危ぶみし君や愛でたり淡き夢 舞ひし火の粉と月に還さむ
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十五夜の下「もと」の桜と頬染める君待ち恋し上弦の月
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春の明日あさ 黄昏たそがれし想い 吹き返し 新たな希望 我に巡り来る
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にくきもの止まらぬくしゃみ 日曜の朝のピンポン トランプの顔
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ひかり降る覚悟を決めて卯月へとヴァニラが溶けるように進まむ
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山かすみ何かが飛んでる気配するケミカルな太陽は柔らか
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スタートに躓き騎手はへたり込む めげぬ空馬からうまゴールへ怒涛
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追いかけて旅するように北上す 桜前線 君の窓辺へ
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何もない日が幸せと言えるほど 良い環境に置かれてみたい
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窓側で赤ベコのように揺れながら寝てる息子をインストール
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どうもって先行く我に「はい」と言う譲りし人の響く心音「こころね」
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階段を上れば明かる桜木の塀に隠るる集いのありて
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詠ふ君 五十首の峰のぞみしや誰ぞ目指さむ険しき道を
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弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
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ハーモニカ初めて吹いた日も今日も音と光は手ですくえない
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ピュッと風くるの知っててまばたきを我慢するなどできるわけない
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花ながれ枝たゆたえば古の栄華ぞ散りぬ楼門の風
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枝ぶりの構図瞼に 老木は枯損木となりて久しき
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春の雨つぼみを濡らし花濡らし 風を誘いて花吹雪へと
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カフェの客午後二時にして吾一人次が来るまで立ち去りがたし
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二人して久しぶりだね カラオケのマイク握れば 隅っこに春
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もうすでに心の中はお上手に顕れてますくれないのきみ
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冬眠を解かれて未来 問う声は「フェイス チェインジ?」選択迫り
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もう一度 あなたと見たい 桜の木 花びらひらり 涙と落ちる
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キキの手にはいつも温かな飲み物おソノさんにもウルスラの手にも
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神さまか誰かがくれたギフテッド活かし育むためこそ、独り
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気がつけば戦争中を生きてゐて真綿で首は細くなりゆく
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暴君は 屍の数を 気にもせず 骸の行方 知ることもなし
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耳コピで奏でる歌は楽譜より別の音符となりても響く
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外よりも 寒き家内(やぬち)に 身震いし 少し薄手の マフラーを捲く
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