予報士の詳しく語る涅槃西風ねはんにしその風に乗り亡兄姉けいしも帰るや
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夕陽せきようの真西に光る浄土でも子の難に泣く亡母の祈り \ 彼岸にて
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先頭車両より眺む 爽快に 車窓に映る 線路と桜
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すやすやと よいおてんきの まどぎわで ねこたちならんで ゆめのなか夢の中なり
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ペン持たず 散歩がてらに 歌を詠み 未送信メールに ネタをメモ
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雨音を静かに聴こう春の朝眠りと目覚めあわいの中で
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東煌とうこうの夜明けをのぞむ月曜日助走をつける春のあけぼの
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鍋の中踊るマカロニくるくると箸で邪魔する無粋なわたし
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新卒の少女の声は自信満ち 「教師」の顔になりゆく弥生
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吹き付ける雪で「止まれ」の文字消えて逆三角の形が頼り
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ポリ缶に微妙に石油残りたり 開花までには足りるか足りぬか
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温泉の カフェで働く アインさんに 「半券」という 言葉教える / 「半分下さい」と云われ「?あ、半券ね」というと半券を連発
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何卒と お願いするも 姿勢だけ 真心がない 定型メール
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適当に辞典めくれば「ナポレオン」「鍋」と「生」の間に君臨
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熱々がイイのは鍋の豆腐だけ 猫舌温度のカフェオレを飲む
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どっちの名も 複数読み方ある夫婦われら 配達のおじちゃん 惜しかったで賞半分当たり>簡易書留2通、珍しく同日配達
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今は亡き祖母の暮らした 下町の 目と鼻の先には スカイツリー
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片づけのラジオでくすりとむなんて久し振りだと思う夜かな
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冷え込んで 花粉多いは割に合わぬ 明日は家から出たくないなり
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チビ猫は かんぽう漢方まにあマニア 空袋 においたくって うしろでまってる
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不器用にぶつかりながら生きている そんな僕でも君を愛してる
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お彼岸と忘れていたが何もせぬわけもいかぬと称う念仏南無阿弥陀仏
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飛び石の間に落ちた金曜日 嫌々そうな車内の顔顔
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あと8点ヤマザキ春のパンまつり 桜の咲く頃には貯まるかな
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調剤薬局薬局で激しく咳込む患者お方から スススと距離取り 自己防衛を
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本当の俺はこんなもんじゃないとみぃんな思い見る二等星
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月一度 短歌の会で短歌うたを詠む 辛口あるも優しさもあり 
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手荷物を長距離バスの床に置き古里目指す家業を継ぎに
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夢の内容なか えらい矛盾が多くって 寝ぼけまなこで 辻褄合わす
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一日中 食べ物のこと考える しかも食べたくなくて考える(何なら食べれるかと)
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