Utakata
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一尾にて 七百円とは手が出せぬ 秋刀魚食べたし懐寂し
22
なぜもっと可愛がろうとしなかった過ぎた時間はどんどん遠くへ
19
これいいね!これだ!と買った便利グッズ そういや買ったね引き出しの奥
12
この夏の最終楽章指揮すべく野に一本のヒマワリが立つ
15
偉そうに頭ごなしに注意して間違い気づき入る穴無し
13
パパと行く動物園はもうイヤだお馬さんしかいないんだもん
30
駆け引きは上手じゃないと云う君のふと放つ語に今日も眠れず
12
噴水のしぶきで遊ぶ子らのこゑ静まりて秋か絹雲うすし
9
浴槽の設定温度上げるのに断りいらぬ寂しい暮らし
9
われ事と捉えぬ限り成されまい浮かばれぬ人浮かぶこの世は
8
おかあちゃん おなかすいたよ ゴハンまだ そんなときにも ねこはふみふみ
23
雨露が室外機へと落ちる
音
(
ね
)
が 心拍音と重なる夜更け
12
秋桜が色どる我が家 まだ負けぬ 朝顔が咲く終わらない夏
7
海外の 孫から届く 君の顔 疲れているか 「楽しい」と言うが
13
終焉に理性が残っているならばやっと終われると笑って逝きたい
8
逝きしひとの声聞こへしか 夢うつつ
S
&
G
流る秋の入り口
8
肩と胸 腹にぽつぽつ雨粒が 水着一枚屋外プール
11
君がスキップすればリュックのストラップ子ヤギも後ろでタップダンス
9
世の中は 不足に満ちて いるものか すでに溢れる 光の中に
6
まごをみて ぎっちょなのかと よめのちち わしもなんだと おれにほほえむ
7
道端のビー玉拾う特別なことのなかった夏の形見に
9
携帯を 持たぬと決めた その日から 仲間はずれか 絶滅危惧種
5
垂直の登攀(とうはん)雨のかたつむり 重き宿世を背中にしょって
5
鶉の雛は泣き
黄頷蛇
(
あおだいしょう
)
は喰らふ案山子はただ立つてゐる
5
ケツ痛え なにこれマジで えっ急に? まてまてまてよ ほんと許して
5
老猫
(
ろうびょう
)
はじっと目を見て問うてくる 惰弱な我の死生観をや
8
閉店のお知らせの紙ネパールの料理をつくるひとのひらがな
22
数珠のやうな降水帯の土砂降りに雷加はりて寝不足の朝
7
文化祭雨は降っているけれど俺等の魂情熱サンサン
6
薄曇りひんやり頬をそよぐ風 あずけてしまいたいこのまま吾が身を
5
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