Utakata
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松本直哉
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身にまとふ香りのゆゑに知られけり名を秘すれども仮装舞踏会
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金色に銀杏色づくキャンパスの社会学科に空席ひとつ
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びっくりした?夜叉の恰好してみたよ 踊り明かそうハロウィンパーティ
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難波江のみじかき葦の節の間もねむらぬままに聞く虫の声
8
あのときのシュシュ借りたまま返せない 戻らぬひとを待てど暮らせど
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フォロー解除するにしのびず読みかえす十月末の最後のブログ
4
同心円ひきしぼりつつ鳶舞へば相模の海に秋は来ぬめり
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湯豆腐やいのちのはてのうすあかり利尻昆布は湯にをどりつつ
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試着室カーテンあけてにっこりと今夜のコーデこれでいきます
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行き暮れてあやめもわかぬ闇のなか金木犀の香のふいに立つ
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復唱のこゑくきやかに交換手オはオランダのオでございますね
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霧深き比叡の寺のともしびのたえざるごとくわがこころもゆ
6
雨女(自称)のひとと経めぐれば廃園にふる雨音しづか
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「あたたかくしておやすみください」告ぐる声猫のもどらぬ夜のしじまに
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ただありあけの月ののこれる独り寝を誰がためとてやまんじりとせぬ
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たへかねて鳴りいだすらむわが心うつろとなれば琴さながらに
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吹き消せばくらやみのなか手さぐりにさがしもとむるやはらかきもの
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漠としてとらへどころのなき夢のかけらをひとつ召しあがれ獏
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ぬばたまの闇につまびくアルペッジョものや思ふとひとのとふまで
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花も人も深くねむれる五月闇ふいにひとこゑほととぎす啼く
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さくさくと鋏の音の聞こえきて下を通れば青き香の立つ
12
思ひわび身はぬけ殻となりにけりひとすぢつづく初蟬のこゑ
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籠あけてかなりあ一羽ときはなつ 空たかく飛べ歌な忘れそ
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宙空にからだひねりしのちはただ落ちてゆくのみ夏の校庭
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あかねさす紫にほふぶどう酒を酌み交してぞ亡きひとしのぶ
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君かへす朝の鋪石すこしづつすりへらしゆく酸性の雨
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鐘つきて余韻の長くきゆるまでたたずみをれば木に鳥の啼く
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花も人も深くねむれる五月闇不意にひとこゑほととぎす啼く
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所有することのかなしみ 賭け金も尽きてたたずむ夢の切岸
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晩鐘のなりをはるまで腕のなかこの温もりを身にきざむため
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