さむそうに ひっついて寝る ねこたちに ホットミルクを 飲ませてやりたし
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悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
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隣席りんせきの父親にかかへられし子の微睡まどろみぬ長き睫毛まつげ揺るる
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雷が家の真上で鳴り響き春が終わると宣言してる
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春雷が百足の季節告げてゆくびくびく眠る夜がまた来る
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塩づけの葉桜つつむ知恵人の想い香も馳せ道明寺食む
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卯月とて夏日に嘆く心辺も夕へ突く音の寺鐘に消ゆ
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足元に花のひとひらくるくると吾と遊べり風のになる
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サザエさん見て笑ってはニュース見て迫る明日へ憂い染む夜
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生真面目な主人の愛のいろどりをこぼさず食べる五目そばなり
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春嵐も花粉も過ぎて神経が落ちつきそうな季節は近し
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最終の特急見送るポケットにチクリと刺さる入場券の
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ステテコをエアリズムにと替えた朝 開脚幅が少し拡がり
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ルビーレッドキウイの季節がやってきた 紅く紅く紅く あまき果実よ
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「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
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つい歌に落とし込むクセ抑えつつ気持ちの煌めきだけをすくって
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悪女とはすごい美人と限らないとっても悪い女ですもの
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取り囲む山並み雲に溶け込んでとろり鈍色梅の白冴え
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朝の瀬へ向かふ歩みに夜へ乞ひし恋慕の灯り苦し相反
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僥倖の大口取引掴み取り シニアの意地をここに示せり
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しゃべりたい自慢したいがカッコ悪い Utakataだけにこっそり投げる
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移ろいの旬の素材に触れて湧く綴りし文の果て無き旅へ
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さりげなきまばゆい笑みに心音の波はあの日の君へたゆたう
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冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし季節ときよ桜咲くなり 
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宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
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地球儀をまわせば指が街を消し 僕らは桜の圏外にいる
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矩こえしシオニズムこそ元凶を諌めず魔王はゲームのいくさ
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最終便  繋ぐ右手の温もりと左手刺さる入場券と
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夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
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想ひ出も春の嵐に散りゆけばコート脱ぎ捨て光纏はむ
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