雪解けの水は盈ちたり千曲川 頒けて欲しかな乾きのダムへ
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はからずも一人の時間ネトフリでサザンの曲のボリューム上げて
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義母とゆくお墓参りの道のべにおおいぬふぐり見つけ摘みたり
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注射後にアウアウ鳴いている犬を宥める獣医のやわらかな声
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通院の帰りのご褒美 アイスかな セブンティーンアイスのある駅
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約束の旅行叶わずふさぐ吾に梅満開と杖渡す夫
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一粒の梅酒の梅に染み渡る 過ぎ去りし時間ときの流れを想う
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ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
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いつからか 砂糖入れず飲む珈琲 苦き味わひ心に満ちて
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派手やかに 咲く花よりも 紫の すみれ恋しき 春浅き野は
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震災の 記憶薄れる十五年 未だ震へる心模様あり
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濃桃色こいももの花零れ落つ遊歩道「意宇の里おうのさと」なる名の椿らし
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名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
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いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
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間違いは笑いとばして知らぬ顔シナプソロジー声弾ませて
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霏霏と降る雪は諦め悪いらし(ミシンの日)とうひと日付き合う
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軽井沢しらかば林の名残り雪 眼を灼くほどに反射する白
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食欲を増進させる薬出し それを絶対認めない医師/「自己責任です」
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豆苗の子々孫々に感謝して水を換えつつ三代目待つ
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農協の旅行直前キャンセルす去年の約束やはり叶わず
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「邪魔だよ」と「退けよ」とおきな毒を吐く他人ひとのささくれ我が身に移る/いつものスーパにて
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ちま猫ちゃん しっぽぴーんで よいごきげん ゴハンもたべるよ だいじょうぶだよ
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彼岸前もう満開の木蓮が手持ちぶさたに風にゆらゆら
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「寂しさの終てなむ国」など無かったと今なら言えるそれもさびしい
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雪解けの 春の陽気に誘われて 季節を食むる茎立摘めり
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刑事ものデビット伊東出てくればもう犯人はこの人ですよ
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こぼれ落つメモとペンとを追いかけてあわあわとする我が手がおかし
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春菊を湯掻く香りにふと浮かぶ 母と立ちたる実家いえのお勝手
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親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
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この先の天気予報に雪は無しこれが最後か降る雪眺む
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