Utakata
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松本直哉
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あさぼらけ比叡のやまにたつ霧のふかくぞひとを思ひそめてし
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あひ見てののちのおもひはすみれいろ日の出のまへのひさかたの空
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ツンドクをツンドラと読みまちがへてガリア戦記に雪のふりつむ
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天の川白しと言ひて仰ぎみつ手をたづさへて川わたるとき
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不可分のふたりなりけりかんづめの鰯のやうに身を寄せあつて
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もうすっかり秋なのですね江ノ電に待ち合はすれば日影のながく
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足ぬぐふそのくるぶしの白さゆゑねむれぬ夜をすぐしてけりな
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差しみづするやうにして息をつぐ逢瀬のまへの胸の高鳴り
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大切なものこそ目にはさやかなれこの目この肩このふくらはぎ
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くちづけは甘き陶酔蜜を吸ふみつばちににて飽くことのなき
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白鳥のゆくへ知らずもさびしさの果てなんくにへ飛び去りぬらむ
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置く露の消ぬべきものと知りながらなほなつかしき鬢のほつれ毛
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言ひかけたそのくちびるをくちびるでふさげば夜はすみれのにほひ
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希望とふ羽をもつ鳥たましひの奥処にありてひそかにうたふ
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半身をぬらしてきみの差し掛くる傘にはいれば世界はふたり
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来む世には雌雄同株の野の百合のすがたにてこそ生まれかはらめ
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をんなもすなる派手なルージュといふものををとこもしてみんとて したいな
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ほたる見にゆきませうよとさそひ来る洗ひ髪よりしづく垂りつつ
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たまきはる命なりけり売られゆくうるめいわしの眼は潤みたり
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野の百合の咲く花野こそ浄土なれ働きもせずつむぎもせずに
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スマートフォンかざしててらすぬばたまの闇の奥処にひかる猫の眼
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燃えつきて灰になるまで見まもりぬわかれし人の文を焼きつつ
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うながされ子らは帰りぬ夕暮れの砂場にのこるトンネルひとつ
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足おそき人にうまれて雨乞ひのダンスを踊る大会前夜
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二階より伝つておりる縄梯子この世の外のいづこなりとも
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いつまでも来ぬバスを待つをさなごを背負へば重し睡魔に負けて
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暗闇に慣るるまでの間ながかりき涼をもとめて
葦簀
(
よしず
)
の
庇
(
ひさし
)
2
ここが足ここが頭と助産師の触診の手のあたたかく撫づ
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反省の色は何色 全体に霞みがかつた夕空の青
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サンダルを素足に履いて子どもらのシャボン玉吹く夏は来にけり
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