今はただ 去りて久しき 可惜夜の 余韻に浸る 君を想ひて
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とばり降り 雲ひとつ無い 月光浴げっこうよく 照らす大地に 芽吹く若草
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倍速で生き急ぐ君見えますかゴールの後の土、風、空を
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人間の欲がもたらす戦火の悲 欲は求める無法の修羅を
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春浅し 日暮ひぐるる時の 伸びゆけば 時計の針が 開花を進める
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時経ちて 陽春ようしゅんうた最中さなかなり 飛び立つ花粉せい黄金こがねに輝く
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歴史上生まれた人の総計は千百七十億人といふ
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誰も彼も敵に思えて身構えるそんな自分が一番の敵
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春彼岸 息子の隣ちょこんと正座 ちさき手合わせ神妙なきみ
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高尚な詩を聞くような映画観て即効寝落ち目覚めたら「fin
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春を盛る君に分かちしヒレカツの熱伝はりて頬も桃色
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思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
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テレビ横デジタル時計置きながら後ろ振り向き壁時計見る
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流れ去る モーツァルトの 協奏曲コンチェルト 意固地な我を 解き放たれり
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ガタゴトと農道揺られ耕運機もろこしもいだ たくさんもいだよ
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きょうもまた童謡ひびく夕暮れに老いたる父は安酒を飲む
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独詩人 ハイネが示す 和解なり 「Ich grolle nichtわれ恨まない」 鞘に納めて
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妹と飲みつ語りつ更ける夜 長旅の疲れ ゆると解けて /片道十時間
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春彼岸義父母の墓へ菊の花 我関せずの夫は誘わず
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春彼岸 半年ぶりの無沙汰詫び 花を手向けて亡き父母偲ぶ
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男らが口付けをする映像に 私の場合は吐き気催す
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米洗い 醤油と味醂 雑に入れ 炊き込む飯の 匂い馨し 
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寂しげに歩く背中の父を見て心配かけた昨日を詫びる
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怒りより 笑う事より 落涙す 湧いて出てくる 生きる欲動
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忘れない 君はここにいる 受け継ぎし 孫のしぐさに 君生きており
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愛すべき者あればこそ 明日へと希望繋がり 今日を生きんとす
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去年まで咲いてた桜切られててうれしくもない空の広さよ
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露天湯の 縁に上りて 山峡(やまかい)に 白く泡立つ 段瀑を見る /山水館露天風呂
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働いて準じてばかりの戦力は「工夫の迷宮ワクワク」知らぬまま去り
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貴方への 人一倍の 愛情は 桜のつぼみ まだ頑なに
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