この胸に静かに想う人がいて 嵐が来ても闇の中でも
18
帰宅した息子と同じ屋根の下平和な夜が我を癒しぬ
13
ルーティンも人の名前も出てこない 私はサイバー攻撃された…
15
新米の 炊きあがる音ヒューヒューと 湯気の向こうに老いゆく妻よ 
14
いつからか君を想うが癖になり それを幸福と呼んでしまった
9
久しぶりに振るダンベルの重かりき 吾が筋力の衰へしかな
9
朝寒し猫に起こされ散歩するコスモスゆれて薄桃の空
11
あの子から返事きてるか見てしまう さっき見たのにもう四回目
10
スカーフと手首の保温重ね履き晩秋らしく進む身支度
16
胸を張り前へと進む愛犬のカボチャの馬車に揺られ逃げゆく
8
小雨止み 三沢空港 虹の便 都の背子へ 思い届かば
8
同じ本同じ値段がついていて痛み具合が違う古本
9
山頂の 自販機で売る 飲み物を 運ぶ人らと 並んで登る
9
傘差してゴミ出し行きかけ雷鳴に 踵返して車で向かう
12
伏姫の涙の雫やまぶどう 誰も知らねど色づきにけり
8
風ふけば匂う藤袴さやけしや むかう背子の香ゆかしき恋や
7
ランチする相手がいない休憩にアイスクリンを舐める自由よ
7
見下ろせばぽこぽこ動く通学帽大小並ぶ湯船のひよこ
7
濃い髭を触らせてって笑うのは同棲を始めた魔女でした🎃
14
あなたの手しっかりつかみ離さない傷は黙って傷を知るから
8
冬に見る セミのぬけがら 干からびて 夏より少し 香ばしそうで
7
トンネルの 明かりが横へ 流される まるでミカンの 生産ライン
7
ラッパーは罪を重ねて出世する(さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば)  いづくも(どこでも)同じ 秋の夕暮 070/100 良選法師
7
捨てられたアイスのゴミに集まって群がるアリと目が合った午後
10
片付けるしぐさかフォルムか「お父さんにソックリ」と云うパートは古参
8
老いゆけば焦る心を抱きながら今日という日を一歩踏み出す
6
霊柩車 見るたびその場であたふたと 親指隠す変な習慣
18
ヒーターを早めに置いた洗面所なんだか今日は邪魔に思えて
7
ありがとう ごめんなさいの 二言が 素直に言える 人になりたい
7
街灯の光遮り葉を揺らし雪の匂いの風が吹いてる
18