風通るなだりに群れるカタクリの俯く角度君と確かむ
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原チャリの女性ひと 白きヘルメットの絵 おちゃらけた顔したスヌーピー
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青空の もと真っ直ぐに 田と春の 花の香吸って 行く列車窓
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我が部屋に干したシーツの洗剤の香りの満ちて雨の音優し
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私はソメイヨシノと声上げる高速道路の雑木ぞうきの中で
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猫さんが隙見て狙う母さんの介護食椀攻防の昼食ひる
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フリースの袖を伸ばして新聞を読めば静岡真夏日だとか
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つり銭を人が手渡す一瞬に触れる手と手の微弱な電気
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蝌蚪かと逃げろやばいぞ逃げろ消防団放水訓練ほら始めるぞ/蝌蚪かと―おたまじゃくし
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「仲いいな」長袖Tシャツ洗ったら絡みすぎだろ腕と腕とが
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夜桜が映える灯りも消えた街灯りを点けた会社も消えた
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ライト浴び 闇夜に浮かぶ滝桜 佇む我に花吹雪舞う 
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順繰りに 咲く時期を待つ花々の 自然のサイクル 愛でるたのしさ
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薄桃の桜大樹と髪そよぐ日傘の君はモネの貴婦人
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テーピング添え木付けたい指先に丁度よかったグルーガンの糊
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人の世の 常とはいへど無情なり 親しき友の鬼籍の報せ 
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近頃はラジオも流すユーチューブ人気な歌は何故か早口
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残雪に うさぎの姿浮かび出で 雪解け水が田に満ち光る 
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入学を祝う鶯うららかに 揃いし蕾ら春こそ歌う/蕾のような新入生を祝って
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ポチ撫でて 寄り添うポチが 朝の陽へ 駆け出すポチも 良いねとポチる
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「若さ」といふ通知はこなくて気づいたら「老い」のフォルダに分類されて
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春雷の空に幹割れ雨に沁む 凛と芽吹く葉 若菜色して
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葉野菜の二色の森と糸人参 苺も添えてコロッケどうぞ
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海底で君と朝日へ揺れていたあの日恋しく景色が滲む
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パチパチと黄色の線香花火萌ゆ陽ざし直下のオキザリスかな
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待つ君の背中に滲む「さよなら」に花の香りを添えて返そう
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客先を 目指す街道 つつじ群 紅白並び 華やかな朝
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体調が すぐれぬ貴女 心配し 改善願い 朝の神社へ
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街路樹の枝に掛かりし ユニフォーム 持ち主待ちつ 東風こち揺蕩たゆと
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早緑の山椒の若葉艶やかに葉陰にひそとさき花咲く
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