猫の目に見つめられてた八時前 僕も撫でてよ愛想悪くさ
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夕闇に 消えゆく君へ また明日 振る手の熱を 夜風に乗せて
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このままで 愛してほしい 呆けたまま 気楽でおれる 赦しておくれ
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そういえば 前の社長が 言ってたな 早く辞めてと 願っていたな
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ゲージツ家 天命知りて 別れ告げ 天へ離陸す クマさん見事
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一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
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おめでとうと薔薇の花籠届けられ 一年のさち約束さるる
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「こんにちは!」つくしんぼうに声をかけ ひよこの如き子が屈みおり
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膝痛め踊りかなわぬ身となりて 裏方に徹す春のお祭り
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正解を英語でなんて言ったっけ?「政界?」と聞く母がかわいい
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鶏の 声に目覚めず きじの鳴く 哀しき声に 朝焼けを知る
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クラス替えスキップの先 少女いた 教室光り陰は透明
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天仰ぎ 春の星座と 目が合へば さき悩みも どこ吹く風か
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早くリフレーミング自信を取り戻せもう紫陽花か向日葵までに
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あたりまえなんてないんだ母親の笑顔のために介護がんばる
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道端の ハルジオンたち おしゃべりで ついつい会話 はずむ朝なり
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開け放つ 窓から入る 風はただ 雲行きだけを 教えてくれる
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韓国のGPSを語る母指摘せぬのも愛の一つか
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夕暮れの空にぽつんと細い月 痛々しいほど消えそうなほど
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薄茜うすあかね 徐々に染まりて 今日といふ 新しき空を 与えられし
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杉咲花ちゃんが物喰う姿から説明のつかぬ幸せ貰う
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平穏な遅い夕餉になゐ振るう普段着のままリュックと眠る
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玄関とリビングだけは見目良くと あれこれ精出す老ひの踏ん張り
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防人の 任務を終えし カノヒトよ 梅も桜も これからなのよ
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血 うすくて 献血できずに 帰されて 早めのお昼はレバニラ炒め
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捩花ねじばなを じっと見つめる その不思議 螺旋階段らせんかいだん登る虫いて
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まだ卯月となりの部屋にうたた寝の夫のクシャミ二つ三っつと
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去年こぞの夏より 葉に残る空蝉うつぜみを 覆ひ隠すやう 新緑の生ゆ
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草餅に言い寄られをり桜餅ほのかに香るケースの隅で
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七十路の妻のエプロン猫跳ねて児童と紡ぐ光りも陰も
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