友の家(や)で千切れんばかり尾を振って顔舐める犬愛し夕暮れ
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ふるさとの訛り忘れて住む街を子らや孫らは故郷とよぶ
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数年来テレビを見ない私よりアイドルを知る70の母
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立冬を侮っていた昼下がり日が暮れたなら一枚羽織る/二十四節気・立冬
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巻き爪が痛くて上手く歩けないしかめっ面の横断歩道
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お互いの色が端から滲むこと 二人暮らしの朝 味噌を溶く
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愛された記憶の貯金で生きているたとえば冬に胸が冷えても
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枯れ蔦の網戸に絡む夏遠し 今年もすでに終わりに向かう
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立冬の 冷たき風の吹く里に 紅き干し柿軒下に咲く 
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捨て小舟古傷いたむ能登しぐれ 癒へぬ思ひを海に流さん
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何ともなく主治医と笑い来年の白紙の予定がひとつ埋まりて
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ビニールの小さな水草みがきおり 金魚の喜ぶ顔の見たくて
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いにしえの暮らしを偲ぶ石仏(いしぼとけ)前垂れ清く赤とんぼ舞ふ
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湯で作るスポーツドリンク酸っぱさが風邪養生にしみるレモン味
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ピーポーのサイレン真似る遠吠えがバックコーラスめいた犬たち
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峰ノ原 山風吹かば 立ちのぼる 夜霧閉ざせり 白樺の森
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二十時の横断歩道に信号の赤が広がりどきりとさせる
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今年初 朝、外見たら 雪景色 毎年なぜか つい写真取る
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おお雲よ 瞬時に姿 変えながら 今を全力で  生きよと教える
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金色の銀杏並木にサルビアは真紅の色でセンター飾る
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焼き芋の 香ばし香り 立ち上り 心もほくほく 秋の夕暮れ
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影伸びて 二人身を寄せ 帰路を行く 手の温もりと 高揚の秋
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ふと  静かな自室に戻ると むせかえるほど 奇妙な孤独
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ほっぺたに ほくろが3つ じゃあこれを ベガアルタイル デネブとみなす
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一筆で描ききれない愛だからこの先もずっと続いてゆくのだ
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イギリスの ロックバンドの Tシャツを 意味もわからず 着てる母親
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家中の どこを見たって 君はいない 大きな君は 小さくなって
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ひさびさに出したセーターまだすこし他人行儀な香りを抱いて
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痛くない採血上手の看護師さん もしや前職吸血鬼かな
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北風が 急いで秋を連れ去りて 枯れ葉カラコロ 冬の足音
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