温泉へ妻と娘をおくりだし悄然と庭の黄菊をながむ
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初デート ママに内緒でいくからね ブタ公園で君を待つ僕
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ティータイム不意打ち愛の告白にかっぱえびせん運ぶ手止まる 
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くちもとに かかる火の粉を はらわいで  熱さのあじと 匂い眺めん 
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君が描く 仲間はずれのない話 見つけて渡す 黒のクレヨン
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かぶとむしゼリーの澄んだ赤色に光を透かせば夏が聞こえる
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我はが あばら骨より 生まれたるか 広き胸に満つ 創世の海【聖書の創世記・アダムとイブより】
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この月が満つる頃には山茶花は しおれ散りなむ香り残して
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相棒を観ながら ビールとかっぱえびせん カロリー過多かな たまにはいいよね
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4.2kg このの命をあきらめない なんでも食べな どんどん食べな
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懐かしさ 漂う喫茶 奥の席 コーヒーフロート 至福の一時
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晩秋の冷へ込みぬ夜半よわ 寄り添ひて温もり与へ合ふ 犬とつま
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たくましき ガジュマルの木に 宿る気に 活力もらひ 冬を迎える
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ふたり旅 頭の中で 妄想中 隣のおじさま 君に見立てる
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うたた寝の薄目に映る信濃路は もみじに小雪、朝霧の里
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氷張る小学校のプールには思い出という宝が沈む
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私だけ覚めて半身起こす闇あなたの寝息白い指先
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右肩をちょいと修理に出す未来 見れぬ夢なら眠って待って
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炊飯器に張ったおみずを のむことが ちま猫ちゃんの つうじょううんてん通常運転
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灰色の頭脳で謎解く名探偵 白と黒には分かてぬ思ひ
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あと少し あと少しだけ眠らせて 無情に響く最寄り駅の名
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珍しく口から感謝飲んでいる珈琲豆よ育てた人よ
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この世とは切れてしまうよ白々と線路伝いにすすきほの揺れ
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ジャケットの ポッケに何か 入ってる 一年越しの ホッカイロかな
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冷え込むと予報の出ている午後晴れて閃いて行く金色の蝶
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離れてるから俺の代わりにそう言ってくれたストール三年目/寒くて登場
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真っ黒なアイのマスクでビッグバン 宇宙の夢は全て黒から
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顔知らぬ 曾祖母歌ふ アリランに 来日の理由わけ 想像してみる
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北の町あついコートが安かれど北風しみる枯野ゆくとき
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うらやまし子猫も満足するような隣で着てる防寒ウェアー
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