術前の不安抱えて検査待ち  短歌ひねりが こころを静め
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月影の蒼きひかりに君ゆらぎ指先まどう 春は彷徨ひ
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雪洞ぼんぼりの まろあかりに 伏す君の 手弱女たおやめの如き 長き睫毛よ
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着実に進む浮足立たずさあ待望になれ青春になれ
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おこぼれに預かれずとも根気だよテーブル下でねばる猫さん/サラダなのですが⋯
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サーモンを 宝石みたく 散りばめて 孫が微笑む バラちらしかな
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年度末 デスクの花瓶 桃の枝 満開願い 残業向かう
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広告の 桜 旅立ち おめでとう 明るき文言弥生に踊る
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春にまたひと足近くなるために 恵みの雨が大地潤し
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猫短歌最近詠めぬ感じある詠まない僕にニャンニャンと鳴く
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雨上がり 庭のモミジの枝先に 芽吹き促す雫が光る
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春めきて微睡む縁側 そよ風に清き鈴の音 季節を忘れ
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帰省した息子に好物あれこれと ペロリ平らげ しあわせ時間
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無い物は 別にいらない ったもの 返せ、返せよ 我慢ならない
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時は今天下を制しいつぬかな寺に押し寄せ是非に及ばず
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目覚むれば 屋根にポツポツ雨音が 乾いた心に染み込むように
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雪深し 里にも確かに春の声 聴こえてきたり 空澄み渡る
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チグハグな今日のダメ押し 牛乳が余ってタマゴ買い忘れてる
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「地球儀」の青がはがれて じいちゃんの記憶メモリの外へ零れてゆくよ
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築30年 思い出だけが残されて  今はひとりで今日を重ねる
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銭湯の帰りに覗く玩具屋に子の笑顔置き 四十年よそとせの前
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私には出来ない事が出来る君でも人としてそれはどうかな
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メンタルによっては毒にも薬にもなると思うのあなたの言葉
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やることがあれやこれやと多すぎてまだ朝食にたどりつけない
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晴天の強い西日があぶり出す打ち寄せられた床隅のゴミ
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刑務所と閉鎖病棟を指す老婆病棟ここはそれよりずっと苦しい
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この街の雪が溶けてく速さまま、父の昨日が消えゆく仲春
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あめのあさ ねこは ぽやんと ねぼけがお 横目に見つつ プリンを食べる
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リアルほど心響かす歌なれど虚構を詠ふもこの世の華よ
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全力でくだらないことやっているアイツはたぶんすごく尊い
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