遠くから愛でるだけもう散っちゃった桜にきみに触れたかったな
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しんとして 風もおさまる 薄明はくめいに 争いのない 明日を願う
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キッチンのセンターライトに照らされて父の栄誉へ酒を汲む小夜
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「天才」と気軽に言ってくれるなよ努力してるし見せないだけで
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どっちでもいいよと笑う春の日の 僕の脳内ずっと文化祭
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長袖のシャツをまず脱ぎ汗拭きの準備ととのえ食ふ辛ラーメン
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どうしても馴染めずにゐる我が世代 ズボンをパンツと呼ぶことにつき
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花見風邪 売薬服んで誤魔化して ぼっとしたまま月曜の朝
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雲の無き空の寂しく里の瀬に母を思わば涙こぼれて
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サブスクか?知ってた以外のお相手と付き合い初めとまた言っている
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満タンの 灯油を燃やす寒き日の希望うすめる春の初夏の日
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静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
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雨が降り風も吹いての半月も入学式まで桜持ったな
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1首詠み吾の機へ送り受信して吾を振り返る詰め込む明日
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恋の文 墨と硯の摺りし音も無邪気な君の笑みへ途切れて
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訪問の看護師さんとお茶をするきな粉捏ね過ぎテーピングする
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駄菓子たべチェリオとゲームが童子の都会へ向かう切符だったかも
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掲示板に自転車チャリの鍵 木の葉にペン字にて 「おとしものです」のメモ添ゆ
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退勤の時に出やすいじんましん ホッとしているサインらしくて
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地球儀をまわせば指が街を消し 僕らは桜の圏外にいる
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晴れ空の下 走るバスの研修車 桜吹雪のエール受けつつ
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雲去りて 沈む心を 撫でる風 照らす望月 光の衣
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まだ要ると買った灯油に高い値と言えば油屋苦虫の笑み
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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早々の 南風はえは不気味な 調べなり ガタつく窓と 去る時を待つ
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無人にて 朝採れ野菜に 手を伸ばす 本日きょうの健康 手に入れたり
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宴終えて器を清め茶箪笥へ並べては抱く兄と会える日 「詠み直しました」
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吾妻山 種蒔きうさぎ 身を切りて 土を潤し 農の始まり
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報道も安いお茶パック未入荷もギリギリまでは待つ気を保つ
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暖房がそっと準備をされている選挙会場散り桜舞い
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