母看取り 早七年目 最期の声 「そばに居て」胸に 今日も家守る
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ただいまと同時にチョコをひとかじり褒美ではなくこれは兵糧
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冬の木の指先飾る紅い花ひとり佇み春を告げつつ
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Utakataに 寄せたる短歌 100数え 折々の想い 此処に残れリ 
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慣れてゆく忘れてゆくよ空蝉を生きてゐるから生きてゆくから
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幻肢痛 中途半端に片付けた部屋のかつてのギターの在り処
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一日を一日をただ凌ひでく生業なりわいともに生きて参らん
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静電気私の指を刺しながら春はまだよと意地悪をする
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耳馴染まぬ「片持ち梁」てふ技術語の人間臭き力の入る
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窓の外視界を塞ぐ雪竦み景色復活もっと消えろよ
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かさね着の万葉・古今のかたわらにニュートン・オイラー置かるも愉し
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世界ごと買える気がするAmazonで 短歌の本を探す指先
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いや違うオレの真意はこれこれと言うも全ては後の祭りか
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返信は「傘がないから」 それだけで恋の終わりを知ってしまった
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ふとした瞬間(とき) 息子が見せる表情に 夫の面影 見え隠れして
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休暇前だんだん仕事やる気なく全て未来の自分に依頼
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雪壁に 小さき氷柱つらら群れ集い 崩されては清明に響く
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「誤変換、本音の端っこ掴んでる」 AIなんぞに突かれて ニヤリ
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AIが 瞬時に提示 夕飯の レシピを頼り ピンチをしのぐ
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伝えたい幾多の想い 言えぬまま 看取りし父の春がまた巡りて  (父の命日に寄せて)
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昨晩の吹雪は去りて幹の間の一音ひとね放つるヤマガラのあか
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バカなのかリズムのせいか名前出ず「劇団ひとり」じゃないほうの人
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辛党の 夫に選びし洋酒チョコ 今は懐かし 甘き思い出
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AIに愛の言葉を囁けば「熱くなった」と言い、外は雪/改
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鯖味噌の残った汁にしめじ入れレンチン地球エコに周って
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真夜中のブルーライトの埒もなしヨコハマ想う綾もなし
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砕けたらそこで終わりの物語 君は水晶そっと抱きしめ
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過ぎ去った己れの過去は棚に上げ子の反抗期心ポキッと
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ドア開けてよもやの景色は雪の中 不意に異世界 僕を惑わせ
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怒りという冷たい服を脱げぬまま猫の無罪に指をうずめる
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