万智ちゃんに 出会えて三十九年 UTAKATAに 繋がる今日は サラダ記念日
15
光なき 己に代えて 我がバイク スポークひとつ まで磨き抜く
13
採血は 定期テストの ようなもの  だけど数字は 低きがよろ
13
夕立のなごりの露の白玉に数添ふものは蛍なりけり
12
静けさに 響く梅の実落つる音 軒下染むる山吹の梅 
13
どこからかレモングラスの漂いて庭の小径に夏への扉
11
手鏡の我は口角あげられず福笑いめく表情筋
10
半径はたった数ミリ バファリンに課される「優しさ」の代名詞 
23
店内で いちばん安価な ジャンプ傘 ものの5分で   ムカデの骨と化す
9
黒髪に低めのヒール リクルートスーツは鎧 やわらかな檻
9
虚言むなことを満つるこの世におのが身をあざむきくらす闇のしくしく
9
ジェミニ褒めクロード感嘆せし文もチャッピー手厳し推敲の沼
9
記念日に口語短歌を詠んでいる一つ違いの我は定年
9
眠れぬ 「私だって」が止まらぬ世 誰も私を受け入れられぬ
8
狛犬の目線の端にひっそりと夕顔揺れてお祭りの夜
24
朝一番 ねこと目が合い ほぼ同時 ふわわとあくび 平和な世界
20
ひさしくも暑さの夏を忘れ路の文月の端に猫のまどろむ
13
休みなく 優しい君が 駆け回る 忙しいのは 人がいいから
8
その腕に切り傷よりも鮮明なものを残したかった 愛とか
7
水筒や折り畳み傘持ってまでしなきゃいけない程の散歩か
7
真夜中の非通知電話 流れおる着信音に思ひ巡らす
9
人生は 積み木のように 揺れるたび そっと形を 変えては崩れ
18
「どっち派?」と聞かれて「猫派」と答えると「わたしはきのこの山派」と言われ
11
此の地には なんにもないと 人は言う 物言わぬもの 目には入りつつ
14
人はみな前を向こうと言うけれど この前のことは後ろにあるの
9
天の川 前夜に永い 雨やんで 明日は輝く 一番のきみ
6
知らぬ間にそばに座った君の目の速度に合わせめくったジャンプ
6
この世には私以外に沢山の 呼吸と鼓動が歩いているんだ
6
蛙声 月明かり透く 雨雲に 語る言葉は 何もないまま
6
雨止みて庭の草引く我が手にぞ四葉光りて心晴れゆく
6