桜雨 涙隠して 背を向ける 愛だと信じ 手を離した今日
18
オジサンが二人並んで喋っても 若者はもう耳をかさない
18
笑えない厳しい結果乾杯をして挑んが明日も涙
18
庭の雪に巨大な氷柱つららを突き刺して「勇者の剣!」と異世界ごっこ
18
願うのは議論のすえの採決をたとえ単独2/3も
18
ビル影の日に日に際の目立ちゆく春告草のやさしきにほい
18
あんなにも高いとこから飛び降りて 良い子は真似をしないでスノボ
18
花ひとつ新芽に咲けるサボテンの 人の痛みに寄り添わむとか
18
ユリの木は枯れ花つけて空に立つ春を忘れずかすかな芽吹き
18
真っ白な空に光の穴ひとつ真昼の太陽ホワイトホール
18
重力に逆らって回せこの地球 美しさって後からくるね/五輪
18
木々たちの枝が脈打つ春の音おのおの自由に姿かたちを奏で
18
起きてまず ねこにおみずやり そのあとで ホットミルクに よもぎの大福
18
はや過ぎて卒寿の兄の七七日なななのか供えの花は明るくまとめ
18
忘れ物してきたようで落ち着かず春の私はちょっとせつない
18
じゃがいもは野菜であると主張して ポテチなど食ふ欲望のまま
18
如月の 摂氏十度を 超へる昼 上衣の要らぬ 心地き冬
18
朝一番 全国ニュースに故郷の名 暴風雪の町を案ず
27
青天に寒戻りきて東京に降雪予報の声音は高き
22
私はね草でいいんだそう思う落ちた所で生えてればいい
17
征く冬は つぼみを添えて 跡梅の 次へ渡さん 淡きくれない 
17
戦争を知らずに育った老人は 盾持つことも恐れて逃げる
17
帰り道ため息交じりで空見ると、頑張ったねと淡い夕焼け
17
真夜中のブルーライトの埒もなしヨコハマ想う綾もなし
17
ドア開けてよもやの景色は雪の中 不意に異世界 僕を惑わせ
17
心雲こころぐもはれて雪やみ望む海 彼方まめつぶ昇る機体よ
17
春の雪ノーマルタイヤを履いたまま 私の車はぢっとしてゐる
17
神話的古層心理が動き出し 女帝の差配に賭ける人々
17
耳たぶの冷たさをなで身をすくむ 君乗るバスを待つ停留所
17
積む雪を忌みし軽薄 若人の命を燃やすイタリアの地よ
17