根を張った大樹ばかりじゃ森できぬ あたしみたいの割と大事よ
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今ひとたび 逢ひたしと切に願へども 生きては行かれぬ 西方の国 /挽歌
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クラシック漂う遠い初恋の雨音探す珈琲時間
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遠き日の家族染み入る大鍋の埃り拭えぬ一人暮らしに
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川底に竜宮城があるといふ河川敷にて菜の花を摘む
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牛頓ニュートンの八朔ふたたび帰路コロン道祖神さま取り替えまする
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世直しへ 荒ぶる海と 猛し風 名もなき花が 命をつなぐ
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青い首輪 セーフティロック安全装置で 行方不明 キジシロちゃんには 青も似合うよ
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突然に春の季節の底が抜け咲くや咲くやの祭りとなった
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ちま猫とちび猫連れて母猫は いわし雲など追って旅に出
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トランプによくぞ憲法つきつけてどうする改憲どうする公約
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放課後は球拾いのみ明け暮れて白球唸る 声の届かず
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甲子園 女子高生の 君が代 その歌声に  美しき曲と知る
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初嵐 威勢良き名は 見目無垢の椿と知りぬ 詠う人いて
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廃屋をなお護る者たちのあり 庭の樹も草も逝きし人々の想いも
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生まれてさ良かったですかと我が胸に問うて黙してまた春が来る
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天道虫飼うと云うからアブラムシさがす菜の花畑の朝に
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五年前はコロナ禍だつた長男と親が知らない卒園のかぜ
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弱虫めお前のことは無視したり責めたりなどもしてはやらない
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たくましき 大樹に注ぐ 月あかり 零るる泪 乾かし給ふ
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芽吹く風 淡紅揺れて 山桜 いまほどけゆく 一本の春
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春うらら 春休みとも 重なりて 平和な日本 みな桜色
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青春てふ季節巡りて立つきみの頬に冷たき風のそよ吹く
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お仕事は僕にボールを上げてくる働き者は嗅覚が効き
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蕾たつ夜半の薄紅つまむ指 触れちゃいけないものと知りつつ
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電波時計 二人の波長に 狂わされ 誰も知らない 履歴が残る
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阿仏尼の 如く嘆きて 居ますらむ 彼岸の墓参 行かぬ不孝を /『十六夜日記』
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菜の花のこうに酔ひつつ螺旋なす蝶や現と夢のあはひに
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もう炬燵はずしたのかといや炬燵かけちゃいないよ転びそうだし
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一歩ずつ 君との距離が 縮んでく 過ぎていく日々 各駅停車
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