朝を待つ鏡の奥の静けさに光り零れる涙を拭う
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梅が散り辛夷こぶしも散って桜桃さくらんぼもう咲いている吹く風寒し
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関東と信濃を隔つ険路にも ちょぼりちょぼりと山桜咲く
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ラジオでの球場響く応援が沈んだ気持ちにじんわりと効く
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春寒に草むしり置き日帰り湯 炭酸風呂に皺肌喜ぶ😀
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持ち主の元へ戻れたのか 枝に掛けられていた ユニフォームは無く
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とりたてて秀でるもののなかりせば凡なるたひらのなほもむずかし
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寒き朝 鈴の小花に 揺れ雪の 細き水降る スノーフレイク
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縁側に膝を並べし宵の口ビール片手に春のお月見
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「ただいま!」と母に抱きつく一年生 登校三日目 桜満開
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泥付きの 荷台に寝転ぶタケノコを 「持ってけ」と笑む里山の春 
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すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
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日だまりに 如来の如く 目を閉じて 猫の居眠る 斑鳩の里
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流れてく川に放すは軽き舟 四季の花びら乗せる折り紙
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若葉より癒しを得られ一服の珈琲は青い瓶の魔法
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胸骨に風を受け止め七分丈 床屋帰りの頭撫でつつ
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水温み駆け足でゆく白き砂 遠く人かげ予感の走る
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人の祖の地に両手付く遺伝子を辿りては老い地上へ帰る
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順番は桜の次に桜桃さくらんぼ咲いたものだが園地はすたれ/後継者無く
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チビ猫の 首輪もどっか 見当たらない 買い替えどきを 知らせているか
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片付けは苦手なんです埋もれてもだいたい分かる特殊能力/日々発掘
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春風に 誘われペダル 踏むわれは ひとり追い越し ふたり追い越し
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カタクリの恥じらうような花一輪長き時経てやっとお出まし
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池掃除おこぼれなんて思うのか間近まぢか見守るカラスは二羽なり
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スカスカの桜を見てはこの春は華が無いねと吹く風の中
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時褪せてセピアの本を読む人の静寂緩まぬ九段下かな
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夢の君さよならを言うその夢は嘘と優しく言う君を待つ
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あの人と逢えるかなってパンジーと内緒話して揺れたパンジー
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頂きへ連れて行きたしあの友の記憶湧きだす一輪草を
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夜の雨に再び目覚め咲く花は聖者の白きベツレヘムの星
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