膝の上 ねこの体温に 思ふこと あの日を生き延び 今があるから
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さへづりぬメジロ 窓辺に座りをり そばだてる猫 冬のラプソディー
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ぽっかりと 心の内を からにして 海見ていたき 日がな一日
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母よりも祖母の厳しき朝げ前玄関掃除いつもさせられ
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「おめでとう」一番乗りで伝えたくフライングした二分前かな/睦月九日
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粉雪が開けた窓より舞い込んで外は真白く塗りかえられていく
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Utakataや悩み、寂しさ受け止めて泡へ包んで空へと放し
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ちょっと待て生じゃヤバいぞこのカニは義父母と病院送りは嫌だ
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昔日の冴ゆる朝 成人の日に 母の一張羅いっちょうらまとふ姉
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晴れの日をともに祝った君は今どうしているか二五・二・五れの
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母さんが忘れることはイヤなこと忘れたいから忘れると言う
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道端の祠の影に樹木あり花を咲かせぬ神の化身よ
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満たされた同じ時間を過ごしてるようで違った目の向く先は
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天気図に早も台風一号と… まだもう少し冬に浸らせて
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今までの悔い一つずつ拾いゆく暗がりの先に輝きを置け
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「もう出来た」どっこい短歌は奥深し掘れば掘るほどお宝探し
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冷え込みぬ宵 ウインターソング聴き ホットミルクで 白いひととき
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「愛(かな)し」とは「悲し」に似ててわが胸に一匹の鬼棲ませてやまず
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青空に溶けて蝋梅咲き薫る寒の緩みも今日までらしい
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帰り際 手を振るお子の良い笑顔 またねと言えぬが辛いところ /クリニック受付
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春節を 前に渋滞 するダンプ 除雪の雪を 山盛りに積み
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山沿いは100センチっておいおいと針降るごとく落つ雪を見る
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踏切の途中でカンカン鳴り出して 早く転職せよと聞こえる
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若人よ お酒とタバコは二十歳から 正々堂々 歩め真っ直ぐ/成人の日
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ライバルにふかく一礼 将棋にて優勝決めた小三の子は
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膝の上 うっとり眠る わが撫で 明日も明後日も 一緒にいよう
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本当は『忘れないで』と言えば良い不出来なだし親不孝だし
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物忘れ 物に限らず 失念す 脳内に付箋メモできれば
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君の来ぬ カフェで飲むホット チョコレート 帰れぬうちに 雪は吹雪ぬ
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お母さん蛸は英語で?『オクトパス』烏賊とか鯵とか聞かないでくれ
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