帰り道西陽に照らされ新人の悔し涙も光を帯びて
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くしゃみしてそっぽを向いた先にある袖口に付く口紅の赤
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祇園から望む闇夜の三滝山照らす後光は街の灯りか
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自慢げに今咲き誇るバラの花通り行く人目が丸くなる
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両肩にのっかっているお疲れさんもう若くない僕におもたい
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チラシ眺む(売り出しの)赤肉メロンがほしいけど 半玉でいい半額にして
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あたらしい家が建ちますぼくたちが埋めた金魚をかみさまにして
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「書き上げた!」私を祝す鐘の音カシスソーダを氷が踊る
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遠くより耕運機る音届き梅雨の前ぶれ嗅ぎに出かける
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石楠花シャクナゲがぱらりぱらんと落ちた日に今年はじめて半袖を着る
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ただの風邪 かれこれそろそろ二週間 不甲斐無さに とうとう落涙
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今まではどこでカットをしてただろう斜視をずいぶん気にしてた君
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理容師も美容師もわたし無免許です見様見真似も気づけば腕前
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菜園の 丸々太った新玉の シャリシャリ食感小気味よし 
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初夏ならばこのくらいだとまたひとつ毛布の厚さを薄くしてみる
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もうじきに 蒸し蒸しシーズンやってくる ひんやりスイーツ恋しい季節
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死ぬ前のラスト5秒のカウントがあの子の声とかだったらアツい
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デコるのが好きと笑った君がいて精神病棟そこかしこ春
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洗い上げ皿積み上げた山の上 今日というひがパチンと消える
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YouTube BGMに ジャズ流し うたかた開く 週明けの夜
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大阪に行けば必ず食べるもの 出汁巻き玉子と絹笠とん蝶(万博行き決定)
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帰り道Spotifyから削除した 好きと言ってたプレイリストを
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父買ったカーネーションを母親に 渡す大役君のお仕事
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眠る前 怖くないのは なにもかも 明日目覚めても 変わらないから
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有益か 無益かはさて 今日もまた 身体の中に 染み入る何か
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灰色がそびえ立つのは初夏の空 今日もなんとか乗り切れそうだ
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そよぐ風見つめる君に春を見る気づけばそれは晴れ空になる
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ちょっとそこどいてくれると嬉しいな 毛皮干す猫 踏めない敷物
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25℃乾いた風の昼下がり サボっているのは私だけかな
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明日の朝 めっちゃ早くに目覚めたら グリドル食べて検診行くか(採血絶食は無しの某検診)
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