寒空にふける歌ごと夜も更けて いつぞ止めよと問ふものもなし
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いつだって職場の床は針の山 脳はプチプチ刺激に弾け
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荒れに荒れ放ったらかせば際限もなくカオスなりお家のお庭
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百均で 思い起こせぬ 買い物を ふと思い出す 帰り道なる
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氷雨降る 駅のホームに吾一人 警笛の音冴え冴えと鳴く 
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ためらえど六十路半ばの吾ならば シルバーシートに座っていいよね?
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シクラメン 冬の寂しい 窓際に 鮮やかに咲く 赤さ強くて
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やわらかな 陽ざし差し込む 窓際で 予報外れて じんわり嬉し
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本番を三日後に控えた風邪引きに 我取り乱し大根かじる
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芽生えたる 夢を忘れる その前に。 命短し 挑めよ我ら
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クローバー祖父にマメ科と教わってシロツメクサを目に凝らし知る
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おかあちゃん おきるの そっとまっている 愛らしわが 護ってみせる
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一晩を ぬるま湯で過ごし ちょこなんと 嘴突き出す 発芽玄米
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街ゆけばファッションさへも黒系に冬こそカラフル決めて行こうぜ
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ネガティブの沼にハマれり這い出さん走ればいいのさ脇目も振らず
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あの頃は『女の子たち』と呼んでいた五十年後の君たちに会う
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朝焼が 雲に映って 赤くなる 苺綿菓子 部下が笑って
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一日は初詣だぜと友が言うそのおみくじはきっと大吉
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お日さまを寿ぐような鳥たちの合唱うた朗らかに冬晴れの杜
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お正月帰れぬ吾子へせめてもと お菜並べて 居酒屋『おかん』 /家族で忘年会
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大雪の節気にうれし小春日は きみいそがしき洗濯の朝
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銀杏の葉 かさりと踏みて 教会へ 神戸教会 ひさびさ・ワクワク
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その肩の 重荷をすべて下ろしなさい 主はそう言われる 仰せのままに
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九十九の母ナンプレを趣味とする 残りの升の割り振りに、笑む
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寒空に 水槽洗えば リビングで 金魚笑いて 上から見おり
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両手に花 よりも両手にねこがいい 右と左に もふもふがいる
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「膝栗毛」三日読んだら伝染うつります おゑど江戸言葉にべらんめ調が
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北海道の 友の身がまず 案ぜられ 挨拶とともに メッセ飛ばせり>地震
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津波への注意解除とラジオ朝警報聴きつつ眠りに落ちて
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馬淵川 櫛引の里 根城丘 なゐに震へし八戸思ふ
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