まんまるだんご
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抗がん八年記録挑戦中、
Utakataに救われ

病院の陽だまりに咲く言葉たちケーキ三つにメリクリの午後
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厩戸の皇子の伝説影薄くイエスの生まれに似せて語らる
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戦地にも聖夜の灯りひそやかに涙の影の子らの笑顔よ
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十字架クルス抱く「お春」の影の沁む石のオランダ坂に鐘の音哀し
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かぼちゃ煮の焦げる間際の妻の技 湯気の向こうに冬至は更けぬ
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野球子の夢を育む母たちは落ち葉を寄せて想いを焚きぬ
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縄文の人も食いけむ栃餅や土器のまわりに笑みのあふれり
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初甥の祝いに寄りて宝塚 冷めた街ぬけ雪の華舞う / 雪組真帆志ぶきさん
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の腹のたぎるマグマは鎮まりて妻は茶を飲む暁の空
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救急の惨事を告げばデイケアの瞳の奥に涙の光り
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目をこすりもじゃもじゃ髪のおばさんはググれば名医 明けの明星 / ミスで再掲
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の腹のうだる痛みに凛と立つ妻は修羅場の花の神なり
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しゃきしゃきの玉葱噛るつわものは毒に倒れて夢にさまよう / 玉葱中毒?
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闇を抜け救急患者の呼ぶ声に仮眠の女医は夢を払いぬ
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病みあがりリハビリジムの笑顔にも立てば千鳥の震える枯野
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腹を押す医師の温もり身に沁みて眠りに落つる冬ざれの夜
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冬の夜救急に立つ半袖の温きナースのみ手にゆだねる
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闇を抜けたどり着きしや病院の灯りのすくう砂金のいのち / おかげさま、落ち着きました
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急患の我乗せ闇裂くハンドルに娘の手あり初の高速
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黄金の花梨をぎし指先に可憐な花の面影を追ふ
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三十路みそじにて天に召されし君の子の訃報に嗚咽の涙が滲む
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去る人の残り香宿る年の瀬に白きサツキの帰り花咲く
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トラトラトラ熱狂に酔う暗号に 「血沸き肉躍る」 主婦の日記
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赤い実を食べずに鳴ける鳥あれば夢の共生ユートピアの庭 / マンリョウ四株
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ニイタカヤマノボレといふ暗号が真珠湾へと血潮たぎらす
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どんぐりのわらべとあそぶ夢を蹴る路傍にころぶ通勤の道
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冬日にも映える黄金の銀杏樹の高き梢に十六夜いざよいの月
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川を掘り緑芽吹かす信の星 砂漠照らせり銀河の光り / 故中村哲氏七回忌
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生かされて流れのままに赤い葉は泡沫Utakataに棲み夢を浮かべる
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朝日さす障子にそよぐ姫沙羅の影絵の季節ときはひらり舞ひゆく
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