複雑な利害が絡む世を生きて二十日鼠の脳は戸惑う
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外出のドアを同時に押し開ける素性名前も知らぬ黙礼
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カタログが いいねと総理 言ったから 総選挙後は 贈答記念日 / パロディ
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貯蓄たんすへきジパング喰らう物怪か詐欺オレに貢ぐな天下を回せ
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躊躇わず蛍光灯の交換が出来るほどには独りに慣れた
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「背中向け寝ているのはね後から愛して欲しいのよ」はもう過去
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避けられぬ日露の戦に血を流し 我らの祖先は悪を斃せし(ウクライナ思ふ)
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言の葉を 紡ぎながらペダル漕ぎ ふと気がつくと見知らぬ小路
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「若者よ、君の未来は明るい」と 笑って送り出してやりたい
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進学し 親の保護下を 離れたかわず あまりに広い 大海を知る
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君と我 互いのぬくもり分けあって 過ごした時間 減りゆく春へ
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白雲に 匂い立つよな 桜花 遠くから見る 桃源郷
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泥濁る溝に小蝦ざりがに釣りし日は舗道となりて靴音のもと
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無関心 強きに阿(おもね)る 人が増え いつの間にやら 「弱者」在り
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いわし雲釣つてみやうかプラプラと折りたたまれたアンテナのばす
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あやうさの静寂にひそむ春隣 AIといふ君の歌きく
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馬鹿げてる歌と滴と夕やけと眠る夢バナ東大受験
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定年のない職につき半世紀 終活近しと閑古鳥鳴く
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風の香に 日の温もりに 宵闇に 仄か滲みし春のさきぶれ
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雪解けの水滴りて落つる音 春待つ君に笑顔を運ぶ
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春風が吹いて香りと思い出の切ない化学反応起こす
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窓隔て 飛び交う羽虫見つけたり ガラスに張り付き獲物追う君
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見え透いた落書き捨ててありのまま鴻鵠らしく大空に翔べ
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掃除する 健気なロボの ご褒美は 充電満タン それでいいかな
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おはよーと 声をかければ おはよーと ミモザが笑う 顔を真っ黄にして
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早撃ちのガンマンのよな攻撃に アメリカ人の本質を識る
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やさしくてやはらかな君を詠みたくてやさしく歩くやはらかな春
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ホメイニの護国の鬼や現れむ パーレビの世に戻らぬように
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いつの間に 色とりどりの野辺の花 一斉に春たたえ歌うように咲く
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土温み 駅ロータリーに 下草を食む 鳩・雀 カラス横切り / 訂正しました
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