つまのいぬ夜ははやばや湯たんぽを布団に入れる わたしのために
20
雪の紋 貼りつけ走る 車窓から 大雪山だいせつざんの 気高き稜線
38
厳冬の朝の布団のぬくもりは離れがたきもう少しだけ
19
どんよりと こころの風邪は 深まりて 切先にぶき 言の葉の罪
19
厄除けのストラップ モスのお姉さんと お揃いらしい なんだかうれしい
19
おしゃべりの気分で短歌 生まれの血 幼き記憶の息を受け継ぎ
19
玄関を 他所行きの靴が 埋め尽くし 茶の間の温度が 2℃上がる
19
無理しない ビスコ食べたら 眠ります そう思いつつ ねことみつめあう
19
体幹がふらつくほどの強い風 されどこの風南から吹く
19
ストレッチしている間に ねこ母の まくら奪うが チビ猫・るーてぃん
19
風禿かぜかむろけふは雪夜を触れけど まろきたもとに匂ふ梅の
19
それでいい言うこと特に何もない二十歳の僕に伝える言葉
19
つもりそな大粒の雪フロントのガラスを埋める道街埋める
19
小寒に肉まん探すコンビニは 早や恵方巻き旗がなびきて
19
九歳の年上の人語らえば九年先のタイムトリップ
19
パソコンのアプリが消えて別の子を探すがどうもみんな今どき
19
電磁波の海を漂う魂に冬がWi-Fiのように刺さる
19
しゅっとした振り袖娘は彼氏付き やっかみ目線で脇見運転
19
ぜんざいは ないけど 鏡開きなる 海苔を目当てに チビ猫 寄りて
19
並ぶことそのこと自体が楽しみな 群衆心理のパワースポット
19
強風の運び来る 春まがひの暖 片腕にて 出番を待つ上衣うはぎ
19
一瞬だけ 全て忘れてみたくって 寝逃げに走る ねこのおやつまで
19
冬と春繰り返すよに降っちゃ消え降っては消えてこの冬の雪
19
半年に一度の経過観察は 生き抜くよすが 人生たび宿木やどりぎ
19
今一度 振りと歌とを 叩き込め 大丈夫、やれる、いつも通りに
19
セラピー犬抱くその手は大きくて余命ひと月 母は小さく
19
君の来ぬ カフェで飲むホット チョコレート 帰れぬうちに 雪は吹雪ぬ
19
役立てず吾は猫なり窓のそば日向のなかに外を眺むる
19
縊死遺体 電車の窓から目撃す 荒川土手の橋の下陰(110番しました)
20
掛け違う 言の葉の海 沈み込む 澱をまさぐる 歌をこじらす
18