Utakata
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鱗雲 ジグソーパズルのひとかけら 夕焼け空からぽろりと落ちる
33
新米と一緒に送らる干し柿はたっぷり甘く蜜のあふれて
20
病でもお勝手仕事やれるうち意地も半分平気と思う
24
自分では気にとめなかった言の葉を「落ちてるよ」って拾ってくれた
19
愛犬の初めて出会いしギンナンに落穂拾いのごと鼻寄せる
13
今日もまた 君が紡いだ言の葉を 噛み締め過ごし 一日が行く
12
その人はもう帰らんと聞かせても鳴くのをやめぬ猫のかわいさ
12
不作にて採れたる芋は少なくも筋肉痛は少なくもなく
14
この道を歩いた君もいたのだとそれを形見に堪え忍ばん
11
スーパーで一升瓶をかうときの袋を妻は葱入れとして
12
知己などが 訪れてくる時にだけ トイペを高いものに変えたり/見栄
10
約束か呪いなのかも 分からずに 渡せぬ言葉 なぞる消しゴム
11
浴槽に 浸かりてめくる 古本の 表紙と我の 指はふやけて
9
朝サラダ育てたサニーレタス添え彩り鮮やかいただきますね
8
人口に膾炙してこそ言葉なれ 美醜正誤を問うは虚しや
14
黃と青のマンホールふた雨上がり小学生が傘で突っつく
8
よく見れば 動植物や 空や山 綺麗な色の 神の作品
8
涼風に 飛沫舞う舞う 天の川 濡れたくるぶし 十月の海
8
桔梗咲く 何もなかった 日のことを 何度も噛んで 甘くしている
8
よい犬のように振る舞う ランドとかシーより行きたい散歩があって
8
藍も緋も下地に統べる黒ありき 燃ゆるパリーのくすぶる自由
9
怠惰なる過去を愛して窓辺には紫苑のごとき儚さを置く
22
薄紫の霧のなかへと差し伸べる吾が黒衣の手を離さざれ君
12
「今し方何か言いましたか」と聞く 「今し方」など言いたくなって
14
君の火で フランベされて 残るのは 芳しく燃え尽きた乙女よ
7
ペンと紙 インク片手に 無私の間は 真っ白でもあり 真っ黒でもある
8
鈴虫の潜む聴力検査室 サイン送るも虫の声なり
6
手に取って眩暈と踊る副作用小さくぐらり幾度も踊る
6
今わたしパスタを食べておりまして君は何して過ごしてますか
6
一ヶ月 前なら今の この温度 寒いはずだが 暖かく感じ
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