結び目のある紐であやとりをする あの子のことはなんだか苦手 

欲しいのは熱量[J]よりも暖かさ 夜空に吸われて一人きり 

ありし日の彼に出会いて求め合い短き逢瀬アマゾン戦士ワンダーウーマン 

野に咲きゆ小さき花にもあるだろか許されぬ仲悲恋の想い 

帰り道送りし君の唇にマスクが邪魔で触れもできない 

溢れ出しあなたが溺れてしまわぬよう両手を胸に母は見守る 

出逢えた日それは記念日私より背が高くなり見上げてもまだ 

白内障目を患いし母のため気が紛れるよう音楽をかけ 

午前五時、揺れるカーテン、もうすこし寝てていいよと撫でる体温 

ああきみはきみへの比喩をつぎつぎとぬぎすててまたあんな遠くに 

強がって大人のふりをしていてもあなたの中の少年が好き 

窓の外洗濯揺れしからっ風私の涙も乾かしておくれ 

君帰り枕に落ちる長い髪その一本も愛しく思い 

風? あれは加速する蝶を追いかけてゆくひとびとの吐く熱狂  

窓越しの冬の日あびてコーヒーをあなたと分かつ思い出一つ 

風邪はもう治ってるのにまた休んで人生ゲームしてた。一人で。 

たとえ明日世界が終わるとわかっても僕はひとりで海にゆきます 

人間はねこのきもちがわかるほど賢くないとぼやいてみたり 

焼きたてのアップルパイがぼろぼろと崩れるようなふたりの最期おわり 

水遣りを忘れないでね おもいでは放っておくと干枯らびるから 

見上げるとすべてが降ってくる空だ歓びばかり噛みしめよ 今 

足跡の未だ残らぬ雪原を振り返らずに進めよ乙女 

瞬きをする音さえも聞こえそう今年初めて顔見ただけで 

焼きそばの焦げた香りが階下から知らせに来たね正月終了 

君はただ君を肯定すれば良い空色のシャツ着ずとも跳べる 

降り積もる雪を見渡し寒いねと微笑む君の瞳あたたか 

久方に会う祖母の背中老いていて雪の音が鳴るりんと聴こえる 

一月の月の灯りは清らかで雲には乗れないことを忘れる 

もういないあなたの海はマラカイトつめたい汀は笑顔の温度 

溶け気味のラムレーズンを食べながら硝子戸叩く雪を観る吾