「おかえり」と父の笑顔の後ろ側 母の気配も伝わるお盆
23
庭に咲く 鬼灯紅く色づきて 盆棚飾る時節となりぬ 
19
夏が来てトルクが伝うインパクト工事の汗が床に滴る
15
立秋はやはりほんとだ猛暑でも芙蓉が開き虫が鳴き出す
10
今日の日を予感のままに歩みゆくカーブミラーに陽落つるまで
10
帰り道 わざと間違え 遠回り ふたり並んで 自転車を押す
16
白波に 遠くの崖と青き空 病の体 痛み凪ぎゆく
14
哀しみに半減期なし原爆忌 胸の奥処に響く黙祷
8
お日様は 5時起き7時寝 つとめて法師蝉はふしせみ鳴き 秋の香そする
11
風に舞うとんぼのはねのかろやかに 暦ひもとき立秋と知る
29
どれだけか 癌の寛解 病むこころ 先は見えずに 残る思い出
14
金髪をやめないきみとのカラオケにこう生きたかった人生を見る
8
夏雲が鯨のように浮かんでて影はゆっくり山野を泳ぐ
7
ウドの花のメルヘンチックな可愛さに小さな妖精隠れてそうで
21
末娘夫婦を見送りぼんやりと庭眺むるに残暑の雷鳴
7
傷探し治っているか触れてみてまた疼き出し持て余す夜
9
手土産はお値段よりも大きさよ列に並びて言い聞かす午後
6
満開の 花見て佇む 散ればスルー 木陰に駆け込む 葉茂る桜
9
夏ですよ?クローゼットを開くたび向日葵のシャツがささやいている
6
意地悪な 人の意地悪を 意地悪と 思わないのが 逆に意地悪
6
僕たちはいつから流してないのかな あんなに苦しく 綺麗な涙/甲子園敗退
12
立秋とニュースは言うが 熊蝉よ おまえの声はいつ止むのかね
10
卒アルの写真をそっと抜き出してAIに命じた五十年後
8
2分後に返事してすぐ既読つくずっと1人にさせてごめんね
8
米の値が下がり始めて誰か泣く電信柱で蝉が鳴いてる
7
夕立に 君は先立ち 虹が立つ 凪いだ空に 憂を口遊む
5
わが心われを悩まし休めねば己れをゐてぞ終に疲るる
5
八並ぶ 令和八年 八月の 八日もそれは 昨日のことで
5
「アリエッティ 君は僕の心臓の一部だ」  君は私の人生だけど
5
四六時中 エゴサーチしてた でも今は 笑む五歳児の 中に自己を見る
7