病室の窓から眺むる桜花 小雨にけむり しらじらと咲く
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トゲのない言葉を探す会話するへとへとになる今日も一日
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背中から両腕回し抱き上げる日々の吾を置き父旅立ちぬ
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少しでも 形違えば 規格外 それでも良いと 寛容大事
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土砂降りも雪も曇りも惜しみ無く見せる素直な空は憎めず
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薄っすらと汚れ具合も布製の文庫のカバー手に心地好し
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満開の 桜便りは届けども 我がふるさとの蕾は硬く 
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ぽつねんと庭先に咲く花桃の紅白濡れて門出のあした
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花冷えに ちま猫ちゃんは さんかくの おにぎりになる おててはのばして
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離れない流氷こおりのせいか北風のやけに冷たい卯月朔日
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シーズン着ずの冬服断捨離し すっきり整う箪笥と心
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家守り十五年経て奮い立つ 春時雨裁つ君の復職
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薄雲ひろがる隙間から ふんわりと まろやかな光届けるおぼろ
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愛されていた君ならん関取のようなる息子 泣き崩れさせ
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純白の桜の花と若葉萌ゆ斜光に風の共演へ酔ふ
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老猫を抱き上げ軽さ驚いてうまいものなど食わしてやろと
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山頂に捧げしカフェの湯気へ乞う友との無事の劔の下山
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しとしとと 恵みの雨が降りしきり 梅の香ただよふ菜種梅雨かな 
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風雨受け 手入れもしない 庭なのに 数年前と 余り変わらず
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足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
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病院で近況報告『舅死す』知っていたのか静かに聴いてる
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数駅を寝落ち過ぎたり花の酔い 戻り列車に慌て駆け込み
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チビ猫の 寝ぼけて うにゃうにゃいう声を 聞きながら飲む 朝のカフェオレ
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買い置きの重複を見て我が脳を疑わずにはいられぬ、不安
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雲去りて 沈む心を 撫でる風 照らす望月 光の衣
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花冷えの夜空ふわりと映ゆる月 風雨忍びし桜讃える
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なんとなく月を見ている特別に寂しいわけでも無いのだけれど
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困難な場所を選んで咲く故か線路内には目を引く緑
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今週の五枚のシャツに火熨斗かけ いろいろなこと平らに均す
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正座して 痺れし脚を 引きて行く そろりとそろりと 狂言の如
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