畏れつつ自然のかたちを見過ごして先回りしてまた傷つけし
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花どろぼう 罪にならぬといふけれど やっぱり罪だよ 眺めるだけね
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豚肉で パワーつけよと キムチ鍋 お豆腐熱々 〆は雑炊
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彼と行く旅行の小遣い渡すため夕飯と風呂も用意してます
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微睡まどろみて 列車は目的駅へと 車窓変わりゆきつつ近づき
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得意気に ぎんなん煎ってくれたっけ もう何年も口にしてない
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なあ冬よ、せっかく秋が来てくれた。 暫し待ってはくれぬだらうか。
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何だろなと思ってた実は 河内晩柑 こんなところにも 実がなるんだね
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久に会う誕生月の娘のために少しはずんでランチ愉しむ
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一階の猫トイレトイレ盛況大抵は飛散悲惨で降参な日々
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金婚の 呼んで 頼んで 金出して 来ていただいて 祝いの宴
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けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
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小春日の白寿の母の耳元に 旅立ちし朋の笑い声届く
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天高し脂質我慢し君がため履けたジーパン大事に畳む
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ラインには既読付かずに事件では?彼と旅行だったの忘れた
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パンドラの箱から悪霊飛び去りて 最後に残ったものは「希望」と
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マルチーズ社交広場に異変あり火の付き吠える大犬涼し
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密林アマゾンで見つけたケース収納は未開封 逆にお部屋を狭くしてをり
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冬柿と言う名のインクなるほどともちょっと濁るうちの冬柿
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お米券いつどれくらいもらえるの対象外と言っちゃ嫌だよ
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歯車はギリギリ攻めてフル回転 キチキチ回る昭和のさが
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通知来る待ってたなんて思われたくないあと十秒待とうかな/LINE
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介護での向こうから来ない手助けは出会いや空きの運も大きく/ニュースからふと思い出して
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何もなく致し方なくポタージュにレーズンパンを浸し食む午後
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「分からないきみの気持ちが分からない」芭蕉風味で別れたカレシ
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光射す海の水面の船影は蒼き月夜の夢の箱舟
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話す時 何度も「めっちゃ」 をつけるから 信用のない 私の「めっちゃ」
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ナイスミディ遥かに超えた五十路には着地場所無いダブルアクセル
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「えびす講」孫と 帰宅 待ちし母 けんちん汁を 三人で食む
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短針が 5さし長針 2をさせば 母帰りきて ともる電灯
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