吾子見送おくる寂しさ笑顔に隠しつつ テールランプに手を振る寒夜 /また来年
20
どんぐりのわらべとあそぶ夢を蹴る路傍にころぶ通勤の道
31
ねこたちは あさはのんびり まったりと おかあちゃんだけ わたわたしてる(本日、ちま猫ちゃん通院)
19
焼きプリンカラメルを少し残す夜かの地の涙の苦きを思ふ
19
ちょっとだけ 物足りなくて おみかんを 大雪の頃の あまき果実よ
19
爺会で カラオケ歌えば盛り上がる ラストはいつも大合唱に 
19
みかんむき一房一房食べるのは めんだふくせへや面倒臭えや三房で三口
19
老いたれど子に従えぬシルバーの墓場に似たり セルフレジ前
19
ちま猫ちゃん おでんき ポチッと けしますにゃ なんとなくだよ ねこは きまぐれ
19
老人と夕陽の窓とスコッチと なんか俺ってかっこいいよな
19
夕暮れの空にひとすじ ひこうき雲 あの先何処いずこ この道 我が旅
19
あなたとの思い出ひとつ消すたびに消しゴムはきっとまた黒くなる
19
ぐずる吾子の 鼻汁はなじる啜りし 母の愛 知らぬと嘯き 子は逞しく
19
掘りてなほ砂に埋もれり歌の果て溜めた息なら砂漠の空へ
19
我の波ザブンッと人の心折り本音じゃ生けない日本の浜は
19
爺ちゃんはこよなく僕を愛してる。そのことだけは忘れないでね
19
もうふさん くるまれるきせつ やってきた ぬくぬくのねこ ゆっくりおやすみ
19
左手首 ちょっと痩せたと つと触れる ベーグルくらい たべてもいいよね
19
みみっちくチマチマ節約した金で余計な物をアッサリ買ってる
19
あの夕焼け 明日も一緒に見ようねと ささやかな願い ベツレヘムの星に
19
風吹かぬ 墨の夜空に しんしんと  軋む足音 ひとり楽しむ
19
ちま猫ちゃん まふらーさんを そうちゃくよ いやニャよかんが おびょいんかなぁ
19
紅茶飲む予定が カフェオレ淹れました まあ良いでせう 今日もいい天気
19
グラコロは要るかと LINEとんでくる 冬の味覚よ チーズはさんで
19
それぞれの 想いをかさね 同期会 セブンスコードの 静かに響き
19
人にやさしく まずは 自分にやさしくね さすれば開ける 道もあるから
19
児を教ふハイレグ水着の指導員お嬢さん 隣で泳ぐ私はワニの眼
19
とびきりの笑みで手を振る いま下を向いたら泣いてしまう気がして
19
賀状出す我が人脈も狭まりて卆寿を越せば僅かとなりぬ
19
色褪せし表札にある取り消し線 故郷に残る旅立ちの日よ
19