手伸ばせば 届く君の肩 波打った 鼓動のせいで 話しかけられない
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心臓が 耐えられぬなら、と 結局は 変える未来より 安静を選ぶ
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沈みたる気乗りのせぬ日ネトフリでサザンのおじさんパワーいただく
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花粉飛ぶ春もいいよね 辛いこと あった日も涙ごまかせるから
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コンビニの温いお茶買うその癖を未来の僕は愛すと思う
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雛飾り 良縁祈り 早じまい 気づかぬ呑気な 四十路の娘
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霧のなか、光の粒をポケットに。夢の向こうも僕の生活
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あといくつ摘めば満つるや春の野に白紫の花かご匂う
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大谷のホームランの音なりよりも吾にとっては良薬となり
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木蓮がゆうらり揺れて思い出すこの花こわいと言ってたひとを
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旧友とお喋り尽きず二時間半 明日からの糧となりにけるかな
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久々に 風邪をひいたか 重い腰 上げて加湿器 お手入れからだ
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歌の橋 月まで千年つらなりて重ねる短ざく飾る浮世に
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目に留まりこころに留まる楽しさが ひとつふたつと増えていく春
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たぶんもう完全犯罪できるほど知識あるよね沢口靖子
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空霞み 静けき春の昼下がり 風に揺れ薫り立つ沈丁花
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亡き母の語った話とあの頃の懐かしさ共に今日の一日/東京大空襲の日に
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濃桃色こいももの花零れ落つ遊歩道「意宇の里おうのさと」なる名の椿らし
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名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
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いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
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紫の 星のかけらの 散りたるが 朝日を得れば すみれと咲けり
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原発で 避難生活十五年 ふるさと未だ遠くにありて
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ほどほどに石橋叩きて歳月とし過ぐも地図捨てた日の欠片もありて
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遥かなる海はいつでも穏やかであれかしと願う 鎮魂の日に /3.11
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雨上がる 歯肉蠢く啓蟄に 「夢の中へ」と陽水聞ゆ
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左右(さう)の手で 包むがごとく 生姜湯(ゆ)を 惜しみつつ飲む 冴え返る午後
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ビル風にコートの襟をかきよせる 大気はなおも警策を打つ
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うらやまし、おばちゃんたちはカンパイって 駅弁アテに朝ビール呑み
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「うまい棒」思わず「うまか棒」と言うあなた九州出身ですね
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宝くじ買ったかみたい図書館へフォトブック持ち行ったら夢に
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