「赤い糸」なんて信じていなかった 紅茶に溶ける砂糖の白さ
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珈琲の湯気に「まる」と書くような そんな明日を期待している
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世の中はいろんなことがおきてると眺め回してたたむ新聞
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「明日から」なんて言葉を飲み込んでみたらし団子三つ目の宵
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薄雲の衣纏ひて寒の月 喧騒疲れの我を慰む /仕事始め
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あわよくば娘のセーラー服を着てみたかったけど言わないでおく
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冴え冴えと 夜空を照らす満月の 明かりが届く睦月の窓に
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いよいよに小さなアパート二人だけ 新婚生活戻ったようで
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七草粥 想いを込めて ただ食めり 「みんな元気で ありますように」
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温もりぬ冬の日差しに包まれつ 咲きぬアロエの細くあかき花
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公園の敷地半分削られて なんとか残った遊具のパンダ
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雑音を吸い込みながら降るけれど雪は白色静かに積もる
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この上なく 遠いお空に 下弦の月 むせび泣くよう 寒夜かんやに揺れて
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金色の薄き花びら春まとい蝋梅の花静かに咲かむ
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イヤフォンに届くあなたの声さえも雪のせいかな、どこか優しい
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ばあばにも挨拶したいとの彼氏何と殊勝な嬉し言の葉/孫十人、色々います
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歳毎に正月気分物足りぬ慰めておくれウルフムーンよ
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新春の 陽光跳ねる箱根路を タスキに託す若人の汗 
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北西の霞んだ月に照らされて車椅子分雪掃き均す/デイサービス
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ようやっと老夫婦ふたりきりの正月に すき焼きなどをつついてみている
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「美味しい」が百均の皿で跳ねている そんな夕べもいいなと思う
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自動ドア脇の門松 同僚と上司と交はす 年始の挨拶
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悩み事さえもビタミンになるような そんな気がして剥く冬みかん
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ばけばけの魔王とマグロ株に沸き民の痛みの影は地を這う
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開けたての長くからまる塩こぶにザクリと入れておく手間の有り
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珈琲とトーストの香の日常が厨に戻り睦月寿ぐ
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日常が戻りし今朝は味噌汁と漬物並ぶいつもの食卓
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曇りのち雨でもいいよ君となら相合傘の口実になる
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ポタージュの缶の底にぞ残りたる つぶつぶコーンはいかにして喰む
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温もりの汁粉に集う笑みと笑み 健やか願う 年の始めに
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