一日にほんの小さな一錠で脳梗塞を逃れてる母
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読みしの本を閉じれば隙間風触れて首筋冷えるこの夜
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サンタすらまだ来てないが店先に鬼の仮面が飾ってあったり
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灰の雪 心の窓を曇らせて 冷える胸中いつ温まる
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トリシアがあんまり可哀想だから来年スティーブンキングキングの読破を誓う/独り言です
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化けていた鬼を暴いて仕舞うのは果たして罪か?答えは出ない
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クリスマス 雪じゃないのと 雨の中 クスリと笑う 健やかなイヴ
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パクパクと いつも私はエラ呼吸 自分一人の部屋が水槽
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きみに会う予定がわたしの睡眠剤 やわいときめきかかえて眠る
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玄関の雪庇の雫 先日の大雪なんて忘れたかのよう
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イブイブにデートしたから気が抜けてお風呂キャンセル界隈と化す
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好き勝手キャリア六年おじさんが模様替え魔で職場めちゃくちゃ
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待ちわびた 本が届きてうきうきと 開いてみれば「前、買ったヤツ」
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クリボッチ回避と言っていいのやらクリスマスでも部活に向かう
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「気を消す」のアニメの術はマネできぬ「とりま休憩」距離を取りたし
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ドローンに撮られて話す未来かな人の進化の鍵を握って
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傷つけて傷つけられた一年を自戒し歩む一人年の瀬
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年末の 夕方の家事 一人聴く 大貫妙子 身体に染み込む
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年末の慌ただしさを乗り切って明日はゆっくり昼まで寝よう
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聖夜明け、そ知らぬ顔の街角に 吹く乾風からかぜが私を嗤う 
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よく寝ればそう、いつだって夜が明けるはがしてみようあの日のかさぶた
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接客がめちゃめちゃ良くて建付けが死ぬほど悪いトイレのコンビニ
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眠れずに二時間いいえ三時間白い病室繭にはなれぬ
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女房と孫娘ふたり 三人で消えた ルミネのショッピングかな
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高層のビルに群がる鴉らの上にあかねを帯びてくる雲
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烏賊イカメンチ?半額ならと冷めたまま・・ありゃりゃ旨いぜいいもの味っけ
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ネコバッグ そういや当選してたよね メール整理で ふと思い出す
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打ち合いのいいねは真価証明で転向初戦辛勝に笑み
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帰省して笑顔の親が待っていた人手増えれば掃除捗り
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縄跳びで大波小波夕暮れを削り取ってたとも気付かずに
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