マンモス
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懐メロと妻子と友と時事ネタと仕事と酒と少しの孤独

お向かいは来客多い三世帯ツクツクボウシも立ち寄りて鳴く
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早く寝て早く起きるをくりかえし気づけば午前三時に会社
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わかれまでいっしょうけんめい話す子の横顔のさきの柱時計は
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生穂村妻に許可とり出遅れて恨みにおもふ箱の小ささ
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格安の歌人講演生穂村倍払つても行きたし穂村
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ひとつきを言葉に憧がれ生きむとす来月穂村弘来県
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くどくどと云いし隣人カウンター出されたものは全部食ふべし
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圧力のことば貼りつくわが父に後期高齢者といふラベル
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夕餉あと子だけで過ごす時間ふえ散歩はじめる妻伴ひて
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肉体は乗り換えられぬ乗り物でオーバーホールかカスタマイズで
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隙間にて腹がつかえて動けない壁破壊して夢から覚める
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少数の与党党内野党では意思まとまらずやぶれ去る秋
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真夜中の窓をうつ風秋空と鈴懸の葉をのこし去りゆく
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独裁者集ひて笑ふ八十年経つても覚めぬ戦勝気分
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憶測で長めの蛇は龍となり尋問受けて咎人とがにんとなり
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てつくらと吾子はひとりでやつて来て手を振り去つてランドセル揺れ
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進路など止まれば話す自転車の女子高生は一陣の風
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蜂の巣を探す校長日傘さし見つからなくて旗振りに帰す
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ピアニカや絵の具持ちた子多くあり二学期三日目の朝送る
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朝の庭長めの蛇が踊りうねりグレーチングの隙間へ消ゆる
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鏡像のをのこ見返す鮮血の朝の買い置き歯ブラシ大き
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ママ友は友だちじゃない嚙み合わぬ妻のいらだち噛みしめて寝る
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しっぽ立て猫は一匹東ゆく二学期はじまる朝を迎へに
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おもひでの燕三条中華そば夏ふりかえるカウンターにて
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月末の締めの最中友旅行グルメ調べてこころ富山へ
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となり町九月上旬夏祭り我が町下旬秋祭りなり
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お金とは感謝の見える化、数値化で何も持たずに人は生まれた
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マンキーと言へばモンキー言ひ返し四度目で君マンキーものにす
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昼日中とどむ三十八度線朝な夕なに虫は鳴ひても
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先週はきみと歌ったスナックのテナントで食う朝のラーメン
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