眠れずに二時間いいえ三時間白い病室繭にはなれぬ
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鈴なりの黄色い果実が繋いでる乾いた土鍋に浮かぶ景色を
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女の子の数だけ店のあるやよし 立川ルミネにひとり彷徨ふ
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うわの空私笑いて膝の上落されたらしパインキャンディー
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人間が人間らしく楽しめた昭和を生きし果報を謝して
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高層のビルに群がる鴉らの上にあかねを帯びてくる雲
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朝4時に 起きられなくなり にゃんすたは 滞ってる 情報得るだけ
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帰省して笑顔の親が待っていた人手増えれば掃除捗り
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青白い画面が夢を叶えてくれるマッチのように携帯を擦る
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クヌルプは雪原のなか吐血して神に抱かれて微笑み死んだ
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お仕事を 納めた方が 増えるなか 私は残り 二日有ります
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伊達巻の作りかた知る余白かな正月料理をひとつなまびて
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年末を 仕事納めで 締め括り 来年もまた 良き年であれ
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優しさが信じ難いとなるほどの情の壊れし国となる冬
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胸病んで海にでる夢ばかり見る 舵ひとつ無い折り紙の舟で
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今頃は父はごきげんコップ酒 母はふきげん?お煮しめ煮てた
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あさっては きのふのやうな せうがつを むかへるらしき けふ、こつごもり
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はじけたり 小晦こつごもりは 突然に 嬉し悲しき 孫晦まごつごもり
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目標は「来年から」と逃げ腰でホントは今からやればいいのに
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またひとつ壇の隅に植える種 新種の夢に日の芽なくとも
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戦うな!勝てば賊軍 ほこの先 逃げて学べよ賢者の翼
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段ボール束を抱えてゴミに出す早起きするのも今年は終わり
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それぞれの窓の灯りにおのおのの年末在りて今年暮れゆく
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たいへんだ たまごが尽きた おそばには たまご不可欠 リストに入れる
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臆するな誰もが他人に興味無し だから背筋を伸ばし歩けよ
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ゆくとせに 友と語らう 遠き日の 思い出尽きず 酒は消えゆく
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寒そうだが ダウンコートが 見当たらぬ 赤のダッフルと マフラーでいっか/初詣の支度
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好きだから時間をかけてやわらかくふっくらくらと黒豆を煮る
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来年の干支は午年丙午ひのえうま八百屋お七よ今語られる
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子ども等と 今夜だけ 共に夜更かし 蕎麦をすすりつ カウントダウン/皆さま 良いお年を^^
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