父の亡き友人偲ぶ 若かりし頃の思ひ出 語らひぬ父母
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何者か 語ることなき そのおきな  微笑みたたえ キジムナー描く
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医学とは進歩めざましく超えられぬ好きに産まれて好きに死ぬ事
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健康になるべく治療を開始してトレードオフの痛みに戸惑う/健康とは?
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ぬばたまの黒き羽にも茜さし ゴミ漁り終え金烏飛び立つ
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なにもかも ひととき忘れてみたかった それは誰にも責められぬこと
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枯れ葉散る間もなく 枝を落とされり 街路樹の剪定 理髪の如
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曇天に蓋をされ 秋の温もり包み 寒気かんきを跳ね退く初冬しょとう
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百均の老眼鏡をかけてみる眉間の皺のおだやかになり
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灯台の 灯火ともしびなれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
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白き花弁はなびら 紫に色変わり 魔法の菊 ガーデンマム『ジジ』
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音さえも立てずに消えていったもの恋と悔いとが降る冬の丘
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たくあんの水が上がってヤレヤレと 米の袋をよいしょと外す
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ふわあっと 見上げた空に オリオン座 去年ぶりだね お久しぶりです
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右肩の斜め上なる 月光や 我が行く道を 照らし給へり
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胡麻酢和え。酢と思てたら 白だしドバァー 虚無が創りだす 黒い卵焼き。 / 黒ゴマだった🙄
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タヌ猫が おててでおみずを のんでいる 写真撮りたや トイレ行きたや
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卒業生残したレシピの効能で吾も実行昆布生姜茶
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半月を見上げて路上の缶チューハイ 思い浮かぶは柿の種かな
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会食を 終えて再び 仕事場へ 心暖か 事務処理集中
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公園の下 コンクリートの壁に チョークでえがかれし アンパンマン
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変わりなき幸せ想う例年の貰い手の待つ黒豆選別
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白々と弓張月の浮かびたる 日暮れ程なき十五時の昊
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秋の陽を風を吸ひ 黄色くなりぬ軒並みの柚子 冬の訪れ
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帰途の車窓 師走の宵は 既に闇 映るは乗客微睡まどろむ席
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秋深し くすみてよかれ うつろいの 言の葉つまる 妻の手をとる
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焼酎のソーダー割に柚子ザクザク「酔いどれ天国」一人気ままに
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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批判することは簡単トゲトゲをもて余してはスマホをさわる
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冬小雨乾いた空気に湿り気を 呼吸は楽に咳も落ち着き
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