通勤の列車に揺られウトウトと船漕ぐ人の夢に幸あれ 
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啓蟄も 虫も見かけぬ この土地に 蔓延っている ショウジョウバエ ※温暖化と「土」や「緑地」の減少か?
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瑠璃や藍あかく咲けざる紫陽花に降る雨沁みて土染まりゆく
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明日といふ 日がなきことは 夢ならで 逝きて帰らぬ 君を悲しむ /挽歌
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友たちと 桜のもとに 集いしも なお淋しくて 夏、待ち侘びる
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おでこには冷却シート吾子を抱き加湿器の音 夜間診療
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一歩目で 水のたまり場 踏み抜いて みなもゆらめき 春のなきごえ
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春疾風はるはやて 工場こうば通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
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目覚めたら雨が降ってるああ花も終わりだなあとコーヒー入れる
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バンザイで新入生を迎え入れ白き花咲く梨の木々らは
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雨雲の浮かべる影をぼんやりと眺める日々の時は穏やか
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咲き初めしもっこうばらに風ひかる 髪梳くやうに水を遣るひと
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クレームを言わない親が割を食う春の嵐が吹くクラス替え
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「五分間」閉じ込めようか永遠にそう願うのは僕だけだった
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日に透けてやさしくそよぐ木々の葉は燦々として風に煌めく
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空き地には 虫も見かけぬ ご時世に 雀は知ってる その居場所
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リスタート、リセットにある「リ」の文字はどこかで過去を引きずる証
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春がいい 富士山がいい はながいい ゴルフなんかは そこそこでいい
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悩む時 心音「こころね」へ問う返る音の灯の霊掴み火影とすべし
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葉桜の 横にハナミズキ 「まかせて」と  次は私と 言わんばかりに
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いにしへのひじりむてふ春霞憂き世をよそに山にみちたり
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眠ってた 冷食ストック 呼び出して ランチのお供 赤玉ワイン
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竜宮に未練たらたら泳ぐ海 振り向き投げるキスが重くて
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息を吸い 負けを覚悟し 息を吐き 雌雄決する 戦の掟
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待ちて詠む 歌の花束渡す日の君の微笑み思う楽しさ 「詠み直しました」
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吾を恋し 人恋し故 吾を愛し 人を愛せて 永遠がたゆたふ
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花は散り 桜の珈琲淹れる朝 淡きにほいに 満たされていく
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「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
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本当にお別れだよと覚悟して はなの終わりにしとど降る雨
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ラジオ体操 二百回達成の 賞状は たかが一枚 されど嬉しき
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