築30年 思い出だけが残されて  今はひとりで今日を重ねる
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短歌とは「受け手の文学」なるほどね目を閉じしゃがむかごめやかごめ
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艶やかな桜色した雛の寿司 男子も便乗これで酒呑も
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常夜灯、「こだま」と呼ぶのは稀らしく 通じた人と友になりけり /2025.02.02
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嫁ふたり ケラケラ笑う こんな幸 運んでくれし 息子らに感謝
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気晴らしになればと図鑑なども入れ恩師を見舞う雨の茂吉忌
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雨上がり 庭のモミジの枝先に 芽吹き促す雫が光る
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歳ってさ気にする人ほど老けるよねマジで謎だね忘れちゃいなよ
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リベラルな若造どもも老化して リアリズムとの壁を築きぬ
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待合いの温き眠りに聞き逃す眼科呼ぶ声、耳鼻科もありや
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西の山今日青々と色も濃く壁となっては威勢せいをはってる
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無い物は 別にいらない ったもの 返せ、返せよ 我慢ならない
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時は今天下を制しいつぬかな寺に押し寄せ是非に及ばず
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静かなる星のマグマは地の底で大地を穿つサファイア抱いて
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目覚むれば 屋根にポツポツ雨音が 乾いた心に染み込むように
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あんなにも必死で学んだ英語より AIならば十秒で翻訳
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「地球儀」の青がはがれて じいちゃんの記憶メモリの外へ零れてゆくよ
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君と僕 黄身と白身は月と雲 ジュワーっと見つめて蓋して蒸して
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いつもそう君はそうしてなめらかに流れるように嘘をついてる
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一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
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メンタルによっては毒にも薬にもなると思うのあなたの言葉
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術前の不安抱えて検査待ち  短歌ひねりが こころを静め
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朧月と寄り添うように山々は佇んでいる穏やかな夜
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痩せなきゃと 言いつポテチに 食らいつく この習性が 修正不能
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未だ残る不安が滲む雨の夜は甘酸い梅酒に全て溶かして
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コンビニで冷やし中華を見かけたよ 今年もきっとたくましい夏
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お互いの 生まれた時代を 掛け違え それぞれの家 帰る足取り
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伊丹発福岡行きの定時便 洗濯物干す我を見下ろし
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消しきれず ゴミ箱の底へ重なりぬ 唾棄した歌の 朽ち果てるまで
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「いのち」てふ心の揺れる声のして蝋燭灯す 孫三歳に
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