香りつき練り消しレジへ持って行くボールペンしか持ってないけど
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椿の森木陰の轍に雨は降り花が落ちれば波紋広がる
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また来ます または何時かと 訝しむ 吾の脳内は いまだアオハル
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彼岸には帰ってくるよと言いながらなすびの牛にまたがったパパ
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スーパーのいつもそこだけ品薄なぽっちゃり猫用フードの棚
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上の句も下の句ももう浮かばずに ただ時だけが浮かんで消える
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青き日のきおくに酒を注ぎ合ひ同い年しかゐない呑み会
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夢血るる狼ねずみガブリがぶっ幕は引き分け共に子がをり
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いつか来る 拒まれる日まで 子に授く 泣いて求める 肌の温もり
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AIの歌に微睡む春の舟ゆらり傾く淡き島影
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バスの外いつも通りの街と人 いつも通りがありがたい今日
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片や減り 此方大増 国会の 代わり映えなし 質疑応答
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交差点にも春たづぬ 切り株のわき 紫の咲く ホトケノザ
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溜池のそばに一樹の春椿 くれない燃ゆる弥生の空に
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写経ごと大人のぬり絵を黙々とわらべの頃より陰影深くし
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店先で見つけたタラの芽フキノトウ 春を彩る食卓に添え
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大国は命を喰らふケルベロス血に飢ゑギラリ牲義を掲げ
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父看取り 母ひとり生きた15年 我も母のこ  前向き生きん
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嗚呼ああうみに 心が流れて 行くような  こんな日にこそ 君に会いたい
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啓蟄に 野の草花も 色を増し 春のうたげの 準備中
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平日の 午前十時 駅近は さえずり靴音 子等の歓声こえあり
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さくら花散るを誉れといくさ場につぼみの学徒数多帰らず
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かすがいの 子どもがあっても いなくても 互い離れぬ 磁石がいいの
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西風が 雲送り出し 室内に 晴れ晴れ曇り 晴れ一瞬曇り
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細胞のひとつひとつの震えさえあなたのせいにしたくなる恋
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目をそむけ 知らないふりを したけれど じわじわ怖く なりゆく世界よ
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町内のスタバは異国のバル化してガラスづくしのそとにふく風
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母と医師姉妹のように会話するナースステーションカウンター越し
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並列で春夏秋冬って書くことに抵抗したい雪国の人
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鴨南で蕎麦を覚えし四十路過ぎ 君が馴染みの店に手を引く
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