なんとまあ二度目の蒲団の心地よさ こういうことをしあわせと言う
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ねこたちは びびりまくりの 消防点検 ちま猫ちゃんは 炊飯器横へ
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首かしげスマホを睨む母さんはやっぱり紙のチケットがいい
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休耕地揺れる秋桜くすくすとナイショ話をしているみたい
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母さんにたんたんたぬき歌わすと勝手にウケて笑顔が戻る/認知症
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あさのひかり それは「希望」といふ名前 今日もいちにち 食べて生きよう
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偉くなど 成らなくて良いわ 風を浴び ぬくい光に くるまれてたいの
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雨に煙る ベランダで線路見下ろして 宇治行き特急 今朝も見送る>真冬にはきっと!
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七時半目覚め爽快とび起きて言い訳・ご飯何から先に
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懐かしさ 漂う喫茶 奥の席 コーヒーフロート 至福の一時
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あをぞらの下を通院 本日も タオルだけでも 洗えてよかった
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都会ゆえ はきと星空みえぬけど ひときわ明るく 輝くシリウス
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かなしみをふきよせたよな冷たあめ 秋のおはりの冬のはじめの
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一人暮らし大枚叩いて犬を飼い仔猫を拾いて家族生まれし
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数日を朦朧として終えた悔い早めの風邪薬から飲まれる
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堅豆腐こんぶを敷いた湯に浮かべ 沸かぬ手前で弱火にゆらし
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杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
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そこにありて 草木の陰に 冴え冴えと なみだに映る 野菊のいろ
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街角で電波拾おう手を振れば振り返す人いてあたたかだ
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銀杏いちょうの森 緑から黄に変わる頃畦道に列 黄葉祭り
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家を出て目指す先には鬼ヶ島 犬、猿、雉に出会ってみたいね
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枝打ちて寂しく映る木々たちは根と根で繋がるネットワークで
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叱られた遥かな記憶 耳掃除している祖父のそばで暴れて
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チビ猫は さいきん べっどのじゅうにん住人で ちょっとやそっとじゃ おきてこにゃいの
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母の背をとっくに越した小六がぎこちなく袖通す制服
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音もなく 散りゆく銀杏の並木道 過ぎゆく秋が黄色に染まる 
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小春日の温もりは母を 木枯しの厳しさは父を想ふ初冬
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一日の歩数目標少し上げ 落ち葉散り敷く道 揚々と 
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くったりとねむる わがを抱きしめて お風呂に入ってくるねとささやく
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ファスナーの金具の上に膝をつく皿をさすりついたいのとんでけ
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