「お母さん、スマホでとって!」風呂場から薄紅色の雲を指さす
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宿世ゆえ 逃れられぬと若き頃 東京(みやこ)を捨てて七十路の坂 
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旅行中ビルの高さに上を向き 東京人は皆下を向き
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わたしとは三度祝った誕生日 今年は誰と祝ってますか
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駅を出た 床屋の前の 書店無し 三月経つ間に 変わりゆく町
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きっと耐え難いことでもあったのね 金平糖をすり潰す人
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返信は いらないなんて またしても 言葉が裏抜け 逆さに読んで
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向日葵の幼き芽立ち見つめつつ今年も暑き夏を待ちをり
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ちょっとした猶予みたいな夜だった むき出しの腕を撫でる涼しさ
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やれることすべてやったさ そうだろう? ぬるい湯船で手と足のばす
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涼し気な入浴剤が合わぬ今日バラ売りの「バブ」一個贖う
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お向かいの更地を照らす水無月の お婆ちゃんの笑み、僕のフォルダに
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奥行きのある世界へと旅立てるそんな旅なら仕度をしたい
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「一区切りついたら先へ進めばいい」「つかなかったら?」「ここにいればいい」
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早口のドラマの会話に置いてかれ 対象年齢外れた耳かな
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出稽古を終えて静まる体育館 薬缶に結露 うすきカルピス
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西の空 潜水艦に似た雲が金星目指す 新月の夜
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別れ際  忘れないでと言うもんだから   いつまで経っても嫌いな4
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明日から仕事が一つ増えました梅シロップの瓶の振動
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消し忘れ サッカーのため アラームが 今日も鳴って 早起きしてる
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ため息の漏るる音すらくぐもりぬ 人も薄れて 暮れる待合
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いつの間に大人になった 嫌な顔一つもせずに飲むジャスミン茶
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鉄骨のすき間の藁を引き抜けば無毛のヒナが出て来、押し込む
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大丈夫と言った父の背は少し曲がり始めて小さく見えた
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緑より みどりに近い 山々は  このながあめで なお青くなる
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知らぬ地で 最後の砦 人頼り AIよりも 我を救いて
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ボール飛び出し子ども飛び出し恐竜飛び出すドライビングシュミレーター
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デイケアは久しぶりにて薔薇の花黄色の言葉の友情ありて
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牛車ぎっしゃより裾ほの見ゆる祭りかな蝶の羽風に匂ふ橘
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土まんじゅう叩く雨音聞きながら 熊の帰りを待つ肉となり
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