仏壇の蔭に身を寄す蜘蛛の子よ まわれ右する掃除機の先
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大皿に アスパラ菜花さやえんどう 彩りサラダ 春ひとりじめ
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雪溶けて  冬の女王  やぶれたり  長きトカゲも  春に這い出す
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春もみじ紅き新芽の妙なるや朝陽に愛でし仲なればこそ
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朝食の片付けせぬまま 遠き日に想い巡らす 日曜の朝
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足下にてんとう虫の歩み観て単車休憩牡鹿の海よ
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一人城 引き揚げてきた三男の 荷物が我が家の居間占領し
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長い冬 耐えて開きし野辺の花 なんと可憐で愛しき生命いのち
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3時間2万歩歩いて消費した 脂肪はたったの82グラム
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川沿いの桜の開花 行き1輪 用事済ませて 帰りは5輪
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飯くれとやかましいので猫さんに旅に出ろよと戸開け促す
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晩年の母 慣れぬ手つきで嬰児ひまご抱き ひろがる笑顔最後の写真
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じーちゃんとハイタッチすると孫が言いウインド下げる息子の背中
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神経と脳を酷使の作業終え 家に帰って焼鳥と酒
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朝日差しこの頃見える電柱の弾く光が目を射て眩し
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人詠みし歌の葉に知る季節かな花はもも色うたかたの夢
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農園で甘き香りの苺買い好みし夫に供ふ命日
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桜咲き 浮かれ気分のそんな中 北国にまた雪予報あり
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借りに行き積読してる図書館の本チラ見して 彼岸中日
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約束の印をなぞる 日曜も赤き手帳に文字は踊らず
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バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
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寝違えた背中に湿布貼り終える 明日十時の孫を待つ朝
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慎重に針落としては聴いていたフォークルを今iPhoneで聞く
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おむすびをリュックサックに放り込み 勇んで来たがまだ一分咲き
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塩漬けの 桜を添えて 色も香も 雅になりぬ 酒饅頭は
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手の冷ゆる 彼岸の午後の 徒然に 甘めの紅茶 時かけて飲む
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日溜まりのベンチに座りうたた寝し 目覚めぬままに逝けるものかは
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鶯のひと声乗せて花筏ゆらりゆらりと桜餅ひとつ
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「詠むと読む」遠き銀河の星と地球ほし 恒星ほしには無いんだ花咲く土が
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父母の 墓に詣でぬ 怠りを 詫びつつ淋し 彼岸過ぎゆく
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