誰でもさいつか必ず敗けるけど悔いがなければ満足できるよ
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人生はいつ終わるとも知れぬから悔いなきように日々を生きてる
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何故席を外した時に誰か来る何か見ていて操作している
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臆病で不安ばかりが先に立つ でもやってしまえばなんとかなるもの
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雨音に気付けないまま外に出るかたい決意もふやけてしまった
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瞬間を つかむ力を 我ら持つ 歌詠うといふ てだてを持ちて
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冬が来る前に会おうか 身を寄せる訳を気温にさせないために
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死ぬまでは全員未完成だから出来の程度はさまざまでいい
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楠木に張りつき登るアマガエルてっぺん目指せ負けずに跳ねろ
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幸せだぁモウソウヘキのわたくしは 今日も明日もあなたといっしょ
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やわらかな ころもをじっと 見てしまう 美味しいからね えびの天ぷら
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空白み 動き出したる 朝の街 淹れたての珈琲 時を運びし
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いつもより明るく染めた髪の毛がたまたまお揃い運命がいい
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いくつもの眠らない夜を駆け抜けていつか夜明けを迎えにいこう
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呆然と怒鳴られるまま立ち尽くす「何故かわからん」悟りなく言う
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おたがいに みみをふさいで プレイして がまんしている 異星人なの
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抽象画 みつめる瞳 十八歳 わからない自分 わからない未来
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暗くても快適だから洞穴で暮らす毎日淡い静けさ
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梅雨入りの時期が今年も早くなり 例年の意味が分からなくなる
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あまやどりあかいあめだまなめながらからかさおばけのお迎えをまつ
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かみさまのなみだひとりと落ちてきてわたしのめからもあめがこぼれて
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暗い朝、濡れてる人を守るため蝙蝠傘は飛んでゆくのか
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ペアグラス割れても末に会いましょう「引きずらないで」片割れが言う
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うまくいくクレーンゲームのゴトンから欲望レベル0以下になる
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亡くなったかたの病室清掃す 「見守って下さい」と言い病室へや入る
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音もなく 雨降りはじめ街濡らす 鉛の空は泣いているのか
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いつ誰に教わったのか老猫よそんな上手に甘える術をすべ
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庭先の格子フェンスの影を見て「線路みたい」と三歳走る
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向かい風息苦しくてずりあげたマスクありがと役に立つじゃん
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早蕨の黒き頭は霜やけか初夏の寒気を侮るなかれ
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