まんまるだんご
103
114
投稿数
803

抗がん剤治療とリハビリ七年目Utakataに救われ

寿ぎの黄の万両の種を蒔く 小さな幸の青い芽いづるや
27
朝六時下弦の月が不安げに抗癌の日に付き添いて来る
45
ステッキと着ぶくれ達磨の長き影 チャプリンまねて冬がふーわり
26
花のない庭にまぶしき甘夏や酸甘の美味いのちの満ちる
27
おだやかな大寒おなり雪解けのふたりで揚げるコロッケ踊る
22
冬寒の庭に隠れて一輪の椿の赤き思いこぼれる 
23
抗癌は二週間の風車 三日を臥せば千鳥が歩く
27
リハジムのビンゴに燃える千鳥たちあな一番やの芽吹く運
16
鎮魂のトランペットの音のひびく神戸は寄りそう悲しみ灯し 
34
神様にすがる思いも末吉に 伸びしろありよと看護師は笑む
28
万両の赤の寿ぐ正月も今日は薮入り防鳥網とく
20
龍角散含んで咳き込み吹き出した星のバッグに粉雪のふる \ ドジオの昔話
21
孤高なる月に吠えるや病む犬のこころなぐさむ清けし満月
33
あかね雲二十歳はたちの夢のせふんわりと余韻を照らす待宵の月
34
平安の姫のやうなる振り袖の成人の姫スマホ見ており
22
リハビリをスルーしたい日数あれど皆勤賞は光る妻への
16
Utakata猫うたねこに魅せられ猫のカレンダーまーるい目で見る吾の歩む日
17
元日が命日になる地獄絵を悲しむ地蔵や能登に雪ふる
37
さよならの思いの膨らむぼたん雪 つららは天のもらい涙の \ 青春
23
野球の子声張り上げて初練は逃げる吾への警策となり
19
すずしろの庭に生きる葉一草ひとくさの粥をすするや春の香りの
41
冬枯れの空いっぱいに柿の赤 新年祝う小鳥の宴
27
鴨泳ぐ初日はつひの映るせせらぎの 時凍る夕べ 能登に黙祷
32
青春の最中の孫の輝いた賀状におもう手をつないだ日
26
道端の猫じゃらし揺れる夕べには思い浮かべるUtakataの猫
22
あたらしき年にもあらむ難き日も いのちを紡ぐ野の花のやうに
32
初春はるうらら駅伝海辺をひた走る病室に満つ湘南の風
29
初春の感謝の祈りささげつつ安寧願ううららの空の
31
ふるさとの正月届く栃餅と「侘び寂び」の味 渋いめでたい \ みなさまのめでたい正月をお祈りします
28
「悪い子はいねえがー」に縮こまるなまはげ叱る罪のいくつも \ 除夜の鐘に清めむ 良いお年を
28