たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
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おはようの音を奏でるサックスの銀色褪せてセピアなる朝
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水温み駆け足でゆく白き砂ちいさき手をひく鼓動の伝はる/妹との思い出
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三十一みそひとに込めれぬ想い溢れすぎ山に向かって相談してる
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公園で駆けるおさな子 後を追うじいじの笑顔に 緑の風吹き
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春寒に草むしり置き日帰り湯 炭酸風呂に皺肌喜ぶ😀
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持ち主の元へ戻れたのか 枝に掛けられていた ユニフォームは無く
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馬車道の雨の景色に助手席の窓はゴッホの絵画に見えて
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棘のよな言の葉一つ受け止めて春茜見つ風に吹かれり
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短歌うたを詠む普通の我等も ものがたり それぞれあると思う夜なり
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せいくらべ 孫はつまより 十センチ 高くなりけり アスパラの如く
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ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
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夜半の竹 薮に光るや月の如 姫はなにゆゑ竹に入りてや
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卯月満つ 藍裂くほどの静寂に 木群むらだちのぞく月ぞうつろふ
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冬眠の開けしじゃがいも待っている姉の電話に隣町まで
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漬け樽をひっくり返すとまろび出た たくあんお前 まだ居たのかい
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初恋の甘い記憶を呼び戻す青くて丸い小花イベリス
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母親の涙思うと耐えられずテレビを消して願う明日の灯
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笑み揺れてオレンジに染むチューリップ白き花びら観覧車の窓
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丘は萌へ峰も萌へたりやまなかの 自生の 花は今ぞたけなわ
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稀なりや心に燃ゆる蜃気楼やおら夢世にわが身いざなひ
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花散りて 桜の枝先若葉萌ゆ 季節ときは巡りて新緑の風 
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父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
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ラジオでの球場響く応援が沈んだ気持ちにじんわりと効く
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とりたてて秀でるもののなかりせば凡なるたひらのなほもむずかし
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寒き朝 鈴の小花に 揺れ雪の 細き水降る スノーフレイク
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石鹸の匂いと君を抱きしめる 裾を揺蕩たゆらす風の優しき
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退勤は初夏思わせる昼下がり 卯月の空に日傘かざして
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笑み揺れてオレンジに染むチューリップ観覧車のまど膝向き合わせ
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日残りて 黄昏迫る山里に 我が影伸びて夕陽に染まる 
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