ボイルイカ我の旨みが欲しければ海まで来いと白く横たえ
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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闇の中  ランタンひとつ  ともしおり  音の波間に  夜は深まり
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春の雨 まだ咲きめし桜花さくらばな 散ることも無く しとど濡れつつ
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妙な音してたサンダル買い替えて父の足音くっきりとする
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できるだけゆっくり咲いてと願かける、つぼみふくらむ通勤路にて。
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言葉にしたら 壊れそうなこの想い もどかしさ抱え今日を過ぎゆく
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花時雨はなしぐれ 桜花爛漫 手を貸しつ 我のこころも潤していく
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雨冷うれいては籠って癒す欠く薬どんより縛られ行けぬ病院
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あなたへの届かぬ想いしまい込む朝の光に桜ちらちら
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誘われて 春の匂いの する方へ 花々ひらき いのちあふるる
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犬心いぬごころ 乙女のそれより度し難く 或いは春の男心か /本日の愛犬
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革靴をスタッカートで刻みつつ春の足音追いかける道
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一時いっときの気の迷いでもいいじゃないおかげでわたしここで生きてる
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春風はるかぜに  揺れてうつつの  水仙すいせんの  陽光ひかりを浴びて  夢を見にけり
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仮名文字の 「へ」の字の如く 垣越えて 雪柳咲く 堀沿いの道
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飛行機に乗ってここまでやって来て「臨時休業」なんで今日なの
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正義とか平和を本気で語るのがテレビの中のヒーローだけで
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六人の孫順繰りにせし積み木 崩るるままに七たびのなく
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残された夫の動画ひとつ 何度もスクロールし 声聴きに行く
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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週一に 来る孫からの ハグ受けて たちまち我は 充電満タン
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春日中はるひなか 二つの川が 交わりて 川面の光 ゆらゆら揺れて
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幼き息子 日がな一日どろだんご 磨きに磨きし その光沢勲章もの
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フロアーの春めいてひかり弾みおり エスカレーター降りてユニクロ
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君想う  春の陽光ひかりに  桜散り  地を埋め尽くす  わが恋の果て
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ぬくぬくと  背に受くこたつ  画面には  アフリカゾウガメ  われが映れり
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靴底を張り替えてなお履き続け靴紐緩む夜の下駄箱
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はな咲けどまだ浅き春昏れゆけば戸口に立ちてにほひぞ知りぬ
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カフェの客午後二時にして吾一人次が来るまで立ち去りがたし
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