Utakata
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健診で 歳を言われてハッとする 他人に言われて 事実再認
16
真夏日の 一歩手前で いそいそと 加湿器しまい 扇風機出す
18
窓際の 光が移り 席替えで 少し遠くに なった横顔
14
原っぱと空き地の区別つかぬまま靴をぬいでる段ボールの基地
17
生い茂り 何を守るか 草木たち 誰も知らない 廃屋の声
13
頭
(
ず
)
は重く胸は詰まって手は痺れ数値には出ぬ苦を歩む日々
14
両親の古き感覚心配だ 勝ち負けじゃないエアコンつけな
11
冷房をつけてる部屋の片隅にまだヒーターが鎮座している
12
神仏を祀る心があるのなら どこでも神は静かに見てる
11
光増す毎に緑陰濃くなりて葡萄畑の
蔓
(
つる
)
伸びてゆく
15
ありがとう素直に言える人となり袖すり合うもこぼれる笑顔
12
こんなこと詠んでどうするというようなことに埋もれて今日も生きてる
16
まだ夏を過ごせていない僕だから 眩しすぎるよ君の半袖
10
この生のすべての夏を束にしてリボンをかけて君にあげたい
13
畑仕事 終へし昼餉の楽しみは 冷えた出汁喉越しうどん
21
「紫陽花の自我がすごくて絡まれて遅刻しました」「廊下に立っとれ」
9
春紫苑咥へて
翔
(
かけ
)
る幼な鳶青き
御空
(
みそら
)
に一輪の淡し
9
職人の誇りがひどく傷ついてチカン冤罪に激怒する
掏摸
(
すり
)
12
冬山の二重に透けた稜線も卯月葉も満ち一つの線に
9
この三朝あさなあさなにカナヘビを飼うはめになり生き餌をさがす
8
紙束をまき散らす夢はどうしてあんなに楽しく切ないのか
8
降りにけり五月雨近み定めなく晴れむと見えてかきくらす空
9
パソコンをつなげてやっと ホッとする 一人暮らしが始まる夜更け
10
独房に射し来る光世界ごと抱擁しおる女囚人
8
匂いなど 知らないことに 絶望し 知らないことに 救われる春
7
爪を切る ネクタイを結ぶ 歯を磨く 胸一杯に朝の光を
7
忘れてていい。忘れないでほしい。と、遠く微かに瞬く恒星。
11
モミの木の ささやく声に 耳澄ます まるで私は ハイジかしらむ
9
女狐は安房に来たりて泡姫に 源氏名はかの玉梓と言ふ
15
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