打ち上げと 忘年会を 兼ねた夜 笑顔と酒で 過ごす藤沢
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親友のような顔して近づきぬ カラスに諭す自分でさがせと
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猫二匹トイレが3ケどのようなローテーションか全部ご利用/日々掃除
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銀杏の葉 かさりと踏みて 教会へ 神戸教会 ひさびさ・ワクワク
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小春陽に ゆるき坂押す車椅子 ストライダーのすれ違う角
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その肩の 重荷をすべて下ろしなさい 主はそう言われる 仰せのままに
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川沿いの 明かりの灯り無き宿に かつての賑わひ淋しからずや /鬼怒川温泉にて
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紙やすりで 研がれるような 寂しさに みぞれざらざら 降り注ぐ音
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牡丹雪に見紛う野に咲くサザンカの真白く光る朝の冷気
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次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
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枯れ葉散り あらわになりぬ 枝のはざまあるじ無きからすの棲家
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気がはやる 初めて吊るす 干柿に  ぐっと堪えて 食べ頃を見る
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安らわむ 硝子の月に 息をかけ 貝の小舟で 眠りの海へ
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町内のコスモス咲きし空き地には家が建つらし整地がされて
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三十年住み慣れた家を後にする また新婚ね 小さなアパート
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ちま猫ちゃん けさも にうにう牛乳 のみました ごっきゅごっきゅと いいおとたてて
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葉牡丹も 冬の寒さに ギュッと凍ゆ ベーグル持って お散歩行こう
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「生きていた言葉」に献げる徳利のセーター チョッキ ちゃんちゃんこ など
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今年から歌を詠むきみ「自分だけ違ってるってむしろ素敵だ」
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薄紅うすべにに 頬染めるホットチョコレート 柔らかく我を 見るが の色も
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ザラザラと心を削る道のりは己が魂磨く道なり
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この手から零れ落ちゆく砂時計一体何を空っぽにした
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昔とはだいぶ変わった精神科 患者さんたち見た目が良いわ
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年齢を聞けば驚く精神科 十や二十の若見えはザラ
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シュトーレン味のベーグル いと美味よ 成城石井の 値引き品食む
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大雪の節気にうれし小春日は きみいそがしき洗濯の朝
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まだ尻尾踏んだことすら気がついていないみたいだ逃げなきゃはやく
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ひさかたの光しづけきかきにふる雪は山茶花さざんか 大雪たいせつの朝
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九十九の母ナンプレを趣味とする 残りの升の割り振りに、笑む
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境内に銀杏が映える写生会ガヤガヤ悩む子らの景色は
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