遠くから愛でるだけもう散っちゃった桜にきみに触れたかったな
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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春物の 薄手ズボンに 穿きかえて 足取り軽し 桜散る路地
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暖房がそっと準備をされている選挙会場散り桜舞い
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「暑い」とふ久方ぶりの形容詞 いつもの電車に駆け込んでみて
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夜半よわにふと 伸ばした手の先君が居る そっと背を撫で また夢の中
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満タンの 灯油を燃やす寒き日の希望うすめる春の初夏の日
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静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
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新入の 生徒で賑わう通学路 光る未来へ花吹雪舞う 
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病院の待合室は海の中バリヤー張って自分に潜る
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四つの葉のオキザリス春あの空へ赤きラッパの花のおはよう
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丁寧に淹れた緑茶の一服にほっと包まれ一日ひとひを終える
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中々にご立派でしょう うちの子のシール帳ですニ枚のふすま
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吾の焼いたシフォンの脇にホイップと苺で君はまばゆい笑顔
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望んでる 答えを聞くまで 繰り返し わかっていても 尋ねてしまう
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笑い声 透過してゆく春の陽に 苦めの珈琲が未来予想
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一泊の兄の寝床に酔い覚めの温冷保つボトルを2本
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震えたる 指の鼓動が 風になり 国境超えて 無慈悲な戦
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乱心を湯浴みに清め明日君の幸よ届けと一途な吐息
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5回死と遭遇したが目が覚めて思った神は不確かだった
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団塊の端にも春はひかり満つ 妻とおとなうたまゆらのはな
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読んでいる二つの本に退職の警官がいてシンクロニシティ
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ゆっくりを瞬きをして慰めてくれるか照明店の黒猫
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無言人ぬっと現れぬっと去る持ち去るようじゃ猿かも知れず
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フランスの街の音も打つデ・ヴィルを貴女の右の手首へ捧ぐ
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無人にて 朝採れ野菜に 手を伸ばす 本日きょうの健康 手に入れたり
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宴終えて器を清め茶箪笥へ並べては抱く兄と会える日 「詠み直しました」
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逢えぬ日に抱く微熱の囁きを星ひとつ詠む夜の短さや
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山奥の家屋の隅に白き鳥とまったような辛夷の花見つけ
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どうしても馴染めずにゐる我が世代 ズボンをパンツと呼ぶことにつき
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