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和らぎの萌黄色から青葉へと 装い変えて初夏に向かう樹々
26
春疾風 凍てし涙の乾くころコート脱ぎ去り光纏はむ
26
青の
刻
(
とき
)
一番星が瞬いてもうじき夜の
帳
(
とばり
)
が下りる
26
暑過ぎず寒過ぎぬ午後エアコンのフィルター洗って気持ちも晴れて
26
あなたには、届かぬままで 散る恋を 何と名付けて 春に捨てよう
26
心まで見詰め返して来るギリア愛する人に思い届けて
26
公園で駆けるおさな子 後を追うじいじの笑顔に 緑の風吹き
26
馬車道の雨の景色に助手席の窓はゴッホの絵画に見えて
26
日残りて 黄昏迫る山里に 我が影伸びて夕陽に染まる
26
心地
好
(
よ
)
き宵の
温風
(
ぬるかぜ
)
頬を撫ぜ 北斗七星仰ぎ 家路へ
26
君の居ぬ右側慣れぬ夕暮れにオレンジ染まるひと筋の影
26
チビ猫が 行方不明の 朝であり 皆で捜索 箱ですやすや
26
天仰ぎ 春の星座と 目が合へば
小
(
ち
)
さき悩みも どこ吹く風か
26
「仲いいな」長袖
T
シャツ洗ったら絡みすぎだろ腕と腕とが
25
仕留めたる 鼠をくわえ 見せにくる 健気な猫と 共にありし日
25
老い宅へ訪問くるる駐在さん既に周知の情報ばかり
25
たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
25
おはようの音を奏でるサックスの銀色褪せてセピアなる朝
25
父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
25
水温み駆け足でゆく白き砂ちいさき手をひく鼓動の伝はる/妹との思い出
25
三十一
(
みそひと
)
に込めれぬ想い溢れすぎ山に向かって相談してる
25
とりたてて秀でるもののなかりせば凡なる
平
(
たひら
)
のなほもむずかし
25
石鹸の匂いと君を抱きしめる 裾を
揺蕩
(
たゆ
)
らす風の優しき
25
鶏の 声に目覚めず
雉
(
きじ
)
の鳴く 哀しき声に 朝焼けを知る
25
春霞 糠にまみれて炊く
筍
(
たけ
)
に母のひとこと今さらに染む
25
ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
24
夜半の竹 薮に光るや月の如 姫はなにゆゑ竹に入りてや
24
卯月満つ 藍裂くほどの静寂に
木群
(
むらだち
)
のぞく月ぞうつろふ
24
冬眠の開けしじゃがいも待っている姉の電話に隣町まで
24
漬け樽をひっくり返すと
転
(
まろ
)
び出た たくあんお前 まだ居たのかい
24
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