着る目安十二月から冷え込みは十二月並みフリースお初
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掌を返したような当選に納得する人立腹する人/真相はどうなんだろう?
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遠景に山の頂上見え始め 駆け出す子らに落ち葉散らばる
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仰ぎ見る 西の空に白鷺が つがひで帰るは 終の棲家か 
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初冬の東の空は赤やいで誰かが送つた朝を迎えり/谷川俊太郎訃報に寄せて
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役所ゆき コンビニ スーパー DIY店 チャリで五キロは うわぎもぬいで
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最強の下着の出番まだ堪え 冬本番に保険をかける
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寝待月 レモンのよな月 みえるとな 火星と共演 夜ふかししよか
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容赦なく 冬が来たなり木枯らしの 踏ん張る柿の実 スマホに録りて
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行く足は秋に駆られて横浜駅 長く、早くに君を見るため
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母出てった 小三の瞳 覗きこむ 寂しさよりも怒りに満ちて
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しにねずみ きょうはごみのひ 可燃ごみ かそうされるは 天にのぼるか
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「老いたれば濡れそぼる人のかたわらで傘差しかける人」に…なれたらな
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激辛を理由に涙するぼくが送り続ける手旗信号
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叫ぶみたいに歌うスピッツ悲しみを声と一緒に空へ吐き出す
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「呑んだなら決して食べぬ」のその自戒 破ってすするラーメンげきうま
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「ミギ 、ひだり」の号令違うスタッフにキョトンの笑い小春のリハジム
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酒よりも夜半に目覚め飲む水が五臓六腑に染みわたりゆく
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しっとりと濡れた落ち葉は色とりどり だけど大ぶりの百合もまだ咲き
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ユニクロのオフタートルのフリースをセール価格で急いで購入
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わがたち テンションたかく はしりまわる おかあちゃんいる! おかあちゃんいる!
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この季節 思わず知らず 冷えている 風呂の湯 妙に熱く感じて
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くたびれて相撲見ようと座れども我が親方はさすが重たい
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堀炬燵ほりごたつ父の生家に香りあり母の生家の軋む木廊下きろうか
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それぞれの良い部分だけと付き合っていくのが円満 一生の課題
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冷めたお茶飲み干し湯呑そのままに誰も読まないnote書く夜
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明け方に耳をつんざく風が鳴る ここは上州風に泣く町
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またひとつ ひらり落ちゆく 葉のごとく 辞職願いて 新卒社員
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すわコロナ咳と発熱慄いて簡易検査は無事であったよ
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消防車バッチを貰い我が子らは胸に飾って早三日なり
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