包装の 角が刺さりて 血が滲む 指の肌(はだえ)の 老いて衰う
17
サムライがひと足早く散り果てて 開花を急ぐ桜列島
17
スーパーで通信障害 手作業の レジ 賑々にぎにぎしく長蛇の列なり
17
お昼寝をオルヒネとふ我が家かな 打てばスッキリ目覚めさわやか
17
アパートの入り口いくつも小砂山こすなやま 地下でアリさん小部屋いっぱい
17
ナメクジはでんでん虫の進化系なのに嫌われ塩をかけられ
17
桜の枝 見上げる先に花いち輪 指差すおさな子笑顔の花咲く
17
枝先の花芽の膨らみ促しつ しとしとそぼ降る弥生の催花雨
17
街の灯に振り向かぬ君よ歩を早め沈丁花の香とゆく春を聴く
17
ボケてると思われていた爺ちゃんが 誰より綺麗に両手を合わせた
17
蜘蛛の巣が 成長してゆく 春先の 牛歩のような 綱渡りかな
17
福井にて 黒き涙を 流す地よ のこせし子は今 四歳よつになる
17
倍速で生き急ぐ君見えますかゴールの後の土、風、空を
17
人間の欲がもたらす戦火の悲 欲は求める無法の修羅を
17
春浅し 日暮ひぐるる時の 伸びゆけば 時計の針が 開花を進める
17
春彼岸 息子の隣ちょこんと正座 ちさき手合わせ神妙なきみ
17
「一春、一旬、わたし」とふ吊り公告 吟味されたる商業の字句
17
高尚な詩を聞くような映画観て即効寝落ち目覚めたら「fin
17
思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
17
テレビ横デジタル時計置きながら後ろ振り向き壁時計見る
17
春思い  三寒四温さんかんしおんの  よんを待つ  来れど来れども  七寒零温ななかんれいおん
17
流れ去る モーツァルトの 協奏曲コンチェルト 意固地な我を 解き放たれり
17
花びら追い はしゃぎ跳ねてた樹の下に  袴姿の君 凛と立ち /卒業の日の孫へ
17
街灯が したたる雨を つつみたり はな前にして 何か震えり
17
届かない 痒い背中のもどかしさ アマゾンプライム孫の手届く
17
好き嫌い「憎悪」は枯らす木の幹を「慈美じみ」は梢に小鳥を呼んで
17
ドナドナがリフレインして坂のうえ白い建物母を送りし
17
仄白きソメイヨシノの二、三輪 早咲き桜の紅き喧騒
17
真ん中の姉は似ている亡き母かあさんにだから読まない僕の歌など
17
花粉なのか黄砂なのかは知らねども 今日も車にザラリ張り付く
17