Utakata
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さむそうに ひっついて寝る ねこたちに ホットミルクを 飲ませてやりたし
27
悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
27
隣席
(
りんせき
)
の父親に
抱
(
かか
)
へられし子の
微睡
(
まどろ
)
みぬ長き
睫毛
(
まつげ
)
揺るる
27
雷が家の真上で鳴り響き春が終わると宣言してる
27
春雷が百足の季節告げてゆくびくびく眠る夜がまた来る
27
塩づけの葉桜つつむ知恵人の想い香も馳せ道明寺食む
27
卯月とて夏日に嘆く心辺も夕へ突く音の寺鐘に消ゆ
27
足元に花のひとひらくるくると吾と遊べり風の
音
(
ね
)
になる
27
サザエさん見て笑ってはニュース見て迫る明日へ憂い染む夜
26
生真面目な主人の愛のいろどりをこぼさず食べる五目そばなり
26
春嵐も花粉も過ぎて神経が落ちつきそうな季節は近し
26
最終の特急見送るポケットにチクリと刺さる入場券の
26
ステテコをエアリズムにと替えた朝 開脚幅が少し拡がり
26
ルビーレッドキウイの季節がやってきた 紅く紅く紅く あまき果実よ
26
「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
26
つい歌に落とし込むクセ抑えつつ気持ちの煌めきだけを
掬
(
すく
)
って
26
悪女とはすごい美人と限らないとっても悪い女ですもの
26
取り囲む山並み雲に溶け込んでとろり鈍色梅の白冴え
26
朝の瀬へ向かふ歩みに夜へ乞ひし恋慕の灯り苦し相反
26
僥倖の大口取引掴み取り シニアの意地をここに示せり
26
しゃべりたい自慢したいがカッコ悪い Utakataだけにこっそり投げる
26
移ろいの旬の素材に触れて湧く綴りし文の果て無き旅へ
26
さりげなきまばゆい笑みに心音の波はあの日の君へたゆたう
26
冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし
季節
(
とき
)
よ桜咲くなり
26
宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
26
地球儀をまわせば指が街を消し 僕らは桜の圏外にいる
26
矩こえしシオニズムこそ元凶を諌めず魔王はゲームの
戦
(
いくさ
)
26
最終便 繋ぐ右手の温もりと左手刺さる入場券と
26
夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
26
想ひ出も春の嵐に散りゆけばコート脱ぎ捨て光纏はむ
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