子育ては遂に終わりぬ 精一杯渡した想いが届かないまま
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老眼鏡かけても読めず虫めがねサプリのちらし「ご注意事項」
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人生は 走りきるのが 一苦労 バトン渡せぬ 孤高のアンカー
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太陽も山の向こうの青空も塗りつぶされる 黄砂降る午後
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禁煙を成し遂げた人は何よりも何をおいても偉いと思う
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ちま猫がお腹の上に乗っている 正確に言うと膀胱の上
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夕立をその身に受くる少年の母は空見て案じるらむ
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「そう言えばこないだそこで転んだ」ときみが指差す先に蒲公英
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霧雨は そっと置くような 優しさで 大きなツツジを 露に濡らせる
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打ち込める何かをずっと探してた 餃子を包んでひたすら食べる
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くちづけて愛を誓ったひとに今「オメデトウ」なんて拍手している
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道のべの 知らぬ名の花 ひっそりと  春の香りの いぢらしきこと
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お気に入りおもちゃを落とし割れちゃった 二歳は初めて「壊れる」を知る
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泣く子をば父の後生と思はする 擦りあふ袖に さきあれと
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薄暗い 部屋の片隅で うずくまる 無常という名の ひざを抱えて
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昔から魅力は感じていないのに不思議さだけで好きだマンボウ
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17時パッと飛び起き20分 中華丼にししゃもに味噌汁
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枕元 くるんと丸くなるチビ猫を 抱いてぬくもり感じて眠る
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母乗せて車椅子押す畑道 汗水流した母は無口で
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歩いても歩いても月には着かずうさぎよ君に願い届けて
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この香り出逢った時と変わらないオロナインから気付くプライド
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ひとしれず 終わる命を みおくれば 辛夷こぶしの枝に 白く珠成たまな
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子育てをやり直したとてきっとまた同じ事してしまう気がする
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ねこケロケロ 飛び起き片付け 2時間後 オナカスイタと 細切れ睡眠
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うたた寝から目覚め ねこ母 汗ばんで 穀雨とぞ知る 春から初夏へ
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弱くても痛みがわかるあなたがいい傍にいたいと願ってしまう
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何してる? 仕事の合間 帰り道 いつもどこかに 君への想い
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婆ちゃんが「今風呂入る」ちょっと待てせめてお肉を焼いてからにしよ
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いつもより 会話の多い 土曜夜 仕事の疲れ 笑いで払拭
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何なのか分からないけどなんとなく幸せ感の一瞬がある
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