父の亡き友人偲ぶ 若かりし頃の思ひ出 語らひぬ父母
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何者か 語ることなき そのおきな  微笑みたたえ キジムナー描く
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医学とは進歩めざましく超えられぬ好きに産まれて好きに死ぬ事
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ぬばたまの黒き羽にも茜さし ゴミ漁り終え金烏飛び立つ
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なにもかも ひととき忘れてみたかった それは誰にも責められぬこと
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枯れ葉散る間もなく 枝を落とされり 街路樹の剪定 理髪の如
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リビングの壁にあなたの影みつけ 師走の低い朝陽のしわざ
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結局は朝三時まで作業して徹夜のつもりが眠くなるもの
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曇天に蓋をされ 秋の温もり包み 寒気かんきを跳ね退く初冬しょとう
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外の風部屋に取り込み揺れている 1枚となる壁のカレンダー
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納豆に日頃の苛々ぶつけても健気に美味い ごめんね。納豆。
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旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
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同僚ともからの 旅の土産に 温もりぬ 忙しくとも 足痛くとも
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思ひ出をだいじに去らむわれわれと入れ替わりにホテルに入る家族
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光のあみが足にやさしく絡みつく 初冬の海がゆびさきに沁む
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飲み足りず 君を誘って ウイスキー プライベートで 気取らぬ二人
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娘からこれがいいって頼まれた肩まで包むネックウォーマー
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大樹だけ見上げて僕は腕の中 強き命は大地の力
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灯台の 灯火ともしびなれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
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白き花弁はなびら 紫に色変わり 魔法の菊 ガーデンマム『ジジ』
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音さえも立てずに消えていったもの恋と悔いとが降る冬の丘
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たくあんの水が上がってヤレヤレと 米の袋をよいしょと外す
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ふわあっと 見上げた空に オリオン座 去年ぶりだね お久しぶりです
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右肩の斜め上なる 月光や 我が行く道を 照らし給へり
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胡麻酢和え。酢と思てたら 白だしドバァー 虚無が創りだす 黒い卵焼き。 / 黒ゴマだった🙄
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タヌ猫が おててでおみずを のんでいる 写真撮りたや トイレ行きたや
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卒業生残したレシピの効能で吾も実行昆布生姜茶
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半月を見上げて路上の缶チューハイ 思い浮かぶは柿の種かな
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会食を 終えて再び 仕事場へ 心暖か 事務処理集中
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公園の下 コンクリートの壁に チョークでえがかれし アンパンマン
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