得意げに 釣った小アジをさばく夫 台所になぞ 立つこと無いのに /回顧
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そぞろ歩き いつの間に木々の若葉萠え 目にもこころにも沁み渡りゆく
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垂乳根の母になりにし妻なれば若き日よりもさらに眩しき
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眠ってた 冷食ストック 呼び出して ランチのお供 赤玉ワイン
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絶海の小さな野原で浴びる春クローバー群れ紫ポンポン
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葉桜に感謝をしよう花びらをつまむ指先おでこに触れた
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連れ立ちて 幾年春を 惜しみけむ 今年独りの 花の下道 /挽歌
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真新しランドセルにも花びらが 雨をお供に孫入学式へ
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雨降る日 スーパー行きは あきらめて 冷蔵庫のぞく 特別スペシャルレシピ
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九十九の母が労わる七十四 逆バージョンの『老々』にして
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来ては去る車の白と赤き灯に滲むビニール傘と泣こうか
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電柱の上にハローと鳴くカラス僕のハローを学んで鳴いた
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寝る前にうとうとトースト食む僕は何かが欠けてるカロリーで生く
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夫婦喧嘩 激しさ増して 炬燵猫 瓶飛ぶ前に 縁側へ去る
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満開の 桜は何か 眠たげで その花の下 お昼寝したい
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毛布で 吾の枕に長々と 寝そべり毛繕けづくろい 初夏と紛う朝
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書くことも 読むことすらも 遠ざかり 私の文字は 未だ汚い
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チェーン店 建設予定地 草茂り 春深まれど 冬眠中か
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すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
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工事場の重機の下に微睡まどろむ猫 ぐっすりおやすみ 今日は日曜
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日だまりに 如来の如く 目を閉じて 猫の居眠る 斑鳩の里
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胸骨に風を受け止め七分丈 床屋帰りの頭撫でつつ
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純白のレースみたいな一輪のトルコキキョウを空き瓶に挿す
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土瀝青アスファルトの片隅 さき名も知らぬ白き草花 健気に咲く春
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パチパチと黄色の線香花火萌え陽ざし弾きぬオキザリスかな
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ガンダーラ 旅する心地 花冷えの 紅茶に薫(くゆ))る カルダモンの実 /四月七日花冷え一時雨
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第一歩もし不安なら処方箋 片っ端から「いいねを赤に」 (僕は選んじゃうけど)
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奪ひ合う パン散りパンの 星屑と 遊びて群れる鳩を笑えず 「詠み直しました」
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※ 花祭り 雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
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今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
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