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眠れずに記憶の海を漂ってこの人生もわるくはないと
19
ブレネリは狼がでる怖いのと母と一緒に聞いている
童謡
(
うた
)
19
放課後の音とにおいが好きだった心パンパンだったあの頃
19
甘き色 洋菓子のごとき 薄桃の 薔薇に頬寄せ 爪を塗る夜
19
世界観?ひとりちっぽけ井戸の中 出れぬ井戸なら潜って海へ
19
針の月日の出まぢかき昊にあり 夜の
帷
(
とばり
)
を断ち截らむとす
19
心折れ 今を嘆きし 老木に 接ぎ木を成して 見届ける妻
19
ねこたちは すやすやねてる 寝かしとこ おかあちゃんは 寝室で練習
19
冬の陽の低く届きぬ工場の舗道舗石の目地のやはらか
19
目的駅近づきぬ 睡魔に負けじと 車内アナウンスに 耳
傾
(
かぶ
)
く
19
近江の海けふは静かに凪てゐて 日輪ははや比叡の峰に
19
蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
55
嬉しくて少しさみしい コミックの全巻セット大人買いして
29
冬至より二十日ほど経た夕陽には 日増しに復す熱量がある
22
虚無僧
(
こむそう
)
は尺八吹いて托鉢す芸は祈りで修行の成果
18
ベランダで見上げる空は空だけはいちばんだから四十五年
18
針金をねぶったときの味がする 牡蠣の亜鉛で舌をしびらせ
18
カーテンを開けて 光を入れましょう フルーツ二種と みかんヨーグルト
18
にうにう
(
牛乳
)
は ねことわけあい チンしてね おくちふかれて いやんいやんよ
18
本来は獲らなきゃ食えぬものだろと感謝を持って食むウインナー/たずさわる動物と人
18
おい彼氏おまえは下男だ控えおろうっ お嬢様から三歩離れよ
18
勉強はビリでもいいが弱い子は必ず守れ指切りげんまん
18
賑やかな孫らの歓声来てみれば指さす先の部分入れ歯よ
18
言わないと分からないこときっとある その納豆の期限は昨年
18
ねこと朝寝 至福のときよ お互いに 先に起きられ ちょっとサミシイ
18
同世代訃報の多き昨今を馬耳東風に、生きてみている
18
身を捨てて我が子を救う親鹿の瞳を胸に冥府への道
18
あと
三年
(
みとし
)
耐えてみるかと冬枯れの朝の冷気に
竦
(
すく
)
んで想う
18
春風の運んだような筆跡で 顔も知らない君に恋した /創作短歌「手紙」
18
取り替えし電球色の懐かしき 暖かきやら 心ぼそきやら
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