ちま猫ちゃん おかあちゃんのおいす きにいった まったりしてる ざいす座椅子もすきよ
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いまはむかし『松茸』とかいう山里の秋のにほいを味わいし日々
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ミュゲすずらんの湯に ゆるりと浸かり ほんの一瞬 忘我の心地に 寝かけたともいう
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渋滞の三台前に杖つきてみち渡るひと ふと我と思ふ
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冷え込みし伊吹山は雪化粧朝の炬燵に仔猫隠れて
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車窓から そこはかとなく 見るすすき 吹きてなびくは 人の世もつね
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光陰の陥穽となりぬ歌研ぎの宵と思へば東雲の空
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セルフレジ済ませ品物見もやらず立ち去りかけたおバカな私
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華がない だからどうした漢なら 生き様死に様 背中で語れ
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いにしえの雨は大地に脈々と流るる想ひを未来へ託し
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降る雪の斜めに吹雪く見つめおり雪明かりの部屋ひとり籠りぬ / 追憶
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庭の花一輪挿しに生けましたそんなささいなことが幸せ
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ガラス越し淡く舞い散ることもなく 変わらぬ私 置いてゆく秋
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地頭なき田畑に集いし者たちは ずぶりずぶりと足から沼へ
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ふゆ風は 冷たき雪の 華咲かせ あしの奥底 まさに育たん
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またけふも蛹のままで蠢ひて蝶にもなれず蛾にもなれずに
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暁の寝覚めに鐘の音冴えて露は霜にや置き替はるらむ
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咳のときいつも一人だ そんなこと 子供の頃から分かっていたけど
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さてはこそ せねばならぬし 動かねば  この一本を ゆるり吸いなば
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ひむがしの空にぽっかり 三日月や 歌い踊り舞う 私はマリア
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痩せたんだが トリプルチョコのクロワッサン(ファミマル) まぁ食べた分 動けばいいさ
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降りますと ボタン押そうと した瞬間 誰かに押され 視線気にする
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さあ何処へ行くというのかベランダの毛布に雀前傾姿勢
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秋日和 梢に残る熟柿小鳥啄みしきりに唄う
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旅先で増えた目方が減らんけどそれも一つの旅のお土産
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夢を見る別れた嫁とその娘 アラームなんてかけなきゃ良かった
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おはようと空の部屋に響く声 迷子のように虚しく消える
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だんだんとみかんの味が変わってく季節も冬にだんだん変わる
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季語ありの俳句に七々足してみて短歌にするというタクラミ
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うたかたの 道に寝そべる しろ石は 幾年先も 他が褪せても
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