不在の 自由奔放 ヘデラのツル 我がもの顔で隣家のフェンスへ
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手水舎に 穢れ清める 湧き水の 指慈しみ 水ぬるみけり
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「コストコで  買い物すると  太りそう…」 「…そうじゃなくて  太るんだってば」
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一年の 悲喜こもごもを 知りもせず 昨日のごとく 燕が戻る
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泣きながら パンを齧った そのひとに 月明かりみて 影を重ねる
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バス停で拾うピアスは他人でも笑みと涙の浮かぶ手の平
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前方の背中美人の顔は見ず夢を残せど追い抜き悔やむ
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革命の狼煙を待ってる午前四時 影から睨む街の時計を
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PTA 会長務める 挨拶で 初顔合わせ 想い伝えて
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飽きないでまた物語を始めるか辛い描写と台詞設定
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あのときの 理由(わけ)を訪ねて しまうのは 朝の光を 待っているから
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言い方が話の流れせき止めて年寄り臭くなったと思う/気がつけば
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友と会い こころゆくまで語り合い 一片のうれい スッと消えゆき
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丁寧にひと櫛ひと櫛髪染めて 妻、老人会に週末デビュー
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剣の葉と 淡きの白と 朱の花の イキシアへ抱く涙と笑顔
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「てにをは」をたった一文字変えるだけ歌の印象おんかんガラリと変わり
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懐かしき テレサの歌声流る宵 酔ひしれる我昭和の人なり 
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彷徨さまよいて 行けども行けども たどり着けず同じ道ループ 悪夢にハマる夜半よわ
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雨後の朝 あらゆる樹木に水と光 こうして季節は また一歩進む
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オチがつく落語みたいに滑稽な日々を演出できたらいいね
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芝桜ほどよく酔えばうたた寝の目覚むる妻や高麗駅あたり/羊山公園を後にして
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離れてもハイビスカスを二人して育ててゆけば一緒と同じ
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キンセン花 命の捧ぎ萌えてなを慈愛果てなき道へいざなう
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朝まだ早し ひんやり風に首すくめ 薄手の上着襟立て歩く
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手をたたき鬼さんこちら育てしがいつの間にやら鬼は先行き
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待ちわびて 薄着装う 乙女らの 姿まばゆく 春闌けてゆく
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虫がいて 草花があり 人がいる その端っこに 少し腰掛け
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創作心 滲む作者のお人柄 磨いているのは己の心
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山深き道を辿れば山桜皆の土産の話しへ変える
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退勤は初夏思わせる昼下がり 卯月の空に日傘かざして
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