遠い遠いアラブの国の油田から 危なき海を越えし苦労よ
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猫さんが欲しがるものでひねっては出しっぱになる水道あらら
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空振りをイチローにならい頷いて描くイメージ明日の打席へ
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花時雨はなしぐれ 桜花爛漫 手を貸しつ 我のこころも潤していく
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雨冷うれいては籠って癒す欠く薬どんより縛られ行けぬ病院
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くもり空 ねこたち今朝も おべっどさん ふたりなかよく きゅっとひっつき
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春風はるかぜに  揺れてうつつの  水仙すいせんの  陽光ひかりを浴びて  夢を見にけり
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曇り空 たたずむ川面 映したる 街の裏側 ひめやかなりし
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ひさびさに ちま猫ちゃんの「おきてニャーン」 起きるよ食べるよ チーズ蒸しケーキ/アップルパイ売り切れ
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仲立ちをしたカップルと写ってる 原作者って感じの顔で
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手につかみ 口に入れたい 孫三女 満面の笑み 見とれる時間
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やっとこさ子らの進学準備終え次は自分の異動の準備
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美しき短歌うた 詠もうと構えたその瞬間 言の葉消えゆき 無味な文字並ぶ
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霧の朝これはミストかフォッグかと鴉が鳴いて嗚呼サイレント
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炎症が どこか臓器に あるような けだるさ続く 花の咲く頃
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一粒の 雨も母には 許さじと 傘傾けて 春の畦行く
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濃しみどり湯に泳ぎきる菜の花の熱燗酌みて早春を知る
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川辺りの桜水面みなもに枝伸ばし 映る我が身に見惚れるかのよう
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春だなと思うにおいは泥と土畑鋤き込む堆肥の香り
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風そよぎ背広の肩に舞ひ降りし 桜の花は払わずに行く
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花前線 桜前線 恋前線 開花の時は 待つ恋に似て
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ぶら下がる父を見上げて震えても何も出来ない夫だった人
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平和の世ねがふ口もて謗るわれこころやいばや鞘ぞいづこに
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駆け回る 子を先生が 追いかける その歓声よ 未来に続け
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週一に 来る孫からの ハグ受けて たちまち我は 充電満タン
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ボイルイカ我の旨みが欲しければ海まで来いと白く横たえ
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ぬくぬくと  背に受くこたつ  画面には  アフリカゾウガメ  われが映れり
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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闇の中  ランタンひとつ  ともしおり  音の波間に  夜は深まり
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妙な音してたサンダル買い替えて父の足音くっきりとする
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