リベラルな若造どもも老化して リアリズムとの壁を築きぬ
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待合いの温き眠りに聞き逃す眼科呼ぶ声、耳鼻科もありや
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西の山今日青々と色も濃く壁となっては威勢せいをはってる
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女房より六年長き付き合いの友と酌む酒 梅のほろ酔う
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静かなる星のマグマは地の底で大地を穿つサファイア抱いて
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目覚むれば 屋根にポツポツ雨音が 乾いた心に染み込むように
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十五度がまあるくかこむ朝の息 春眠だものまた目をつむろ
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あんなにも必死で学んだ英語より AIならば十秒で翻訳
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髪漉けばまだシャンプーの香りして それでも夜ごとお湯を浴びたい
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「地球儀」の青がはがれて じいちゃんの記憶メモリの外へ零れてゆくよ
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君と僕 黄身と白身は月と雲 ジュワーっと見つめて蓋して蒸して
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銭湯の帰りに覗く玩具屋に子の笑顔置き 四十年よそとせの前
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日々死して裸で詠ふ一念生いちねんせい 残らぬ一首に魂刻み
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まだ唱うセカイへーワの題目を 絵空事だと知ってるくせに
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月影の蒼きひかりに君ゆらぎ指先まどう 春は彷徨ひ
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気を揉んだ 朝食抜きの検査終え 帰宅と同時に冷蔵庫開け
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雪消えてドブ臭くさい泥濘ぬかるみのまだ小汚い春のむき出し
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危惧してた通りにヤバいアメリカと危惧してるこの国の傾き
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垂れ込めた分厚い雲の裏側で 秘かに欠けゆく弥生の月食
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独り身が 語る事無く 桃節句 頬と心を 氷雨が叩く
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「いつ来たの」何度も父に聞かれるが そのたび笑顔が咲くからいいや
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「山笑う」春は嬉しきことなれど 白富士の姿変わるは寂し
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信長記太田牛一の忠義たるおれと比べて米ひとつぶの
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あたふたと茶碗洗いていそいそと妻にやらずの春時雨かな
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もし戦後、進駐軍がソ連なら 今頃我らは農奴になってた
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終るなら ガンダム挑む雑魚ザクだとて 散るも未来をエースに託す
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過ぎ去りし 哀しみも辛さも 笑いに変え 友との語らいまた前を向く  
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燻炭の雪土混じり消えかけの雪曇り空白鳥の声/景色
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朝食のタンパク質は牛乳と豆腐とチーズ歯ごたえが無い
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水ぬるむ水面に映りし 空の蒼 やがて川辺の桜も映し
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