Utakata
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翌桧旅人
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下手なりに言の葉でいろいろなものに再接続できたらと思います。
たまにですが、勝手に連作詠んでいます。狂歌っぽいニヒルもちょこちょこと。
初詠:2025.6.10
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白き息 冬田ひらけておろし風
来
(
き
)
し日の友よ いま疾く
来
(
こ
)
ませ
12
予報士がこの冬イチといった朝 マシュマロマンで暑しはずかし
12
内視鏡 ミミズのボスが腹のなか 白衣は平気に画像で威し
14
メタ認知 夜ごとめぐりて止め処なく「ああまたかよ」とインパスの沼
13
切っ先の鈍るおのれに
鞭
(
ムチ
)
を打ち その
無知
(
ムチ
)
をまた疑いし夜
12
人波の秋の
装
(
よそ
)
いに巡らせん 思い思いは いろとりどりに
16
縒
(
よ
)
り織りし小さき布に息を吹く
靭
(
つよ
)
き点りよ 明日の名となれ
13
あすなろは夢みし明日の交差点 山動かすも思ひ初まなば
16
万国の喧騒遠くに流れつつ きょうの私は型の拾壱
14
読まれてもそうじゃなくても満たされぬ ひとり悶えの既読はじゃじゃ馬
15
いつもの豆 かわらぬ味の夜更けかな 深きやすらぎ灯にしみゆく
15
時はいま あめが下しる神無月
高天
(
たかま
)
のなでしこ凛として咲く
19
ゆく風の流れは絶えず鴨の旅 きのうとちがう地図をつかみて
16
虫二なる静かな水に垂らす糸 風月無辺も腹は鳴るなり
13
浮かびゆく光のかたち 温もりの君の右手が 私のひと足
12
見えぬ陽は クロスロードのそぞろ雨 留まる影をそっととかして
14
風ひとすじ 芽を撫でてゆく夕まぐれ 明日を知らぬやさしさのあり
18
本邦初 それだけでまずええじゃない鉄のなでしこサッチャン首相 (そしてお手並み拝見)
9
天下楼ひとり立ちたる心の
灯
(
ひ
)
薪にくべるは地球儀なるか
10
帰り道 街の
灯
(
ひ
)
ぽつり うなずいて 今日もおつかれ 風が言う声
21
暮れ早し遅番の駅 ねむたげに
灯
(
あかり
)
であいさつ チカチカチチッカ
15
画達
(
えかき
)
らの筆の捌きの さありたし
細
(
こま
)
やも
豪
(
えら
)
く惑うなき線
15
蒼穹に
角隠し
(
つのかくし
)
映ゆ住吉は 沁みる
篳篥
(
ひちりき
)
残夏の空に
20
天下楼ひとり立ちたる太閤に大地ひらける空のはてまで
18
邂逅は常なる内の
泡沫
(
うたかた
)
に ひそやかな
色彩
(
いろ
)
耳目澄ませば
12
浮世には 美魔なるキノコ 多かりし イマダケカネダケ ジブンダケなり
12
彼岸にも墓にもをらねど 語りかけるる 千の風 ほらねそこにも
18
ブランニュー廻る
物語
(
ナラティブ
)
並びゆく 指呼や無限やシュレーディンガーに似て
9
珈琲も空も薄めのブレンドで たしかに匂う風の秋色
21
蝉しぐれ残響とどめて耳の奥 雲議長をり閉廷の声
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