Utakata
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ムクノキの陰に園児らやすらぎて五月はこんなにも美しい
14
指のたこ 左官の
鏝
(
こて
)
に指を添え脚立の上で壁塗る父よ
14
谷水の深き緑に袖
浸
(
ひ
)
ちて
掬
(
むす
)
ぶ手近く
奔
(
はし
)
る若鮎
22
夏野菜カレーに挑戦しようかなマイナスイオン意欲促す
13
花々を抜けて羽ばたく蝶々らのながれる色は風に咲く薔薇
12
フロントの若葉マークが吹き飛んだ いつか何処かの青い野原へ
14
銀色の 砂丘に風が 吹いている 月の目をした 鴉が飛んだ
11
自販機のあかるさのなかタンポポと夏のありかを探すサイダー
15
暑ければ冷房つけろテレビ言う節電しようテレビを消そう
12
私より上手いあの子がこの道と関係のない進路を選ぶ
11
同じ空いつもと同じ田んぼ道下手くそな歌聞き逃す風
11
三行半
(
みくだりはん
)
酒に突き付け はや
九
(
く
)
年 夏のビールに 復縁迫らる
12
珈琲に深きため息染みていく 黒に混じりて悩みも溶けて
23
畑から 戻って三杯 氷入れ 麦茶を飲んで 五月の正午
9
悲しみは部署の宴会遅刻して部長の横しか席がないとき
19
灰色の日々もあなたがいるだけで 透き通ってゆく、はつ夏の風
9
不毛なる争いやめて巻き込むな私は中立 きのこたけのこ
8
「おいしいね」は 魔法の言葉
美味
(
おい
)
しさを 響かせ笑顔も 広げてゆくなり
13
仕事なく早上がりする月曜の居心地わるい子の誕生日
9
今日も行く 昼餉の店は 定休日 繁く通えど
定休日
(
やすみ
)
も知らず
9
新聞の バイクの音が近づけば 朝靄の中今日が始まりぬ
24
帰り道 話題を一つ 落としたまま 拾わず歩く 街路灯まで
12
いつもより 早めに起きて 支度した だってあなたに 会えるのだから
11
風荒み
煽
(
あふ
)
らるる羽を立てなほし鳶は
食
(
は
)
みけり烏みる間に
7
エアコンの効いた部屋にてサイダー飲むなんて優雅な猛暑日なりけり
7
君のため 歩いた癖が 抜けぬから 日暮れが遅く 家まで遠い
7
恋し人貴女が違う屋根の下 幸多かれとただただ祈る
7
人も木も
種々
(
くさぐさ
)
に花の 咲き満ちて 時うつろへど
永久
(
とわ
)
についなし
15
映画館 チュロスを握ってふと気づく あの子にもこうすればよかった
7
節慣れでいまだ世慣れぬ時鳥忍び来よ来よわが杣の宿
9
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