「さよなら」は言わずに降りる各駅の故郷遠く動き出す窓
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鉢植えの 紫と白 葉牡丹の 姿華やか めでたい風情
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三箇日過ぎ 御節も食べ終はりぬ カレーの味の恋しき夕餉ゆふげ
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年の瀬の仕事納めへ バス停のわきの桜 はや細きつぼみ
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鳥はみな 味を知るのか 手つかずのまま 枝でれゆく 渋柿か
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猫たちは毎朝、ゴロゴロ喉鳴らし主人あるじを転がす世界の主役
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年老ひぬ愛犬よ 無事に良ひ年を 迎へるまでは だうか生きてね
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オンラインクレーンゲームでぬい十個 眠れぬ夜に獲ってやったぜ/⋯店より獲りやすい
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突然の訃報が届く年の暮れ 用意のしめ縄どうしたものか
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汗かいて 泣いて笑った ひととせが 静かに閉じる 令和七年 
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寒気かんき深まりぬ歳暮さいぼに 開花せし 葉の枇杷びわさき白ひ花
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あしもとに ねこのぬくもり あたたかく このまま永遠に ここから永遠に
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お利口に早く寝ていた ナマハゲはどこでも来ると信じ込んでて
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昔日の親族寄るは我が家にて怒涛の如き年末年始
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なます刻む 音のみ聞こゆ 小夜更けて ひととせ速し 除夜の まぢか
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ミニビール おそばとお寿司で 乾杯す 来年もこの日常が欲しい
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年の瀬の 賑わふ街の雑踏に 容赦なく舞ふ粉雪の華 
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明けやらぬ厨に白き湯気のたち日の出を待ちて両手に包む
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唐突なLINE賀状に雪冠る辛夷こぶしの蕾撮ってあけおめ/あけましておめでとうございます
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娘から友の死因を聞いたとき境遇を知りただ真顔になる
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「タクシーで来てね」ラインに既読なし寝不足にした犯人なのに
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昨年の暮れより引きずる動揺は急なる旅にて一時忘れて
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境内の列に並んで初詣おみくじ見せあう晴れ間の元旦
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初詣 切に願うはこの二つ 無病息災 風呂キャン脱却
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酒の味おぼえてみれば怖くなるいつか呑まれる自分を想い
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孫達の 無邪気な笑顔 見つめつつ パワーを貰う 仕事始め
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倒れども傷から芽を出せ立ち上がれ 刺さる曲聞き始まる一年 
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仰ぎ見るオオトリに乗り初夢の銀河へ飛ばんイーハトーブへ / 近所の料亭のフェニックス
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誰も来ぬ予定で除雪せぬままに宅急便と新聞が来た
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姪とわれ 炬燵こたつに入り お互ひの 足が当たりて 思はず笑ふ
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