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馬車道の雨の景色に助手席の窓はゴッホの絵画に見えて
26
日残りて 黄昏迫る山里に 我が影伸びて夕陽に染まる
26
チビ猫が 行方不明の 朝であり 皆で捜索 箱ですやすや
26
洗濯物
(
ほしもの
)
が風に揺るるを見るだけで ふふと幸せ 外干し解禁 /花粉ほぼ終了
26
鶏の 声に目覚めず
雉
(
きじ
)
の鳴く 哀しき声に 朝焼けを知る
26
自転車で海見て帰る往復は六波羅蜜の百キロの道
26
歳重ね 逝きにし友の無常知り 出会ひし友の有難きかな
26
開け放つ 窓から入る 風はただ 雲行きだけを 教えてくれる
26
仕留めたる 鼠をくわえ 見せにくる 健気な猫と 共にありし日
25
老い宅へ訪問くるる駐在さん既に周知の情報ばかり
25
たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
25
おはようの音を奏でるサックスの銀色褪せてセピアなる朝
25
父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
25
水温み駆け足でゆく白き砂ちいさき手をひく鼓動の伝はる/妹との思い出
25
三十一
(
みそひと
)
に込めれぬ想い溢れすぎ山に向かって相談してる
25
とりたてて秀でるもののなかりせば凡なる
平
(
たひら
)
のなほもむずかし
25
紫を朝日に染むるアネモネよ 石段の
端
(
は
)
に凛として立つ
25
道端の ハルジオンたち おしゃべりで ついつい会話 弾む朝なり
25
韓国のGPSを語る母指摘せぬのも愛の一つか
25
気になってまた会いに来た柴犬に「売約済」の真っ赤な文字が
25
アネモネの種の息づく夜明けには紫一輪立つ石段の端
25
吹く風に仄かに戦ぐ菫草 陽にきらめきて花びらの降る
40
ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
24
夜半の竹 薮に光るや月の如 姫はなにゆゑ竹に入りてや
24
卯月満つ 藍裂くほどの静寂に
木群
(
むらだち
)
のぞく月ぞうつろふ
24
冬眠の開けしじゃがいも待っている姉の電話に隣町まで
24
漬け樽をひっくり返すと
転
(
まろ
)
び出た たくあんお前 まだ居たのかい
24
初恋の甘い記憶を呼び戻す青くて丸い小花イベリス
24
母親の涙思うと耐えられずテレビを消して願う明日の灯
24
笑み揺れてオレンジに染むチューリップ白き花びら観覧車の窓
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