野垂れ死ぬような気がしていた父に 存外友が、いるのを知る夜
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寅さんの「それを言っちゃあおしまいよ」聞いて頷く我も俗人
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有りもしない 君と私の 赤い糸 信じて、握って、 春を待ってた
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心地よい実家で過ごした代償がデジタル表示体重計
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苦しさも悩みも持たず生きるフリ そんな大人のつま先を見た
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父の撮る母はいつでも笑ってて誰が笑わせてるかも分かる
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山間の 路傍に咲きし鬼百合の 孤高の姿凛と立ちをり 
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朝顔の 葉の艶めきは 夜露かな  やさしく撫でて 産毛に触れる
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流れ行く雲を見上げる猫の鬚かすかに揺れて秋風が吹く
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後輩になるかもしれぬ男子の分を纏めて払う女子の颯爽
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かげの濃さ緑の深さ花々の色鮮やかさ目を刺すきせつ
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秋ともし大和坐りの観世音 注ぐ光の淡き優しさ
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雨上がり 足もとにだけ 空があり 今日の曇りを 返して跳ねる
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カラオケを出て横歩く君の手は私の右手をマイクの代わりに
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みーんみんから変わってる蝉の声 ツクツクボウシ秋を告げるや
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踏切で群れる鳩へと警笛を鳴らせば教官わたしを𠮟る
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去年まで何があったか1ミリも思い出せない更地がひとつ
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下車駅に着いてしまうわもう二度と逢えないだろうあなたが横に
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効能が報告されているサプリ 第三機関が確かめたのか
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幼き日火の扱いを覚えたる蚊取り線香煙と消えて
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刺す痛み 涙の海に飛びこんで 人魚みたいに泡になれたら
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大歩危の 岸の狭間を 流れけり 人の行く途も 危うきものぞ
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そんな折 暗闇が怖くなくなるのは失うものが減ったってこと
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晴らす気も 覗く気もない 奥の霧 上手く言えなかった 助けてって
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北国は 早いんだよな コマーシャル 毎年思う もう冬タイヤ?
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両の手にいちじく受けてたらたらと盛り過ぎつつある夏啜る
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軒下にスズランテープを巻き込みし洒落た玄鳥つばめの巣に雛が鳴く
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煎りじゃこの八百やおまなこに睨まれど 平然としてご飯にのせる
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夏はまだここにいるよ、と雲が言う どこにも行けない私のために
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見てわかる悲嘆と安堵は矛盾せず絶えずあなたは愛されている
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