「生きてまた会いましょう」まで聴き終えて明日あすの事など 考えてみる/「みんなで引きこもりラジオ」の後に
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冬支度 終えたるのちの好天を 晴れが余ったと先人の言い
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今日植えた玉葱だって何本か育たぬだろうそれも世の常
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トーストに バターをのばし むしゃむしゃと 満たす空腹 わたし生きてる
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大磯の木立を抜けし小径より海きらめきて落ち葉踏みゆく
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良い歌があなたに降りてくるというトリートメントの放置時間に
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止まらずに溢れ出たならあわてると思いつつめる石油のタンク
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たはむれに リンゴをウサギにしてみたり アドベントカレンダーを開いてみたり
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大輪の 黄色のバラのブーケなり 両の手で抱え しばし感嘆うっとり
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濃い青にバサリ羽ばたく光る白鷺が旋回ひとつして去る
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母のもつ手提げ手に取り歩みゆく 振り返り見ゆ ちひさきたましひ
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夕暮は 心地良き風 眩しけれ  宵に嵐の 吹かぬものかは
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揺れる月 雪を踏み分け 灯し火の  夜半の太鼓は 山鹿流なり
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出るたびに見上ぐ柿の木実の多さ今更捥げど全部生ゴミ/熊
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あさのひかり それは希望のひかりなる 昨日濡らした マフラー干そう
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氷雨降る 雲の隙間の水色は 空か雲かと思い巡らす
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あのひとの 子を可愛がり 恨めしく  思うわが身の はしたなきかな
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巨大なる駅ターミナル冷える陽に老若男女分断される
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秋深し 朝霧はれて 徒然に 富士の高嶺の 白く光れり
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最後までドアを閉めろと舌打ちに似た音立てている冷蔵庫
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相棒を観ながら ビールとかっぱえびせん カロリー過多かな たまにはいいよね
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タクシーが角まがるまで両手ふる妻と吾なりの無事ねがひ
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けふはまた自己肯定の淡き夜 SNS互酬いいねを探す
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集荷きてもらおうかなと 思ったけど 突如めんどくなり ねこを抱く>明日だけ一日帰省
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七つ星 光る景色は無限大 占ふ夢に桜は咲いて
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真っ直ぐに 考え過ぎず 晴れ渡る 青空のよに 師走を走れ
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来し方の愛と呼べない形骸の余白せいぜい愛しんでいる
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窓の外 パチンコ開店待ちの列 朝カフェ 老人 新聞数紙
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丑三つに  やるせなさ持ち  乗るバイク  風が凍てつく  妙に鋭く
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何となく微笑み合える知られずに同じキャンディ口にしてたら
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