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戻りし寒 弥生の冷雨降り止まず 桜の開花 今日も足踏み
21
掛け違うボタン一つが床に落ち妻の差し出す裁縫セット
21
慰霊碑に刻まれし子の年齢は二歳とありて孫と重なる
21
金色のひかりをまとい妻と行く春たそがれて まちの割烹
21
直向きに ただ直向きに歩みきて 悔いなき
人生
(
ひとよ
)
吾は生きらん
21
身を屈め目線合わせる水仙にご機嫌を問う迷惑かしら
21
「美味しいね」顔見合わせ息子と孫 その一言で満ち足りる食卓
21
魚釣りエサは魚肉ソーセージこれは共食い広い意味では
21
なぜだろう?右手のシャンプー痛すぎる不思議な力の芽生えだろうか
21
アスファルト黒く覗いて痒い目を こすり春へと僕をすすめる
23
こころから自分を恥じて振り返る白木蓮の忍耐強さ
20
匝瑳
(
そうさ
)
とふ千葉の田舎の野畑で 土筆を踏みて雲雀仰ぎ見
20
下敷きに逆立つ髪を笑い合い 教室じゅうに満ちる静電気
20
今日を終え 食後にスイーツ ホッとひと息 頑張った自分に ちょっとご褒美
20
笑顔って 周りに癒し運ぶもの 高市スマイル 苦手何故だろう
20
主の名は 知らねどワンコの 名は覚え 和やかとなり 朝の公園
20
東京の部屋の相場は高くって時に食品投げ売りをする
20
信号に西日が射して赤青黄分からぬままにままよと進む
20
あれこれと孫たちの好物考えて いそいそ動くしあわせな朝
20
未舗装の石ころ踏んで土手をゆく菜の花の黄にくしゃみがひとつ
20
ツナ缶を食べるたびに思い出すそっと開けても二階から猫
20
寒かった今日振り返り汁物をコンポタとする米研ぎのとき
20
いい嫁を 演じるつもり ないけれど 遣う気の分 魂抜ける
20
鼻歌を口ずさみながら遊ぶ孫 のどかな光景 こころ和みぬ
20
目立たない
地面
(
とこ
)
に広がる苔の街 実はクマムシ闊歩してをり (最大で1.7mm)
20
おもちゃ箱包む手もとを見上げてる
小
(
ち
)
さき瞳に射抜かれていた
20
この道で 毎日見ていた はずなのに 思い出せない 更地になる前
20
ジリジリと磁石みたいに惹かれたい僕のイニシャル「
N
」が付くから
20
幻視するソメイヨシノの花筏 風なほ冴へる真間川の橋
20
バスゆれて赤ちゃんゆれて我ゆれて たからの時の ゆるやかにゆけ
20
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