Utakata
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黄色
透
(
す
)
く花びらうすく咲きなびく初夏の薫りの花は爽やか
17
珈琲に深きため息染みていく 黒に混じりて悩みも溶けて
21
あらし過ぎ
瘡蓋
(
かさぶた
)
剥がし また重ね なに食わぬ顔 凪を疑ひ
18
夏なのは暦の上のだけなはず五月は春のはずなんだけど
13
谷水の深き緑に袖
浸
(
ひ
)
ちて
掬
(
むす
)
ぶ手近く
奔
(
はし
)
る若鮎
16
夏の入り口の匂いがしたけれど 夜の涼しさもう少しだけ
29
絹さやを嫌というほど食わされた 実家の飯のああ豊かさよ
12
物憂さを纏ったスーツを身に付けて駅までの坂を黙ってのぼる
12
主のなき部屋にたたよふ在りし日の家族の影のとほくこだます
12
悲しみは部署の宴会遅刻して部長の横しか席がないとき
17
若き穂の とうもろこしの 指す空は 真夏に向かう 未だ薄き青
16
人も木も
種々
(
くさぐさ
)
に花の 咲き満ちて 時うつろへど
永久
(
とわ
)
についなし
14
おそろしさ 恐怖、不安と無力さを 全て抱えて 私は やるだけ/最終面接
10
ついに今日冷房つける夜となり梅雨の前から夏は本気だ
10
新聞の バイクの音が近づけば 朝靄の中今日が始まりぬ
21
この空の蒼の重さと夏の
陽
(
ひ
)
に おろしたシャツの白で抗う
23
宵の口 帳に灯る 蛍火に
腕
(
かいな
)
を伸ばし 星を取りけり
9
放たれた稚魚さびしげに漂えば掬う手のあり グループ
L
I
N
E
19
海望む道を小走る夏の風 記憶仄かに大滝メロディ
9
帰り道 話題を一つ 落としたまま 拾わず歩く 街路灯まで
9
いつもより 早めに起きて 支度した だってあなたに 会えるのだから
9
フロントの若葉マークが吹き飛んだ いつか何処かの青い野原へ
11
聞き慣れぬ声と姿の野鳥おり 人口減って山化する村?
15
暁に声も絶え果て木の暗にねぶる小さき
木菟
(
づく
)
の面影
9
「ねえ聞いて」夜中に天使が揺り起こす「きみが逃した魚は小さい」
8
行き迷う街辻々に風巻きて漢神居たり
疾風
(
かぜ
)
巻く辻に
8
ムクノキの陰に園児らやすらぎて五月はこんなにも美しい
9
指のたこ 左官の
鏝
(
こて
)
に指を添え脚立の上で壁塗る父よ
9
来年に死ぬ人としてデパートの開店時間待ちわびている
12
俺たちは
N
I
S
A
のことも知らないし 口づけをする術も知らない
7
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