最後には笑えるくらい穏やかで「ありがたい」しか出てこぬ別れ
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雛罌粟のはや一輪ぞ叢に 花の野分の去りし卯月に
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雨しずく乗せた桜と新緑を朝霧つつみ惑う胸のべ
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仕事終え雨のレーダー待つ河童どうせ降るならバチバチ駆けて
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「ありのまま」「アリのママ」だと思いつつアナ雪歌う三歳の君
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今日こそは必ず病院行かなくちゃ誰も叱ってくれないからね
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正解を欲しがったからあげたのに納得しない顔してやがる
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スーパーの 待合喫茶に 聞こゆ声 病と年金  身に詰まる午後
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もしキミが追って体験できるよな歌ができたらシェアな微笑み
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まだ要ると買った灯油に高い値と言えば油屋苦虫の笑み
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花のを振り散らすよな北風に コート無しの身固く縮まり
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春の夜も鈴虫たちの合唱を聞けて楽しき我の耳鳴り
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春物の 薄手ズボンに 穿きかえて 足取り軽し 桜散る路地
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「天才」と気軽に言ってくれるなよ努力してるし見せないだけで
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暖房がそっと準備をされている選挙会場散り桜舞い
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Tシャツと短パン姿父娘おやこ連れまだ寒かろが風もてあそ
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「暑い」とふ久方ぶりの形容詞 いつもの電車に駆け込んでみて
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またひとつ着ている服を薄くする桜青空六月の陽気
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いつの日か通り抜けたし 日本一長い商店街の端にて
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つい歌に落とし込むクセ抑えつつ気持ちの煌めきだけをすくって
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桜舞ひふわり抱きし初孫の十八年はひとひらの夢
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花あらし前後左右にあばれ吹く 傘の猪口では酒は呑めまじ
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この星に悪を蔓延し得る頭「ず」が決す日近し無力なる民 「そうならぬように祈るのみ」
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春のよの あさき夢にし君が影 満ちゆく月にかかる薄雲
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あれ食べたいこれ食べたいと頼んでも 女房ひとこと「指示は受けない」
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フットポンプの上下の動き ぐっすり眠る君の呼吸に似て 術後の我癒す  /フットポンプ…脚に巻く血栓予防機器
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想像の果てに宇宙の全能の神へ捧げる言霊一つ
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隙を見て羽を引き抜き消ゆなれど我を見下ろす雲が貴女だ
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笑い声 透過してゆく春の陽に 苦めの珈琲が未来予想
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一泊の兄の寝床に酔い覚めの温冷保つボトルを2本
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