15年 地獄で暮らす人がいる 上書きをして こんな傷など
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春浅き傘交う窓の縁なぞり雨垂れるまま君を待ちおり
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雲雀鳴く田舎電車の高校生 いっちょうまえに彼女連れをり
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山裾に 雲はたなびき 動かざり 買い物帰り バスから眺む
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お互いに 云いたいことをぶつけ合い 吐き出してもう赤の他人さ。
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戻りし寒 弥生の冷雨降り止まず 桜の開花 今日も足踏み
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霧のなか、光の粒をポケットに。夢の向こうも僕の生活
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あといくつ摘めば満つるや春の野に白紫の花かご匂う
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隠れ蓑羽織る数だけ身は軽く化身ふえゆき我も誰やら
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スーパーのチラシに家族が溶けていて私自身は何も見えない
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五円玉十円玉の幅きかす駄菓子選ぶや子らの王国
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痩せてから明るくなった先輩は、恋人なんか要らないと言う。
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みちのくは桃梅 桜同時咲く夕餉の仕度に紫の雲
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あの子なら起きているかも午前二時 いつもはしないお話しよう?
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ブランコにスタバの人魚とJKが口角上げてカメラ目線
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雨のあと 強風二日 咲き誇る 河津桜の 花のしぶとさ
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息子帰省 いそいそ始む ご飯作り われはやっぱり 甘き親かな
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WBC 生で試合観れずとも ドームの外で熱気分かち合う
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香りつき練り消しレジへ持って行くボールペンしか持ってないけど
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椿の森木陰の轍に雨は降り花が落ちれば波紋広がる
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彼岸には帰ってくるよと言いながらなすびの牛にまたがったパパ
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目をそむけ 知らないふりを したけれど じわじわ怖く なりゆく世界よ
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スーパーのいつもそこだけ品薄なぽっちゃり猫用フードの棚
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上の句も下の句ももう浮かばずに ただ時だけが浮かんで消える
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青き日のきおくに酒を注ぎ合ひ同い年しかゐない呑み会
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今すぐに持ち物検査して下さい机に憎悪がはみ出ています
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覚悟して 清水の舞台から 飛び降りて 買ったスカート 早く履きたい
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けれど吾の想像力はちっぽけでほらトマホークだよ、ジョン・レノン
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何の日か知らぬ筈なき今日なれど一言言わば当事者の日と
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色のない高校時代のアルバムに久住君あり「孤独のグルメ」の(実話なんです)
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