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冷凍庫の ねこみにタルトと 目が合って 土曜の朝食 これで決まりと
23
どこかにて 袂を分かつ 風なれど またいつの日か ひとつの世界
23
放っといた庭木柿の木紅葉の木放埒すぎる枝のやんちゃよ
23
はじめての 発表会にて サックスの 音色響かす
夫
(
つま
)
を見守る
23
庭先にそびえるモミジ陽を浴びて 若葉
煌
(
きら
)
めき
生命
(
いのち
)
みなぎる
23
せいくらべ 孫は
夫
(
つま
)
より 十センチ 高くなりけり アスパラの如く
23
何であれわたしを負かす後輩は頭かきつつ「番狂わせっす」
23
おさな子の手を引き歩いた野辺の道 変わらぬ
風情
(
ふぜい
)
若葉萠え立ち
23
「暑いですね」 卯月と思えぬ挨拶交わし 額の汗拭き庭の草刈る
23
起きたらば ベッドの上に ぼーるさん ちま猫ちゃんが
あしょんで
(
遊んで
)
いたの
23
ながいことやってしまった『いいひと』のあくぬきするや竜泉寺の湯
23
春の陽も徐々に空まで連れてゆく元気になれるパンジーの白
23
思慮深さ揺るがぬ君を紫のパンジー照らす二人の明日
23
ボランティア「携帯トイレ持参要」 そのひと言で参加ためらう
23
冬眠の開けしじゃがいも待っている姉の電話に隣町まで
23
漬け樽をひっくり返すと
転
(
まろ
)
び出た たくあんお前 まだ居たのかい
23
たくあんと野沢菜漬けの桶洗い 冬の始末がひとつ終われり
23
一歩ずつ母へと向かう純白のカーネーションの愛を抱きしめ
23
梅が散り
辛夷
(
こぶし
)
も散って
桜桃
(
さくらんぼ
)
もう咲いている吹く風寒し
23
おはようの音を奏でるサックスの銀色褪せてセピアなる朝
23
霧雨の花はしとりと散りゆきて繋ぐ手解く「さよなら」もなく
23
週末のアイロン作業は捗りぬ 「ながら曲」にはボサノバが良し
22
匂ひたつ植物どもの体臭に 気怠さおぼゆ木の芽
時季
(
どき
)
かな
22
泥付きの 荷台に寝転ぶタケノコを 「持ってけ」と笑む里山の春
22
すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
22
日だまりに 如来の如く 目を閉じて 猫の居眠る 斑鳩の里
22
流れてく川に放すは軽き舟 四季の花びら乗せる折り紙
22
若葉より癒しを得られ一服の珈琲は青い瓶の魔法
22
胸骨に風を受け止め七分丈 床屋帰りの頭撫でつつ
22
人の祖の地に両手付く遺伝子を辿りては老い地上へ帰る
22
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