この空の蒼の重さと夏のに おろしたシャツの白で抗う
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朝靄に 紛れて歩く 横顔を 追えばほどける 靴紐ひとつ
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神主さん好きな料理は磯辺揚げなぜなら海苔と揚げるからです
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悲しみは部署の宴会遅刻して部長の横しか席がないとき
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「恋する」を「あいする」と読み三角をくれた先生は独身のまま
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妻の背の思いの外にやつれおり なでてやりたき 琥珀の酔いに
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聞き慣れぬ声と姿の野鳥おり 人口減って山化する村?
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夏の入り口の匂いがしたけれど 夜の涼しさもう少しだけ
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珈琲に深きため息染みていく 黒に混じりて悩みも溶けて
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ワレワレハ 宇宙人だと扇風機 面白がって真似をするきみ 
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読まないで 積まれた本の 背表紙を 続けて読むと 叙事詩のごとく
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来年に死ぬ人としてデパートの開店時間待ちわびている
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生きてしまう 生まれてしまう 人間の 強さか弱さか 八日目の蝉
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夏なのは暦の上のだけなはず五月は春のはずなんだけど
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黄色く花びらうすく咲きなびく初夏の薫りの花は爽やか
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あらし過ぎ 瘡蓋かさぶた剥がし また重ね なに食わぬ顔 凪を疑ひ
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物憂さを纏ったスーツを身に付けて駅までの坂を黙ってのぼる
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花揺らす風が過ぎ去り猫あくび世は事もなし靴下に穴
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新ジャガの 美味うまさコロッケに詰め込みて 君を待ちおる 今宵こよい夕餉ゆうげ
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予定なし すこぶる快晴 鳥のように どこまでも行け 私は自由
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宵の口 帳に灯る 蛍火に かいなを伸ばし 星を取りけり
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駄菓子屋の飛行機かかえ空き地まで 「せーの」の声に子ら風を読む
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切りすぎし前髪おさえてはにかんだ幼き君よ 泣けてくるほど
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あまた度呼びて鳶舞ふ嶺の松いらふる声の絶えし虚空に
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少しだけ 月が大きく 見えると言う 息子を肩に 乗っけて帰る
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ハット卿管理能力疑問だよ トーマス崖に落とされてたよ
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約10分 ねこたちビビりて 逃げ惑う 半年いちどの 消防点検
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霧深み我が旅のみち見えなくに路傍ろぼうの花は美しく見ゆ
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ブーンブン濃い山吹に隈取りがメンチを切って我身固まる
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教え子の近況聞けし偶然に嬉しい限りれにか言わん
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