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搾
(
しぼ
)
り出すちゅ~る 冷ゆる指に着きし
嘗
(
な
)
める猫の
小
(
ち
)
さき舌
温
(
ぬく
)
し
25
雨の降る 師走の街に
塵
(
ちり
)
流れ 過ぎし一
年
(
ひととせ
)
思はるる夜
25
西の山東の山も薄っすらと雪を被って風花の舞う/朝
25
夫にもQRコードつけたもれ トリセツ不明で五十年過ぎ
25
触れる縁 見るも聞くのも 我が内に 肩先に
灯
(
とも
)
る ペテルギウス
25
飛べぬままこの部屋を去る オリオン座めいた画鋲の跡を残して
25
大掃除 拭いたばかりのガラス窓 指差し呼称妻からダメだし
25
窓を出てぐるり回って勝手口開けてくれろと猫のルーティン/朝
25
かあさんはもう多分餅食えないとお供え餅を1個だけ買う/嚥下障害
25
ダイソーで可愛いピアス買い漁る美女と呼ばれた意地があるから /還暦
25
財布から証明写真こぼれ落ちあの頃の我と不意に目が合う
37
年の瀬に
文
(
ふみ
)
のあてさきかぞへつつ 薄墨いろの
白菊
(
しらぎく
)
を見る
24
寒くてもその色調は暖かい雪照らし出す冬の夕焼け
24
天敵の鎌首もたぐ掃除機に必殺パンチ一撃離脱/猫逃げる
24
監督の喝よりずっと効果あり タイムアウトで君を見つけた
24
のぞみにて 作りし資料 確認す 新幹線は 会議室ナリ
24
カリカリの袋を開けるその音に猫寄ってくる耳の聡さよ
24
高く強く 飛ぶためにこそ この翼 ひととき休め また舞うために
24
透き通る 飴細工の虹 渡り行き まほろばの星で めぐり逢いたし
24
冬の風邪 長引く
妻
(
きみ
)
の 横顔に 憂いの
皺
(
あと
)
の またひとつふえ
24
君知るや 人目も恥じず
睫毛墨
(
マスカラ
)
の 落ち滲みたる 我は泣きおり
24
不運とは「運ばず」かなと受け止めて苔のむすまでじっとしている
24
目をこすりもじゃもじゃ髪のおばさんはググれば名医 明けの明星 / ミスで再掲
24
アラームを止める指先
悴
(
かじか
)
みて 毛布に引き込みぬ 寒波の朝
24
いきなりのダークモードに戸惑ったわたしいますよいますよトイレ
24
除雪する手間はなんだが包まれて妙に落ち着く雪の景色よ
23
ライブまで カウントダウン あと5日 風邪も引けない コロナは論外
23
ふるえる手伸ばしつかむは雪の華となりに歩む君の微笑み
23
カニカマを咀嚼しながら自己暗示これはタラバだこれはタラバだ/ココニャン様が羨ましい
23
払暁の東の
昊
(
そら
)
に針の月 ほどなく消ゆる年の暮れかな
23
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