喜寿傘寿古稀米寿なる方たちのよほど元気な私などより
14
リプトンを3分蒸らした色の海 夕陽のレモンを1枚搾って
14
夕浜に紅く艶めく桜貝期待は気化し波が掻き消す
14
抜歯済む 痺れの残る歯痒さがロイヤルミルクティーに ほつれる
14
目鼻口、喉の奥から耳までも 痒みて腫れる花粉症哉 
14
予定見て 今日行くところ あるだけで 心うきうき 朝が始まる
14
方舟の秋津島にてゆるゆると ハルマゲドンを高みの見物
14
巡りゆく 血潮の音の 心地よき 春の夕べの 手枕の夢
14
夕日に 友と語らう 三年間 淡い花びら 色染め濃くして
14
サウナにて整う恋を許すまじ浴場出でて君と待ち合う
14
銀だこの 最後の一個 取り合って 椅子から転げ 落ちてみたいな
14
子規の母の「しかたがない」とふ言葉 しかたがないと聞くほかはなし
14
そういえば陸羯南は弘前の 子規を支えしジャーナリストぞ
14
甑より 取り出し扇ぐ 饅頭の 面影にたつ 彼岸来にけり /彼岸の酒饅頭
14
蘭の花 ほったらかしの 二十余年 ふと気づきたり 子の育ちにも似て
14
偽物の山の斜面に立ちながら異国の山羊はただ草を食む
14
「なんとなく」多用するやつ無能だと言っていた人さほどそれほど
14
レジの方カゴからカゴへ並べ替え日本人の何たる美徳
14
ア・イ・シ・テ・ル 丘の上から旗を振る飛行機雲の先へとのびて
14
トーストに 添えし一切れの オレンジの 色鮮やかに 朝は来たりぬ /Cafe Seeds
14
冷えきりて 氷のごとき双(もろ)の手を 温(ぬく)めつつ飲む ペパーミント茶
14
はじめてのマッチングアプリ登録す無惨な恋を忘るるために
14
機嫌よく診察室の入口へ一分もせず吾子の絶叫
14
そよ風に 揺れる木の葉の 音色にも 春のきたるを 奏で知るかな
14
進次郎ならば得意の構文で煙に巻けたろパールハーバー
14
連休の最終日には孫きたる 初日進めよ二日目疾けよ
14
春秋(はるあき)の 彼岸に会いし 大叔母を 偲ぶよすがの おはぎ食みつつ
14
あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
14
春彼岸 深雪掘りて あらはれし しずくすがしくる 御影石
14
夢半ゆめなかば 散りし御霊みたまの 思ひ留め 辛くも生ける これも供養と… /311改めて思ひ
36