縦中を裂くんじゃなくて上横に切るのがいいと思うんだよね/袋
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燃え尽きた火球は秘めて土の中やがて根を張り赤き実となり
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募金箱 首を傾げるレトリーバー鼻ズラ撫でてチャリンチャリン
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いずれ来る独居老人要注意その看板を背負う明日が
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積雪に埋れゆく僕の脊椎を息吹きかけて掘り起こさむと
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失われそうな僕がここにいる雪の白さは、僕の葬列
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駅前にて また会おうねと 約束を交はす友と 見送りぬ月
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冴ゆる朝 車窓越し 雪富士見ゆる 吊り革握り 揺るる通勤車
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半睡の勢力分布をかき回す 明日はどっちだ宰相の賭け
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真夜中に 救急呼ぶかと 悩む腹痛 今朝はいちおう カフェインレスで
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ねこたちが しんぱいそうに みているよ ロキソニンあったから だいじょうぶだよ
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今日もまた日の暮れゆくをぼんやりと 五七五七七捻りなどして
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大寒や 子に贈られし裏起毛着込む エアコンの度一つ下げ
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なんとなく落ちてく場所が違うよう急ぎ飲み干すコーヒーの味/まぁ胃ですが⋯
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冷え冷えと モノトーンの野に 捨てられた 片方の靴に まぶす粉雪
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本当は極右か極左に行きたいが 大人げないので中道を行く
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顔洗い カーテン開けて 薬飲む なんてことない 日常の一コマ
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鴨一羽放水路を流れゆく 10分で呑むロング缶の酒
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淡々と ドリッパーに湯を注ぐ 蒸れる 滴る 異国の香立つ
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川べりのお地蔵さんに赤い花似合わないよと照れてるみたい
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野苺の 野で初めて 君に会いし朝 良きことで今日が 埋まる気がして
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分断が煽る憎悪と偏見に呑まれちゃダメだ目を覚まさなきゃ
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豪雪で家に籠もりて幾日か 食料尽きかけ いざ買い出しへ
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地上絵は宇宙そらと神への讃歌アートかな小さなハチドリ大きく描き
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雪の舞う空に 洗濯もいいからさ ねこたち抱いて ホットミルクでも
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真っ白な世界に僕の輪郭が溶けてめまいがする 未練、たぶん
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我が家には金魚二匹と妻と我 今年もつつがなくあらまほし
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外に出ずる 気もなく窓に 添い見れば 碧空あおぞらすらも 雲重く見ゆ
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黄バラ枯れ ドライフラワーとなりとても なほ夢を見む 梅の季節に
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雪だるま ずらりと並ぶ予報見て 外れるようにと神頼みする
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