風に舞う綿毛に揺れるタンポポへ母の笑顔を照らして歩む
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うつむけど 水面に初夏の陽の風に深山の花の映える空抱く
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年金の金額知らす手紙くる庭の卯の花白き卯月に
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日は暮れて留守を守れるオレンジの デスクライトはグラスを透かす
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珈琲にミルク混ぜずに無駄話混ぜて絶えない笑い声なり
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雨の夜の 街の光りの 水滴が なびくメガネはまるで油絵 
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心痛に足が重くもデイケアへ笑顔の迎えこころ華やぐ
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創作心 滲む作者のお人柄 磨いているのは己の心
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風吹けば松の緑は現れて空にぞ掛かる藤浪の花
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噛みやすい歯茎で舌でつぶせます噛まなくていい今どのあたり/介護食
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県道を走る車のライトが見える空家解体されて素通し
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明るいな気持ちがいいな起きようかまだ寝てようか晩春の朝
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斬新の森へ踏み込む勇者たれ泡沫の世をおもしろく生き
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鯛踊る大漁旗ははためいて母なる海の深さを知らず
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外国の女の子たち訪ね来てつつじの庭で国際交流
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海溝マリアナの唸る闇には噴出孔ナノな泡のせ海へ広がり
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タンポポの枯れ花抱きて 来る風に 抗い踏めど 揺れる自転車
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道脇の運河を照らす空撫でて霞む漁船のキラキラ光る
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長き坂 登るペダルも 頂上の 菊とキスして 清き風かな
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蒼天の 鱗雲へと 風を抱き 翼広げる トンビ眩しき
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何気ない朝も 失意の 夕暮れも 同じメロディ コンビニのドア
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八百年 一瞬にして 平安へ 連れていかれし 熊野ゆや長藤ながふじ
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波の音の別れの曲に目を閉じて晴れやかに立つ自転車の帰路 「ショパン」
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舌よりも鼻で辛みを味わひぬ 生姜山椒に山葵に茗荷
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フルーツがミルクに恋するケミストリー化学反応時の経過で苦くなったり
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真っ白な花つけ街路彩る樹 ナンジャモンジャはゆかいな名前
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幾たびか 横になりたき 日のありて 何すともなく 春たけてゆく /春愁
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砂漠より 言葉通じぬ 来日者 ジャリジャリと 翻訳は擬音
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テラスにて 資料まとめて 夕刻に 寄り添う親子 笑顔可愛げ
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ひんやりな布マスク数の少なさに夏日でかすめどまだまだ四月
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