目覚めたら雨が降ってるああ花も終わりだなあとコーヒー入れる
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バンザイで新入生を迎え入れ白き花咲く梨の木々らは
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雨雲の浮かべる影をぼんやりと眺める日々の時は穏やか
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咲き初めしもっこうばらに風ひかる 髪梳くやうに水を遣るひと
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黙々と釣り糸垂れる夫の傍で はしゃぐ吾子たち 過ぎし日の光景 /回顧
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クレームを言わない親が割を食う春の嵐が吹くクラス替え
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今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
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日に透けてやさしくそよぐ木々の葉は燦々として風に煌めく
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制服着て大人の気分背伸びして校門潜り吹く風光る
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空き地には 虫も見かけぬ ご時世に 雀は知ってる その居場所
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リスタート、リセットにある「リ」の文字はどこかで過去を引きずる証
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悩む時 心音「こころね」へ問う返る音の灯の霊掴み火影とすべし
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葉桜の 横にハナミズキ 「まかせて」と  次は私と 言わんばかりに
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絶海の小さな野原で浴びる春クローバー群れ紫ポンポン
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雨粒を抱えて若き花ひらき淡い朱の舞う花みずきかな
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さくら花命いっぱい咲きほこり散りぎわみごと夢の如くに
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雨降る日 スーパー行きは あきらめて 冷蔵庫のぞく 特別スペシャルレシピ
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九十九の母が労わる七十四 逆バージョンの『老々』にして
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雨の中 挨拶回り 君が来る 再会喜び 話止まらず
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微睡まどろみて 隣席りんせきの人に 触れぬやう 眠気覚ましに 歌を推敲すいこう
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譲り合ふ人同士 初対面なれど 会話生まるる 車両の座席
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公園のニ樹の桜は咲きほこり毎日花見心潤う/二階の窓から見える
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店先に早も飛び交ふつばくらめ 去年こぞのお宿の手入れせわしや
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若き日の烏が残し泡沫の揺れる湯船に微睡の宵
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カーテンの隙間に光るきみの笑み 決してこの子を戦に送らじ
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もしかしてこれが最後の桜かもそう思いつつ観ればなお佳し
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おかえりと むかえてくれた 猫はただ ご飯を待って 私より飯
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瑠璃や藍あかく咲けざる紫陽花に降る雨沁みて土染まりゆく
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「いよいよ」と思う頃には有料のチケット買うのか…サブスクの罠
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だんだんと脚の痛むを尋ぬれば昨日歩きし一目千本
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