霊峰の祈りは時空こえ響く巨大なうみへ内なる海へ
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上弦の月がぽっかり 微笑んで おけいはん占い 本日は緑
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なつ風は いかづち雨を 路連れに 揺らす入道 なびく徒花
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さび色の 切れたネジ山 見て焦る 自分にも開けられなくなっている心
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千日の回峰行に憧れた心を共に街路を巡る
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秋の終わり うつむいた扇風機から忘れかけてた歌が聞こえる
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年毎に賀状関連コーナーがだんだん狭くなってく書店
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干し柿と洗濯もんがゆれている 干せる元気な母に安心
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えいやっとアプリの英和辞書を買いloveを調べる日曜の午後
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「水曜は?ちょっと抜けれる」キミが言う 逢いたい気持ちおなじ嬉しさ/❤️
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小夜時雨ジレ着た君の背の香り階段のぼる鼻を擽る
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黄金の穂を垂れお辞儀するススキ 田畑を山へ連れ還る使者
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ちま猫ちゃん 「こっぷすいコップ水」など おもいだし おかあちゃんの おみずよこどり
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書きうつす近代短歌写経かな現代短歌はさざなみの夜
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ストレッチャー向きを変えられCCUへ父よ遥けき地平立つひと
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相談が…二件訪れややトホホ 相談しやすいからだと思おう/きっとそう!
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マヌカハニー飴など たいそう喉に良し ご参考までに ご自愛ください>キロ様へ、お大事に
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湯たんぽを買った 一人は寒いから 湯たんぽを抱き 命と思う
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いつもなら二十日あたりは雪になるあんな夏でも予定通りだ/今日は雪らし
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枯葉舞い いよいよヒーター 点火して 冬が始まる 霜月の晩
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昼休み空を見上げて伸びをする守衛さんへともみじ葉の降る
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漆黒の 丘の稜線 なぞりつつ 月の輪の凛と 今現れぬ
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老眼に優し 暦求めて 買ったのに サイズ間違え 途方にくれる
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降り止まぬ雨が香りをさらってく金木犀と今日でさよなら
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二度目なる 君なき秋に ハッとする 短歌になぞるは 君の歌ばかり
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折り返しの 階段降りて 一休み 踊り場あたりに ぬるめのお風呂
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いかずとも いつか迎えに 来るものは  敢えてたたずも 燃やし待てばと
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雪解けてそのやさしさが咲くころに夢で逢えたら名前を呼んで
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早朝に重い深紅の野イチゴがつゆたたえるみずみずしさよ
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二兎を追うものは一兎も得ずといふ いいや採れたよ チビ猫おといれ
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