松本直哉    フォロー 9 フォロワー 9 投稿数 335

手をつなぎなみうちぎはにおりるよるうちあげられたいるかさがしに 

あらざらむこの世のほかの花野にも咲きやしぬらむ曼珠沙華のはな 

言ひさしてふと口つぐむまなざしのひとみのおくのまさをなる海 

まきもせずつむぎもせずに遊ばましガリラヤの野の百合ならませば 

をりとりて髪にかざせる花ばなのいのちみじかき恋もするかな 

したもえに恋ひやわたらむすがわらや伏見のさとの伏し目のひとに 

あす知らぬいのちといへどさもあらばあれあきのなすびの塩麹漬け 

ながあめにぬれそぼつらむぬばたまの夜をこめてなくみみづくのこゑ 

あまのはら星星のみなもだすときさやけくひびくイズラフェルの琴 

見たくなきもの見ずにすむあたら夜や無月の雨のふりみふらずみ 

しめやかにあきさめのふる音すなりむかしのひとの夢よりさめて 

秋の田の穂のいろいまだあをけれどいとど待たるるこがねのみのり 

見しゆめのうつつならなむぬばたまのやみにきえいるヴィオロンのおと 

夢の世のうつせみのこゑとだえしてこずゑをわたるあきのまつかぜ 

夕されば草葉のかげに鳴く虫の心づくしの秋は来にけり 

はかなしな葦の入り江はゆめなれやあべのはるかす灰色のまち 

ちぎりてしそのことのはもうつろへばわくらばにおく秋の朝露 

絶えにけりひとよの夢をかぎりとて交野がはらにあきかぜのたつ 

きらきらとかけらかがやくかたまりの氷のこにて挽ききりゆけば 

うつせみのこゑもやうやくおとろへてくりかへし弾くワルトシュタイン 

しやせましせずやあらましまよふ間にはや夕ぐれとなりにけるかな 

野分あとふりさけみればあまの原くものかたちのあきにちかづく 

すきなものえだまめあさり冷や奴自己紹介のほほゑましけれ 

風をいたみなびきみだるる草の葉の寝乱れ髪のまなかひにたつ 

たぎつ瀬に逢合橋のなか絶えてぬれにぞぬれしわたるすべなみ 

ゆふぞらにはつかに見えし半月のおぼつかなくも思ふころかな 

搭乗者名簿のなまへカタカナによみあげられて熱帯夜更く 

誓ふなと主は言ひしゆゑ誓はずにともにくらしてはたとせあまり 

汚染水すてどころなき虫のこゑけものらのこゑうろくづのこゑ 

すずめ二羽みづあびをするにはたづみなつのをはりの夕立ちのあと