昨年の暮れより引きずる動揺は急なる旅にて一時忘れて
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境内の列に並んで初詣おみくじ見せあう晴れ間の元旦
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初詣 切に願うはこの二つ 無病息災 風呂キャン脱却
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空見上げ 馬の目遠くを 思うごと 青き泉を しんたたえり
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酒の味おぼえてみれば怖くなるいつか呑まれる自分を想い
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仰ぎ見るオオトリに乗り初夢の銀河へ飛ばんイーハトーブへ / 近所の料亭のフェニックス
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誰も来ぬ予定で除雪せぬままに宅急便と新聞が来た
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隙間空くお節をいかに詰めようか思いあぐねる三日目の朝
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壊したい明け方四時に鳴き出した鶏どものスヌーズ機能
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食細くなりつ 持ち直す老犬 無事に一緒に 正月迎へり
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軽くなる わがに 不安募りゆく だけど負けない 心折れない
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爆音に他国のおさを引っ立てて裸の王様ひとり笑みたり / トランプ戦争?
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正論を言いながら子に甘えてる愛しさふわり母の正体
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新しいノートを開くときのように年の初めの意欲ふくらむ/本年もよろしくおねがいします
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「馬」という漢字のなかの四つの点逃げださないよう釘を打つ夜
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「赤い糸」なんて信じていなかった 紅茶に溶ける砂糖の白さ
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高層のホテルの壁はミラーにて日毎の空とビル群映す
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珈琲の湯気に「まる」と書くような そんな明日を期待している
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世の中はいろんなことがおきてると眺め回してたたむ新聞
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「明日から」なんて言葉を飲み込んでみたらし団子三つ目の宵
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薄雲の衣纏ひて寒の月 喧騒疲れの我を慰む /仕事始め
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懐かしの 阪急電車 祖母の家 セピア色にて 残る思い出
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天気雨 不気味なまでに 空は晴れ 光の粒が 斜めに落ちて
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離れ住む遺影の兄は若返り スマホビデオで葬送に並ぶ
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西方の海より来たる七福神 街へ村へと福を運んで
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ボコボコと電気ケトルが騒ぎ出し元旦をつつむ褐色のかほり
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静かな日いつもと変わらぬ街の音 聞こえていても静かな一日
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元日の夜半よわ 初夢や 富士よりもとうとかたわらには亡き祖母
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新年を祝ひ持ち寄るお裾分け雑煮の白は富士より白く
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四十年ぶりにひく手の大きくて しとどに酔いし息子を送る
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