せがまれて 孫に譲りし iPad 笑顔が嬉し なれども寂し
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麦酒ひとつ 飲む気になれぬ夜もある ビタミンCのドリンク飲もう
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大腸に酒の残滓が居残りて 仕事始めは低空飛行
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腹巻きして眠りましょうか ねこ連れて 外気温3℃ あったかくしよ
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雪道の一車線を譲りあう車は平和の象徴みたいで
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咲くことの 無きクリスマスローズに 言葉かけ 三年みとせを経れば 今日つぼみ 持つ
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団体に寄付したぬいよ、さようなら かわいい天使にもらわれてよね
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ちゃんとしたバレンタインの再燃を燃え上がらずも考えても良い
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縊死遺体 電車の窓から目撃す 荒川土手の橋の下陰(110番しました)
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「ごめん」より「おやすみ」と言う大学生 許されているのは私のほうか
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夢に向かい ただひたすらに 突き進む ステージ衣装を 洗濯せねば
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降車せし バス停の傍 出迎へり 冬の花壇に 水仙笑ふ
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来る日々をせわし暇だと呟きて矢の飛ぶ速さで春夏秋冬ひととせは過ぐ
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期待値はなるべく低くしておいて御神籤は結ぶのが目的
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朋友ともと呑む この7月から 息子くん 飲めるようになる 楽しみである
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大晦日 正月の夜も 病院で 働き方改革 知らぬ世代に皺寄せ
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研修医  初任給八万 握りしめ 妻と食した イタリアン最上 四半世紀前
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母のため自分を犠牲にして来たがそんなの生まれて楽しくもない
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旧友と LINEつながり うれしいな ねこたち共々 よろしくと送る
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も少し食べたい思う半日分減った袋の黒豆おしい
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どこまでも 上り詰めては きているが いかにも勝てぬ 妻の強さに/私はまだまだ未熟
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「我流だね」「臥龍?」と返し血を分ける僕のひねりを姉は飛ばして
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「コーヒーでいい」というとき肺の奥、珈琲色の闇がひろがる
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馬の尾の 顔払いたるを 叱りつつ 蹄油ていゆ塗り終え 仰ぐ落日らくじつ
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膝の上 このぬくもりを 永遠に 手放したくない どうか神様
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新しき 日暦ひごよみ毟れば丙午 六度目の年男 とし気持ちを新たに 
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寒いはみようみまねの卵酒母の味とはかなりちがえど
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子どもらが それぞれ車で帰省する 送迎の手間も 一つ無くなり
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必要とされていることの幸福をわたくしは抱く 湯あがりタオル
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「おいしいね」卵酒飲む横顔を見ていられたらもう、治りそう
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