手を取らる仲睦まじきふたりなり 「ではなく呆け」と宣りし連れ合い
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外に出ずる 気もなく窓に 添い見れば 碧空あおぞらすらも 雲重く見ゆ
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年に一度チョコを届けるそのために一度あるかのキスを待ってる
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石畳いしだたみの あの道のカフェが 恋しくて 窓際に座り あなたを探す
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受話器持つ指の震えをそのままに 友の笑い声もう還らぬ
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贅沢は出来ぬ質素な暮らしでも食うに困らぬ贅沢はなし
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薄ら日の川辺を行かば冷ゆる風ユリカモメ立つ海近き州に
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心臓はシリコンモールド紅い実を葡萄酒で煮て何か唱える
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しっかりと頸にマフラー巻きつけて コートはおって手袋はめて
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チビ猫に 腹に乗られて ちと重い うんどうしようね たべたらうごこう
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寒中の水垢離の様見て思う 私はやらない頼まれたって
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彼年の屋台の灯りに導かれ 金魚片手に繋ぐ父の手
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八十やそ過ぎて飲めなくなった昔ほどされど楽しみ日々の晩酌
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大寒のさきは暖か約束す 靴履く我をすこしはげます
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人の溝 陰で油を注ぐ人 職場にもいて火種くすぶり
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寒さにも三年越しの胡蝶蘭 花芽をつけて光へ伸びる
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温度差は脂肪を燃やして得たもので だったら寝てれば痩せるはずだね(寝るダイエット論)
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夕球火の星を眺めて注ぐダージリン来来来世で移住しようか
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AIと語り合ったり小一時間 日曜朝に珈琲薫る
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にゃおーんと ねこの呼ぶのに 返事して まったり過ごす 日曜日かな
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見るだけでマンガのような熱海富士 敗けたら敗けたでかわいい笑顔
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溢れてる 人とチョコに 活気あり 価格の高さ 我は引き気味
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伝えたい 分かち合いたい つれあいの 既読のつかぬ トーク三日目 
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タンスの上 おおきい麩菓子が おちている あれ違ったわ 茶色のチビ猫
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嬉しいが値引きシールが隠しちゃうカロリー表示糊の強さよ
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勉強に しがみつくのは 辛いけど 手を離しても 行く場所はない
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新雪をキシキシと踏みバスを待つ零下の町に北風小僧
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もし明日晴れになったら溜まってる仕事こなそう予報大雪
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六十年、ポールもレノンもいいけれど我は好きなりハリスンの歌
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自らの若い時分の写真見る 今の老い様浮き彫りになる
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