まんまるだんご
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抗がん八年記録挑戦中、
Utakataに救われ

山里に神戸の海の風吹かせ姉の土産はハイカラのシャツ / 忘却の淵に光れり
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母眠るふるさと遠し盂蘭盆会 墓参せぬまま疼く闇の夜
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子を残し不惑の年に友は逝く 力の萎えし 盆がまたくる
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ご褒美に妻とデートは束の間のロミ·ジュリ気分 ジェラート涼し
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慈雨降ると悦ぶ精霊雨なれど荒ぶる雨に呑まれゆく肥後 / 哀悼と鎮静祈りつつ
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愛犬の遠吠え聞こゆ雨音に君は逝きけり看取れぬままに
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日々にちにちのうたを紐解く楽しみを奪う病魔とナガサキを観る
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雨戸あく朝の光に赤青の一日ひとひのいのち紡ぐ朝顔
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裏方に冷たき視線のMC の説くヒロシマに蝉しきりなり / 平和公園ロケ裏方体験記
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物高く楽しみ削る慎ましき君の弾むはあさがおの朝
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アガペーの御空に光る十字星 導きあるに煩悩の闇
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雄風に虫と木の実の降るなかにプリマの如く鶺鴒せきれいは舞う
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断食で核に抗議のおう掲ぐ原水禁の御旗がゆらぐ / 故森滝市郎翁
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被爆者の祈りに辛苦のさらにますノーベル賞にも嘆く鐘の音
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飛び込みぬ阿鼻叫喚の熱き川 今水涼し祈り流るる
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擁壁の魂のこる空蝉を触れば指に虚ろのする
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雄風ゆうふうに揺れる一日ひとひの白木槿ムクゲ 痛みをゆらす純白のまま
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空めがけ逆上がりの子 鉄棒の上で茜の雲に染まりぬ
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知床の店の路上に繋がれた子熊を照らす永久とわの夕焼け
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亡母ははの香の満ちる空き家の月見草背伸びして待つ灯篭の灯り
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公園のビューティーコンは百日紅 夏の舞台で空に燃え立つ
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スニーカー裏の赤見ゆリズムにも日傘に隠す翳りをつれて
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ドジ爺はあわてんぼうよレジのあと惣菜こぼす泣きべそ隠す
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夏の朝道辺にそよぐ猫じゃらし雀のこども風と揺らせり
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くすのきの二本を額の縁にして丹沢の峰あざやかに夏
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きのうより五センチ高い朝顔の伸びゆく夏へ水をやりけり
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わらべにはお化けと見ゆる夜の木はオーラあふるるくねる老松
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歌人の深い洞察待ちをるは関税下げの駆け引きの裏
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吹く風で舵取り選ぶ危うさよ 考える葦の矜持はいずこ
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自転車で知らない街へ漕ぐ子らは遥かな雲と未知へ風切る / 北海道一周
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