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今はただ 去りて久しき 可惜夜の 余韻に浸る 君を想ひて
17
帳
(
とばり
)
降り 雲ひとつ無い
月光浴
(
げっこうよく
)
照らす大地に 芽吹く若草
17
倍速で生き急ぐ君見えますかゴールの後の土、風、空を
17
人間の欲がもたらす戦火の悲 欲は求める無法の修羅を
17
春浅し
日暮
(
ひぐ
)
るる時の 伸びゆけば 時計の針が 開花を進める
17
時経ちて
陽春
(
ようしゅん
)
謳
(
うた
)
う
最中
(
さなか
)
なり 飛び立つ
花粉
(
せい
)
が
黄金
(
こがね
)
に輝く
17
歴史上生まれた人の総計は千百七十億人といふ
17
誰も彼も敵に思えて身構えるそんな自分が一番の敵
17
春彼岸 息子の隣ちょこんと正座 ちさき手合わせ神妙な
孫
(
きみ
)
17
高尚な詩を聞くような映画観て即効寝落ち目覚めたら「
f
i
n
」
17
春を盛る君に分かちしヒレカツの熱伝はりて頬も桃色
17
思い出は 巡る季節に 風化して この春消えた 君の面影
17
テレビ横デジタル時計置きながら後ろ振り向き壁時計見る
17
流れ去る モーツァルトの
協奏曲
(
コンチェルト
)
意固地な我を 解き放たれり
17
ガタゴトと農道揺られ耕運機もろこしもいだ たくさんもいだよ
17
きょうもまた童謡ひびく夕暮れに老いたる父は安酒を飲む
17
独詩人 ハイネが示す 和解なり 「
Ich grolle nicht
(
われ恨まない
)
」 鞘に納めて
17
妹と飲みつ語りつ更ける夜 長旅の疲れ ゆると解けて /片道十時間
17
春彼岸義父母の墓へ菊の花 我関せずの夫は誘わず
17
春彼岸 半年ぶりの無沙汰詫び 花を手向けて亡き父母偲ぶ
17
男らが口付けをする映像に 私の場合は吐き気催す
16
米洗い 醤油と味醂 雑に入れ 炊き込む飯の 匂い馨し
16
寂しげに歩く背中の父を見て心配かけた昨日を詫びる
16
怒りより 笑う事より 落涙す 湧いて出てくる 生きる欲動
16
忘れない 君はここにいる 受け継ぎし 孫のしぐさに 君生きており
16
愛すべき者あればこそ 明日へと希望繋がり 今日を生きんとす
16
去年まで咲いてた桜切られててうれしくもない空の広さよ
16
露天湯の 縁に上りて 山峡(やまかい)に 白く泡立つ 段瀑を見る /山水館露天風呂
16
働いて準じてばかりの戦力は「工夫の
迷宮
(
ワクワク
)
」知らぬまま去り
16
貴方への 人一倍の 愛情は 桜のつぼみ まだ頑なに
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