翌桧旅人
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下手なりに言の葉でいろいろなものに再接続できたらと思います。
たまにですが、勝手に連作詠んでいます。狂歌っぽいニヒルもちょこちょこと。

初詠:2025.6.10

まっすぐに 切られし町を歩みゆき 曲がる心の 行き場なくなる
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あたらしき形の景色さざ波の 今日のお客と四杯のカップ
12
夢の中 朝のコーヒー知りながら一億杯をそそぎ続けん
12
門出の日いつも通りのドリップに明日からふたつ ふたつとつぶやく / 幸せに!
13
描かれた ふたりの色の銀盤は 紡ぎ合う糸 世界に放ちて
12
弱冠の ひとと呼びたるあすなろと 傾げる猪口の麗しき色
14
解答を導く指の震えさえ 八百万の拍手と思わん
13
気にしない 明日も歩く靴底に 八百万の運がついてる
15
廻らない回転ドアに力負け しばし個室で先に笑った
13
消しゴムの 角がまぶしい 今夜だな 努力はすでに 答案にいる
21
ありがとう 伝えたろうか あの時は いま伝えてるよ ありがとう
15
かえりみる父の霞は風に散り いま確かめし あしたの標
18
若干も人に成りたり歩みそむ おのが開きし 扉の幸あれ
16
風生まれ そら舞うたてがみ 技ならぬ業より出づる つよき足音
16
やすき世は箱入りものやかたぬきの 匂い立つなきあはれなりけり
15
白き息 冬田ひらけておろし風 し日の友よ いざ疾くませ
15
予報士がこの冬イチといった朝 マシュマロマンで暑しはずかし
13
内視鏡 ミミズのボスが腹のなか 白衣は平気に画像で威し
16
メタ認知 夜ごとめぐりて止め処なく「ああまたかよ」とインパスの沼
15
切っ先の鈍るおのれにムチを打ち その無知ムチをまた疑いし夜
12
人波の秋のよそいに巡らせん 思い思いは いろとりどりに
16
り織りし小さき布に息を吹く つよき点りよ 明日の名となれ
13
あすなろは夢みし明日の交差点 山動かすも思ひ初まなば
16
万国の喧騒遠くに流れつつ きょうの私は型の拾壱
14
読まれてもそうじゃなくても満たされぬ ひとり悶えの既読はじゃじゃ馬
17
いつもの豆 かわらぬ味の夜更けかな 深きやすらぎ灯にしみゆく
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時はいま あめが下しる神無月 高天たかまのなでしこ凛として咲く
19
ゆく風の流れは絶えず鴨の旅 きのうとちがう地図をつかみて
17
虫二なる静かな水に垂らす糸 風月無辺も腹は鳴るなり
13
浮かびゆく光のかたち 温もりの君の右手が 私のひと足
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