かろうじて 新品ねこトイレ 設置して 今日の気力は 使い果たした
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冷蔵庫の ハムとしめじは 救出し レコ大を待つ この夕暮れや
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父と子が 初旅に出て 母ひとり 年の瀬のスパ ご褒美タイム
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薄皮を剥いた数の子・枝豆が枡におさまるお節の一品
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うっすらと積もった雪に雀らの足跡を見る楽しみがある
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文字たちが筆に喜ぶ年賀状 止めて払わん今年の邪気を
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凧糸を食べて手術の一大事 猫の危さ尊さ気づき
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チビ猫は きまったものが すきなのよ いつものおひる 大粒カリカリ
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知らなんだ後光の光は八種類 神仏様も派手に決めるね
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神様におねだりをする初詣さて賽銭はどうしようかな
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幾たびもゆきつもどりつした道をまたゆく春のあらたなる日に
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酔いつぶれ 絡み散らかす その人よ 若き医療者の 哀しさ知るや
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牛乳と 思って買ったら ミルクティー 今年初の うっかりミスなり
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またひとつ歳を重ねて背伸びせば逝きし友らの見た景色らし
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ひなたにて読む新聞のインクの 邯鄲かんたんゆめ 遠き正月
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うっすらと雪化粧した庭を見て朝からずっと炬燵の番人
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黒豆茶で ハスの月餅 食べませう 大豆イソフラボンが 摂りたし
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満月に涙ぼくろのよふな星 君はジュピター浮かぶ笑顔に
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祖父母とは海老で釣らるる鯛なれば腕によりかけ美味しく召しませ
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りんご尽き シワシワになったキウイ切る 朝の腹筋 ねこが見ている
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「頑張れ!」の大声援は鳴りやまず 敗者の襷 もらい泣きせり
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理不尽なことを言われて受け入れる暇があるからいけないの暇
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「札幌行き」 その五文字だけ抱きしめて電子の波を泳いでいくよ
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新しいノートを開くときのように年の初めの意欲ふくらむ/本年もよろしくおねがいします
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ようやっと老夫婦ふたりきりの正月に すき焼きなどをつついてみている
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高層のホテルの壁はミラーにて日毎の空とビル群映す
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ご立派でご長寿なのに幸福か皇居で暮らす盆栽に聴く
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目の前の枝にはぐれし小鳥来て刹那のふれあい陽だまりのなか
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いにしへの街道歩かば寒菊の咲く庭ばかり吾の里に似て
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一年を漢字一字で表せば「凡」あるいは「疲」「痛」なるかな
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