遠い日を たぐり寄せる その午後 金木犀の 魔法にかかって 

夏過ぎて 見慣れたはずの 教室の  誰かが違う 秘められた事 

この街の郵便局の片隅に宛先のないパフェがひとつ 

隕石が落ちてくるから明日まで生きてみようと思えたんです 

UFOが海に沈んでゆく側で静かに茂る名のない草木 

ミュートしたクラスラインは盛り上がり赤い数字が静かに増える 

iPhoneはネバーランドになるはずが手汗ネバネバランドになった 

距離を取るとアルゴリズム体操のヒリヒリ感がなくなっちまう 

アメリカの地下鉄に乗るガスマスク他のマスクを買えなかったか 

御座のあと 顔にくっきり 残ってる 昼寝のあとの スイカはうまい 

のぼせてる 真夏の恋を 冷やすため 口にほおばる レモンフラッペ 

原爆の 投下の訳さえ 知らないと 答える子らに 歴史説く 

各々が個人をしてる同じ椅子 一人分をはみ出さないように 

頑張りに打ちのめされて階段の段の多さに吸い込まれそう 

信号の横のボタンに気付かない私をじっと見つめる娘 

悲しみが灯油の匂い燃えていた強い言葉弱い弱いよわ 

テザリング入ったんやけどまさか彼 なんやワロタわフリーWi-Fi 

バランスを とるのはとても むづかしい 心の声と 吐き出す言葉 

恨みます そんな言葉で 済むものか 地獄に落ちろと 睨む他なし 

なりたいな 理想の大人 どこへやら ごまかすことだけ 上手になったよ 

意味なんて なくてもいいの いくらでも 付け加えたきゃ どうぞお好きに 

ねぇねぇ、と君が呼ぶ声甘くって 君の抗体獲得できない 

差し出した この手は届かなくていい これが最後で、かまわないから 

ちちはは父母と墓参りした秋分は一年前かおはぎ食べ思う 

土曜日に アイロンかける 日課増え ビジネスマンの はしくれとなり 

集めたの一年分の満月を でも名月には勝てなかった 

カフェオレをぐびぐび飲んで心ではスキップをして帰る秋だし 

聞きたくて ずっと聞かずに 心うち 誰を守ってた 嘘だったの? 

「ねこ好きで……」微笑む君の口許が昨夜見かけたねこに似ている 

あのひとが “人間”だということが怖い いっそ神様であってくれよ