細やかな雫に濡れる花びらの映す雲色ほのかに淡く
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雨やみて 窓に張りたる 花びらに とき儚きを 想ひ知るかな
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すこしだけ前を向いて歩いているリボン結びを教わってから
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ぐちゃぐちゃの豆腐顔して爆発だ 君だけにしか見せない自分
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ファンヒーターストーブが鳴いているので母さんの世話朝仕事3時間経ち
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春浅しサイドガラスで風に耐え羽を震わす蜂ひとつおり
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ゆっくりを瞬きをして慰めてくれるか照明店の黒猫
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先を行く きみの腰に揺れる水筒 共に歩きし あの日の野辺に花
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左右からライトの当たるキッチンに晒す吾の抱く影のさまざま
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爆笑で沸き出す脳の幸の波「は」が満ちて虚脱の吐息の僕ら
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「だめ」という言葉の数だけ撫でるから僕は夜色のただの猫だよ
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母さんが勝手に空に逃げぬようベッドに柵と番猫を置く
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雨の中 カアカアカアと 鳴くカラス その鋭き目 力みなぎる
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雪解より湧き立つ土の匂ひこそ生きてある日の切なき証
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勧誘に 問われて 光覇明宗です と真顔で答える 君に合わせる
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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象徴 北極星=ポラリスは 如何なる時も そこにある 場を失えば ただの風船
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春風に花酔い人の波よせて『焼きビール』てふ幟はためく
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しとしとと窓の雨粒眺めながらコーヒーを飲むお湯を沸かして
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朝方に 乳飲み子もぐる 我が布団 子の足ぬるし 春来たり
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咲くたびに庭のさんしゅうと歌ったそれは山茱萸ではないらしい今寝たきりの母さんが歌っていたな庭のさんしゅう/山椒とか
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詠み歌の自費出版を夢みるも贈る相手がいないに気づき
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普段なら歩きもしない堤防に我を誘ういざなう桜の力
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バス停前満開の桜実家から家に帰るわれ見送りぬ
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あの頃を妻と重ねる桜かな 腹ばいに駄々こねる子のいて
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5分間休憩中にコーラ飲む自転車旅の唯一の甘え
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お二人さん契り交わして記念樹となりし桜でいつも会えます
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風に舞う うす紅いろの 春の使者 はかなさ愛でる 花なればこそ
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咲く花に添える薫りの香ばしい初々しさの萌ゆる葉桜
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在りし日の 君が遺せし 言の葉に 生きるよすがを 見出で安らぐ
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