水色ねこと白い犬
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老猫との静かな日々から一転、白い犬を迎え、暮らしは思いがけず賑やかに
投稿した短歌は、あとから見返して推敲したりしながら、ゆっくり楽しんでいます。

畏れつつ自然のかたちを見過ごして先回りしてまた傷つけし
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見送って送られてまた見送って「また明日ね!」で真ん中バイバーイ
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ふかし芋もはや多くは口にせずなお父へ湯気届けたくあり
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天海の冥色めいしょくまとい鬼気ひそみ背にぶつかりし波の慟哭
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あまあらば吾子立てたろふインターハイ続けし友は県を越え闘ふ
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我ごとく友を喜ぶ吾子清しあの日の勇者グリーンカード
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隠された職人のわざ用の美に思考の奥行き今に息づく
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袋ちぎる赤箱石けん母との湯間ゆのまふと立ちのぼる
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犬あびる「かわいい~」の声めぐりゆき「幸せ」きっと そに還らん
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依存せず、期待をかけず、受けいりてすべを覚えし歳月としつきの果て
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利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る木葉こばの環にまぎれたり
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手習えばなんでも匠かの人に追ひつけぬまま秋のかたすみ
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積まれてく本のため息きこゆるは私も彼のページの外へ
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お引っ越し見慣れた景色よそ者にあなたが去ってからの灰色
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うつむきの露草にまでなお我は元気を乞ひぬいつまでも
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君がためテクノロジーに背を向けて今朝も落ちゆく高台の雫
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母の手のぬくみの残る古き棚かはらぬ場所に我が箸のある
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石鹸のあわ黒くなりし小さきて井戸より出づるスイカの赤さよ
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始発前江ノ島駅に風たたず還りし民の声なき賑わい
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うすあさぎ澄みたる囀り飛び立たせ 青き空へとゆづり去りぬ
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ですか?って犬種確認いるよね~柴犬超えのデカマルチーズ
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かのひとにやさしきひびもあったろうそうおもうこともゆるされぬのか
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ゆるされぬひとがゆくときかかわりしひとのおもいはどこへむかうか
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来る夏を先取りするよなこの暑さふと目に浮かぶ八月の居間
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たずね土やはらかに微笑めば庭の友らが豊かにいそしむ
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行っちゃうの? ぼく置いてくの? と愛犬が 鏡のなかからじっととらえて
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髪なびく車掌の流るる横顔をページめくれぬ車窓から追ふ
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薄紅の花びら乗せてくんくんと友の来た道われの行く道
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ファミレスで2時間位もてばいいこれが笑顔のタイムリミット
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病床の猫にチョッキを編んだ日は独りぼっちの今日を知らない
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