茜空二羽列なった烏さえ共に語らう友があるのに
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寒空さむぞらにしらじらと浮く満月はくもりガラスに雪あかり見せ
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くちばしを羽にくるんで丸くなり 冬の真鴨は片足で立ち
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先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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穏やかな夜凪の海に十六夜の月きらきらと光敷き詰め
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演奏会さ中に思う黙々と音符追う日のおさげの私
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笑いつつ 手を取り走れば 粉雪が なれが睫毛に 我の睫毛に
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二、三枚はがし艶めく白菜はまつすぐに立つ新聞のうへ
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遅刻かと 急いた心に うた浮かぶ  飯とスマホの 迷い箸かな
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隠れ咲く低き紅葉もみじは艶やかに赤きだいだい 凛と広げて
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通ぶってあれやこれやと試しつも 白いご飯にまさる快なし
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冬なのに 冷たいおろし 蕎麦食す 冷えた体に 気合がはいる
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想定を 超える時間の 会議終え 残務処理し 日付変わる夜
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朧月 ふっくらとして 満月の 近きを知るや パワー貰おう
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寒いけど吐く息はまだ白くない 歩を速めればややも汗ばみ
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昨日見た夢 叶わぬ夢と 解っているが 紅を差す /都々逸でした🙇
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期待には 応えにゃならぬ プチっとの 鍋といへども 今宵は冷え込む
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冬に入る 狭庭のモミジ葉を落とし 敷き詰められし絨毯の赤 
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降車せしホームにて腑と見返りぬ ひむがしの十三夜の視線
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講堂の時計の灯りが月のごと 大隈通りは人影もなく
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カーテンを開けると ぱあっと日がさして 明るい未来を 指し示すやう
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基地局を小型ドローン左見右見とみこうみ調査か健気けなげに青空を飛ぶ
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陽当たりの良き敷地には 紅白の山茶花さざんか 師走のバスの車窓
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乗り過ごし無きやう 思考す 歌詠み 集中し 眠気を払拭ふっしょく
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雪にこそ映えて冬柿しっとりと禍々まがまがしくも見える今年は/熊
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母守る難関だった離婚劇後ろ暗いか音信絶つきみ
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持参したお茶もう軽し冬晴れて乾く乾くさらにひとくち
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冬日向 日差しを感じ 眠くなる カフェの窓際 鉢植え見つめ
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寒空に 鳥が川面で 凛と立つ 横目で見つつ 気合いを入れる
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月光が 優しく照らす 冬の夜の 恵みなるかな コールドムーン
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