潮風とかけっこをした散歩道 桜散りゆく 3月下旬
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美酒なれば春の灯りに寿ぎの影揺れはじむ間集まつりの宴
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いつからか忙しい時の口ぐせよ気合で乗り切るという「悲哀」
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大根を煮たけど少し硬かった明日の昼と夜も食うのに
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一人寝る 広いベッドで 瞑想す つまんないだろな 妻亡き後は
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あのひとは 今頃何を する人ぞ ホーム画面に 赤丸探す
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あたためてようやく桜満開に二人で歩む哲学の道
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亡父ちち遺す『原野』に春は訪れて山桜咲く 些末を知らず
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手をはらいひとりで歩く甥孫や 動画に映る父の面影
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音もなく 月明かりのみ 照らす町 単車の音に 明かり灯る
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たつぷりと付箋のつひた課題図書読むとは向かひ合ふといふ日々
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告げよ春 この世は冬の幻と 河原の石売るほどのかひ無く(つげ義春逝く)
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ときめぐり 三たび春華に 出逢ひしも 君への想ひ いとも変わらじ
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駅前のパン屋で食べるメロンパン心を奪う甘ーいザラメ
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君に言う はずの言葉を 路地裏の ぬくぬく眠る 子猫に語る
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うっすらと紅粉べにをぼかして微笑めば枝垂桜の妖艶なるかな
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詠み歌の自費出版を夢みるも贈る相手がいないに気づき
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公園の 二股桜 咲き盛り ドッジボールの 球が飛び交う
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咲く花に添える薫りの香ばしい初々しさの萌ゆる葉桜
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カメラ持ち一人深夜のドライブで向かう先にはダイヤモンド富士
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ほんのりと東を照らす朝の日は飛び立つさぎの透ける羽色
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早くから武道で鍛えし同輩は幾つになるも頼もしく見え
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「なんにでもなれる」と言われたあの春の教室にまだ私だけ居る
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わかってる馬鹿馬鹿しいとは思っても強迫的な不安になるよ
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雨降る日 ラジオ体操 休みなり ほっとするやら 物足りぬやら
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飛梅とびうめの さくに結びし 『吉』神籤みくじ  『大』がつくまで 引いてみようか
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小説も映画もすべて吹っ飛ぶよ目の前の君これが現実
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風雨受け 手入れもしない 庭なのに 数年前と 余り変わらず
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目に花と人の集いを転写した絵手紙へ書く笑う春風
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物忌みの2日目耐えたご褒美に ファミマの増量チョコクレープを
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