そんなにも話しかけたくないですか取って食われはしないだろうに
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真っ白な世界に僕の輪郭が溶けてめまいがする 未練、たぶん
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缶ココア片手に 友と語り合ふ 交はりぬ互ひの白ひ息
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駅前にて また会おうねと 約束を交はす友と 見送りぬ月
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哀しみは捨てずに抱く わがししの芯を創れる光なるゆえ
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黄バラ枯れ ドライフラワーとなりとても なほ夢を見む 梅の季節に
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室外機凍ってしまい来ぬ温風かぜを吹き出し口の下で待つ猫/定位置なのですが⋯
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受話器持つ指の震えをそのままに 友の笑い声もう還らぬ
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キラキラと輝いていたつららが白濁しては身を減らす午後/暖かいポタポタ
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勉強に しがみつくのは 辛いけど 手を離しても 行く場所はない
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朝日射す清くて強い眩しさに私は灰になってしまおう
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ねこが呼ぶ 朝の5時から ねこが呼ぶ おみずほしいよ ながれるおみず
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10分間しばれる風に身をさらす プラットホームは冷蔵の棚(電車待ち)
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戦争のできる国にはしたくない婆の繰り言願うは平和
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雨雲の通らぬ睦月 渇きをる露地ろじの椿は 無事に咲くのか
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まろやかに 雪はつもるの 塞がれた パンダの遊具や 松の枝にも
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嵩高に積まれる雪を眺めては大きイチゴをひと口に食む
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婆ちゃんが娘の背中を叩いてる「孫の手さだボールが効ぐがら」
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終活にALSのギタリスト生きた証しのCDずっと
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縦中を裂くんじゃなくて上横に切るのがいいと思うんだよね/袋
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川べりのお地蔵さんに赤い花似合わないよと照れてるみたい
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燃え尽きた火球は秘めて土の中やがて根を張り赤き実となり
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募金箱 首を傾げるレトリーバー鼻ズラ撫でてチャリンチャリン
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我が家には金魚二匹と妻と我 今年もつつがなくあらまほし
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外に出ずる 気もなく窓に 添い見れば 碧空あおぞらすらも 雲重く見ゆ
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年に一度チョコを届けるそのために一度あるかのキスを待ってる
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どちらから?二階の軒の端の端。見事な氷柱つららすぐ手が届く/なが〜い
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風花と見紛ふばかりの白梅の 幽けきかほり鼻腔で捉へ
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石畳いしだたみの あの道のカフェが 恋しくて 窓際に座り あなたを探す
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わかるともわからないとも五十年 妻の不機嫌スイッチ居場所
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