早々の 南風はえは不気味な 調べなり ガタつく窓と 去る時を待つ
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聴かれない副音声としてもなおあなたの歌を詠み続けたい
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窓外そうがい雨声うせい打ち消す懐メロを聴きつ口遊くちずさみぬ午後の居間/浜崎あゆみ
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次々と高価たかい握りを頬張りぬ 株で儲けた米寿ははのドヤ顔
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花色の多き水面に鯉ゆれて春風へ抱く命のあかり
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みっしょんを くりあしたのよ ちま猫ちゃん おかあちゃんを ちょい早よ起こす
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吾妻山 種蒔きうさぎ 身を切りて 土を潤し 農の始まり
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逢えぬ夜の微熱さやかに一つきり叶えと星へ歌う宵闇
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カリカリとミルを回してモカ港へ旅の気分で頭覚ゆ朝
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歩道橋から見渡せるパノラマの街に桜の敷き詰められたり
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生真面目な主人の愛のいろどりをこぼさず食べる五目そばなり
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美味すぎた鶏白湯麺のレシートを再来店の切符として抱く
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行く道へ転がるちさき石の名は吾の気に掛けた明日の石とす
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チョトコイと 忙しなく鳴くコジュケイに 春の眠りを奪わるる朝 
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詠ふ君 五十首の峰のぞみしや誰ぞ目指さむ険しき道を
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満開の桜に沁みる雨の降る 桜ヶ丘の駅にも人にも
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横須賀の半島巡り江ノ島の夕日へ流すペダルの疲れ 「ここから我が家まで後40キロあるけど心機一転」
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暴君を許せぬ僕は激怒の血 前世でシラクサ走っていたり
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罰則の強化が迫るエコなチャリもっと治安に人を割いてよ
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最後には笑えるくらい穏やかで「ありがたい」しか出てこぬ別れ
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雛罌粟のはや一輪ぞ叢に 花の野分の去りし卯月に
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雨しずく乗せた桜と新緑を朝霧つつみ惑う胸のべ
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仕事終え雨のレーダー待つ河童どうせ降るならバチバチ駆けて
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「ありのまま」「アリのママ」だと思いつつアナ雪歌う三歳の君
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今日こそは必ず病院行かなくちゃ誰も叱ってくれないからね
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まだ要ると買った灯油に高い値と言えば油屋苦虫の笑み
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ジョーカーを引いてしまってトランプの引き際見えぬ切り札虚し
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花のを振り散らすよな北風に コート無しの身固く縮まり
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何もかも移り変わるよ花開き落ちる木蓮香り残して
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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