たんぽぽの綿毛につけたい明かりたち 闇の夜照らすぼんぼり灯る
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脇道を こっそり通る 三毛の猫 視界にかすめた 小さな幸せ
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ほんとうに山が笑っているような山桜抱く未熟な緑
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17時パッと飛び起き20分 中華丼にししゃもに味噌汁
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夕闇が 迫り来る時 聴こえける 昨日の罪と 明日への希望
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よいの口 苦渋の葛藤 罪悪感 今日はドーナツ 二ついっちゃお
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今までの 人生全て この一瞬ときの 前菜だったかもと気づいた
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田舎道 ふいに昭和が浮かび来る 子供の吾が母待つ夕暮れ
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魂は 自由なのだと 思う時 素直になれる 優しくなれる
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やっとこさ 黄砂にまみれた服たちを おしゃれ着洗いで今日は部屋干し
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友の声久々に聞く心地など想像しつつ雨空見上ぐ /Voyager1ボイジャー
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列島は寒暖差あり南北に君の心は稚内だよ
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大切なものということ分かっても 「でもね…」で始まる私の身勝手
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列島に何かが起きる。地球にも、宇宙規模でも始まっている
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本を読み 言葉選びの 極意知る 新たな世界 短歌の楽しさ
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二年前たしかにきみはそこにいてカフェオレ飲んでた もういない なぜ?
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交差点 ママチャリご婦人 すれ違い 荷台の子犬に「キャウン」と言われ
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桜ってもっとピンクな気がしてた 陽の下で知る無加工の色を
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十年は続くひきこもり暮らしにアニバーサリー的な何かを
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オーバーサイズのくすみTシャツがはしゃいでしまう夏日気温
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ソリティアを楽しんでいた先輩が上司に見つかりマスク下で笑
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ちま猫は ベッドでちんまりまっている ねこ母ハミガキ オフロに薬(さぁ寝るよ)
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白線の外にはサメがいるんだよ大人にはもう見えないらしい
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老犬はよく食べよく吠えよく眠る脚さえ動けばキミは若者
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心配してもしなくても結果は変わらない それでも全てに心配は宿る
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たいちょうの わるいときには ねこだって あまえたいのよ おひざをフミフミ
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葉桜とよろこばしきことつづく日がなんともうれし うららかな午後
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熱中し 昼時過ぎて 腹がなる 気付かぬほどに 手仕事楽し
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ダイエーのフードコートで母コーヒー ご年配(に人気の)ソファが満杯と云ふ
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月影も射・鎖さぬ臥処ふしどの松の戸に人こそ問はね風ぞおとなふ
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