マンモス
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懐メロと妻子と友と時事ネタと仕事と酒と少しの孤独

満席の波間のさきの厨房の友は手で×(ばつ)我をみとめて
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「たらい舟乗ったの?」ときく旗振りや『I❤(ラブ)佐渡』のTシャツの子に
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吊り橋のようにはじまる新学期そろりと起こしそっと見送る
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ぐるり森カード目当ての子どもらのゴールは同じ迷路でちがう
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闇市の孤児にチョコやる米兵のようにエサやる漆黒の鯉に
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脇役が主役を喰らうドラマあり三十一文字の一、二個の助詞
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助詞という視点で歌をたどる暮れ河野裕子が石を蹴る橋
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フリーパス手首につよく巻きすぎた我と泣く子が開園を待つ
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恋のうた遺せし人はうらやまし壮年期とは夕凪のまえ
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お焚き上げのつもりで恥をかく日記助詞をぜんぜん分かっていない
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いま何合目まで登ったか人生はのぼりしかない山の頂
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これからは別れをおおく知るだろう季節は巡り秋の風ふく
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高齢と病気、跡継ぎ→廃業を決めし梨屋のさいごの甘さ
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キン肉マン超人強度の設定のあまさをわらう竹馬の友と
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八月の塩の浮きでた作業帽洗い時かと虫の声きく
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歌人追って結社誌たどる夏未明三時三十三分を指し
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友だちを呼び捨てで呼ぶ母親に吾子は「やめてほしい」と車中
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ゲームする子から「ラグい」を教わりてナウなヤングに死語を教える
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長い長いメールを母は我に書き寝苦しき夜が明けて送りぬ
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鍋をふり「また来週」と友は云う青山椒の涼しきしびれ
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麻婆の「顔にあばたがある妻」の語源におののき蓮華を入れる
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概念は豆腐のごとくホロホロとくずす海老イカ浅利がおよぐ
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麻婆の概念かえる週替わりランチは一期一会のであい
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海鮮塩麻婆豆腐が気になって二日つづけて行く友の店
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よろこんでいいのか米価たつぷりと用水路には真水ながれる
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助手席に梨二袋センサーがダレカイルヨと促すベルト
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後輩になるかもしれぬ男子(こ)の分を纏めて払う女子の颯爽
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敗戦日悲劇のかずをつみ重ね人は忘れるかなしいくらい
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空襲を『紙の砦』は耐えぬいて手塚治虫の不戦の誓い
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それぞれの悩みは多く我が日々を矮小化して笑いて去りぬ
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