一日に三万五千生まるてふ「判断」の渦へ投げたし『推敲』
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楽しげに街行く人も歩を止めて心の曇るときもあるらん
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断層列島極まれり 世代・男女・経済格差 揺れ沈み / 日本の課題
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ウクライナ侵攻四年目に入りて敵も味方もみんな被害者
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春にまたひと足近くなるために 恵みの雨が大地潤し
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おはようといってきますとおやすみが飛び交う同じ朝を生きてる
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停車中の電車が動く錯覚を残して発ちぬ逆方向へ /誘導運動
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オオカミよ瀕死貪る捕食者よもうウンザリだオレは脱走
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外出のドアを同時に押し開ける素性名前も知らぬ黙礼
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戦争と 平和が織り成す この世界 平和のみにて いつぞ満つるや
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望の月朧に霞む春の夜はビールの泡の囁きに酔う /春宵一刻値千金
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交わしたる言の葉のみが脈打てば行方知らざる君ぞ思はる
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貯蓄たんすへきジパング喰らう物怪か詐欺オレに貢ぐな天下を回せ
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「背中向け寝ているのはね後から愛して欲しいのよ」はもう過去
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まだ君と さよならできそうにないから すこしさ 春泥棒になってしまおうか
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八年も凍らぬ諏訪の御神渡り 二二六がポカポカ陽気
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避けられぬ日露の戦に血を流し 我らの祖先は悪を斃せし(ウクライナ思ふ)
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工場は伊吹の山にいだかれて笑つてゐたよ我が青春を
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言の葉を 紡ぎながらペダル漕ぎ ふと気がつくと見知らぬ小路
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「若者よ、君の未来は明るい」と 笑って送り出してやりたい
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ガラス越し記憶を辿る世界あり 「フェルメール」に ふる里想う
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進学し 親の保護下を 離れたかわず あまりに広い 大海を知る
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家に着き居間のインコに言ってみる お前はいいな気が楽そうで/ツカレター ツカレター
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明け前の白き煙は立ち上り二本の煙突双子のごとき
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無関心 強きに阿(おもね)る 人が増え いつの間にやら 「弱者」在り
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女房より六年長き付き合いの友と酌む酒 梅のほろ酔う
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樹々の中「ケキョ」と一声聞こえきてひと月待てば春告げ鳥よ
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この国は どこに向かって 進むのか ニャーと鳴く愛猫きみ  無垢な心で
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不可解な「男系男子」の宰相に忖度せしや沈黙の民
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3年も 経つけど未だに治らない 次逢ったなら「愛」を刺しそう
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