早苗田に 青空映る水鏡 皐月の風にさざ波立てり 
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「幸せはご飯が美味しい事だよ」と 言う母の為に包む春巻き
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愛すると 今まで愛した あの人も 蘇っては あなたを見つめる
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人混みが怖くて独り海へ来た今度は静寂しじまが怖くなった
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ノーマスク常態化してもとどおり美人とブスはそれぞれの位置
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朝イチに重たき仕事片付けて 黄昏を待つ私のパソコン
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うっすらと 面立ち記憶する祖母の 年を追い抜き 老母ははは長生き
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今日もまたニュースを直視できなくて料理番組ながめています
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とびの身になりて晴れゆく大空を心ゆくままかけりたしかな
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夕暮れの木々の黄金に縫い込むは糸に煌めく鳥の歌声
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五月から半袖シャツを着るならば八月頃は何を着るのか
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「あれからも、ちゃんと幸せできている?」 沙汰なき友とまた会えたなら
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マンションの長き廊下に猫一匹お知らせ配る私をにらむ
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名も知らぬ祠に朝の光受け頭を垂れる術しか知らず
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様子見と言われて様子を見ないうち痣は彗星になって消えた
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遠雷の くもれる野辺にとどろき て 無人のあぜに 苗箱ひとつ
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水田がキラキラ揺れる春の夜 優雅に歩く白鷺一羽
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後回し 余裕ができて向き合えば 無職の今も 悪くないかな
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隣人に もたれ眠るは 相身あいみ互い なれど重きに そっと肩抜く
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朝露のごとく零れる涙拭きなんてことない顔で出社す
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好きという 色や形の 不確かさ 答え探して ため息に着く
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なんとなく娘にライン届けたい窓から眺む小立野の空
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西空を茜に染めし日の光 厨に注げば小綬鶏の鳴く
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仕事終へ庭へまわれば満開の躑躅つつじきそへり 白・桃・茜に
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かきつばた咲きぬる時を待つほどに水面みなもに映りし影はいずこへ
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温まる入浴剤が残ってる洗面シンクのしたで夏眠よ
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連休の慌ただしさが終わりつげ 体の不調で帳尻合わせ
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毎日が小さい「あっ」の繰り返し 大きな「アッ!」になりませぬように
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街路樹の枝葉をトレースする影で、無地なわたしも華やかな昼
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ゆらゆらとレースのカーテンなびくとき生閉じられる決意と覚悟
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