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人の祖の地に両手付く遺伝子を辿りては老い地上へ帰る
21
おさな子の手を引き歩いた野辺の道 変わらぬ
風情
(
ふぜい
)
若葉萠え立ち
21
片付けは苦手なんです埋もれてもだいたい分かる特殊能力/日々発掘
21
誘導灯 虫を集めて 金にする 世の欲を吐き 走り去る我れ
21
楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
49
桃林は花盛りなり喜寿の春楽し日もあり夢持ち生きる
37
いつだって手を伸ばしたら触れられる 夢の中でも温かい君
33
さりげなきまばゆい笑みに心音の波はあの日の君へたゆたう
26
宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
26
今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
20
そぞろ歩き いつの間に木々の若葉萠え 目にもこころにも沁み渡りゆく
20
垂乳根の母になりにし妻なれば若き日よりもさらに眩しき
20
絶海の小さな野原で浴びる春クローバー群れ紫ポンポン
20
葉桜に感謝をしよう花びらをつまむ指先おでこに触れた
20
連れ立ちて 幾年春を 惜しみけむ 今年独りの 花の下道 /挽歌
20
真新しランドセルにも花びらが 雨をお供に孫入学式へ
20
雨降る日 スーパー行きは あきらめて 冷蔵庫のぞく
特別
(
スペシャル
)
レシピ
20
九十九の母が労わる七十四 逆バージョンの『老々』にして
20
電柱の上にハローと鳴くカラス僕のハローを学んで鳴いた
20
寝る前にうとうとトースト食む僕は何かが欠けてるカロリーで生く
20
夫婦喧嘩 激しさ増して 炬燵猫 瓶飛ぶ前に 縁側へ去る
20
満開の 桜は何か 眠たげで その花の下 お昼寝したい
20
毛布
出
(
い
)
で 吾の枕に長々と 寝そべり
毛繕
(
けづくろ
)
い 初夏と紛う朝
20
書くことも 読むことすらも 遠ざかり 私の文字は 未だ汚い
20
チェーン店 建設予定地 草茂り 春深まれど 冬眠中か
20
すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
20
工事場の重機の下に
微睡
(
まどろ
)
む猫 ぐっすりおやすみ 今日は日曜
20
さすがもう平気なんだとまだ有った冬の名残りを仕舞う暑さかな
20
流れてく川に放すは軽き舟 四季の花びら乗せる折り紙
20
若葉より癒しを得られ一服の珈琲は青い瓶の魔法
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