可惜夜あたらよは 可惜夜あたらよ故に  早くけ  初恋故に 破れて可咲おか
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「計画はたくさんあるの」と声聞こえガン病棟の談話室にて
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松雪草スノードロップ 白く儚き 君なれど  少し怖いな 花言葉がさ
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食べ切れぬ ぽんかん貰い 有り難く  次に何をか じいさまの為
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立ち尽くすスターハウスの真ん中に星がすうっと吸い込まれた夜
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うそつきにつける薬があるならばリボンをかけてあなたにあげる
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あと少し、もう少しなら叶うかな オセロの一手 待つよこの恋/フィクションです
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会える距離 そのままに日々 過ごしおり 連絡先だけ 消さずに暮らす
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愛というインクで書かれているらしい二千字かけた百字のエッセイ
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北陸の友をおもひて北陸の酒呑む夜のこころの旅路
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ブラックの苦味覚へし冬の来る 片方だけの揃ひのカップと
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えッ逃げた?逃げたみたいだ逃げたのか逃がしてやれよ逃げたいんだろ
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右側に白く連なる工場棟左裸木の富士見通り徃く
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神の矢を背負ふ戦は夢弓むきゅうの陣 馬群の間隙 狙い見定め
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四方から 聞こえる歓声 今は無く 静けさ漂う 節分の夜
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冷まそうと 煮なます庭の雪の上 忘れ去られて朝を迎える
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ベランダの隅に残れる鳥の糞木の実混じりか紫にじむ
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百均のデザイン良すぎるバーコード見失いつつセルフレジする
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屋根の雪つららと一緒落ちてくるがらがらどしゃんしるしるばふん
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淡墨に青を浸したやうな空にエレベーター塔は孤独に立ちて
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自白するスカートめくりをしましたと 学級委員にうなじをたれて
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慣れてゆく忘れてゆくよ空蝉を生きてゐるから生きてゆくから
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休み時間 隣の席で 大勢に 囲まれ笑う 君の横顔
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苺大福だいふくをキメなきゃやってられないよ 試験と就活 中指を立て
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立春に 見頃を迎へし紅梅 露天風呂に浸かりつつ花見/日帰り温泉
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目の前の うずくまる人に 我慢 説く 立派な理屈が 私を冷やす
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「大丈夫」「全然平気」「待てるから」深夜の駅前雪だるま一つ
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水の音 聞きつけピョンと 洗面台 君のは床に ちゃんとあるのに
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短歌とてチームを組めばアイドルか踊る曲夜に想ひを乗せて
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青い春 頬杖ついた 君を見て  シャツのぼたんに なりたいと思う 
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