三日月に座ってみている亡き父の 時折聞こゆ不器用な声
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先を見る 確かにそれは 大事だが 地道に今を 築くのが基礎
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祝祭に流れ落ち行く烏瓜からすうり  掴めず星とひときわ光る
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茹でたてを水にさらしてしゃっきりとざるへ横たう蕎麦にやさしさ
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きみきらり トランペットの歓声と銀のテープが祝福となす
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重い歌今夜はやけに素を晒し隠したくなる気持ちも在りて
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夏の朝。蝉時雨に舞うヘーゲルの、精神の眼に我、時めかん。
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独りの 強く感じる 寂しさは 馳せる想いの 裏返しなの
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夏が好き計らいもせず晴れの日も君と相合傘ができる
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何者にも なれないそんな 僕だけど せめてあなたの 唯一無似とくべつでいたい
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霧の中で心の詩集を開いてる。Hello My Soul!優しくなりたい
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パイナップルマンゴーのお茶を淹れまして 夏を感じてファミマのマラサダ
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喉乾き、自販機探せば炎天下。君に手渡すソオダのかがやき。
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えっまた炒飯 俺は酢飯を食べたいぞ と言ったとたん「あんたが作れ」と言われるから黙る
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辛いこと悲しいことや理不尽も いつかは消えて跡形もなく
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早朝の大袈裟に鳴くカラスたち励ましていてくれたらよいな
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土の中眠ったままで死んでいく蝉のことなど誰も知らずに
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夏怖し暑さに非ず寂しさよ終わりを告げるひぐらしの声/題『蝉』⑤
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なぜ君は妙ちきりんな鳴き方かツクツクボウシの可笑しき声/題『蝉』②
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今まで馬鹿にしていた日傘が 今は救命装置に
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夏営業「直帰します」と言い置いて プールでサボる低生産性の俺
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洗濯をしてよいシルクの気軽さであなたと別れたわたしはきれい
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届かない この想いだけ 青空に 「飛んでけ」をして 前向きあるく
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買い求め花瓶に挿した赤ダリア 憎らしいけど酷暑に似合う
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夏空の遠き彼方に月は在り。兎も涼み、今宵は冷たし。
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涙目で奥歯噛みしめてるキミを横で見つめるただ側にいる/大会
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気づいたら3か月ぶりだったのにいつも一緒にいたみたいだね/再会
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首を振るだけですべては足りたのに ふたりを縛る婚姻届
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きみのこと 救いたいって思うのは、わたしがきみに 救われたいから、
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ドトールと びっくりドンキーびくドンくらいは行けるわね 美味なるソフトクリームのおくち>マツコの知らない世界
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