Utakata
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燕来て ひっきりなしに口開く 雛へ運ぶは無償の愛か
20
六月の梅雨の合間の晴れの日を共に惜しむか長い黄昏
18
熟しゆく
碧
(
あお
)
き葡萄の密やかに蔓の
庇
(
ひさし
)
に夏至を祝えり
13
駅前で 令和の夢を 託されて 梅雨の晴れ間に ゆれる短冊
20
雨の中 殻を
背負
(
せお
)
って ゆっくりと 歩む
蝸牛
(
かぎゅう
)
に
処世
(
しょせい
)
を学ぶ
15
あじゃぱーと言うたび母に注意され兄はガチョーンと反抗してた
16
寄せ書きに感謝の言葉並びをり母を看取りてまた読み返し
12
倍速で浮いた時間に置き去りの 胸に残らぬ楽しむこころ
15
眠れねば山時鳥聞く夜半に本を捲りて朝を待ちなむ
12
弁当はラベルの貼られた方向でいただく私の正しい暮らし
10
停電を笑う子らの目合わさりて「明日みんなに自慢しようね」
13
たたみ皺のばせば子供のぼくがいて 光放った 衣替え、夏
30
麦畑と田植え間近かの水田とソーラーパネルひとつ車窓に
15
ポケットは未確認です洗濯機 鳴門海峡ティッシュの浮かぶ
12
水垢にはレモンがいいらしい 泣きたいときには泣いていいらしい
8
想い出のライブの半券文字褪せてバンドはすでに解散してて
7
食いつなぐ 健康でいる その時がきたら誰かにあげれるように
8
たのしくてすごく惨めな恋心 忘れちゃいなってみんなは言うの
7
アスファルト真昼はちょっと熱いから日が暮れてからリード取り出す
7
お爺ちゃんかまってもらうためだけに
A
T
M
の前で携帯
8
私に足りないものは一つだけ ベッドの影の懐かない猫
6
一軒のダイソーに無き欲しき物二軒三軒巡りても無き
6
いと高き夏の昼空白き花タイザンボクは今年も麗し
6
一心にバット振る子に我重ぬ 六軒長屋の長嶋選手
14
屋上の ドアを開けると 涼しげな 風が吹き込む 夕方なりて
13
滅茶苦茶に悩み残業を受け入れる きっとこうして生きていくのだ
8
きらっとした 涙の粒が 愛しくて 力強くて 羨ましくて
5
ひさびさの梅雨の晴れ間にひびきゐし刈払機のエンジン音やむ
6
まだ寝ない 寝る予定では 無いけれど ちょっと横にと わかりつつ朝
5
20
万人を生き埋めにした楚の王に 大陸人の本質を知る(「項羽と劉邦」再読)
13
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