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雪洞
(
ぼんぼり
)
の
丸
(
まろ
)
き
灯
(
あか
)
りに 伏す君の
手弱女
(
たおやめ
)
の如き 長き睫毛よ
23
刑務所と閉鎖病棟を指す老婆
病棟
(
ここ
)
はそれよりずっと苦しい
23
この街の雪が溶けてく速さまま、父の昨日が消えゆく仲春
23
おこぼれに預かれずとも根気だよテーブル下でねばる猫さん/サラダなのですが⋯
23
いつもなら 手に取る珈琲 スルーして アイスティーを 試すセブンで
23
目で笑い心で暴言吐いているそんな大人にいつしかなった
23
戦前の空気を知らぬわれなれど「強い日本」に感じる不安
23
逆向きの席の電車でぐんぐんとバックする先 旧友が待つ
23
僕ひとり寂しくたって構わない君が「寂しい」それはダメだよ
23
弥生晴れ浅間の山の綿帽子 散りた綿毛かこぶし花咲く
23
軽井沢しらかば林の名残り雪 眼を灼くほどに反射する白
23
啓蟄に 根雪も解けて虫たちも 温む大地に手招きをする
23
旧暦と新暦の差のひと月は 季節のずれた
並行世界
(
パラレルワールド
)
22
雪深し 里にも確かに春の声 聴こえてきたり 空澄み渡る
22
築30年 思い出だけが残されて 今はひとりで今日を重ねる
22
鹿
(
しし
)
威し溜まりてココンッと流るれば
春夜
(
しゅんや
)
の花びら微かに揺れて
22
月影の蒼きひかりに君ゆらぎ指先まどう 春は彷徨ひ
22
春みぞれ ようやく開いた野の花も 風に震え身を寄せ合いぬ
22
ひ孫見ず逝きし父の
姿
(
かたち
)
なり 息子の背中 桃の節句に
22
春がきたWBC大相撲 選抜楽しむ元気な老後
22
寒戻り 焦らし焦らされ待つ君に 届いた春の歓びひとしお
22
行く冬と来る春相互のせめぎ合い 春勝利まであともう一歩
22
中腹を越して麓にかかる雲あの辺りなら歩いて行ける
22
霏霏と降る雪は諦め悪いらし(ミシンの日)とうひと日付き合う
22
あふれよと死をみせしめし弥生なる十一はかなし 哀しき記憶/東日本大震災が近づいて
22
朝食の支度のじゃまを やめたねこ 楽だけれどね らしくないんだ
22
父看取り 母ひとり生きた15年 我も母の
娘
(
こ
)
前向き生きん
22
半干しの柔らの骨のはたはたで ちろり二合の立山を呑む
22
雛飾り 良縁祈り 早じまい 気づかぬ呑気な 四十路の娘
22
困難の 多き時代を 歩き行く 百年先の 未来は
如何
(
いか
)
に
22
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