時計ときを見て  まだかまだかと  待つホーム  春のきざみは  花びら舞いゆく
27
「姉ちゃんは…」と六十過ぎの弟に意見しているふるさとの午後
32
約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
22
無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
22
バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
22
大皿に アスパラ菜花さやえんどう 彩りサラダ 春ひとりじめ
22
雪溶けて  冬の女王  やぶれたり  長きトカゲも  春に這い出す
22
春もみじ紅き新芽の妙なるや朝陽に愛でし仲なればこそ
22
朝食の片付けせぬまま 遠き日に想い巡らす 日曜の朝
22
足下にてんとう虫の歩み観て単車休憩牡鹿の海よ
22
一人城 引き揚げてきた三男の 荷物が我が家の居間占領し
22
長い冬 耐えて開きし野辺の花 なんと可憐で愛しき生命いのち
22
3時間2万歩歩いて消費した 脂肪はたったの82グラム
22
川沿いの桜の開花 行き1輪 用事済ませて 帰りは5輪
22
飯くれとやかましいので猫さんに旅に出ろよと戸開け促す
22
晩年の母 慣れぬ手つきで嬰児ひまご抱き ひろがる笑顔最後の写真
22
じーちゃんとハイタッチすると孫が言いウインド下げる息子の背中
22
神経と脳を酷使の作業終え 家に帰って焼鳥と酒
22
朝日差しこの頃見える電柱の弾く光が目を射て眩し
22
主役より福神漬けのパリパリが勝っちゃうこともレトルトカレー
22
おにぎりを二つ買ったらお茶オマケおっと嬉しいおこわが美味い
22
外気冷え車窓を曇らす結露には 人の温度が可視化されをり
22
心をば畳んでみたくなりまして折り目きれいに揃えています
22
目の前に迫る手術日 たかぶるこころ 短歌詠みつつ平静保つ
22
のどかなる 春の空にも 鋭角が ポラリスを射て 白鳥の矢よ
22
寝違えた背中に湿布貼り終える 明日十時の孫を待つ朝
21
慎重に針落としては聴いていたフォークルを今iPhoneで聞く
21
廃業の 塗装屋の壁に残されし アンパンマンとミッキーのあか
21
おむすびをリュックサックに放り込み 勇んで来たがまだ一分咲き
21
塩漬けの 桜を添えて 色も香も 雅になりぬ 酒饅頭は
21