翌桧旅人
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言の葉でいろいろなものに再接続できたらと思います。
たまにですが、勝手に連作詠んでいます。

初詠:2025.6.10

膨大な宇宙の隅の午後7時 はちきれ客車で吾すしとなる
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通知鳴る記憶あやしきリマインド 予定入れるを促すそれで
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柝の鳴りとばり上がるも引潮の 悲喜定まらぬ幕間の妙
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石畳 朝日に濡れて 煌めけり 旅のいまこそ 新しき路
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天竜の 眼に息を呑む もみじ描く かわゆき龍に 親バカ弾けて
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よみがえる 記憶のアカは パンドラの 鍵せぬ想い ともに浮かばせ
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言ったあと追いすがる影 味にがく封印の手は刹那忘れず
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初読みのライン満ちたる達成に封印の書そっと整う
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東京の火事と喧嘩のはな世相 騒がしやじ馬そよ江戸の風
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枝上より ひとを見下ろす鷹の目に飛び交う言の葉 獲物より多し
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90'sの 調べ風乗り返すごと 夏の色めく鮮やかなる日
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日輪の火先ほさきけし山手線 涼満ちたりしたまきの旅よ
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百首とは日常の中の矢じりなり放ちし言葉なお空を舞う / 百首通過。ありがとうございます
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グリーンヒル洒落がつかぬは江戸前よ夢よ醒めよと風の老木こぼく
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鼻寄せば紫煙のたたぬ新式の見えねばこその十色といろの匂い
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道楽の奥の目当ては心なり解き放たれて苦楽にあらず
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蒸し蒸しと のぼせた夜に やわらかな 薄月盃影うすづきはいえい 夜もほどけて
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うらぼんえ両岸のたま さとがえり街のぬけがら ひとひら寒し
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編まずとも紡げはよろし言の葉のこぶなりてこそ香りたつから
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久かたの語る道すじ芯見えてなどか不思議に背をこえたよう
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肩書きの鎧を脱いだ夏のよる涼風すずかぜこころに身もまたかるし
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東京はこの夏イチの不快なり苔むすよりもワタシ蒸されて
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易きかな令和仮面の世洗いはガンコ汚れをよそに放らば
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りょく深く日も遮りし等々力とどろきの現し世たゆたう勢田郷せたがやのウラ
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信濃の瀬うつる詩魂の不死鳥は あまねく宇宙そらに灯りし希い / 長岡
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猛き日の巨人くもは俄に日傘して皆の歩忘るるひとときのチル
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電柱の一本なぜか斜に構え きっと親友アイツの生まれ変わり
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流行も廃りも彼岸の風流は無邪気なるうたなど詠まじきか
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共感のすくなき個々のヘゲモニー虚ろな共棲ねりつく競争
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SHOHEIの勝負のあとの包む手に世界の父がヒーローとなる
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