繋ぐ手を見咎められるふたりこそ花の命と咲くを止めえぬ
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悪女とはすごい美人と限らないとっても悪い女ですもの
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愛人になれない訳はお尻より口が軽いと致命的だね
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満タンの 灯油を燃やす寒き日の希望うすめる春の初夏の日
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お孫さんより贈られしものなのか おうなのスマホに吊らるる«ちいかわ»
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この曲を最期のときに流してね 祖母の愛するポール・モーリア
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僥倖の大口取引掴み取り シニアの意地をここに示せり
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移ろいの旬の素材に触れて湧く綴りし文の果て無き旅へ
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もわもわと 身体からだの毛穴 沸き返る 琥珀の海に 遊びて酔えば
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繰り返し たづぬ春にも 年毎としごとに 異なりぬ風 異なりぬ匂ひ
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言の葉の行方見失う夕まぐれ 私はどこへ帰るのでしょう
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まだ要ると買った灯油に高い値と言えば油屋苦虫の笑み
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遠くから愛でるだけもう散っちゃった桜にきみに触れたかったな
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キッチンのセンターライトに照らされて父の栄誉へ酒を汲む小夜
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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早々の 南風はえは不気味な 調べなり ガタつく窓と 去る時を待つ
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「天才」と気軽に言ってくれるなよ努力してるし見せないだけで
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次々と高価たかい握りを頬張りぬ 株で儲けた米寿ははのドヤ顔
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無人にて 朝採れ野菜に 手を伸ばす 本日きょうの健康 手に入れたり
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吾妻山 種蒔きうさぎ 身を切りて 土を潤し 農の始まり
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どっちでもいいよと笑う春の日の 僕の脳内ずっと文化祭
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長袖のシャツをまず脱ぎ汗拭きの準備ととのえ食ふ辛ラーメン
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「暑い」とふ久方ぶりの形容詞 いつもの電車に駆け込んでみて
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ふうわりときみのうなじをくすぐった春風にさえ嫉妬している
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夜半よわにふと 伸ばした手の先君が居る そっと背を撫で また夢の中
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静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
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深夜2時、突然バーバーマイセルフ髪切り虫が疼く季節で
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本当はもっとおしゃれで満ち足りたシフォンケーキがよかったのかも
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悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
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隣席りんせきの父親にかかへられし子の微睡まどろみぬ長き睫毛まつげ揺るる
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