まんまるだんご
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抗がん八年記録挑戦中、
Utakataに救われ

新米を食らふ悦び奪はれし古米をあさる瑞穂の国よ
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安眠を襲う夜中のイカズチに目蓋の重き笑顔がゆがむ
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不安げな爺を残して孫二十歳はたちうさぎのバッグ飛び跳ねて行く
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今一度名月見たし黎明に雨戸開ければ雲に虫の音
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名月に虫も魅せられさやけしに同じ月見る人を思へり
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虫の音の静寂の朝に工場の鉄音てつね弾ける今日が始まる
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父の背につかまるわらべ風になるバイクが叫ぶ「オシリガイタイ」
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炎天の芙蓉の白は招きをり見つめし花は日焼けの泣き顔
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通院の我を待ち居る虫の音の清けし音色に灯りを消しぬ
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自分史をまとめるほどの道でなし証になるや泡沫のうた
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久々の雨は泪の形して渇く心に涙戻りぬ
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母のこぐ自転車うしろ幌の中 小さな手伸び風と遊びぬ
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炎天に萎るる鉢のひまわりを樹下に移せば百日紅の空
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長月の朝の道にも業火待つ狸の背中焼かれるやふな
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飛び立ちて鳴き声止みし時の間にヒヨドリ襲う蝉の逝く空
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花がらを摘みて供養す朝顔や一日ひとひのいのちけふを充ちをり
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公園の木陰のベンチに赤き葉のふたつを伴に秋を思ひぬ
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炎天にミニひまわりは萎れ咲く輝き薄くも我が子と思う
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ブラウスの白の眩しきOLは日傘の中に顔しかめ行く
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涼求めくすのきの下見上げれば繁る木の間にまほろばの蒼
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朝顔の萎れし花を摘む朝に蝶舞うごとし夢のきのうは
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庭プール夏日を浴びるカッパの子 水鉄砲で戦う平和
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炎天に夏草を刈る益荒男よ機械と蝉が競う雄叫び
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舌鼓満ち足り杖と炎天へ駆け入る童ドアあけどうぞ
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夏の朝 自転車ひやり幼子を見守る母に蝉の声援
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グランドに熱き球児の声は消え カラスが一羽 涼む風の音
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病院の車椅子やめ杖と行く廊下の奥に海の広がる
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ミンミンとカナカナ蝉の合唱が消される街路みちに酷暑の哄笑
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病院の前にペチュニアうす桃の思いにゆれる秋風の朝
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受付にパンダを握る小さな手 百日紅咲くガンセンの夏
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