幼日の 母に隠れて桑の実を 食みし唇紫に染む 
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背理法 雨の気配に真っ直ぐな線引き直す数学教師
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たたみ皺のばせば子供のぼくがいて 光放った 衣替え、夏
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サッカーの勝利が一面トップ記事平和な国の朝刊を読む
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あの渡り廊下はとうに無くなって十四の僕の行方は知らず
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公園にトランペット吹く子いて 氷一片 頬にあてたし
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『読みたい本リスト』に802冊ある 月にも届く夢の高さで
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線路沿い 紫陽花の道に 傘は揺れ 顔寄す人に 花の微笑む
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この世をば わがよとぞ思ふ 道長の 歌を聞きつつ 眠る5限目
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誰にでも 切ない夏は 来るのです それでも夏が 恋しいのです
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束の紙綴じさせるよに我を説く 曲がって留まるホチキスの針
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殺したい人と死なずにいてほしい人が同じ名前をしている
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猟奇的事件のたびに犯人じゃないかと国の母から電話
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誰なのか分からなくても母さんは話し合わせる認知症にんちの不思議
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こころにも 降るやわらかき 朝の雨 わざと強めし おはようの声
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梅雨の傘 抜け落つる水 沁み入りて 天の心と 吾は等しき
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「新しさ」が 持て囃される 時代でも 「あんたらしさ」を 捨てないでいて
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さざ波を 眺めて終わる 一日よ 細かきことも 大事と思ふ
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道問えばスマホで調べ案内す若者たちの皆優しかり
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怪獣は火を吹きながらほんとうはやさしいものになりたいと願う
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サッカーに言葉が要らないなんて嘘だ私は誰の輪にも入れなかった
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愛だとか かたちを持った 言葉より きょうのごはんの 話をしたい
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ひとりぼっちの午前二時 茉莉花茶もーりーふぁーちゃの冷たさが苦くて甘い
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三峯の神の杜にて初に見る鳶はひときは輝きにけり
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デカ過ぎで工業的に平べったい アジのフライに食指動かず
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片恋を抱きしめたまま眠る夜 夢で君には逢えなかったね
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寄る波を ひとり迎えて 砕けゆく 岸の痛みを 誰も知らねば
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貴女から こぼるる音は色もなく 哀れ呑み込む 闇のごとしも
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夜長して一人ぼっちと情けない犬と猫が吾支えおり
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わたくしの遠い祖先は魚だと思い出させる足裏の皮
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