おもちゃ箱包む手もとを見上げてるさき瞳に射抜かれていた
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はだか木に鈴懸の実の風に揺れコシノヒガンは一分の芽吹き
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ジリジリと磁石みたいに惹かれたい僕のイニシャル「N」が付くから
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バス停に 長き列あり ゴッホ展 出会いを前に 春きりりとし
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絡み合う糸の結び目ひとつずつ 丁寧に解き こころ通わす
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あれよあれラスカルだよね 違います 彼アライグマ私はレッサー
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バスゆれて赤ちゃんゆれて我ゆれて たからの時の ゆるやかにゆけ
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電車内 見知らぬ外国人が会釈する 牧師の夫に何かを感じて?
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大島を離る椿がふりかえる汽笛に咽ぶ夕潮の海
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往き方は調べたけれど間に合わず 疾うに葬儀が始まる刻や
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年賀状つづけてゐれば蜘蛛の糸あひたいひとを手繰りよせ、春
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風止んで 瞬く空や 暖を取り スマホ立て掛け 聴くドビュッシー
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玉の緒の 果無はかなきことを 忘れゆく  身を置く処 満ち足ればこそ
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待つよりも永い時過ぎ邂逅の みそひとみっけ 夢かくれんぼ
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レンズから図鑑から世の解像度どんどん上がる足を運べば/自然観察
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一時間に一本しかない田舎駅 古食堂にてタンメンを食ふ
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凍み渡る雪原ゆきはらけもの足跡あと 辿りてゆけば水辺に着けり
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アイコンは可愛いけれど捨てた僕スクショでデフォルトさらば偏見
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食材で買った甘エビ跳びはねて心臓縮む宵のキッチン
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遮二無二しゃにむに 玉ねぎ刻む 滲む涙 そのせいと自分に言い訳しながら
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夕食は醤油かけご飯のみと言う君をおでんでもてなす二月
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南洋の日本兵らの陽除ケ帽 今園児らのうなじを覆ふ
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よもぎ摘み 指に残った かおりから  春に邂逅かいこう 今日はい日だ
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白木蓮の重なりに逝きし人のおもて映りて 澄みたるいろに心鎮まりぬ 
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袖口の汚れた白のワイシャツを むき出しで着る男の哀れ
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標本木 日がな一日見つめられ 膨らむ蕾 ポッと頬染め
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PCもスマホも持たぬ野球ファンほんとにないと困惑の淵
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傘の花色とりどりに揺れる朝六年生とゆく通学路
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諧謔ユーモアと 忠恕おもいやりさえ あればいい  世界平和は かくも易きに
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努力など誰も見てなどいないこと分かりつつある二十代なり
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