あじきなし さいわひなりや城崎の雪積む梅にメジロの遊ぶ/折句
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福豆を年の数だけ喰む夕べ膝で微睡む猫大あくび
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衣更着の一枚ぬぎて澄みし空桜の枝は葉芽か花芽か
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指先を砂糖まみれにして食べるシナモンシュガートーストがいい
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金利差のコンマ一位に幸求め一時間待つソファの固さ
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手離せば歌はふた世の始まりぬ 道標しるべなき野に骨晒すごと
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よる独りたわむれ歌を書きおけばそでのうちよりかすむ妻
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細月ほそつきのやみ夜にもがく人を見て 病まず我がじく持とうと想う
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ヤオコーの店内曲が脳内に ループしている止めたいけれど
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三時間二十四分なり我のプレイリストを繰り返し聴く
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つち振れば割れてひらける石のなか祖父の面影化石に映り
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物言いが過ぎる大名嫌われて庶民もろとも国変えの危機
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「我々は寒い所が好きである」 川鵜の族長言い残し去る
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ささくれたこころに沁みる知らぬ子が「こんにちはー」と云つて去る午後
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氷雨ゆき軒の下こそ暖めつ 虹の青いろ冴へ冴へと見ゆ
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父眠る 墓前に菜の花 挿した瞬間(とき)ふんわり和らぐ春風吹いた (明日は23回忌)
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曙光射し金色鈍く光る山浄土の色の漏れ出るよう/西の山
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「一」足せば「辛い」気持ちは「幸せ」に 下は向かない前に進もう
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冬日差 葉牡丹凛と葉を広げ色鮮やかに道を彩る
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れるほど晴れて伝わる想ひかな白と黒とを虹に織り交ぜ
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猫と会話ひとりの日常 懐かしき 夫や母との口喧嘩さえ
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スーパーに 百円の春 並びおり ピンクのスイートピー まずは仏壇
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見ない間に 変わっちゃったね 君の表情かお 私が恋した 貴方じゃないのね
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いつもなら 雪掻き追わるる我が里も ひと山越へれば天国地獄 
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英雄が歴史のうえにいたならば覇道か王道どちらも英雄
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仏壇の花 整えながら 今日の予定も整えている 穏やかな朝
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振る袖を羽根とぞ広ぐ青き君 舞ひ立つ時を今と知るらむ
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放たれた瑠璃色の矢は野晒しのあきらめた夢目醒ます光凛ひかり/折句
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まん中の子の名を忘れ懺悔してうちは子どもが二人と目覚め
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味もなき白湯をすすりて酸ひ甘ひわが身の内の塩梅を知る
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