本当は行きたいのかなどうだろう車椅子ごと運ばれて母/デイサービス
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半月を 見上げてキミと 帰り道 海苔そば食べて キムチも食べて
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後輩にナメられた日に 張り切ってわたしの顔を舐める愛犬
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カーテンを洗えば一皮剥けたごと明るくなった年末の日よ
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金色の 光幾筋ひかりいくすじ 漏れさすは 樹魂じゅこんの爪弾く 琴の糸なり
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妻曰く「探し方が下手」らしい よく言うなって…お前を見つけた
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八百万の神の一つのイエス様過ごして年の神様を待つ
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欲しい人ゐるのかしらんカレンダー 無駄を承知の営業儀礼
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ミニミニのケーキにサラダに パエリアに 3号ケーキは ちょっとお高く
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月に雪 尽きぬ夜の雪 みちゆきに ことのはのゆき うつせみのはて
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大好きな 貴女といつか 過ごしたい 聖夜の鐘を 窓辺で聞くイブ
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朝焼けの雲が輝く大空にひとり散歩で背筋を伸ばす
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老猫の病は我を道連れにただひたすらに静謐な時
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カフェオレが 我にささやく 頑張れよ いっしょうけんめいな 君はステキだ
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はやばやと松竹立てる家もあり そろそろ明日で仕事納めか
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ひとまわり小ぶりになったか…でもないか おろしたてなる固形石けん
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僕らにも体に季節が宿ってる冬は膨れて糖分ためて
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冴ゆる空 寒かれど 気持ちも晴るる 通勤の朝 近し年の瀬
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関東は乾いた北風ピュウと鳴り 仕事納めの頭を冷まし
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えッ、トリは北島三郎じゃないの何十年かぶりの紅白/曲順発表
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クリスマス一番近くにいないけど一番思い浮かべてるキミ
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一瞬だけ 羽を休めて また飛ぼう 高く強く あの大空へ
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クマさんに保護区を作ってあげたいね人と争ふことのなき世を
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キャラクターグッズを選ぶ孫たちを 爺はベンチで待つ、さらに待つ
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七福の即生いいね七難の即滅いいね七福めぐり
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たんたんと置いてくニュースの味気なさ世間が遠し九日間ここのか長し/ラジオの年越し
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頑張って古希に目標未達成でも五十年まだあるじゃない
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この時間 メール処理する 静けさに 互いに終わりが 見えぬ年の瀬
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茶葉のことダージリングと言うわりにポン・デ・リングはポンデ呼ばわり
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一万歩歩いたところで腰掛ける 陽当たりのよい冬のベンチに
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