Utakata
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翳りある日のもとながらかへがたきものにもあるかな戦無き世は
18
ひとりでは買うに躊躇う桃などを食わしてもらう実家の幸せ/帰省四日目
15
身じろぎもせずにひねもすひそみたり 夏の終わりの遠雷聞ゆ/青き山の田に捧ぐ
19
永遠の闇ではないと息をして今ここからの我を繕う
12
世の中の 火薬を全て花火にし打ち上げたいな終戦の夜
10
皆去ったプールの水面眺むれば夏の終わりはいつも寂しい
11
秋あかね 獲ったと汗だく 話す君 エネルギー満ちる 君は五歳なり
12
嬉しさもやがて哀しき茄子の牛 見送る盆の夜風寂しも
9
指先に残るぬくもり白煙の ゆくさき祈りて月へ昇れり
10
八重葎
(
やへむぐら
)
繁れる
門
(
かど
)
の露けきにつきさし入るる夜ぞ楽しき
12
色違い
お座布団
(
おざぶ
)
がふたつ 並んでて ねこがねている 平和の象徴
22
夏日和 風なき窓より 猫の声 心和みて 君安からん
9
何事もすぐにかかれば済むものをわかっていながら先延ばしする
25
ばーちゃんが好きだったなと思い出し お盆の風に てりやきバーガー
17
旦那からの 「遊びに行くか」の一言で 三十年ぶり デート実現
14
熊谷に二人の友が住んでおり県の境を越えゆくランチ
7
小気味良く 言の葉躍る
歌人
(
うたびと
)
の 創りし
短歌
(
うた
)
をいつか詠みたし
12
今夕も雨降りなれば順延し迎へ火なしの送り火ならむ
7
水満々 田んぼの隣り 分譲地 あっちへこっちへ トンボ飛ぶ
11
ビル風の瞬間風速、
T
シャツのなかに残った夏を奪えり
25
盆もなし 正月もなし もう慣れた 社会に出され 十余年
17
あるときに ふっと浮かびし 会心の 戯(ざ)れ歌忘る 書き留めぬまに
17
もみの木の枝にかけたる鞦韆の揺るるまにまに鳶ぞ鳴きける
6
波音を聴かば思ひ出づ里ありて 私はあなたと話がしたい
7
炎天下きいろむらさき白菊の願いを受けてそっと立ちたり
12
親戚はもう来なくなり華やかな盆提灯昔を名残る
5
食前の 薬を飲むの 忘れたわ 食後に飲めば 次の食前
5
人混みと諏訪湖を見下ろし四万回のため息を打ち続ける花火
5
白猫と黒猫の間を通る 何の話をしてたかは不明
5
聳え立つ
白馬岳
(
しろうまだけ
)
に見送られあずさに乗りて白馬去けり
5
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