母さんにたんたんたぬき歌わすと勝手にウケて笑顔が戻る/認知症
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ただ親友ともの元気な顔が見たいから チャイティーラテの香りの先に
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あさのひかり それは「希望」といふ名前 今日もいちにち 食べて生きよう
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まどろみの夜ほころびゆく午前四時そっと犬と歩みゆくかな
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ねむそうに ゆれてるねこを なでながら シリアルバーなど かじる夕暮れ
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さかずきに浮かぶ三日月眺めては懸けた想ひをグイと飲み干し
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夕暮れの茜の色の残照に孤高に光る冬の三日月
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あをぞらの下を通院 本日も タオルだけでも 洗えてよかった
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都会ゆえ はきと星空みえぬけど ひときわ明るく 輝くシリウス
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かなしみをふきよせたよな冷たあめ 秋のおはりの冬のはじめの
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数日を朦朧として終えた悔い早めの風邪薬から飲まれる
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堅豆腐こんぶを敷いた湯に浮かべ 沸かぬ手前で弱火にゆらし
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杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
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そこにありて 草木の陰に 冴え冴えと なみだに映る 野菊のいろ
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街角で電波拾おう手を振れば振り返す人いてあたたかだ
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家を出て目指す先には鬼ヶ島 犬、猿、雉に出会ってみたいね
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枝打ちて寂しく映る木々たちは根と根で繋がるネットワークで
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叱られた遥かな記憶 耳掃除している祖父のそばで暴れて
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偉くなど 成らなくて良いわ 風を浴び ぬくい光に くるまれてたいの
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服えらび ふとふりむくと そこにねこ 音もなく来る それもかわいい
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雨に煙る ベランダで線路見下ろして 宇治行き特急 今朝も見送る>真冬にはきっと!
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氷雨やむ火灯し時の放水路 テールランプが赤く流れる
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廃線の 駅舎から見る 西の空 夕陽が照らす 深紅のもみじ
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南天に 朝顔の蔦 巻き付きて  夏の名残を 絡み離さじ
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逢えたのにだから足りなくなるわたし逢う前よりも淋しいの何故?
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カチカチに凍る心は家の中 いっそ綺麗な結晶になれ
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ファスナーの金具の上に膝をつく皿をさすりついたいのとんでけ
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おかえりのオヤツをたべて うろちょろと たんけんするよ おうちニャンだよ😸
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車窓から そこはかとなく 見るすすき 吹きてなびくは 人の世もつね
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かりんとう黄粉きなこまぶすティータイムお菓子も纏う冬の衣を
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