Utakata
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「産むんでしょ」「妊娠したの?」「孫はまだ?」フローリングの蟻をつぶした
23
ひっそりと ロフトへ昇り 歌綴る 小さな灯り 私を染める
21
旅先で 旅館の子どもと 知り合って 帰っちゃうの?と 聞く子にさよなら
17
買い替えたフライパンで焼く餃子いい焼き色はよそよそしくて
21
漆黒の闇歩きつつ思い出すかつての悔いと
永遠
(
トワ
)
の別れを
14
見回すが子供は見えずシャボン玉一つ現れて空へ昇った
16
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
14
山を越え川を横切り風に乗り気にも留めずに鳥は羽ばたく
14
何かこう棲む星多分間違えて生きおるような自分呆れて
14
うたた寝で いつもより寝た はずなのに いつもと同じ ふつうに眠い
12
立ち枯れし
令法
(
りょうぶ
)
の幹に鋸をひく春土用なれど間日なればとて
13
ハナミズキ 色鮮やかに 踊りだす
花
(
きみ
)
は今まさに 輝いている
11
このベースやけに心を震わせるつけているのは片耳なのに
12
石投げて波紋。小石投げて波紋。伸びた影までズックで石けり
12
何にでもなれるし何でもある国でひとりの不在に錨を下ろす
11
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
11
それぞれの孤独と自由の境目が乱反射するアパートの窓
19
夕闇に 消えゆく君へ また明日 振る手の熱を 夜風に乗せて
17
サボテンの棘が刺さった手のひらで僕の頭を撫でる母さん
15
霾
(
つちふ
)
りて 霞む山並み長閑なり 卯月の空は初夏を告げをり
25
一日が終わりを告げてリュック置き見えない星に願うことなき
9
初夏に聴く風の音色は水紋の泉に透けてそよぐゆらめき
13
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
10
長渕も美空ひばりも
X
(
エックス
)
も平成元年流行歌きく
10
木漏れ日の流れる川の咲く花の 命にひれ伏す我は人なり
13
なつかしの駅みおくった車窓にはあなたの影のない土曜日に
8
休日に のんべんだらりの 自堕落も 会心の歌に どんでん返し
10
ドライブが苦手だったね いつまでも 早く帰ろと か細い鳴き声
9
あのね私が短歌を始めたのはあなたが素敵だったからです
10
ダッフィーの緩い温もり抱いて寝る
(
山里は 冬ぞさびしさ 勝りける
)
人目も草も かれぬと思へば /28/100/ 源宗于朝臣
9
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