静かなる星のマグマは地の底で大地を穿つサファイア抱いて
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十五度がまあるくかこむ朝の息 春眠だものまた目をつむろ
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あんなにも必死で学んだ英語より AIならば十秒で翻訳
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枯向日葵にしろき窩數多ありて項垂れつつ零す種子を
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髪漉けばまだシャンプーの香りして それでも夜ごとお湯を浴びたい
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君と僕 黄身と白身は月と雲 ジュワーっと見つめて蓋して蒸して
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我が家には 愛猫きみが定めし序列あり 猫様一番下僕しもべは二番
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日々死して裸で詠ふ一念生いちねんせい 残らぬ一首に魂刻み
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まだ唱うセカイへーワの題目を 絵空事だと知ってるくせに
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気を揉んだ 朝食抜きの検査終え 帰宅と同時に冷蔵庫開け
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雪消えてドブ臭くさい泥濘ぬかるみのまだ小汚い春のむき出し
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危惧してた通りにヤバいアメリカと危惧してるこの国の傾き
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古本の開きぐせあるそのページ謎解きたくてくり返し読む
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せわしない令和の音に逆行す余白の多い音符の心地/ラジオから
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春みぞれ ようやく開いた野の花も 風に震え身を寄せ合いぬ
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レコードの溝の微かな震えよりサーっと鳴りてジャズは揺れ出し
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庭のすみ雨水たまる金魚鉢メダカの群れはせわしく泳ぐ
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日常を 離れて日々を 振り返る いつか終わりが 来る日を俯瞰
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もし戦後、進駐軍がソ連なら 今頃我らは農奴になってた
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終るなら ガンダム挑む雑魚ザクだとて 散るも未来をエースに託す
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過ぎ去りし 哀しみも辛さも 笑いに変え 友との語らいまた前を向く  
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燻炭の雪土混じり消えかけの雪曇り空白鳥の声/景色
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朝食のタンパク質は牛乳と豆腐とチーズ歯ごたえが無い
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水ぬるむ水面に映りし 空の蒼 やがて川辺の桜も映し
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寒き夜の口さびしさや起き出でて葛湯を作る少しかために
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ランチやめ定休増やし抗うはまちの割烹 浦霞酌む
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若き日の取るに足りない出来事を気にもせぬのに夢に見るとは
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涙のち伝説だ5位からの大逆転だ金メダル「りくりゅう」
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伏せし妻 匙くちもとへ運ぶ夫  寄り添い生きし 老老介護
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赤黄青 きららに透ける琥珀糖 幼き日々を 手のひらに置く
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