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ぶら下がる父を見上げて震えても何も出来ない夫だった人
28
飯くれとやかましいので猫さんに旅に出ろよと戸開け促す
22
晩年の母 慣れぬ手つきで
嬰児
(
ひまご
)
抱き ひろがる笑顔最後の写真
22
じーちゃんとハイタッチすると孫が言いウインド下げる息子の背中
22
老いて老うまま生きんとすれど 足掻く心は未だおさめ難し
22
荒田
(
こうでん
)
の
畔
(
あぜ
)
にひっそり植えられた膝丈ほどの桜にも春
22
神経と脳を酷使の作業終え 家に帰って焼鳥と酒
22
我が想い
三十一文字
(
みそひともじ
)
に詰め込みて 余る想いを何処に捨てよか
22
焼き鳥の 移動販売覗き見て 今夜の焼きは塩?タレ?悩めり
22
朝日差しこの頃見える電柱の弾く光が目を射て眩し
22
俯
(
うつむ
)
いた 心も顔は 上を向き モーツァルトの 確かな調べ
22
貼り紙に「子の卒業」と書き まちの接骨院は 春の休診
22
亡き人を 惜しめる如く 降りいでし 彼岸の雨に 顰(しか)むパンジー /挽歌
22
選ばれる 国になるのか 日本は 足元がいま 覚束なくて
22
梅辛夷桜山茱萸咲きますと言えば看護師楽しみと言い/訪問看護
22
飛行機に乗ってここまでやって来て「臨時休業」なんで今日なの
22
今週の五枚のシャツに火熨斗かけ いろいろなこと平らに均す
22
いつからか満開よりも咲き初めと散りゆく頃が愛しと思う
22
父母の 墓に詣でぬ 怠りを 詫びつつ淋し 彼岸過ぎゆく
21
在来線 「カタンコトン」と 過ぎてゆく 懐かしき日々 時に思い出し
21
過ぎし日の父とのキャンプ懐かしみ ひとり山入りテント張る息子
21
これ以上傷を広げないように泣くだけ泣いてと考えている
21
クロッカス咲いてるならば福寿草咲いてるはずと南の陽受け/咲いてました
21
飴にお茶ノドに流され食道に詰まる感覚よもやの事態 (そのうち溶けるかぁ💦)
21
間際まで宿題しない夏休み
爺
(
じじい
)
の今も変わっちゃいねえ
21
起き抜けにプリン蜂蜜ラズベリー目覚む命に瞳つむって
21
霊園の名前ついたる駅に降り枝垂れ桜の寺へと下る
21
「春雨じゃ濡れて行かむ」と見栄を切る それは無理でしょ氷雨そぼ降る
21
せわしなく車行き交うこの街も 油尽きればゴーストタウン
21
窓叩く 雨音だけが響く小夜
微睡
(
まどろ
)
み辿る遠き日の記憶
21
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