だから訪問看護師入れ替わり前任者の今ずっと気になる
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ニンテンドーDSふいに出してみるこんなに楽しい物だったとは
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昼酒の琥珀に溶ける罪悪感 ハッシュタグには「#不良主婦」なり
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我が家の影を向かいの窓の陽が照らして1人家族恋しき
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おべっどから おみみがよっつ はえている 外は雨風 春の嵐よ
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母さんが勝手に空に逃げぬようベッドに柵と番猫を置く
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風が吹く桃も桜も吹き飛ばし春のただ中切りさくように
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靴底に花弁を付けて帰る子は 春の便りを我が家に運び
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新しきパスワード使いログインす投稿した短歌うたすべてが0ゼロ
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兄弟がたくさんおって幸せと話す義姉の記憶は幻
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カリカリとミルを回してモカ港へ旅の気分で頭覚ゆ朝
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桜舞ふ バスを待つあゐだに 愚痴をこぼし合ひ 笑ひ合ふ同僚と
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コローの絵の 如き森なり 金色こんじきに  かすみて暮るる この夕雲も
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嬉しさも半分ほどの春陽気 マスク・メガネのフィルター越しの
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春雨と共に舞ひ散る花弁はなびらは 新緑のはじまりを告げたし
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世の中に色んな春色あふれてる 外を歩けばカラーセラピー
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ワクワクを強要される四月かな ヴァニラのアイスが早く溶けでて
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もわもわと 身体からだの毛穴 沸き返る 琥珀の海に 遊びて酔えば
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ピーという電子音こそファンファーレ干し終えたなら春へ飛び出せ
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月の灯に白さ消ゆれど仄蒼く道を示せし雪柳かな
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