急降下U字描いて青空へトップガンする雪の鳥たち
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社員証はずして靴脱ぎスーツ脱ぎ化粧落とせば君は何者?
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今日もまた 3時間も 待たされて 嬉しい限り 病院の冬
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君もまた 老いてここまで 生きて来た 緑内障の 絆は深い
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迷わずに 屋上にまで 駆け上り 富士を望みて 病院の冬
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苦くても 最後まで食え ご馳走と 思えば素敵 この世の試練
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生きてれば どんなことでも 感謝して 経験すれば 知識に変わる
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信仰を 手に入れたなら 死でさえも ただのイベント 儀式に過ぎず
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あの星が落ちてくるのを待てなくていちばん高いビルから翔んだ
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目覚ましはかけずにベッドに潜り込むあゝ愛おしき土曜午前二時
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どれだけの独自言語が死んだのでこうして笑いあえているのか
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苦みならとっくに慣れたつもりだがこの苦しみは飲み込めずいる
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マジですか 割とショック受けたけどでもそれって今言うべきことですか
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そんなこと言われましても 偽善とは善を為す人と書くのだから
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僕は死んだ  退部届は 濡れていた 匿名の僕を愛してくれ
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君の手で与えて欲しい優しさも愛もなんにも得られぬ罰も
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朝五分必死に掛けた魔法すら三秒で解く貴方、湿気、
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がん細胞みたく複製コピーに失敗した思い出トラウマが脳に蔓延る
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仰向けに倒れ見上げる空眩し ここで休むよまた会おう世界
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真夜中に祖父は散歩をしたらしく月の匂いがしみたサンダル
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いつ見ても不安定な形だから「心」をうまく書けないでいる
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寂しいも痛いも嫌だも眠たいも 幼子はみな「お母さん」と泣く
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案山子から案山子に飛んで夕焼けがきれいと伝言つたえる雀
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ほっとする「あったか〜い」の缶たちはきっと魂くらいの温度
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不採用だった会社の案内は鍋敷きになる刑に処される
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一冊のまぶしいうたを読み終えて今朝のひとみは少しだけ濃い
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生きていていいと許されてみたいよ愛されたいよストロングゼロ
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もう少し頑張れるはずだ唇はいつも切れてて血の味がする
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皆眠る午前三時の瑠璃色に朝を呼び込む赤子のあくび
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少年と呼ばれるだろうこの右手ペン捨てナイフに持ち替えたなら
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