雨粒が車のルーフを敲つ音は 冬の終わりを告げる調べに
27
その歳で恋愛なんてはしたない田舎者ほど堅きを演ずる
27
重力に逆らって回せこの地球 美しさって後からくるね/五輪
27
雪に耐え春の日差しに残り柿受験の子らよサクラも近い
27
春色の陽射しに背中押され行くリハビリ散歩で気持ちもほぐ
27
雪だるまサングラスかけラケットを持たせて映す孫の青春
27
暮れ六つや 天辺にづオリオンに 近し冬の終はりを感づぬ/午後六時
27
忘れ物してきたようで落ち着かず春の私はちょっとせつない
27
うっとりと メロンの如く 美しき ひびりたる 失恋も有り
27
在りし日のバレンタインデー 「私らは最強^^▽」と書き 友へ贈りぬ
27
また一年よろしくと 手製の本命 つまに贈りぬ 二月十四日
27
夕映えに しおは満ち行く 七度ななたびの 転生せむと おみなでいたし
27
そういえば帽子で足らずマフラーもヘアドネーション気づかぬ理由だ
27
ころころと笑うあなたの手料理の熱々ポトフにまろき芽キャベツ
27
バス停のおじいちゃんの笑顔こそこの街に咲いた 最初のさくら
27
コーヒーに「昨日」を溶かしてはちみつの厚い光で今日をはじめる
27
まだ暗い 部屋にひとりの呼吸音 宇宙そらとわたしの 秘密の時間
27
春らしいひかりが僕の自転車に反射している きみに会いたい
27
柿の実を啄む鳥と睦月去りからす一羽の裸木の空
27
雪だるま並んで浴びる如月の日差しよ僕も溶かしておくれ
51
しだれ梅 硬い蕾が 揺れている 春はまだかな 口ずさむ夜
30
和服着た 清楚な人と すれ違い 貴女を想う 祇園の小路
26
襟髪をつかまれるよにふりむいた 確かにそれは沈丁花の香
26
残雪を 押し上げ開く福寿草  温む大地に命を灯す 
26
椅子の背に掛けたタオルを引っ張って落として敷いて座ってる猫/いつもいつも
26
笑わずに教えておくれチケットを買うところから離陸するまで
26
座席にて 持ち主の無き マフラーは 何処で迷子に 揺らるる車両/降車後に駅員さんへ届けました
26
ぼんやりと過ごす時間は自分へのご褒美なんだ頑張ったもの
26
ひさびさの ひにゃたぼっこと 毛づくろい いついつまでも みつめていたい
26
生きるのに絶望しても血税で死後の処理とは何か苦しい
26