光増す毎に緑陰濃くなりて葡萄畑のつる伸びてゆく
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原っぱと空き地の区別つかぬまま靴をぬいでる段ボールの基地
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この生のすべての夏を束にしてリボンをかけて君にあげたい
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息つぎの仕方を忘れていた日々の服を静かに脱ぎすてる午後
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我が里の 児童こらが通いし通学路 熊鈴の音風鈴に似て 
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忘れてていい。忘れないでほしい。と、遠く微かに瞬く恒星。
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澄む水に透けてゆらめく砂色のほのかになびく雲は滑らか
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生い茂り 何を守るか 草木たち 誰も知らない 廃屋の声
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レモンティー 900mlミリの 紙パック 母の思い出 聞きながら飲む
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たまにはと階段上れば心臓が運動不足の警鐘鳴らす
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爺ちゃんと孫の二人がカフェに来て会話やりとり可愛すぎるよ
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健診で 歳を言われてハッとする 他人に言われて 事実再認
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チリチリと頭の裏を伝う恋行き場無くして地に垂れ落ちる
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秋風の渡る高天たかあま裂くごとく鷹はくだりて鳶を追ひ詰む
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携帯扇手に取りスイッチ押してみる 去年の夏の電気が動く
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母になり ライブハウスはほど遠く でも風や木が 微笑んでくる
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冷房をつけてる部屋の片隅にまだヒーターが鎮座している
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職人の誇りがひどく傷ついてチカン冤罪に激怒する掏摸すり
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降りにけり五月雨近み定めなく晴れむと見えてかきくらす空
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亜麻色がなにかも知らぬまま父の膝で見るたなびく亜麻色
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みぞおちを えぐる思いを 一行に 閉じ込める術 言の葉すり抜け
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願はくば 優しく撫づる 御手みてて 留めおかなむ 有明の月
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ゆめをみる ご飯を食べる 空を見る 革靴を履く もうすこしなく
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ほんたうのペアのグラスはすぐに割れかたわれづつを冷やす再婚
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ぼろぼろでぽろぽろな日を乗り越える強さはどこに売っていますか?
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爪を切る ネクタイを結ぶ 歯を磨く 胸一杯に朝の光を
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持たされし院内PHSピッチが外来のナースの声で「準備ができた」と
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私には あなたを壊す 勇気なく 壊してきた過去の人らが
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陽だまりの 丘に寝そべり 微睡みて 柔き口づけ 許したる午後
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僕たちが 星座で例えられるのなら 君はこと座で 僕はいるか座
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