翌桧旅人
33
27
投稿数
168

下手なりに言の葉でいろいろなものに再接続できたらと思います。
たまにですが、勝手に連作詠んでいます。狂歌っぽいニヒルもちょこちょこと。

初詠:2025.6.10

品川の 水面にゆれる 舟の灯は いまもかわらぬ 明日のうたかた
12
言語化の このごろ流行る 世にありて はなより忘却 ことのなるを
10
轟々より 煌々と照らす 業なれと 五十五の夜 宝を前に
11
幹の人しげる緑を輝かせ 逸る新芽に力を与えん /長友へ
7
確かだと呼びし名さえも また揺れて目の端に煌めく我が逃げ星よ
12
​新人と重ねる日々の空もよう不惑の文字の遠く霞んで
12
めぐろの川 花筏みちて そよぐ東風 三々五々に 天の川へと
15
まっすぐな視線に射られ こころ知る 正すつもりが逆に糺され
12
外套を半肩ズルリ型きわむ艶愛嬌のこつも匂わず
12
若き色 劇的なるも かろき音 どこにあったか緑が丘よ
9
まっすぐに 切られし町を歩みゆき 曲がる心の 行き場なくなる
16
あたらしき形の景色さざ波の 今日のお客と四杯のカップ
12
夢の中 朝のコーヒー知りながら一億杯をそそぎ続けん
13
門出の日いつも通りのドリップに明日からふたつ ふたつとつぶやく / 幸せに!
13
描かれた ふたりの色の銀盤は 紡ぎ合う糸 世界に放ちて
12
弱冠の ひとと呼びたるあすなろと 傾げる猪口の麗しき色
13
解答を導く指の震えさえ 八百万の拍手と思わん
13
気にしない 明日も歩く靴底に 八百万の運がついてる
14
廻らない回転ドアに力負け しばし個室で先に笑った
13
消しゴムの 角がまぶしい 今夜だな 努力はすでに 答案にいる
20
ありがとう 伝えたろうか あの時は いま伝えてるよ ありがとう
15
かえりみる父の霞は風に散り いま確かめし あしたの標
18
若干も人に成りたり歩みそむ おのが開きし 扉の幸あれ
15
風生まれ そら舞うたてがみ 技ならぬ業より出づる つよき足音
16
やすき世は箱入りものやかたぬきの 匂い立つなきあはれなりけり
15
白き息 冬田ひらけておろし風 し日の友よ いざ疾くませ
15
予報士がこの冬イチといった朝 マシュマロマンで暑しはずかし
13
内視鏡 ミミズのボスが腹のなか 白衣は平気に画像で威し
15
メタ認知 夜ごとめぐりて止め処なく「ああまたかよ」とインパスの沼
14
切っ先の鈍るおのれにムチを打ち その無知ムチをまた疑いし夜
12