Utakata
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この空の蒼の重さと夏の
陽
(
ひ
)
に おろしたシャツの白で抗う
20
朝靄に 紛れて歩く 横顔を 追えばほどける 靴紐ひとつ
12
神主さん好きな料理は磯辺揚げなぜなら海苔と揚げるからです
14
悲しみは部署の宴会遅刻して部長の横しか席がないとき
11
「恋する」を「あいする」と読み三角をくれた先生は独身のまま
18
妻の背の思いの外にやつれおり なでてやりたき 琥珀の酔いに
24
聞き慣れぬ声と姿の野鳥おり 人口減って山化する村?
12
夏の入り口の匂いがしたけれど 夜の涼しさもう少しだけ
19
珈琲に深きため息染みていく 黒に混じりて悩みも溶けて
12
ワレワレハ 宇宙人だと扇風機 面白がって真似をする
孫
(
きみ
)
23
読まないで 積まれた本の 背表紙を 続けて読むと 叙事詩のごとく
12
来年に死ぬ人としてデパートの開店時間待ちわびている
9
生きてしまう 生まれてしまう 人間の 強さか弱さか 八日目の蝉
10
夏なのは暦の上のだけなはず五月は春のはずなんだけど
8
黄色
透
(
す
)
く花びらうすく咲きなびく初夏の薫りの花は爽やか
8
あらし過ぎ
瘡蓋
(
かさぶた
)
剥がし また重ね なに食わぬ顔 凪を疑ひ
12
物憂さを纏ったスーツを身に付けて駅までの坂を黙ってのぼる
8
花揺らす風が過ぎ去り猫あくび世は事もなし靴下に穴
7
新ジャガの
美味
(
うま
)
さコロッケに詰め込みて 君を待ちおる
今宵
(
こよい
)
の
夕餉
(
ゆうげ
)
13
予定なし すこぶる快晴 鳥のように どこまでも行け 私は自由
7
宵の口 帳に灯る 蛍火に
腕
(
かいな
)
を伸ばし 星を取りけり
7
駄菓子屋の飛行機かかえ空き地まで 「せーの」の声に子ら風を読む
23
切りすぎし前髪おさえてはにかんだ幼き君よ 泣けてくるほど
26
あまた度呼びて鳶舞ふ嶺の松
応
(
いら
)
ふる声の絶えし虚空に
8
少しだけ 月が大きく 見えると言う 息子を肩に 乗っけて帰る
9
ハット卿管理能力疑問だよ トーマス崖に落とされてたよ
6
約10分 ねこたちビビりて 逃げ惑う 半年いちどの 消防点検
22
霧深み我が旅の
路
(
みち
)
見えなくに
路傍
(
ろぼう
)
の花は美しく見ゆ
7
ブーンブン濃い山吹に隈取りがメンチを切って我身固まる
6
教え子の近況聞けし偶然に嬉しい限り
誰
(
た
)
れにか言わん
11
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