まんまるだんご
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抗がん剤治療とリハビリ七年目Utakataに救われ

母の味赤かれいの身プリプリの東京にない雪ふるさとの
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森友の文書開示の判決に非業の冥土に正義はためく
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えっ「閣下」苔むす国のおさが言う諂うにおい暴君トラへ
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春立ちぬ紅梅の芽のふくらむもつぼみの頬を寒風の刺す
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ストーブにふたり手の皺しみじみと年輪刻む五十の年月
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禅のあと落ち葉を掃きし山寺の凍つる川辺のせせらぎの音
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東雲のうす紅さして白き富士 あなたに会えた癌もほっこり
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朝まだきUtakata開けて会う歌よ抗癌渋るこころまーるく
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凍てる地に春のつぼみは迷いつつ首すじ震え桜草咲く
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智恵子ちえさんのほんとうの空福島は遠き未来へ雪道たどる \ 智恵子抄番外
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忘れられ裏庭に咲く冬薔薇のピンクの花に氷雨の降れり
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柊に煮干しをむすび軒下に鬼のわめくや涙の氷雨 \ 柊鰯の代わり
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寝不足の朝はおはよう言わぬまま冴えた宙の鱗雲見る
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コーヒーの湯気の溶けゆくガラス戸に雪が斜めにいのちねむらせ
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さびしきはやさしいことばのかけらさへかけずに暮れる渇く冬の夜
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淡緑のさくら草に紅の芽のみどり児照れる冬残る日に
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下を向く吾を諭すはカレンダーの猫の目まるく明日を見ている
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さまよいてUtakata見れば温もりの短歌うたを懐炉に寒き旅路の \ 元気をいただき今日から歩きます
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年輪をかぞえてとこで誕生日 小豆の粥であすを歩まむ
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寿ぎの黄の万両の種を蒔く 小さな幸の青い芽いづるや
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朝六時下弦の月が不安げに抗癌の日に付き添いて来る
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ステッキと着ぶくれ達磨の長き影 チャプリンまねて冬がふーわり
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花のない庭にまぶしき甘夏や酸甘の美味いのちの満ちる
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おだやかな大寒おなり雪解けのふたりで揚げるコロッケ踊る
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冬寒の庭に隠れて一輪の椿の赤き思いこぼれる 
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抗癌は二週間の風車 三日を臥せば千鳥が歩く
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リハジムのビンゴに燃える千鳥たちあな一番やの芽吹く運
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鎮魂のトランペットの音のひびく神戸は寄りそう悲しみ灯し 
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神様にすがる思いも末吉に 伸びしろありよと看護師は笑む
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万両の赤の寿ぐ正月も今日は薮入り防鳥網とく
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