銀色のスプーンに映る爺ちゃんの消えた記憶がまぶしい、ゼリー
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テーブルにこぼれた蜜を指で拭く かりんとう焼くよな午後が好き
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杖をつく爺ちゃん追い越す背中あり子供は風を連れて走るよ
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覗かれるリンパの流れも心臓も 夫にも亡父母にもヒ・ミ・ツを持ちし
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夢中になることがあるって 良きものだ ゲームの中でも 友は友なり
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冴ゆる冬空 ふたご座を追ひ 浮上しをりぬ 寒夜かんや更待月さらまちづき
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ねこケロり しんぱいのこる あさである おかあちゃんと いっしょにねよう
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優しい世界から零れた画鋲たち 踏まないように僕は踊るよ
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突然に降ってくる日もあるもんだ可愛い仔猫に傘を譲って
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切り替えは大事だよって カフェオレが しかし下腹部ずーんと重い
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ちゃんとしたバレンタインの再燃を燃え上がらずも考えても良い
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寒空に 甘みを蓄へ春ほ待つ ほうれん草は深き緑に 
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そうなのか母に聴かせる童謡の歌詞改めて意味をかみしめ
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寝てるだけウオーキングも体操もしてないけれど柔軟だ猫
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「いいね」などなかった時代が良かったね 少し寂しき。サラダ食みつつ
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鳥の声 虫の声 静まりぬ冬 遠くより聞こへ来るや予鈴
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長距離の乗車に耐へず むづかりぬ赤児 焦りぬ保護者 いたは
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花の名など 教え合いつつ 来し道の 別れて明日は 遠ざかり行く人
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漆黒の画面に白で打つ文字を宇宙の川と見立ててみたり
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好きなもの選んでいいよに歓声こえ上げてメニューに飛び付く小さな君よ
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初春の 宴の後の後悔に 七草粥は胃の腑に優し 
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足伸ばし 昔の住まい 武庫之荘 街の賑わい 笑顔変わらず
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幼日おさなびの雪の夜 もしも積もったら 雪だるま作ろうねと 姉と
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平等に人は死にます悲しんで惜しまれるのはどんな人だろう
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りんご尽き シワシワになったキウイ切る 朝の腹筋 ねこが見ている
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「頑張れ!」の大声援は鳴りやまず 敗者の襷 もらい泣きせり
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れに拭いて茶こぼしまた拭いて今年の水厄落としと思えば
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「札幌行き」 その五文字だけ抱きしめて電子の波を泳いでいくよ
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ねこたちの すいぶんほきゅうは だいじだよ たくさんのんで のどうるおして
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無の中で有を生み出す心の火 文字をべては焚き火を見つめ
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