父は老私は初老でささえ合う二人で歩むゆっくりな夏
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一泊の臨海学校四日後に「貝みつけた」と絵手紙とどく
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抜け殻と思い手を出し羽化前の その凶暴さにたじろいだ夏/以来、蝉の幼虫は怖い
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左手の小さな火傷気にもせず惣菜を揚ぐパートの母よ
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水槽を覗く我が目も覗かれて生きてるだけの意味を尋ぬる
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ピアノ持つ ことに憧れ 弾かぬまま 序章で終わる 母のバイエル
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月のよに 欠けて満ちては また欠けて 補い紡ぎ やがて丸まる  
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我が里は 朝霧煙る山間のカッコウが鳴く長閑なリけり 
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ヤブガラシ窓のひそめる空からの家  風鈴だけが夏を待ちをり
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幸せは振り子のように来ると言う 紐が長いと信じて眠る
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我が猫の 鼻押したれば 舌出でし 我は命名す 指ぺろスイッチ
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年一で満足できるはずがない相手はちゃんと別にいるんだ
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食パンを買いし女がそのままに袋首ふくろくびつかみ店を去り行く
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物干しの しなれるさまに 心さえ  あらわれてゆく 梅雨晴れの朝
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夕立に 隠す言葉は ここにいて 縋る想いと 濡れる両袖
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夏映画ホラーばかりが並んでる チケット買わずチラシだけ取る
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ミサイルで 何がいったいかわるのか 子でもわかるよ 花火上げよう
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頬紅を 四尺玉が彩れば 綺麗と零るる夏の宵かな
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白詰を守るがごとく咲く薫衣窓より見つる絵の如きかな
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どこからかレモングラスの漂いて庭の小径に夏への扉
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また猫を 認知予防と 迎えれば 愛しさ増して体力尽くる
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公園の ハマボウの黄で 一日の パワーをチャージ さあ始まりだ
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靴下を立ったまま履けてえらいねと朝の自分を褒めてみたりする
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蝉たちのごく一握りの貴族らは バルタン星に還れると聞く
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「ニッタさんではなくアラタさんですよね?」シンタは変わらず頷いていた
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蝉の初鳴きが胸を締め付ける 郷愁ではなく夏への覚悟
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横浜より転校せしわれに子ら 神戸が上やと口々に言ふ(姫路を詠む)
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天の川涙の雨にあふれつつ橋も渡せぬ君ぞ恋しき
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寝過ごして 名を呼ぶ チリンと鈴の音が ねこの寝返り お返事代わり
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7年の 歩みの日々を つぶさには 思い出せねど 今日に至りて
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