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石鹸の匂いと君を抱きしめる 裾を
揺蕩
(
たゆ
)
らす風の優しき
27
馬車道の雨の景色に助手席の窓はゴッホの絵画に見えて
27
笑み揺れてオレンジに染むチューリップ観覧車のまど膝向き合わせ
27
日残りて 黄昏迫る山里に 我が影伸びて夕陽に染まる
27
チビ猫が 行方不明の 朝であり 皆で捜索 箱ですやすや
27
自転車で海見て帰る往復は六波羅蜜の百キロの道 「涅槃までゆく修行」
27
紫を朝日に染むるアネモネよ 石段の
端
(
は
)
に凛として立つ
27
歳重ね 逝きにし友の無常知り 出会ひし友の有難きかな
27
幼児
(
おさなご
)
の落としたものか 一粒の小さなラムネ 座席の隅に
27
農鳥の富士のふもとに水張れば早苗風立つ通院の道
27
防人の 任務を終えし カノヒトよ 梅も桜も これからなのよ
27
夕雲に染まるカラスの燃え尽きて君の恋しひ自転車の旅
29
老い宅へ訪問くるる駐在さん既に周知の情報ばかり
26
和らぎの萌黄色から青葉へと 装い変えて初夏に向かう樹々
26
春疾風 凍てし涙の乾くころコート脱ぎ去り光纏はむ
26
おはようの音を奏でるサックスの銀色褪せてセピアなる朝
26
父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
26
水温み駆け足でゆく白き砂ちいさき手をひく鼓動の伝はる/妹との思い出
26
三十一
(
みそひと
)
に込めれぬ想い溢れすぎ山に向かって相談してる
26
どこ行くのと聞けばあなたは宝塚歌劇モードで「風を探しに」
26
朝早くペダル踏み込む果てなれど煌めく海に全て敵わぬ
26
クラス替えスキップの先 少女いた 教室光り陰は透明
26
思いきり笑ってしまった待合室 北大路公子の本は危険だ
26
なんとなく酸っぱい味のコーヒーを飲みたがってる夏日の手前
26
藤棚の 花触れたくて背伸びして
小
(
ち
)
さき両の手 伸ばすおさな子
26
蓮の白 錦糸に海老の紅跳ねて友を
寿
(
ことほ
)
ぐ母の膳かな
26
ねぎ坊主そら豆の花 菜園は 春の光に命のあふれ
46
ラジオでの球場響く応援が沈んだ気持ちにじんわりと効く
25
とりたてて秀でるもののなかりせば凡なる
平
(
たひら
)
のなほもむずかし
25
真善美 求めし弓の道霞みパワハラに落つ花散る四月 / 弓友が職場の新上司
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