お砂場でただただ穴を掘る人の 明日の予定は仕事と歯医者
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ゴルフとか 楽器にキャンプ、 釣り、写生  いざ踏み出せぬは 時と金成
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出かけよう 冬のトンネル 抜けたら君と 「菜の花列車」揺られ春の旅
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ドアを押す音に何度も振り返る 丸テーブルを半分空けて
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揚がらない凧に集まる眼差しは僕ももらった母の眼差し
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弱者とは 強者に狩られ 私達 生きる世界の 切ない真理
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この世とば幸せものはうらめしいつまらないとな思う我が身が
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音が止む 聞こえないのに降る音がする 雪国育ち 雪が聞こえる
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曾孫ひいまごはバイバイと帰り行くママに抱かれてニコニコバイバイ
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「治るより首吊る方が早い」って その考えがまさに鬱だね
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やさしさは言葉じゃないね 頬撫でる春風のごと そっと寄り添うもの
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薄桃の花びら震わせ寒風の中 花開いたこと悔やむ寒桜
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新雪をちひさくあるき長靴を雪合戦のまへに取りゆく
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作詞家になりたい人は手を上げて「ハーイ英明エレジーばかり」
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都合のよい民意ばかりが宙をとび忖度政治ははじまっており
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奥さんと 冷戦中の 日曜に 空から雪の 仲介者
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「なんとかの小足」なるらし我なればひとつ靴にて君と歩まん
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磁気嵐 吹いて悪意を帯びたもの全てビビビッと壊してしまえ
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虐げる人の醜きプログラム直せぬ無能われは凡人
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逝きし人より託されし 会計のくすみ色したページをめくる
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サザエさん日曜にやる始まりでベランダに出て明日を語る
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春の水両手に汲んで冷たさを確かめてみる野の小川から
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我慢とかしなきゃよかったランドセル ギラギラピンクにしてみたかった
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借景もよく考えたいいねよりボツだっていい自分を詠う
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墜落か転落なのかだれもかも最期のときを知らずにとんで
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ひむがしに日はまたのぼり冴へ返るコンクリのうへメジロ目をとじ
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さあこれで何でもできる無敵だよ悲願が叶う今がその時/早く!早く!
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いつもとは 髪型違う 君の笑み 目に刻まれた マラソンの日
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仏頭にさき傷あり境内けいだいの庭の日陰に斑雪はだれ残れり
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立ち止まり 母の面影 探しおり 通りすがりし 梅鼠うめねずの色
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