にゃおんという 呼び声ひとつ いとしくて なんでも叶えてやりたく思ふ
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「ほんとはね」きみの気持ちを知った夜やさしい言葉がわたしを包む
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明日あすこそは 恵みの雨か 予報観て 渇きぬ草木を気に掛ける夜
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おかあちゃん ふじんか婦人科いくのと ねこが鳴く べつにいきたく ないけどいくの
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ふたおやの齢超え生く妻の目に映るかなしみ われそばにいて
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守りたい、の「い」で拳を握りしめ 駄目な僕ごと未来へ放つ
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如月きさらぎに 重ねる君の 外套に 常より顔の 小さく見ゆる
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明日には 貴女に会える そんな夜は ドキドキしつつ 笑い止まらず
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悲しみの 雨にうつむき 泣いてては 空に昇った 虹に気づけぬ
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友を絶たれ社会を絶たれ夢の跡嫁というのは奴隷ではない
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誇らしき造り花より棘を持ち咲けるサボテン愛でて生きたし
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屋根の雪溶けて垂れては固まって暖冷の冬ツララがデカい
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如月の望月の夜に花はなく 西行の世とひとつきのズレ
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雪捨て場 砂場に作る山のごと崩す運命されど懸命
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華やかに 車両彩るラッピング 乗れて幸福感なる通勤
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謎解きの 本屋に入りて 異次元の 世界観あり 夢か現か
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コンビニで 買うか迷いし 恵方巻き 冒険できず 素通りし我
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願わくは夫の持病を全て持ち去りてくれぬか 鬼は外
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全容の分かっていない細胞を何十兆も抱えて生きる
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間違いを もっともらしく伝えくる AIはもう信じられない
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ウェールズ王子Prince of Walesなる名の紅茶淹れ今日を始める勇気を少し
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俯きて歩めば光る霜の星 朝日に染まり土に瞬く
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寒空にスズメは丸く身を寄せて陽だまりひとつ私と分ける
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歌を機にめて用ひる言の葉衆 まだまだかと袖から覗き
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芝の上セラピー犬を抱く母 末期まつごの時を薫風はつつみ
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通勤路 朝陽に道が照らされて 鏡のようで 怖すぎまして
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練りに練り 練り切りなどと 呑み込めば 練られた歌の 寝心地のよし
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香箱で陽光迎へ猫二匹「背中は任せろ」薄目でチラリ
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値上がりで ゆらしゆらして 3杯目 紅茶のパック 破れんばかりに
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いつの間にくりやに立つ子の背は伸びて 注いでくれたる味噌の香膨らむ
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