三頭の愛馬が走る願う手が六本あればと阿修羅様まで
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美しき短歌うた 詠もうと構えたその瞬間 言の葉消えゆき 無味な文字並ぶ
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霧の朝これはミストかフォッグかと鴉が鳴いて嗚呼サイレント
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濃しみどり湯に泳ぎきる菜の花の熱燗酌みて早春を知る
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ほどく糸何も無いからもう編めぬ代わりのビーズにワイヤーも無い
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お手植えの美智子妃想い辛夷こぶし咲く白のオーラは青空へ抜け
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水仙の咲く星があり水仙の咲く春が来て花また咲いて
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麗しく花鳥風月詠みたくも春のおぼろに霞む言の葉
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田舎道陽射しを浴びてひとり旅 蓮華の紫快晴の蒼
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引き連れし  春の陽光ひかりに  雪解けて  あか絨毯じゅうたん  冬椿ふゆつばきかな
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六人の孫順繰りにせし積み木 崩るるままに七たびのなく
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残された夫の動画ひとつ 何度もスクロールし 声聴きに行く
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平和の世ねがふ口もて謗るわれこころやいばや鞘ぞいづこに
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週一に 来る孫からの ハグ受けて たちまち我は 充電満タン
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春日中はるひなか 二つの川が 交わりて 川面の光 ゆらゆら揺れて
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雪のないベランダ脇には四五人のコロポックルのごとく蕗の薹たつ
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幼き息子 日がな一日どろだんご 磨きに磨きし その光沢勲章もの
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フロアーの春めいてひかり弾みおり エスカレーター降りてユニクロ
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冬去りて  世代交代  椿らは  赤き絨毯じゅうたん  地にかえりゆく
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靴底を張り替えてなお履き続け靴紐緩む夜の下駄箱
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はな咲けどまだ浅き春昏れゆけば戸口に立ちてにほひぞ知りぬ
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灯台のオレンジ色が雨にゆれ寂しさつのる夕暮れの浜
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カフェの客午後二時にして吾一人次が来るまで立ち去りがたし
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二人して久しぶりだね カラオケのマイク握れば 隅っこに春
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もうすでに心の中はお上手に顕れてますくれないのきみ
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愛用のぬいぐるみくわえ我探し 見つけてほっぽり 我へと一直線 /愛すべき我が猫
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猫さんがくれというので食っているカニカマを出すこれじゃないらし
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山頂を雲で隠して山たちは幽玄ぶって佇んでいる
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もう一度 あなたと見たい 桜の木 花びらひらり 涙と落ちる
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灰色な今日をなんとか変えたくてデルフィニウムとトマトを買った
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