さりげなく苔を纏った若桜 粋な着こなし春を誘って
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アスファルト化粧直しの雨上がり北風戻る通院の朝
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木の下の雪融け土が顔出してああこりゃほんと春だと思う
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春来たる 手毬の如く寝てた君 グンと背伸びし 空仰ぎ見る
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「かわいいね。」白にほんのり乙女色にじみひろがる梅の花たち
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「新」のつく野菜の並ぶスーパーで 小さき春を見つける薄暮
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勤続し 十五年を 記念して 同期飲みする つまみは烏賊で
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君の事 忘れるために 進学し 新たな出会い 今の礎
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今日という一日ひとひ薄めて飲み干せば 猫と秘密の台所ひかる
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眠りから覚める合図や梅一輪開きて庭の色づき始む
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不揃ふぞろいな個性あふれる塩鮭しおゃけの重なる切り身に当たりやはずれ
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お互いに 忙しくなり 連絡もままならぬ友 元気でいるのか
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仕事終え電車乗り継ぎ夫の元 明るい笑顔に疲れも飛びぬ /明日退院
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明日こそ太陽のような「おはよう」を言いたい寝癖が似合うあの子に
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源泉に 湧くる言の葉 かき混ぜて 生まれ流るる 数多の泡沫うたかた /リメイク
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六種目クロカン制覇の雄姿見て思わず乾杯超人クレボ
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西だろか東だろうかどの辺り春を教える白鳥の声
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あの人が亡くなってから早一年思い出遠し梅の花びら
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にぎやかな孫らの声の届かぬに春一番吹くふたりの今日は
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幼日おさなひに部屋の片隅ボクひとり涙の跡は深きに眠り
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友の持つ素描集に見た平凡な名前に記憶の波押し寄せり/知り合いの画家M①
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並び立つ者などいない君ひとり誰もが誇れ己が命を
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二月には春は来ないと思ったがどう見ても春白鳥が行く
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言の葉の渦巻く海に漕ぎ出せば千五百首は泡沫の波
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コロナ禍の付き添い叶わず 母ひとり 置きて帰りしあの日の後悔
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「終わりたい」母の言葉の裏側に 「生」への切望見え隠れせし
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北風に抗いひとり咲く梅を 見つめて動かぬ堅き蕾ら
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マクドにて単品ハムバーガー久しぶり 230円なりこれで十分
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春の野辺 母と摘みしヨモギの葉 みどりの菱餅 遠き思い出
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もしあの日 一緒に下校 してたなら 結ばれたかな 君が呟く
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