まんまるだんご
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抗がん剤治療とリハビリ七年目Utakataに救われ

冴えかえる桃の節句に雪舞えば言の葉凍えとこに潜りぬ
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荒れにける庭の紅白梅の香を主人あるじのもとへそよ吹け風よ
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恋う鴨の旅立つ前の水面には二羽で名残の線を弾きけり
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梅林のふわふわ春の香の舞へば見渡す富士も霞みほろ酔う
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母遠く在りし日を知る梅の木や切られ砂利庭 残り香もなく
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友よりの別れを惜しむ紫のうつむく花はクリスマスローズ
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低音のジャズピアノのコーヒーと夜の闇溶かす朝が安らぐ
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シジュウカラ梅の香匂う庭の木につがいのさえずる清けきあした
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Utakataにいつもの人の見あたらずつつがなきやの曇りの一日ひとひ
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丹沢の春立つ里にも雪ふわり紅梅震え耐えて夢見る
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ひとひらの雪が舞いくる公園の人っ子いないブランコふたつ
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白雪にうす紅さして富士の山 癌も染まりぬ刹那の美かな
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薄紅の王女のごとき富士の山魅せられし君癌の貴公子
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ポンコツもいのちを運ぶ愛車なり通院帰りにエンストかな
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十郎の恋人「虎」の想い秘め曽我の紅梅涙しだれる \ 曽我梅林に氷雨ふる
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鳥たちの宴となりし柿の木の赤い実消えぬ裸の古木 \ ご免なさい 再掲です
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道すがら荒れた庭にも水仙の家人の病むやうつむき咲きぬ
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ごみ置場整え小さなボランティア黄の水仙が吾を見ている
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暗雲の立ちこめる朝出陣の受験の幸を祈り梅咲く
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コーヒーの湯気のゆらめく壁見ればムシカ聞いてる一輪の花 \ 音楽喫茶ムシカにて
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母の味赤かれいの身プリプリの東京にない雪ふるさとの
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森友の文書開示の判決に非業の冥土に正義はためく
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えっ「閣下」苔むす国のおさが言う諂うにおい暴君トラへ
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春立ちぬ紅梅の芽のふくらむもつぼみの頬を寒風の刺す
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ストーブにふたり手の皺しみじみと年輪刻む五十の年月
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禅のあと落ち葉を掃きし山寺の凍つる川辺のせせらぎの音
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東雲のうす紅さして白き富士 あなたに会えた癌もほっこり
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朝まだきUtakata開けて会う歌よ抗癌渋るこころまーるく
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凍てる地に春のつぼみは迷いつつ首すじ震え桜草咲く
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智恵子ちえさんのほんとうの空福島は遠き未来へ雪道たどる \ 智恵子抄番外
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