Utakata
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大量の 宅配ピザが くぐる戸の 見知らぬオフィスに 和む夕暮れ
16
想いひをば三十一(みそひと)文字に紡ぐ時 齢八十なほ遅からず
12
この辺は稲刈りこれから白鳥はお構いなしにもう着いている
20
よくもまあ生きてきたねと肩たたく人もおらずに秋の夕暮れ
13
ただいまと言えば激しくおかえりとしっぽで示すきみがだいすき
27
一度目の花期を野分にさらわれた金木犀が二度咲く秋日
11
風呂の
灯
(
ひ
)
が 昭和
62
年製 大往生だよ お疲れ様です
11
寒いねと 袖に手隠す 君を見て 秋が来たなと 気づく今日
12
書きなれたペン持ちてゆく秋晴れの大病院の初診外来
11
開けにくいオリーブオイルの内蓋に独り暮らしを思い知らされ
10
見えるのは空しかないはずだったのにこんな小窓にカーテン付けて
11
文月のこもれびの中歌を詠むわたしはわたしのためにうまれた
10
酒断ちて じっと我慢の二週間 組織検査の結果を待てり
22
葉が落ちて隙間だらけの柿の木を貫き西日風にきらめく
18
泣く場所は各自でご用意ください痛みはこちらで取り揃えます
8
佃煮にさしたる違いはなかろうが 常陸土産は子持ちわかさぎ
17
貴方にね 「付いてゆく」と言う 私のね ほんとの心 『憑いてゆく』なの
7
秋がきてすずしい空に見る雲は大きなつばさ船を漕ぎつつ
7
書きかけの小説ぱらぱら風に舞い少年は半透明になる
7
両耳をつかんで丸く眠る君お腹の中のあの日を想う
8
夏の果て 黄昏れ染まる山門の 木漏れ陽射して 苔むす山路 笑み溢れ
6
白鳥の集える稲田に落穂あり 性能悪し稲刈機だと
12
『キミ』と手を繋いで歩いたあの橋はどんな雨にも流れなかった
6
白髪の後頭を見つつ押す 椅子の軽さが物哀し午後
6
謎解きのイベント親子で 挑むふと見せる成長 極上の謎
6
道端で「あの子可愛い」 ねえあなた? 冷たい視線横に突き刺さる
6
よく励み日々に認めては 楽園に潜む魔物に食わるる心
6
急に来た数日間の空き時間 のんびりしようかルンルンしようか
11
「ふたりだけの国」を建てようこの部屋に主権は君で国民は僕
6
オー・ヘンリーの「罪と覚悟」を聞きながらバイクマシン漕ぎはや三十分
6
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