処方薬飲んでちっとも効きゃしない 咳に喉痛あぁ煙草吸いたし
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城勤め無難な黒は好きなれど不思議と水色効率上がり
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霜月に ハイビスカスの花咲きて 電信柱に 白鳩とまる
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見送って送られてまた見送って「また明日ね!」で真ん中バイバーイ
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山の方熊は逃げたと鳴ってから防災無線今日は静かだ
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背筋のばす その方がきっと楽だから 大丈夫 空はあんなに明るい
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小さな手上げてわたるか交差点ベビーカーからすくと見えおり
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黄櫨はぜの葉が 窓をオレンジ色に染め 見るたび錯覚 もう夕焼け?と
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流れ星 南の空に 輝けり ここは天国 はたまた夢か
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「来る」「来ない」気まぐれなリス待ち望みいつも桜木目の端にあり
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久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
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てん裂けて 矢の如く鳥は 飛びゆけり 視線も合わぬ 異郷の住人
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使用後に硬貨が戻るロッカーの百円のように無意味な夫婦喧嘩バトル
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朝日差し錦の蛇がうねるよう山稜続く金襴きんらん纏い
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岩波新書ポケットに入れて昼食同じ値段の牛丼をくふ
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低速度エスカレーター降りてくる街が私を泳がせている
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鵠沼の 小さなカフェで 海見つつ クロワッサンで 特別な朝
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日々同じ住宅街に熊が出るどうやら奴は住み着いたらし/罠にかからないのだそうな
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私から旅立ち誰かの物になれ集めて生やしヘアドネーション
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インフルやコロナでなくとも風邪は風邪 微熱こらえて営業回り
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病院で 最期に我の 名を呼びし あの日の母が 忘れ得られず
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七千首すごいすごいよねこ母様 愛があふれる歌の数々/おめでとうございます😊👏
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青空に映えて紅葉と柿の実がざわざわ揺れる風の冷たさ
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今秋の塩の加減で冬越しの 野沢菜漬けの出来は如何にか
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真実の強さとは何かと 胸に問ふ 一夜のさみしさ 耐えてもみせる
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究極に荷物減らした旅支度 されど一冊「えいえんとくちから」
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染めたまへ きみが訪ひまつ肌の はまゆうの花からくれなゐに
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あさゴハン やわらかじゃなく たべられた おかあちゃんもう それだけでいい
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ありふれた街の匂いは変わらねど 風邪鼻は聞く異界の香りを
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見出しにはホンダ日産統合の古新聞で包む猫砂
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